メカニカル☆ウィッチ   作:星乃祈

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第91話「高校生チャンピオンバディ」

 

 

 ——輝ちゃんとは、十年前のとあるパーティーで出会いました。 そんな輝ちゃんは、その時交わした約束を果たす為に、何度も私のことを守ってくれました……。

 

「——()()()()()

「……!!」

「……こんな感じで……どうかな……?」

「——()()()()()……! うん……! うん……! 僕もこれが良い……! ありがとう、美月ちゃん……!」

 

 当時の輝は弱気で臆病で、人見知りな子で、勇気のお呪いを使っていない時の素の自分とどこか似ていた。

 だから美月は、そんな自身を変えたいと願っていた輝に、自分は勇気のお呪いを使って母の真似をしていることを明かした。そしてかつて母にして貰った様に、自分も輝に勇気のお呪いを作ってあげた。

 

「——ぼ、僕……! 美月ちゃんから貰った勇気のお呪いで、こんな僕を変えて見せるから……! そして、()()()()()()()()()()()()()()()()……!」

 

 すると勇気のお呪いを貰った輝は、そう約束してくれた。

 

 だけどその後、メカニカルウィッチ研究所の事件が起きたことで、母と兄とムーンたちを失った美月は周囲に壁を作る様になり、輝ともそのまま疎遠になってしまった。

 

「——この子の……お兄さんですか……?」

「ああ、そんなところだ。 ありがとう、レイを助けてくれ……き……み……は……」

 

 そんな輝と再会したのは、今年の四月に起きたメカニカルウィッチ研究所のテロ事件で、彼の姪のレイを助けた時だった。

 だけど美月は、王子様の様なルックスを持つ男の子に成長した彼が、昔出会った輝だと気づくことができなかった。昔の輝は自分よりも背が低く、髪もセミロングくらいあった為、ずっと女の子とだと勘違いしていたのだ。

 

 それからその数日後、メカニカルウィッチ学園の入学式の日に、美月は再び輝とヴィーナスと再会し、いろいろあってバトルすることになった。

 

『——武装を失い殆ど丸腰……これで君たちの負けかな? どうやら三分もいらなかったようだね?』

 

 そしてそのバトルで美月とサターンは初めての敗北を味わうことになった。

 負けた原因は自分が過去のトラウマにより足を引っ張っていたことと、サターンが美月を戦わせたく無いと一人でバトルしたからだった。

 輝たちはそんな自分たちの現状を指摘する為にバトルを挑んで来たのだ。このまま本物の強敵を前にした時に取り返しがつかないことにならない様に……。

 

 それから美月を狙っていろんな敵が襲って来たが、その度に輝は自分のことを守ってくれた。

 

『——これ以上、美月さんたちに手出しはさせない! 行くよ、ヴィーナス!』

 

 実習授業の二対二対のタッグ戦で、ネメシスに襲われた際にも……。

 

「——大事な式典の日だけではなく、美月さんにとって大切な日である今日と言う日にまで!」

 

 母の命日に訪れた実家の黒土邸で、草刈(くさかり)たちワールドユニオンと、ネメシスとクリサリスたちスタースピリットに襲われた際にも……。

 

『——良かった……美月さんが無事で……。 後は美月さんを安全な場所に届けた後、暴走したハイパーキングレオを止めるだけだが……』

 

 学園リーグ戦で、ムーンとサンの手によって暴走したハイパーキングレオに襲われた際にも……。

 いつだって輝は自分のことを守ってくれた。カッコよかった。

 

 そしてそんな中、輝に誘われてお出掛け(デート)した際に、彼から昔のことを打ち明けられた。

 

「——思い……出した……。 ……って言うか、()()()()って男の子だったんですか〜〜!?」

 

 そこでようやく彼が昔の輝だと言うことに気づき、同時に輝ちゃん(女の子)では無く輝君(男の子)だったことを知った。

 

 ちょっと意識していた年上の男性が、昔出会った女の子だと勘違いしていた子だったと言う事実に美月の頭がパニックになる中、そんな輝から学園リーグ戦を申し込まれた。

 全てはいざと言う時に美月のことを一番に守る為に……。そしてようやく過去のトラウマから抜け出した美月に、バトルを楽しんでもらう為に……。

 美月たちも以前輝たちに負けたままだったので、そのリベンジの為にバトルを受けることにした。

 

 しかしリベンジマッチは草刈たちワールドユニオンとムーンとサンたちスタースピリットの介入によって、途中で有耶無耶になってしまった。

 そしてムーンの手によって輝の相棒のヴィーナスも暴走してしまった。

 

「——勇気よ輝け!!」

 

 そんな絶望的な状況の中でも、輝は自身の世界で一番の相棒であるヴィーナスのことを助けて、美月の相棒であるムーンのことも止めて、皆を守ってみせると立ち上がった。本当にカッコよかった。

 

 ——私は輝ちゃんに何度も何度も守って貰いました……。 そんな輝ちゃんのことは、昔のこともあって、あまり異性としては意識していませんでしたが、昨日の告白でその認識が変わってしまいました……。 輝ちゃん……いえ、()()に対する()()()()()がなんなのかは自分でもまだ良く分かりません……。 それでもこんな私を好きだと言ってくれた輝君の為にも、私の凄いところを見せたいと思ったんです……!

 

 

*****

 

 

 ——『擬似宇宙』のバトルフィールドにて。

 

『——おーーっと☆ 輝君たちのノーブルヴィーナスが、焔君たちのブラッドマーズを撃破かー☆ これでまさかの引き分けに終わった準決勝戦の決着も着いたみたいだね☆ 残る美月ちゃんたちのアークサターンを倒して、輝君たちは高校生チャンピオンバディの座を守ることができるのか☆ それとも美月ちゃんたちがその座を手に入れるのか☆ まだまだ目が離せないよ☆』

 

 MCのステラの声が聞こえてくる中、アークサターンとノーブルヴィーナスがお互いに睨み合っていた。

 

 するとそんなアークサターンに乗っている美月の耳に、観客席にいるレイの声が聞こえて来た。

 

『——美月お姉ちゃんー! 輝お兄ちゃんー! それにサターン君とヴィーナスちゃんも! どっちも頑張ってー!』

 

 『擬似宇宙』のバトルフィールドは、宇宙空間と言う危険な環境であるが故に、観客席を守る特別なマジカルバリアも、安全の為に何重にも重ね合わせた超特別仕様になっていた。

 それには観客たちの声を拡大する機能も含まれており、この他とは比べ物にならない程の広さを持つバトルフィールドでバトルする選手たちの耳にも、その応援がちゃんと届く仕組みになっていた。

 

『美月もサターンも頑張りなさい! 輝とヴィーナスに勝つのよ!』

『拙者たち相手に見せた強さをもっと発揮するのでござる!』

『輝! ヴィーナス! 俺様たちを何度もぶっ倒したんだから、負けるんじゃねぇぞ!』

『輝たちは吾輩たちの目標の一つなのであーる!』

『どっちもファイトっすよー!』

『頑張れ……』

『白金会長たちも美月ちゃんたちも、ここからが正念場ですよ!』

『気を引き締めて行くのよ……!』

『そうです! 最後まで私ちゃんに最高のバトルを見せて下さい!』

『うんうん、期待しているよ〜』

『フハハハハハッーー!! さあ、決勝戦の第二ラウンドの始まりだ!』

『はい。 お手並み拝見といきましょうか』

 

 それからミライトウキョウ校の咲良とキャンサー、王牙とレオ、秀次とスコーピオ、歌とピスケス、御影とカロン、御霊とプルートの応援が聞こえて来た。

 

『さあ、輝! このまま美月ちゃんたちに勝つのよ!』

『『ヴィーナスも頑張って下さい……!』』

『まだまだこれからですよ、お嬢様……! サターンも私の代わりにお嬢様を支えてあげて下さい……!』

『ええ。 お嬢様たちの勝利をお祈りしていますよ』

 

 そして輝の姉の光と家族のルミとエール、美月の家族のリンと爺やの応援が聞こえてくる中、アークサターンとノーブルヴィーナスがぶつかり合った。

 

『さあ、美月さん! サターン君! 決着を着けようか! 行くよ、ヴィーナス!』

『はい、マスター……! 美月さん……! ヴィーナスは貴方に勝って、()()()()()()を得て見せます……!』

「望むところですわ! 行きますわよ、サターン!」

「はい、お嬢様! 今度こそ輝たちにリベンジを果たしましょう!」

 

 ノーブルヴィーナスは二丁のノーブルガンソード改から正確無比な射撃を放ち、アークサターンの動きを牽制した。そしてその隙に、四機のノーブルM(マルチ)ウィング改で包囲してこようとする。

 

「そうはさせませんわ! サターン!」

「了解です、お嬢様!」

「「マジカルスキル! サターンスラッシュ!」」

 

 それに対し、アークサターンは展開したアークソードで紫色の魔力の斬撃を放つことで、その包囲を突破した。

 

「「マジカルスキル! サターンアークブレイク!」」

 

 さらにアークソードとアークシールドを合体させてアークX(クロス)アックスを作り出すと、暴力的なまでの紫色の魔力を放った。

 

『『マジカルスキル! ヴィーナスバスター!』』

 

 それに対し、ノーブルヴィーナスは二丁のノーブルガンソード改と四機のノーブルM(マルチ)ウィング改の先端に展開した、六つの魔法陣から巨大なビームを発射した。

 

 火力に優れた両者の魔法がぶつかり合い、お互いの威力を相殺する中、二機は一度距離を取った。

 

『相変わらず、凄いパワーだ……! それなら僕たちもギアを上げて行くよ、ヴィーナス!』

『はい、マスター……! さらなる高みへと登りましょう!』

『『マジカルスキル! ヴィーナスフォーリンエンジェル!』』

 

 ノーブルヴィーナスは白い光と黒い光が無限大を描く様に重なり合った光輪を頭部に浮かべると、天使の様な白い翼と悪魔の様な黒い二組の対となる四つの翼をはためかせ、飛行魔法を超える神速のスピードを獲得した。

 

「こっちもギアを上げますわよ、サターン!」

「はい、お嬢様! 輝たちには負けていられませんからね!」

「「マジカルスキル! プラネットダーク! そして、マジカルスキル! プラネットファイア!」」

 

 一方でアークサターンは全身に黒い炎を纏わせ、魔王システムを擬似的に発動させた。

 胸部の装甲の一部が展開し、内部になあった魔石が剥き出しになり、さらに背中のアークX(クロス)ウィングが展開し、悪魔の手をした巨大な翼へと変形した。

 そして背中に炎の光輪を発生させて、一気に機体を加速させた。

 しかし……。

 

「くっ……!?」

『無駄だよ! パワーは兎も角、スピードに関してはこっちが上だからね!』

 

 加速力で誤魔化しているものの、機体重量の差により運動性で劣るアークサターンでは、ノーブルヴィーナスを捉えることはできなかった。

 こちらの攻撃はことごとく回避され、逆に相手の攻撃によるダメージが蓄積していく。

 このままでは勝てない……!それなら……!

 

「まだですわ! 今度こそ輝先輩に追い付くんですの! サターン!」

「はい、お嬢様! 今こそ輝たちに勝つ時です!」

「「マジカルスキル! プラネットライト!」」

 

 シンクロゾーンで繋がった美月とサターンの思いが、新たな魔法を呼び覚ました。

 

 アークサターンの背中に天使の様な六対の翼が生え、ノーブルヴィーナスの神速のスピードに迫る程の速さを獲得した。

 それはまるで輝とヴィーナスをイメージしている様だった。

 

「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッーー!!」」

『くっ……!? 美月さんたちも新しいマジカルスキルを……!? だけど……!』

『はい……! それでもヴィーナスたちは負けません……!』

 

 ほぼ互角のスピードとなったアークサターンとノーブルヴィーナスが、まるで流星の様な光となって、宇宙の中で何度も何度もぶつかり合った。

 ノーブルヴィーナスがドローン武器を飛ばしてくる中、アークサターンも天使の翼から発射した羽をドローン武器の様に操ることで迎撃した。

 そしてお互いに一進一退の攻防を繰り広げた後、両者は決着をつける為に一度大きく距離を取った。

 

『美月さん! サターン君! 君たちは入学式の日とは比べ物にならないくらいに強くなった! だけど勝ちは譲らないよ! 高校生チャンピオンバディの座は僕とヴィーナスのものだからね!』

『マスターの言う通りです……! 美月さん……! ヴィーナスは()()()()()()()()、ライバルである貴方に勝ちます……! そして()()()()()()()()()()()()()()()()()()……!』

『『マジカルスキル! ヴィーナスロイヤルシャイン!』』

 

 ノーブルヴィーナスは背景に無限の星を思わせる、数え切れないくらいの魔法陣を発生させると、その全てから光のビームを一斉に放って来た。

 あれは焔たちを退()()()魔法……!無限のビームと究極のビームを使い分けられる輝たちの切り札……!

 

 だけど美月たちはそれを前にしても、微塵も諦めたりなんかしなかった。

 

「サターン! このまま()()()()()()()()()()()()()()()()()!」

「はい、お嬢様! 合体マジカルスキルですね!」

「「(プラス)サターンバースト!」」

 

 アークサターンはアークX(クロス)ランスをアークランスとアークガンに分解して、その中にあったアークステッキを装備すると、その先端に魔法陣を発生させた。

 さらにそれと同時に天使の翼を巨大化させ、そこから大量の魔法陣を発生させて、闇の力と光の力を持ったビームを一斉に放つことで、二つのマジカルスキルを合体させた。

 

「「合体マジカルスキル! サターンバースト・金星(ヴィーナス)!」」

 

 そして両者の魔法が真正面から激突した。

 

「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッーー!!」」

『『はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッーー!!』』

 

 無限の星を思わせるお互いのビームが次々にぶつかり合い、宇宙の中でキラキラと煌めく爆発を起こしながら消えていった。

 そんな中、輝たちが無限のビームを収束させて、一つの究極のビームへと変化させようとしているのを察知した美月たちも、同じことを行った。

 そして究極のビーム同士がぶつかり合って、まるで星の終わりの様な超巨大な爆発が起こった。

 

「きゃあっ……!?」

「お嬢様!?」

『くっ……!?』

『マスター!?』

 

 その衝撃によって二機は大きく吹き飛ばされた。

 だけどこのまま終わる訳が無かった。

 

『まだだ……! まだ決着は着いていない! ヴィーナス! まだ行けるよね?』

『はい、マスター……! ヴィーナスも最後までお供します……!』

『『マジカルスキル! ヴィーナスノーブルゲート!』』

 

 ノーブルヴィーナスは先程の爆発で散らばっていたノーブルM(マルチ)ウィング改を呼び戻して光の門を作り出すと、そこにノーブルガンソード改のビームを打ち込み、その威力と数を増大させた無限の攻撃を放って来た。

 まるで輝たちに初めて負けたあの日の様に、視界に映る全てをビームの嵐が埋め尽くしていた。

 

 だけどあの時とは違う。こうしてサターンと本当の意味で相棒となり、学園リーグ戦や全国大会を通していろんなライバルたちとバトルしたことで、ここまで強くなったのだから……。

 今こそ最強の輝たち(高校生チャンピオンバディ)を超える時だ……!

 その為にも美月は()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「サターン! わたくしの力にどうか最後まで着いて来て下さい!」

「勿論です、お嬢様! 僕はお嬢様の世界で一番の相棒ですから!」

「「マジカルスキル! サターンクロノスワールド!」」

 

 本物の魔女である美月の持つ『時間魔法』が、新たな魔法を呼び覚ました。

 

 最強のマジカルスキルであるフィールド魔法が発動すると、アークサターンを中心に周囲の景色から色が失われて灰色の世界となり、まるで時が止まった様にその動きが極限にまでスローになった。

 そしてそんな灰色の世界の中、唯一色を保っているアークサターンが飛び立ち、まるで流星の様な光となって凄まじいスピードでスローになったヴィーナスノーブルゲートを避けながら、ノーブルヴィーナスの元へと突っ込んだ。

 

『くっ……!? まだだ……!』

『はい……! 最後まで諦めたりなんかしません……!』

 

 シンクロゾーンを発動しているおかげか、輝たちは極限にまで加速した美月たちの世界の中でも動けていた。

 ノーブルヴィーナスは四機のノーブルM(マルチ)ウィング改を重ね合わせた盾を作り出した。

 そこにアークサターンが突っ込んだ。

 

「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッーー!!」」

 

 その頑丈さから一瞬足止めされるが、アークサターンはそのままドローン武器を破壊する形で突破した。

 

『『マジカルスキル! ヴィーナスセイバー!』』

 

 その隙にノーブルヴィーナスはノーブルガンソード改の先端に光の剣を発生させていた。

 

『『「「高校生チャンピオンバディになるのは、自分たちだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッーー!!」」』』

 

 そしてアークサターンとノーブルヴィーナスはお互いの機体が入れ違う様に交差すると、背中を向けたまま足を止めた。

 その結果は……。

 

「輝先輩……! ヴィーナスも……! 本当にお強かったですわ……!」

「ああ……! 流石は僕たちのライバル……高校生チャンピオンバディだ……!」

 

 アークソードとアークシールドが遠くへと弾き飛ばされる中、アークサターンも左肩の装甲と左のアークX(クロス)ウィングを破壊されて、全身がボロボロになっていた。

 そして……。

 

『美月ちゃん……サターン君……本当に……おめでとう……』

『はい……ヴィーナスとマスターの……負けですね……』

 

 ノーブルガンソード改を破壊されて、全身がボロボロになっていたノーブルヴィーナスはマジカルバリアを破壊されて戦闘不能になり、その場で動かなくなった。

 そしてサターンクロノスワールドが解除されて、灰色の世界に色が戻ると、同時にプラネットダークも解け、アークサターンが元の姿に戻った。

 

 それを見たMCのステラがバトルの決着を宣言した。

 

『——き、決まったー☆ あの高校生チャンピオンバディの輝君とヴィーナスちゃんのノーブルヴィーナスを破ったのは、美月ちゃんとサターン君のアークサターンだー☆ これで決着……』

 

 ——その時だった。

 

 宇宙に()()()()()()()()()()()()

 

『え?? あれは……まさか……!?』

 

 それに気づいたステラが驚きの声を上げると、観客席も驚きのあまりざわつき出した。

 

 しかしそんな中、美月たちは驚いてはいなかった。だってこの展開になると分かっていたから……。

 

「そうですわよね……。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……」

「でしょうね……。 さあ、お嬢様。 輝たちとの激闘の後ですが……もう一踏ん張りできますよね?」

「勿論ですわ、サターン!」

 

 美月たちはそう呟きながら、アークサターンにアークX(クロス)ランスを構え直させた。

 

 すると炎の様な赤い星が……ブラッドマーズが姿を現した。

 

 ブラッドマーズも先程の輝たちのヴィーナスロイヤルシャインにより、ブラッドウィングを中心に大ダメージを負っていて、全身がボロボロになっていたが、それでもまだ戦闘不能にはなっていなかった。

 そしてそんなブラッドマーズがブラッドロッドとブラッドステッキを構えた。

 

『——さあ、美月! サターン! 最後の決着を着けよう! 行くよ、マーズ!』

『ええ、焔君! 美月ちゃんたちに勝って、高校生チャンピオンバディになるわよ!』

 

 ——そして美月たちと焔たちの最後の決戦が幕を開けた。

 

 

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