メカニカル☆ウィッチ   作:星乃祈

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第56話「キラキラ星との出会い」

 

 

 ——その日の夕方。

 

「——はぁ……」

「お嬢様……」

 

 サターンを肩の上に乗せた美月は、ショッピングモールを歩きながらため息を吐いていた。

 この場所は、四月に起きたメカニカルウィッチ研究所のテロ事件の日に立ち寄った所でもあり、焔たちと初めて出会った場所でもあった。

 そんな場所に美月が立ち寄った理由は……。

 

 あの後、自分には夢が無いことに悩み苦しむ美月のことを、皆は大丈夫だよと宥めながら、話題を変えようと、実は全国大会に向けて機体を改造していることを話してくれた。

 皆曰く、お披露目は全国大会当日までは秘密らしいが、武装類の見直しや、強化パーツによる改造を施しているらしい。

 しかしそれを聞いた美月は、またとあることに気づいてしまった。強くなりたいと言っておきながら、アークサターンの機体の改造を全くしていないことに……。

 

 そんな訳で、居ても立っても居られなくなった美月は、皆と病院で別れた後、こうして護衛の人たちを連れてこのショッピングモールに立ち寄っていた。

 

 ちなみに美月は今、度の入っていないメガネをかけて、帽子を深く被ることで軽く変装していた。

 美月は明日斗博士の娘として顔と名前が知られている為、病院などの場なら兎も角、私用でこう言った場所に来ると、余計な注目を集めてしまうのだ。現にこの前海に行った時も、周りからの視線が凄かった。

 だから病院の時と同じく、あまり変に目立たない為にも、護衛の人たちには少し離れた場所で待機して貰っていた。

 

 そんなこともあり、本当なら店の規模と安全性の面からして、学園内にある購買部に行くべきだったのだが、美月は皆に置いて行かれると言う焦りをどうしても抑えることができなかった。

 だけど結局、アークサターンの改造に使えそうな武器やパーツを見つけることはできなかった。

 

「……仕方ありませんよ。 アークサターンは元々、明日斗博士がお嬢様を守る為に実戦仕様として設計開発した、特別な機体ですから……。 焔たちのバトル用の普通の機体の様に、市販のパーツで自由にカスタマイズすることを想定していないのです……」

「それは分かっているんですけど……まさかアークサターンのパーツが共通規格になっていないせいで、市販のパーツを改造に使えないなんて……」

 

 美月たちがこうして無駄足で終わってしまったのは、アークサターンが下手な手を加える余地がないくらいにバランスを含めた全てが計算して作られた完成品の状態なのが原因だった。

 一応、手持ち式の武器なら市販のものでも使えそうなのだが、主武装のアークソードとアークシールドを控えに回してまで採用するかと言うと……。

 

 根本的な部分に問題があるせいで、これだと学園内にある購買部に行っても同じ結果になりそうだった。

 

「はぁ……」

『〜〜♪』

「あ、ステラちゃんだ……」

 

 美月が再びため息を吐いていると、まるでプラネタリウムの様にショッピングモールの上空に映し出された映像が、アイドルのステラのライブに切り替わった。

 

 映像の中のステラは、メカニカルウィッチであることを生かして、マジカルチェンジ使って歌いながら髪型と衣装を変えていた。

 そんな見る物を魅了するパフォーマンスに加えて、綺麗な歌声による圧倒的な歌唱力だ。

 

 ショッピングモールにいる、夏休み真っ只中の学生や子供連れの親子、それから仕事帰りの大人と言った老若男女の皆が、ステラのライブ映像に釘付けになり、大観声をを上げていた。

 

「やっぱり凄いな……ステラちゃんは……皆を照らすキラキラ星みたいで……。 きっと凄い夢を持っているんだろうな……。 私の場合は……」

 

 美月もステラのファンだったが、焔たちみたいに自分の夢が無いことに悩んでいる今は、イマイチ周りの盛り上がりに乗れずにいた。

 

 ——その時だった。

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ〜〜!?」

 

 突如上空から女の子の悲鳴が聞こえて来た。

 

「え!?」

「不味い!?」

 

 美月たちが慌てて空を見上げると、ショッピングモールの建物から女の子が落ちて来ていた。しかも人間が落ちたら助からない高さだ。

 

 人間が落ちたら助からない高さに、美月がパニックを起こし、サターンが焦った声を上げる中、その女の子は()()()()()()()

 

「ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい!! ()()()()!!」

 

 すると女の子は()()()()()()()自身の体を浮かせた。

 しかし直ぐに魔法の効果が切れてしまい、そのまま街路樹に突っ込む形で美月たちの近くに落ちて来た。

 

「アイタ!?」

「だ、大丈夫ですの!?」

 

 それを見た美月は慌てて人間人格のお嬢様口調に切り替えながら、女の子の元へと駆け寄り手を差し伸べた。

 取り敢えず、最悪の想像に至らなかった上に、女の子にも大きな怪我はなさそうだが……。

 

「アハハ〜☆ ありがとう〜☆」

「え!?」

 

 しかし美月は安心するのも束の間に、また別の衝撃を受けた。

 こうして間近で見たことで、美月の魔力が見える目が、自分の手を掴んだ女の子の正体に気づいたのだ。

 

 女の子はリンや爺やたちと同じ、人間と同じ大きさの最先端のロボットの体を使っているメカニカルウィッチだった。だからさっきも魔法が……。

 だけどそれ以上に衝撃的なことがあった。女の子は自分と同じ様に変装していたが、サングラスの奥に見える碧い瞳に、深く被った帽子からはみ出している金髪、そして何より、マスクの内側から聞こえる綺麗な声から感じるこの固有の魔力はまさか……!?

 

 美月は思わず目の前の女の子と、今の騒ぎに気づかないくらいに熱中している人たちが見ているライブ映像を交互に見た。

 

「スススステ……!」

「ストーーップ!!」

「……!?」

 

 すると女の子は空いている左手で、すかさず美月に口を塞いだ。

 

「ちょっとこっちに来て!!」

 

 そのまま今の騒ぎに気づいた一部の人がチラチラとこちらを見てくる中、女の子は掴んでいる美月の右手を引っ張って近くの建物影へと移動した。

 

「ふぅ……取り敢えず他の人にはバレて無……わわっ!? 何か怖そうな人たちがいっぱい来た!?」

 

 建物の影へと連れ込まれた美月の元に護衛の人たちが駆け寄ってくる。

 女の子がそれを見て冷や汗を浮かべる中、サターンが怒りの声を上げた。

 

「おい、貴様! お嬢様に何を!」

「え?? え?? サー君!? ……ってことはまさか!?」

「えっと……はい……実は……」

 

 正体に気づかれた美月は度の入っていないメガネを外して、深く被っていた帽子を取って、自分の正体を明かした。

 

 すると女の子はまるで推しのファンに会ったかの様に、黄色い悲鳴を上げた。

 

「キャーー!! 本物のみづみづじゃん!! 私、みづみづとサー君の学園リーグ戦の配信を見て大ファンになったんだ!! それにね!! みづみづのお父さんの明日斗博士がメカニカルウィッチを作ってくれたから、私は今こうして皆のアイドルをやれているの!!」

「み、みづみづ??」

 

 みづみづとは美月のことで、サー君とはサターンのことを言っているのだろうか?

 すると美月とは違ってまだ正体に気づいていないサターンが、側から見れば興奮する不審者の女の子に声を荒げた。

 

「おい、貴様! お嬢様に近づき過ぎだ! メカニカルウィッチの様だが一体何者なんだ!?」

「ああっと、ごめんね〜☆ マジカルチェンジ☆」

 

 女の子が変身魔法を唱えると、サングラスと帽子とマスクが消え、ついでに服装も少し地味目な物から、彼女のイメージにピッタリ煌びやかな物へと変化した。

 そして、ロングヘアの金髪を、ハートの形をしたお団子型のツインテールにした、アスタリスクの模様が入った碧い瞳を持つ、メカニカルウィッチの女の子が現れた。

 

「初めまして、私はステラ☆ プライベートの時はスーちゃんって呼んでね☆ みづみづ、それに相棒のサー君も、どうぞよろしくね☆」

 

 ——その正体はJP国の国民的アイドルのステラだった。

 

 

*****

 

 

 その後、その場に血相を変えて駆けつけて来たステラのマネージャーと一緒に、美月たちは場所を変えることも兼ねてステラ御用達の喫茶店へと訪れていた。

 

「——あら〜♡ スーちゃんがプライベートなお友達を連れて来たかと思ったら、まさかまさかのあの有名な美月ちゃんじゃない〜♡ うちの子たちと巡り合わせてくれた貴方のお父様には本当に感謝しているわ〜♡」

 

 喫茶アイドルのマスターはこんな喋り方ではあるが、歴とした男性である。謂わゆるオネエさんと言う奴だ。ちなみに下の名前は厳ついから秘密らしいが、本名は益田(ますだ)と言うらしい。

 そんなマスターが娘として溺愛しているのが、喫茶店アイドルの看板娘の四人のメカニカルウィッチだった。

 

「お待たせいたしました〜。 とっても美味しいですよ〜」

「ご注文を承りました……」

「はい、はーい♪ 今行きまーす♪」

「いらっしゃいませ、こちらのお席にどうぞ」

 

 のんびりやで食いしん坊なアーちゃん。

 クールでシャイなイーちゃん。

 明るく元気なドーちゃん。

 礼儀正しいルーちゃん。

 この四人の名前を取って、喫茶アイドルと名付けたらしい。

 

 そんな喫茶アイドルは、メカニカルウィッチも人間の食べ物の味と匂いと見た目と食感を再現した限りなく本物に近い魔力でできた料理を食べられるのが売りのお店だった。何気にこれには世界レベルの技術が要求されるので本当に凄い。

 それから夜はバーもやっているらしいが、今の時間帯はまだギリギリ喫茶店なので、未成年の美月もセーフだった。

 余談だが、美月はお店の営業妨害にならない様に、護衛の人たちにはお店の近くで待機して貰う様に頼んでおいた。すると何だか残念そうにしていたし、ステラが正体を表した時にも露骨に反応していたので、もしかしたらファンだったのかもしれない……。

 

「ぷは〜、美味しい〜☆ やっぱりマスターの料理無しではもう生きられないよ〜☆」

 

 そんなステラは大盛りのハンバーグドリアとサラダに加え、看板メニューの巨大パフェを注文していた。アイドルではあるがメカニカルウィッチはどれだけ食べても太らないので問題無いそうだ。後ついでにお酒も注文していた。

 ちなみに美月は帰ったら夕食があるので、軽めにコーヒーとケーキを注文していた。勿論、人間用の普通のメニューだが、美月は半分は精霊なので多分どちらでも問題気がする……。

 

「……と言う訳で、改めまして☆ 私はステラ☆ キラキラ星のアイドルをやってまーす☆ それで彼女が私のマネージャー兼保護者の夜之空(よるのそら)さん☆ ……あれ? これもう言ったんだっけ?」

「この度はうちのステラが大変ご迷惑をおかけ致しました……!」

 

 ステラのマネージャーの(そら)は、ロングヘアの黒い髪に、黒い瞳をした、メガネをかけた若い女性だった。

 

 保護者と言うのはほぼ相棒と同じ存在で、人工精霊がメカニカルウィッチの機械の体を手に入れる為の条件である、自身の管理と責任を担う人間のことだった。だから、街中などで働くメカニカルウィッチには、国が手配した公的な人間が保護者を務めていたりする。

 余談だが、メカニカルウィッチはほぼ不死身の存在故に年齢のカウントがしずらい為、飲酒は自身の相棒または保護者が成人していたら可と言うルールがあった。

 

「い、いえ……お気になさらず……!」

「……そもそも何で上から落ちて来たんだ?」

「じ、実は……ライブ映像を見るファンの姿をショッピングモールの屋上から眺めていたら、ステラがいきなり落っこちてしまって……」

「アハハ〜☆ ちょっと()()()()()()が……ってそうだった!」

 

 するとステラが急に酔いが覚めた様に真面目になった。

 

「私ね、空さんの言った通り、私のライブ映像を見て笑顔になるファンの皆のことを見てたんだけどね……その中で一人だけ、浮かない顔をしている女の子を見つけたの! しかもどこかで見たことがあると思って目を凝らしていたら……ついうっかり……」

 

 どうやらステラが落ちて来たのは自分が遠回しな原因になっているらしかった。

 

「みづみづとはもう友達になったし、何か悩みごとがあるなら私が相談に乗るよ?」

 

 友達認定が凄く早いが、美月もある意味自分と同じ有名人であるステラに思い切って相談してみることにした。

 

「……ふむふむ、成程ね。 明日斗博士の娘としてやらなければいけないことはたくさんあるけど、自分からやりたいこととなるとイマイチ思いつかない……か。 それで周りの友達と違って自分の夢が無いことに悩んでいたんだね……」

「はい……」

 

 ステラは真剣に話を聞いてくれた。

 だけど結局はこればかりは自分でどうにかしなければならない問題だった。

 

 するとステラは何かを思いついた様に口を開いた。

 

「みづみづ……ううん、美月ちゃん、せっかくだから私の話も聞いて貰えるかな?」

 

 それからステラは自身の人生を語り始めた。

 

 ステラは元々は街中で広告宣伝の仕事をする人工精霊として生まれた。当然、最初はメカニカルウィッチの機械の体も持ってなくて、実体を持たないアバターの姿をしていた。

 それでもステラにはその頃から人を惹きつけ元気にする力と不思議な魅力があったらしい。きっと天性のものなのだろう。

 自分の声を聞いて笑顔になってくれた人たちがまるでアイドルみたいだと言ってくれたことで、ステラもいつしかそうなりたいと夢を持つ様になったらしい。

 だけど国に管理されている一介の人工精霊でしか無いステラにとっては文字通り夢の話でしかなかった。

 しかし、そんなある日。ステラの声に一目惚れしたと言う空にスカウトされる形で、彼女を保護者とすることでステラはメカニカルウィッチの機械の体を得ることができたそうだ。

 それからの話は世間では知られている通り、その綺麗な歌声と圧倒的な歌唱力でデビューして早々に一気に人気が急上昇し、人工精霊であるが故に実質的に年を取らないアイドルとして爆発的な人気を集めることになった。

 そして、JP国の国民的アイドルになったことで、国から広告宣伝を頼まれる形で、人間と同じ大きさの最先端のロボットの体を貰うことになったそうだ。

 

「……夢ってのはね、そんなに難しく考えるものじゃないと思うよ。 私の場合はシンプルに皆を笑顔にしたいって言うものだったし……。 それに……話を聞く限り、美月ちゃんもウィッチバトルのことが大好きなんでしょ? それならお友達と同じ、世界で一番の相棒であるチャンピオンバディを目指すって言うシンプルな夢でも全然問題無いと私は思うな……」

「ステラちゃん……。 ありがとうございますわ」

 

 ステラのおかげで美月は完全では無いものの悩みが解決した様な気がした。少し難しく考え過ぎていたのかもしれない……。

 

 するとステラは何かを思い出したかの様に手を頭の前で合わせた。

 

「あ、そうだ! ごめんね、みづみづ☆ 明日斗博士の娘としてプレッシャーを感じているらしいのに……初対面の時にその話をしちゃって……☆ でも、どうしてもみづみづと明日斗博士は切っても切れない関係性だからさ……☆」

「はい、それはわたくしも分かっていますわ……」

 

 美月は過去のトラウマが原因で、明日斗博士の娘として周囲から過剰なまでの特別視を受けることにプレッシャーを感じていた。

 だけどステラの言う通り、こればかりはどうしようもないので、ある程度は割り切るしかないのだろう。

 

「だけどね!! 明日斗博士を抜きにしても、私はみづみづとサー君の大ファンなの!! 初対面の時にも言ったけど……みづみづたちの学園リーグ戦の配信を見て、私は凄く感動したの!! 一部の配信は途中で途切れちゃってたけど……特に焔君とマーズちゃんとのバトルは私のマイベストバウンドなの!!」

 

 学園リーグ戦の中継は基本的に学園内にいる生徒や職員しか見れないが、全国大会の予選の面を兼ねている公式戦として扱われている為、外部の人間もその過去の配信を見ることができる様になっていた。

 その中でも、美月にとっても一番楽しかった焔たちとの学園リーグ戦を上げるあたり、ステラは本当に自分たちのファンなのだろう。

 

「だからね☆ 私は全国大会でのみづみづたちの活躍を楽しみにしているんだ☆ それに私も実は……おっとっと☆ これはまだ内緒だったんだ☆」

「……?」

「兎に角☆ ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()けど……それでもみづみづたちには個人的に注目しているからねー☆」

 

 ステラはウインクしながらそう言うと、笑いながら右手を上げた。

 

「良ーし! ()()()()()()()()()()()()()()()()()()として……今日は私の奢りだから、皆いっぱい飲んで、お腹いっぱい食べよー☆ マスター、メニューのここからここまで全部お願いー☆」

「ス、スーちゃん!? わたくしには帰ったら夕食があるんですけど!?」

 

 

*****

 

 

 ——その日の夜。

 

「——全く、こんな時間まで何処に行っていたかと思ったら……まさかバーに行っていたなんて! サターン! 兄である貴方がついていながら何をやっていたのですか!? お嬢様はまだ未成年なのですよ!?」

「ち、違うんです……リン……! 喫茶店です……! 喫茶店……!」

「お嬢……美月の言う通りなんだ、リン! それに美月には断じて飲酒なんかさせていないから安心してくれ!」

 

 その後、学園内にある寮の部屋に戻って来た美月たちは、怒ったリンに玄関で正座をさせられていた。

 まだ全然未成年が出歩いても大丈夫な時間だったのだが、リンはサターンと同じくらい美月に対して過保護な面があった。

 

「はぁ……サターンには後でキツくお説教をするとして……お嬢様、今日届いた荷物の中に気になる物があったんです……」

 

 リンはそう言うと一通の手紙を取り出した。

 魔法科学が最先端となったこのご時世に紙の手紙なんて本当に珍しい……。

 

「差出人の所には『E』としか書かれておらず……一応魔法を使って危険が無いことは確認したのですが……」

「手紙!? まさか……!」

 

 するとその手紙を見たサターンが血相を変えた。

 

「サターン?」

「美月、これはおそらく明日斗博士からの手紙だ。 僕は明日斗博士から、何か連絡をする時は敵に傍受されない様に手紙の形にすると聞かされていたんだ」

「お父様の!?」

 

 サターンからそう言われた美月は急いで立ち上がり、リンから手紙を受け取った。

 すると美月が手紙に触れた途端、美月の目の前に魔法陣が現れ、そこからアタッシュケースが落ちて来た。これは……転移魔法!?

 

「きゃ!?」

「美月!?」

「お嬢様!?」

 

 キャッチしたアタッシュケースの想像以上の重さに、美月は思わず尻餅をついた。

 

「イタタ……一体何が入って……?」

 

 するとアタッシュケースは自動で生体認証を確認し、そのロックを解除した。

 そしてその中身が露わになった。

 

「これは……!?」

「アークサターンの!?」

 

 ——その中には何と、アークサターンを改造する為の強化パーツと新たな武器が入っていた。

 

 

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