——学園の地下にあるメカニカルウィッチ学園第七スタジアム『天空城』にて。
急遽決まったエキシビジョンマッチをする為、メカニカルウィッチ学園の第七スタジアムと第八スタジアムを、救急メンテナンスと言う体で貸し切ることになった。
その結果、元々入っていた学園リーグ戦の予定を一部変更させることになってしまった。本当に申し訳ない。
ちなみに、今回は御霊とプルートを除き、前回のエキシビジョンマッチと同じメンバー、同じバトルフィールドだが、観客の生徒たちはいなかった。
いわゆる非公式戦で、何でも美月たちも以前、輝たち相手に似た様なことをしたことがあるらしい。
そんな訳で、『天空城』のバトルフィールドに、スカイウラノス、それから、トゥインクルマーズとサーガマーキュリーとドリームジュピターとロイヤルヴィーナス、そして、『カロンプルート』が立っていた。
御霊とプルート、御影とカロンの四人の機体であるカロンプルートは、ベースの部分は元のゴーストプルートのままだが、新たなにシャドウカロンを元に作ったサポートメカの『カロンユニット』をバックパックに装備していた。
しかし、魔石を搭載していない一般的なサポートメカとは違って、カロンユニットには元のシャドウカロンの魔石が搭載されており、実質的に一機で二機分の魔石を搭載していた。まあ、それはトゥインクルユニットとサーガユニットとドリームユニットとロイヤルユニットも同じなのだが……。
ちなみに、御影たちはカロンユニットの魔石の方にいるらしい。
それから、今回のバトルフィールドの『天空城』は、城のある中央の浮島と、周辺のいくつもの小さな浮島が反重力によぬて空中に浮かんでおり、必然的に飛行魔法などの難しい魔法が使える上級者向けのステージになっていた。
そして、全員の準備が整ったことで、麗とウラノスがバトルの開始を宣言した。
『良し! 皆準備は良いな! 悪いが、皆が自分の身を自分で守れるか試す以上、手加減なしで本気で行くからな!』
『せいぜい足掻きやがれよ! バトルスタート!』
バトル開始の合図と共に、中央の浮島にある城の城門の前にいるスカイウラノスが飛び出して来た。
早い……!やっぱりいつもとは動きが違う……!
今回のバトルは、いつものスーパーウィッチバトルとは違って、実戦を想定して機体のリミッターを解除して行うことになっていた。勿論、安全面には最大限に配慮するが……。
そんな訳で、トゥインクルマーズとサーガマーキュリーとドリームジュピターとロイヤルヴィーナスの四機は、以前サターンの契約魔法により得た力と、本体とサポートメカに搭載された二つの魔石の力を合わせることで、いつも以上の出力を得ていた。
カロンプルートも似た様な原理だ。ただこっちは、御霊が独自に弄ったと言う魔石を二つ搭載し、その力を重ね合わせることで、見るからにヤバい出力を得ていた。流石はあの明日斗博士と並ぶ天才だ……。
その一方で、スカイウラノスは国から支給された最上位モデルの魔石のリミッターを解除しているだけで、相対的にはこの中では一番出力が劣っていたが、そんなものは関係ない動きをしていた。
機体のスペックで言えば、アース博士から譲り受けたサポートメカもあるので、こちらが上かもしれないが、純粋な技量は麗たちの方が圧倒的に格上だ。
だから、最初から全力で行く……!
「
「ええ、焔君! お姉ちゃんに任せなさい!」
「「——シンクロゾーン!」」
焔とマーズは、煌めきな強さを持つ麗とウラノスと言う目の前に立ち塞がる大きな壁を一緒に乗り越える為に、シンクロゾンを発動させた。
シンクロ率が百パーセントのその先へと至ったことで、人間である焔の赤い瞳にもらマーズの紫の瞳の色が混じり合った。
文字通り、二人で一つの存在となり、一心同体、人機一体となった。
さらに……!
『『『——シンクロゾーン!』』』
冬馬とマーキュリー、小春とジュピター、輝とヴィーナス、御霊とプルート、御影とカロンの面々もシンクロゾーンを発動させた。
「さあ、行くよ! 麗兄ちゃん!」
『私ちゃんたちもこの前のリベンジをさせて貰いますよ!』
『現在のチャンピオンバディの強さ……体験させて貰おうか!』
『『『『完全変形!
先陣を切ったのはトゥインクルマーズとカロンプルートの二機だ。
カロンプルートはゴーストマルチドローンを全身に身に纏い、さらにカロンユニットの四つの巨大なブースターを手足に合体させて延長させることで、異形の姿へと完全変形した。
「マジカルスキル! 幻影の炎!
さらに、トゥインクルマーズも炎の影分身を、実体を持った分身へと生まれ変わらせると、マーズブラッドムーンを依代に、三日月の様な形をした巨大な星の鎌を作り出しながら突撃した。
『さあ、来い!』
『この俺様たちを超えて見せやがれ!』
それに対し、スカイウラノスはスカイライフルとスカイナイフを合体させたスカイガンソードを作り出し、両手に装備し、迎え撃って来た。
近接攻撃を仕掛けるトゥインクルマーズとカロンプルートを受け流し、同時に離れた場所にいるサーガマーキュリーとドリームジュピターとロイヤルヴィーナスをビームで牽制する。
シンクロゾーンを発動させた五機を同時に開いて取れるなんて……流石はチャンピオンバディだ……!
そんな中、カロンプルートがスカイウラノスの左手のスカイガンソードを弾き飛ばすが……。
『『マジカルスキル! ウラノスバリア!』』
スカイウラノスは直ぐにスカイランスとスカイスフィアを合体させてスカイロッドを作り出すと、周囲に青いバリアを生成した。
マジカルシールド三重並の強度を持つ鉄壁の守りの前では、焔たちの合体マジカルスキルですら通りずらい。それなら……。
「冬馬! 小春!」
「マーキュリー! ジュピター!」
『『『『分かった!』』』』
『『『『「「合体連携マジカルスキル! トライスターバースト!」」』』』』
トゥインクルマーズとサーガマーキュリーとドリームジュピターの三機は、火と水と木の三つの力が融合した、赤と青と緑の三色が混じり合った巨大な光を飛ばした。
『ぐっ!?』
『流石にこれは防ぎ切れねぇ!?』
幼馴染の三人の絆が、スカイウラノスの防御を打ち崩し、機体にダメージを与えた。
前回は一度でも明確なダメージを与えたら勝ちという条件ですら負けたが、今回はダメージを与えることができていた。
……とは言え、今回はそれだけではダメで。勝たなければ認めて貰えないのだが……。
「「マジカルスキル! 爆炎の盾!
トゥインクルマーズは炎の盾と火の魔力が込められたビームを合体させた、爆炎を纏った巨大なビームの剣を生み出して、体勢を崩したスカイウラノスへと切り掛かった。
『甘いぜ!』
『ああ! このまますんなり勝てると思うなよ!』
『『マジカルスキル! ウラノスブースト!』』
それに対し、スカイウラノスは二本のスカイブレードを合体させてスカイボウを作り出すと、必殺技並の威力に引き上げて、さらに三倍の威力にした攻撃を放って来た。
「くっ!?」
「やっぱり三倍の威力がデフォルトのせいで、とんでもない威力になっているわね!」
それにより、今度はこっちの合体マジカルスキルが破られ、ダメージを受けてしまった。
さらに……。
『まだまだ行くぜ!』
『オラオラ!』
『『マジカルスキル! ウラノスドローン!』』
スカイウラノスは両肩の盾や腰部のコンテナ、さらに背部のバックパックなどの機体の各部に装備した、大量のスカイウェポンを展開すると、魔法でドローン武器の様に操って突撃させて来た。
凄い物量だ……!
「マーズ姉ちゃん!」
「分かっているわ、焔君!」
「「マジカルスキル! マーズファイア!
それに対し、トゥインクルマーズは三種類の炎が合体した、太陽の如き赤い月を生み出すことで対抗した。
『『マジカルスキル! マーキュリーウルフハント!』』
『『マジカルスキル! ジュピターゴーレムサモン!』』
『『マジカルスキル! ヴィーナスノーブルゲート!』』
『『『『マジカルスキル! プルートゴーストブラスター!』』』』
さらに、他の機体たちも、それぞれの魔法を発動させることで、その攻撃を凌ぎ切った。
さらに……。
『『『『完全変形!
カロンプルートは潜水艦の姿に完全変形すると、陰に潜ることでそのまま反撃を仕掛けた。
『援護します! ヴィーナス!』
『はい、マスター……! ロイヤルマルチウィング発射……!』
さらに、ロイヤルヴィーナスも四機のドローン武器を発射し、簡易的な機体に簡易変形させることで、そのサポートをした。
『良い連携だが……!』
『俺様たちには届かないぜ!』
しかし、スカイウラノスは回収した武器を次々に持ち替えては、それに対処していった。
『『『『マジカルスキル! カロンブレード!』』』』
『おっと危ねえ!』
カロンプルートが不意打ち気味に足元から影の刃を生成しても、それをあっさりと回避してしまう。
『さあて、まだまだギアを上げて行くぜ!』
『オラオラ! お前らも着いて来いよ!』
『『マジカルスキル! ウラノススカイウィング!』』
さらに、スカイウラノスは背中に、暴力的なまでの魔力量を誇る巨大な光の翼を出現させて、大空へと飛び上がった。
不味い。スカイウラノスに圧倒的なパワーとスピードが加わってしまった。
今のスカイウラノスにとって空は独壇場であり、このまま行けば、一方的になぶられて終わってしまう……。だけど、諦めるつもりなんて毛頭なかった。
「マーズ姉ちゃん! 俺たちも飛ぶよ!」
「ええ、焔君! 行くわよ!」
「「簡易変形!
トゥインクルマーズはトゥインクルウィングを展開して、スピード特化の姿になった。
さらに……!
「「マジカルスキル! 炎の翼! さらに、マジカルスキル! そして、炎の剣!
マーズクラフトで作り出した巨大な翼と剣のそれぞれに、炎の翼と剣を纏わせることで、巨大な炎の翼と剣を作り出して、飛び上がった。
『ヴィーナス! 僕たちも……!』
『はい、マスター……! 空中はヴィーナスたちの領域でもありますからね……!』
『『マジカルスキル! ヴィーナスフォーリンエンジェル!』』
続けてロイヤルヴィーナスも、白い光と黒い光が無限大を描く様に重なり合った光輪を頭部に浮かべると、天使の様な白い翼と悪魔の様な鍔座の二組の対となる四つの翼をはためかせ、飛行魔法を超える神速のスピードで飛び上がった。
『『『『完全変形!
さらに、カロンプルートも両脚を折りたたんで幽霊の様な姿に完全変形すると、宙に浮かぶ様に飛び上がった。
『あたしたちだって、空は飛べないけど……!』
『う、うん……! それでも援護くらいなら……!』
『ああ! 焔たちのサポートをするぞ!』
『フッ、行くぞ……!』
飛べないドリームジュピターとサーガマーキュリーも、地上から砲撃と狙撃を行って援護をしてくれた。
「「うおぉぉぉぉぉーーッ!!」」
『くっ!? 空中で俺たちに渡り合えるなんて……! うおっ!?』
『麗!? 不味いぜ!?』
そして、五機の連携により、スカイウラノスを地上へと叩き落とすことに成功した。
良し、このまま行けば……!
『ハハッ、皆本当に強くなったな……だけど……!』
しかし、そうは問屋が許さない。
『ウラノス……確かに皆にはこの先の戦いにも着いて来れるだけの強さがあると思うぜ……。 だけど、皆を守るチャンピオンバディとして、俺たちもこのまま負ける訳には行かないんだぜ……!』
『だな、麗! 世界で一番の相棒であるチャンピオンバディの力を見せてやろうぜ!』
『『——シンクロゾーン!』』
麗たにはシンクロゾーンを発動させて、本当の意味で本気になった。
さらに……。
『『マジカルスキル! ウラノススカイカリバー!』』
スカイウラノスは二振りのスカイソードと、二つのスカイシールドを合体させて、巨大な大剣であるスカイバスターソードを作り上げた。
さらに、それを依代として、機体の大きさを優に超える超巨大な光の剣を召喚した。
麗たちの最強のマジカルスキル……どの道これを破れなければ勝てないだろう……。
それなら……!
「マーズ姉ちゃん! 皆! 俺たちの全力をぶつけて、麗兄ちゃんとウラノスに勝つよ!」
『『『『「ああ!」』』』』』
皆の力を合わせてそれを破るだけだ。
「「マジカルスキル! マーズトゥインクルブラッド!」」
トゥインクルマーズは全身に煌めく炎を纏い、まるで強化フォームの様な豪華な見た目に変身した。
さらに……。
「「マジカルスキル! マーズファイア!
トゥインクルマーズは四種類の炎を合体させた、機体のサイズを優に超える、超巨大な太陽の鎌を作り出した。
『『簡易変形!
サーガマーキュリーは四足歩行の姿になると、膨大な青いオーラを全身に纏って、巨大な狼へと変身し、さらきその余剰のオーラで狼の群れを生み出した。
『『簡易変形!
ドリームジュピターは固定砲台の姿になると、自陣を核として、周囲にある城の欠片を身に纏い、巨神へと変身した。
『『マジカルスキル! ヴィーナスロイヤルシャイン!』』
ロイヤルヴィーナスは背景に無限の星を思わせる、数え切れないくらいの魔法陣を発生させると、その全ては光のビームを一斉に放った。
『『『『完全変形!
そんな中、カロンプルートは人型の姿へと完全変形した。
さらに……。
『『『『マジカルスキル! プルートアルターエゴ! そして、マジカルスキル! プルートカロンフュージョン!』』』』
カロンプルートは完全に同一の存在の分身を生み出すと、二機でそれぞれが生み出した巨大な魔力の黒とピンクの球体を一つに融合させた。
そして、最強のマジカルスキルであるフィールド魔法を発動させ、ブラックホールを作り出した。
そして、焔たち五機の魔法と麗たちの魔法が激突した。
『『「「うおぉぉぉぉぉーーッ!!」」』』
数ではこちらが勝っているのに、拮抗した状態になっていた。
『確かに焔たちのマジカルスキルは凄いぜ! だけど俺たちはもっと凄いマジカルスキルの使い手であるネオンたちと何度もバトルして来たんだぜ!』
『ああ! そして、俺様たちはそんなネオンたちに勝ったんだぜ! だから、このくらいなんてことないぜ!』
そして、麗たちは気合いにより、ウラノススカイカリバーの威力を上昇させ、焔たちの魔法を防ぎ切った。
そんな馬鹿な……!?自分たちの最強の魔法が……!?
だけど、その代償は大きく、スカイウラノスは無茶をした反動で、機体の各部からスパークが出ており、スカイバスターソードも真っ二つに俺ていた。
『チャンスだよ!』
『ああ、一気に行くぞ!』
『みー! ドローン武器で援護を頼む!』
『任せて下さい、お姉ちゃん!』
そんなスカイウラノスへとドリームジュピターとサーガマーキュリーとカロンプルートが襲いかかった。
ドリームジュピターが火器をぶっ放し、サーがーマーキュリーが狙撃で牽制し、カロンプルートがカロンユニットを分離させ、ユニット本体と、分離した四つブースターをさらに切り離した八つを合わせた、合計九つのドローン武器を操りながら、懐に飛び込んだ。
『まだまだ! これくらいのピンチなんて!』
『ああ! いつものことだぜ!』
しかし、スカイウラノスは倒し切れない。
これがチャンピオンバディ……!どんな逆境でも絶対に諦めず、最後には逆転勝ちを決める存在。
こっちが有利ではあるが、このままでは……!
すると、そんな予感に焦る焔へと輝が声をかけて来た。
『焔君! マーズさん!
『それで決めて下さい!』
『『完全変形!
ロイヤルヴィーナスはまるで飛行形態になる要領で機体を完全変形させると、巨大な剣の姿になった。
そう言えば、輝先輩たちがノーブルヴィーナスをロイヤルヴィーナスに改造するに当たって、大きな改良を加えたと言っていたが、
だけど、これなら!
「はい! 決めるよ、マーズ!」
「ええ、焔君! 麗君とウラノスに勝つわよ!」
トゥインクルマーズは剣となったロイヤルヴィーナスを手に取った。
かなりの重量だが、マーズトゥインクルブラッドを発動している今なら問題ない。
「「うおぉぉぉぉぉーーッ!」」
そして、そのまま一気にスカイウラノスに切り掛かった。
『ーーッ!?』
『おいおい、
それに気づいた麗たちが対処しようとして来るが、サーガマーキュリーとドリームジュピターとカロンプルートの三機が、捨て身の足止めを勝って出てくれた。
その代償として、三機はスカイウラノスにマジカルバリアを破壊されて、戦闘不能になったが、最大のチャンスが生まれた。
『『「「うおぉぉぉぉぉーーッ!!」」』』
そして、そのチャンスを活かして、トゥインクルマーズはスカイウラノスを一刀両断にした。
『ハハッ、まさか……こんなにも早く焔たちに負ける日が来るなんてな……。 だけど……皆本当に強くなったな……』
『チッ! 認めてやるよ! お前らは強え! だけど、俺様たちたってもっと強くなるからな!』
麗たちが最後にそう口にすると、スカイウラノスはマジカルバリアを破壊されて、戦闘不能になった。
そんな中、トゥインクルマーズはロイヤルヴィーナスを手放すと、右手を掲げて勝利を宣言した。
「——これで、俺たちの勝ちだ!」
世界で一番の相棒であるチャンピオンバディ……そんな相手を焔たちは五対一の変則バトルとは言え、打ち破ることに成功した。
——焔たちは自分たちの強さと覚悟を証明して見せた。