「ふっふっふ…今回の依頼も万事解け…」
スパァァン!
そんな事を言いながらポーズを決めようとした陸八魔アルを少年が後ろから引っ叩く。
「あだっ…!?ハル!今、最っ高にハードボイルドな瞬間だったのだけれど!?」
「んな事言う前に爆弾処理しろバカ姉貴!もう爆発するぞ!?」
「な…!」
なんですってー!?という悲鳴と共に便利屋一同と俺は爆発に飲み込まれたのであった。色々ありつつ便利屋事務所にて。
「くふふ〜、今日は散々だったね!」
「笑い事じゃないですよムツキさん……」
「まさか駆けつけた風紀委員会から逃げてる最中、万魔殿に鉢合わせるとはね。はぁ……今回は流石に疲れた」
「私のせいでアル様を危険な目に……!この命で責任を取ります!」
「落ち着きなさいハルカ!貴方は悪くないでしょう?!」
いつもなら適当に風紀委員会を撒いて終わりなのだが今回は何故か万魔殿が来た。圧倒的数の暴力。もはやいじめである。誰が言ったかゲヘナアカモップことイロハ先輩とイブキじゃなければやばかったかもしれない。
「さて姉貴……いや、社長。俺の言いたい事が分かるか?」
「えぇ!勿論よ!私の不注意で依頼が未達成になったわ!」
「意気揚々と報告する事じゃないだろ……?なんか、毎度すみません」
「私達は気にしない。好きで社長について来ているんだし」
「み〜んな、アルちゃんが大好きなんだし気にしな〜い!」
「ア、アル様に大好きなどと……わた、私には畏れ多いです」
…なんていい人たちなんだ。カヨコ先輩に限っては姉貴よりも年上だ。それなのにこの慎ましさ。何故ここに居るのか謎である。
紹介が遅れたが、俺は陸八魔ハル。ゲヘナ学園1年で便利屋68の社長である陸八魔アルの弟。そして室長であり姉貴の幼馴染、ムツキさん。課長のカヨコ先輩と平社員のハルカ。あんなポンコツ姉貴でも一応社長を名乗っているらしい。俺は未所属だ。だって普通に学校通いたいし。ゲヘナでは珍しいのだろうが、俺はどうせなら通いたい。だって学生の醍醐味だから。経営顧問であるシャーレの先生からもよく言われるのだ。「学生生活というのは一瞬なんだよ。大人になればなるほど老衰が目の前に近づくのを感じるんだよ。」と。まだ若い筈なのに可哀想だと俺は思った。
「じゃあ俺は学校行ってくる。姉貴、また変な依頼摑まされないように気をつけてくれよ?」
「私一応貴方の姉なのだけれど?!その程度の事、私にできないと思っているの?」
「うん思ってる」
「うふふ…姉の凄さを思い知らせてあげるわ!」
3人に任せて事務所を出た。もう不安しかない。そのままトテトテと歩いていると前から戦車登校中のイロハ先輩とイブキがいたのでさっきのお礼も兼ねて話しかける。
「こんにちは。さっきはありがとうございます」
「……便利屋の人ですか。あなた達を相手にすると骨が折れますから。私としてもサボれてよかったです」
「あーっ!ハルくん、おはよー!イブキと遊ぼー!!」
「あはは、じゃあ白髪の保護者の方説得してねー。一応お菓子用意してありますけどいりますか?」
「よくできた後輩ですね。ゲヘナでは珍しい部類です」
「姉がアレなので……」
それでは、と一言入れて教室へと急ぐ。ギヴォトスでは珍しい……いや、ほぼ居ないと言ってもいい人型の男である俺は目立ってしまう。先生は同じ理由でヘイローが無いため何回も逆○イプされている噂もある。本当に可哀想だと思いながら俺は登校を急ぐのだった。