赤神春馬は仮面ライダーに憧れて闇暴きに没頭する   作:コヨイクジ

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第六話『新たな帯』

僕はこれまでに分かったことを脳内で整理した。

 

まず、僕が通っている虹野原高校は、スマートブレインという会社に所属する大人の養子が多く通っている。

 

その中にはオルフェノクになった大人もいれば、人間の大人もいる。

 

そして、その大人たちは高校に資金などを提供している。

 

なぜ、あの高校にそこまで力を入れる?

 

僕は仮説を考えて、父さんと舞花に伝えた。

 

春馬

『あの高校はきっと、スマートブレインの所有物、つまりは実験場だ。』

 

冬馬

『お前もそう思うか。』

 

春馬

『あぁ、きっと人間だろうがオルフェノクだろうが関係なく、スマートブレインに所属する大人は養子を持つことを義務付けられているのだろう、そしてその養子をあの高校に通わせて、何かを企んでるんだ。』

 

舞花

『じゃあ、もしかして先生たちも?』

 

春馬

『いや、彼らは普通に公務員として来た人たちだろう、調査した感じでは何か怪しい感じはしなかった。』

 

冬馬

『しかし、何のために養子を高校に通わせて、何をする気なんだ?』

 

僕は一番最初にオルフェノクと戦った日を思い出した。

 

あのオルフェノクは元々は高校の学生、優等生野郎だった。

 

だが、警察に捕まった後、警察に紛れていたオルフェノクによって、オルフェノクへと覚醒した。

 

仮面ライダーファイズだと、人は誰でもオルフェノクになれる訳じゃない。

 

ある一定の人だけが、オルフェノクになれる。

 

そのほとんどが、根っからの極悪人であったり、普通の人なら体験しない悲しい過去により深く絶望した人だ。

 

その中でも急死に一生を得た子供には・・・。

 

待てよ、まさかそういうことか!?

 

春馬

『オルフェノクの王・・・。』

 

冬馬

『急にどうした?』

 

春馬

『奴らの狙いが分かったかもしれない。』

 

冬馬

『本当か!?』

 

春馬

『奴らの狙いは・・・オルフェノクの資格を持つ者を増やす、そしてオルフェノクの王を生み出すことだ。』

 

舞花

『オルフェノクの王?』

 

春馬

『あぁ、まずは僕の仮説を聞いてくれ。』

 

冬馬

『お前の推理力がどれだけ成長したか見せてもらうよ。』

 

春馬

『まず、スマートブレインに所属する大人は養子を持つ、それも何かしら悲しい過去を持つ子供だ、その子供をスマートブレインが運営する学校に通わせる、その一つが虹野原高校だ、学校生活をしていく上で心の闇、つまり悪意や絶望が強くなる、優等生野郎が悪意の方向で、舞花が絶望の方向だ、心の闇がある程度大きくなった状態でオルフェノクに襲われると、覚醒してオルフェノクになる、奴らは学校という人間が悪に染まったり、負の感情に苛まれる場所を使って、オルフェノクを増やしてるんだ。』

 

冬馬

『つまり、あの高校はオルフェノク製造工場ってことか。』

 

舞花

『それは分かったけど、肝心のオルフェノクの王ってなに?』

 

春馬

『オルフェノクの王、別名(アークオルフェノク)は仮面ライダーファイズのラスボスで、急死に一生を得た子供の中に宿ると言われてる、もしこれが本当なら、奴らが養子を集めてることにも納得がいく、養子の中には何かの事故で親を失って自分だけ生き残ったり、捨てられて死ぬ寸前だった奴もいるからな、とにかくスマートブレインの最終目的は、アークオルフェノクを生み出すことだ。』

 

冬馬

『なるほど、だが王を生み出すと奴らにどんなメリットがあるんだ。』

 

春馬

『仮面ライダーファイズだと、アークオルフェノクに忠誠を誓ったオルフェノクは永遠の命を得る、その代わりに人間の姿には戻れなくなる、逆に王に逆らったり、使えないと判断されたオルフェノクは、王に殺されて喰われる。』

 

舞花

『じゃあ、スマートブレインの人たちは永遠の命が欲しいの?』

 

春馬

『今の段階だとそうなる。』

 

アークオルフェノクについてはまだ謎が多い。

 

ファイズ劇中では、急死に一生を得た子供に宿る、オルフェノクを殺すことも不死身にすることもできる、ということぐらいしか分かっていないからだ。

 

僕の仮説だと、アークオルフェノクはそれを宿した人の第二人格がオルフェノクと化した存在だと思っている。

 

子供の頃に体験した強いショックや絶望によって、体の中にある心の闇が意思を宿して第二人格となり、それが何らかの理由でオルフェノクとなったのではないかと考えている。

 

まあ、今はそんなことを考えても仕方ない。

 

僕らは就寝することにした。

 

翌日、僕は高校に登校して授業を受けた後、放課後に勇也と翔を呼んで部室へ行った。

 

そこで、昨日分かったことを全て話した。

 

勇也

『スマートブレインがオルフェノクを増やすための施設・・・。』

 

『オルフェノクを不死身にする王・・・。』

 

勇也

『許せねえ、ただでさえ俺らと違って、過去に悲惨な目にあって養子になった仲間を奴らの都合でオルフェノクにしようだなんて。』

 

『確かに死ぬのは怖いことだけど、不死身になるってよくないことな気がする。』

 

二人とも、熱心になって考えてくれていた。

 

僕もスマートブレインの奴らを許すことはできない。

 

オルフェノクの力のせいで、色んな人が犠牲になったのだから。

 

そう考えていると、カオスフォンから着信音が鳴った。

 

相手は舞花からだ。

 

春馬

『もしもし、舞花どうした?』

 

舞花

『春馬、実はさっき家に帰ったら別の高校に行った流星塾のメンバーから連絡があって、その人の家に私たちのお父さんから荷物が届いてたらしいの。』

 

春馬

『お前らの父親から、それで中身は?』

 

舞花

『それが、新しいベルトが入ってたらしいの。』

 

春馬

『なに、新しいベルト!?』

 

舞花

『今、写真を送るわ。』

 

そして僕はカオスフォンの画面を見ると、そこには見たことのないベルトが入ったアタッシュケースがあった。

 

ベルトと一緒に『シャドウギア』と書かれている説明書らしきものもある。

 

春馬

『それで、その流星塾の人はベルトをどうしてるんだ?』

 

舞花

『とりあえず、ケイオスに変身できる春馬に渡したいって、待ち合わせ場所を決めたから、明日貰いに行こう。』

 

春馬

『分かった、連絡どうも。』

 

シャドウギアか。

 

どんな変身ベルトなのか少しワクワクするが、そのベルトを持ってる舞花の友達の身が心配だ。

 

この間の僕のように、オルフェノクに襲われなければいいが。

 

僕は明日、待ち合わせ場所でベルトを貰うことを勇也と翔に話した。

 

勇也

『なあ、よければ俺も一緒に行っていいか、お前に少しでも協力したいんだ。』

 

春馬

『分かった、でもオルフェノクが現れるかもしれない、その時は必ず逃げろ。』

 

勇也

『あぁ、翔はどうする?』

 

『僕も行きたいところだけど、明日バイトが入っちゃって。』

 

春馬

『親に許してもらえたのか?』

 

『うん、春馬君に助けてもらった後、前とは違う場所だけどバイトできるようになったんだ。』

 

春馬

『よかったな、じゃあ翔はバイトを頑張ってくれ。』

 

こうして今日の会話を終えて、僕は家に帰った。

 

その後、舞花と父親と一緒に、例のシャドウギアについて話し合った。

 

冬馬

『シャドウギアって名前だから、変身名は仮面ライダーシャドウかな?』

 

春馬

『どんな能力や戦闘力を持ってるんだろう。』

 

舞花

『もしベルトを貰ったら、春馬が変身するの?』

 

春馬

『うーん、僕はカオスギアがあるからな、今後もし変身できそうな人で新しい仲間ができたら、そいつに渡すか。』

 

冬馬

『そう簡単に都合いい仲間ができるかね、ベルトはオルフェノクか適合した人間にしか使えないんだから。』

 

春馬

『いや、一応例外がある。』

 

舞花

『例外?』

 

春馬

『人間のままオルフェノクの細胞や遺伝子を持つ存在だ、まあそういう人はなんかの実験手術で体内に細胞を移植したか、可能性は低いがウイルスみたいに体に抗体があって、オルフェノクに襲われた時に体に流し込まれるエネルギーを克服した人だ。』

 

舞花

『克服って、オルフェノクにならないってこと?』

 

春馬

『ファイズ劇中にはそんな奴いないがな、僕の仮説だよ、オルフェノクにならず、死にもしない、襲われても人間のままでいられる奴もいるんじゃないかなって思ってる、たぶんオルフェノクの遺伝子は体の中に残っちまうけどな。』

 

冬馬

『まあ、もう遅いし寝るか。』

 

僕たちは就寝に入った。

 

翌日、僕と舞花と勇也は流星塾のメンバーを待ち合わせ場所で待っていた。

 

今日は休みの日ということもあって人が多い。

 

舞花

『なかなか来ないわね。』

 

勇也

『約束の時間はとうに過ぎてるのに。』

 

すると、近くから叫び声が聞こえたため、僕らは急いで向かった。

 

現場に着くと、奥からガラの悪そうな男二人が怯えながら走ってきた。

 

その後、二人の後ろを長い触手が貫き、二人は灰化してしまった。

 

周りの人々は、叫びながら必死に逃げている。

 

触手が伸びた方を見ると、二人の前に灰になったであろう死体と、ガタイのいい大男が立っていた。

 

大男

『ちょうどお前を探してたんだ、手合わせ願おうか。』

 

春馬

『お前、なんでこいつらを殺した!?』

 

大男

『お前を探してたら急に話しかけてきて、俺の財布を盗もうとしたからだ、力なくして強者を下に見る奴が俺は嫌いだ、正々堂々とした戦いこそが俺のポリシーだ!!』

 

春馬

『お前、見た目で分かるが戦うのが好きみたいだな、鍛え抜かれてるのが分かる、それ相応の努力をしたんだろう。』

 

大男

『ほう、分かるか、お前とはいい戦いができそうだ。』

 

すると、大男はオルフェノクにならず、その場で構えた。

 

なるほど、まずは生身で試すってか。

 

春馬

『舞花、勇也、下がってくれ。』

 

舞花

『分かったわ。』

 

勇也

『負けるなよ。』

 

僕は構えると、大男に向かって走った。

 

回し蹴りや肘打ち、拳の攻撃を出しているが、全て防がれる。

 

向こうからの攻撃も防いでいるが、防ぐだけでもかなりの重さだ。

 

お互い攻撃を防ぐことと繰り出すことを繰り返しているが、こいつやっぱりパワーだけの脳筋じゃねえ、とにかく頭がいい。

 

動きが日々の特訓の成果と言わんばかりにプロだ。

 

生身の戦いでこれだけ苦戦するのは初めてだ。

 

互角の戦いが続き、僕と大男は距離を取った。

 

大男

『これだけ楽しませてくれたのはお前が初めてだ、せっかくだからな、名前を聞かせてくれ。』

 

春馬

『赤神春馬、仮面ライダーケイオスの変身者だ、アンタは?』

 

大男=ジェイ

『俺はジェイ、スマートブレインの幹部、ラッキークローバーの一人だ。』

 

春馬

『ラッキークローバー、ってことはオルフェノク最強の一人!!』

 

ジェイ

『やっぱり俺たちのことそこまで調べてたのか、社長にお前のベルトを奪ってこいと言われたのだが、俺は強い奴が好きだからな、この戦いを楽しんでからベルトを頂くとするか!!』

 

春馬

『だったら、味合わせてやるよ、ライダーの力を!!』

 

カオスギア

『8、8、8、スタンディングバイ!!』

 

春馬

『変身!!』

 

カオスギア

『コンプリート、ケイオス!!』

 

僕は仮面ライダーケイオスに変身した。

 

ジェイ

『さあ、存分に楽しもうぜ!!』

 

ジェイはオルフェノクに変身した。

 

春馬

『あれは、クロコダイルオルフェノク格闘態。』

 

オルフェノクの中でも強いやつ、それがラッキークローバー。

 

クロコダイルはその中でもパワーでは随一。

 

その他にも何か能力があったような・・・。

 

いや、考えてる暇はない!!

 

僕はジェイに格闘で挑んだ。

 

今までのオルフェノクと比べ物にならないくらい強い。

 

全然攻撃が効いてる感じがしない。

 

一瞬の隙で、僕はジェイのナックル状の武器で殴り飛ばされてしまった。

 

春馬

『うわぁぁぁ、痛いなぁ、こうなったら!!』

 

カオスギア

『8、5、2、カオスカリバー、サモンズ!!』

 

僕はカオスカリバーを召喚して、ジェイに攻撃した。

 

それでもジェイの体は硬く、ジェイにカオスカリバーを弾かれてしまった。

 

春馬

『ぐはっ、くそって・・・えっ、あぁぁぁ、カオスカリバーが、お、折れたぁぁぁ!!』

 

今まで活躍してきたカオスカリバーが、ジェイのナックルを剣先で防いだだけで折れてしまった。

 

ジェイ、こいつなんて奴だ。

 

ジェイ

『もう終いか、だったらそのベルトは貰うぜ、大丈夫、お前は強いから命までは取らない。』

 

くそっ、体が痛くて動かない、もうダメか。

 

ジェイ

『ぐわぁぁぁ!!』

 

すると、ジェイの後ろを何者かが撃ち抜いたのだ。

 

奥を見ると、なんと見たこともない仮面ライダーが、ガンモードに変形した携帯電話をジェイに向けていたのだ。

 

ジェイ

『お前、何者だ、こんな奴がいるなんて聞いてない!!』

 

謎の仮面ライダーは携帯をベルトに戻すと、番号を入力して手裏剣と銃が合体したような武器を召喚した。

 

そして、その武器の銃口から弾丸を撃ちながら、ジェイに向かって走ってきた。

 

謎のライダー

『ハァ、セイ、ヤァ、タァ!!』

 

ジェイ

『ぐはっ!!』

 

謎のライダーは格闘でジェイを追い詰めると、ミッションメモリーを武器に差した。

 

すると、手裏剣状の武器の四箇所ある尖った場所の一つから、細長い剣先を伸ばしたのだ。

 

まるで、ファイズに出てくる仮面ライダーカイザのカイザブレイガンのようだ。

 

謎のライダーはソードモードになった武器でジェイを追い詰めると、エネルギーをチャージし始めた。

 

シャドウギア

『エクシードチャージ、シャドウクロー!!』

 

謎のライダー

『ハァァァ!!』

 

謎のライダーは剣先でジェイを一刀両断に切断した。

 

ジェイ

『ぐわぁぁぁ!!』

 

ジェイは激しい爆発と共に青く燃えると灰になった。

 

こいつは一体何者だ?

 

謎のライダー

『ぐっ、ぐわぁぁぁ!!』

 

すると、謎のライダーは急に苦しみ始めた。

 

僕は変身解除すると急いで近づいた。

 

春馬

『おい、大丈夫か!?』

 

謎のライダー

『ベルトを外して・・・。』

 

僕は彼からベルトを外して変身解除させた。

 

アーマーの中から現れたのは、メガネをつけた青年だった。

 

舞花

『西田君!!』

 

春馬

『舞花の知り合いか!?』

 

舞花

『昨日電話でベルトのことを教えてくれて、今日渡すって言ったのが西田君なの!!』

 

つまり、今日待ち合わせ場所で会うはずだったのがこの西田って人か。

 

勇也

『お前、どうしたんだよ、ってこいつ、腕が灰色に・・・。』

 

謎のライダー=西田

『仮面ライダーシャドウに変身した副作用だ、適合しない人が無理矢理変身してしばらくすると、体が灰になって死ぬ。』

 

舞花

『どうしてそこまでして変身したの!?』

 

西田

『舞花ちゃんたちに会う前、別のオルフェノクが近くで人を襲ってて、仕方なく変身したんだ、そしたら舞花たちも襲われてて。』

 

勇也

『そんな、自分の命を捨ててまで・・・。』

 

西田

『目の前で人が殺されるのは見たくないからね、自分の代わりに大勢が助かってよかったよ、春馬君だっけ、舞花ちゃんから聞いてるよ、君とは色々話して、友達になりたかったな、ごめんね、こんな出会い別れしちゃって。』

 

春馬

『すぐに駆けつけられなくて、すまない・・・。』

 

西田

『いいんだ、だって舞花ちゃんに、僕のカッコいいところ、少しは見せられたからね、舞花ちゃん、今まで友達でいてくれて、ありがとう・・・。』

 

そして、西田の体は灰となって死んだ。

 

きっと西田は、僕と同じで舞花を好いてたんだろう。

 

舞花は涙を流していた。

 

勇也と僕は、西田の決意に対し敬意を心に感じながら、彼の灰を集め近くの地面に埋めた。

 

例え僕がオルフェノクと戦っても、これからもっと多くの犠牲者が増えるだろう。

 

でも、これだけは言える。

 

人を守るために自分を犠牲にした英雄を忘れてはいけない。

 

西田、君の魂が天国へ行けますように。

 

第七話『戦う決意』に続く。

 

 

 

 

 

 

 

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