HUNTER×HUNTER立志伝〜世界に追放された異能たち〜   作:ゆゆ式

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元に戻ると手加減できなくて

 大抵殺しちゃうから

(っ・д・)≡⊃)3゚)∵



ゲームマスターと爆弾魔の終わり

 

 

旧型のジョイステーションが7台。薄暗い部屋の机に並んでいる。そしてそのジョイステには、それぞれGIのソフトが入っている。後はそのハード本体に向かって練をすればすぐさまゲームにログインできる形だ。

 

それを整え終えて、ニシヤは後ろに振り返る。すると、目の前に15人の念能力者達の姿が浮かぶ。彼らはみな、ある程度熟練しているからか、あまり感情が見えない。

 

そんな彼らに、ニシヤは告げた。

 

 

「じゃあ誰が先に入るか、くじ引きで決めようか」

 

 

彼らの雰囲気に合わせて、特に気負う事もなく割り箸を入れた紙コップを差し出す。何を言うでもなく、どうぞと先着順に取ることを促した。それに濃い顔をした、ゴレイヌという人物が出てくる。

 

その人物がまず初めに割り箸を取り、それに続いて何人かが割り箸を取っていった。そして最後。色んな意味で緊張していた唯一の人物、ゴンがゆっくりとコップから割り箸を取る。

 

その直後、部屋の中に喜びの声が響いた。

 

 

「やった!1番!」

 

 

少年の純粋な歓喜に、部屋の空気も祝福ムードになる。将来性込みということもあって、温かい視線がゴンを見守った。もっとも見られる当の本人は気恥ずかしそうだったが。

 

そのようにして順番が決まり、割り箸を回収した後早速ゲームの開始準備に入る。

 

チュートリアルは中の少女がしてくれるので、とりあえずプレイヤー各位には、画面に表示されるゴンのデータがNow Playingになったら次の番が入るように言っておいた。

 

そんなこんなで、ゴンが7台あるうちのゲーム機の前に立つ。そしてメモリーカードなどを差し、何故か持っていたブック用の指輪を装着して、準備を整えた。後はもう練をするだけで、その姿に、ニシヤは軽く応援の声をあげた。

 

 

「じゃあ、頑張ってねー」

 

「押忍!」

 

 

そう言いながら、ゴンが練をする。その瞬間、部屋中にオーラの気配が充満し、それを直に浴びせられたゲーム機が駆動した。

 

かと言って何かすごい音が鳴るとかではなく、次の瞬間には、オーラを発していたゴンの姿は何かに捕らえられたように消えた。

 

 

「おお!」

 

 

まさに瞬間移動とでも言うべきそれに、感心の声があがる。誰も疑っているものはいなかっただろうが、実際に見るとまた違うようだった。

 

その光景に中堅レベルのハンター達も興奮し、2番手もゴンに続くように瞬間移動してゲーム内へ入っていく。

 

その連鎖は募集したプレイヤーがいなくなるまで続き、やがて部屋にニシヤひとりが残ると、自身もまたゲーム機に手を添えて練をした。

 

直後、視界が切り替わる。

 

薄暗かったはずの部屋から、モノクロの不思議な空間へ。ある意味、懐かしい光景だった。そして足元を見ると、相変わらず召喚陣のようなものが敷かれているのが見える。

 

正面には、分かりやすく扉が設置されていた。なのでそこに向かい、自動的に開かれるその扉を通り何も無いモノクロの廊下を歩く。少しすると、開けた空間にたどり着いた。

 

 

「グリードアイランドへようこそ……おお、あなたは、もしやユズ様では?」

 

 

ふと、声が聞こえてきた。その方に顔を向けると、モノクロの空間の中心で不思議な少女が座っているのが見える。

 

下部の台座は何らかのゲームシステムに関係あるのか。とりあえずニシヤは、久しぶりの少女との遭遇に声をあげた。

 

と言ってもセーブデータを吹っ飛ばす訳には行かなかったので、ジェイトサリに無理を言ってオークションの1週間前までは普通にログインしていた。何せデータは10日程で吹っ飛ぶので。

 

 

「違います。ニシヤ=フーズーです」

 

「おお、ニシヤ様でしたか。それでは引き続きゲームをお楽しみください。ニシヤ様の現在の指定ポケット枚数は84枚です」

 

「ありがとう。それと話があるんだけどいいかな?」

 

「はい、なんでございましょうか?」

 

 

首を傾げる少女に、話を持ち掛ける。というのも難しい話ではなかった。基本このゲームのNPCは自分の管轄を外れた場所に対しては全く知識を持たない。

 

しかしこの少女は違う。人間同様の回答ができる。それはある種ひとつの答えを示していると言えよう。すなわち、少女は人間であると。ただし人間であるからなんだという話だが。

 

しかしどうも少女を見ていると、ゲーム内データをかなり精密に管理しているように思える。少なくともそこらの雑用ではない。そういう重要なデータを任せられるとなると、これまた重要な人間。

 

つまりゲームマスターである可能性が高い。だから話をしたいと言った訳だが、そもそもニシヤの話とはGIの今後の扱いについて。

 

クリア後も持続するならいいが、そうではないなら、転生者側で受け持ちたいという話。

 

これを受けて、少女は自身をゲームマスターとして認めた。

 

そして自分だけでは決め兼ねるからゲームマスター同士で相談したいという。ひとまずはそこまで話を進めて、ニシヤは少女の返答を待った。

 

 

「うん、うん。私は別にいいかな。うん、わかりました」

 

「……どう?話は纏まったかな?」

 

「はい、ニシヤ様。結果的に言えば、私達ゲームマスターとしては特に問題ない、という結論になりました。一応伝えておくと当ゲームはクリア後ほぼ崩壊するので、システムはお好きにしてください」

 

 

それは僥倖。出来ればクリアしても問題なく続く方が転生者ネットのシステム的に負担は少なかったのだが、まあ転生者側に無限コンティニューによる実質リターンのようなものが来るだけでも十分。

 

どんな怪我をしようとも大天使の息吹というものを使えば直せるから、死ななければ無限に暗黒大陸を探索できる。補給もGIの転移とニシヤと同じような念空間を持つ能力者がいればいくらでも可能。

 

つくづくGIは都合がいい。唯一なぜそこまでGIが欲しいか説明できないのが辛いところだ。ゲームマスターを始めとした恩人を相手に感謝を真の意味で示せないのだから何をかいわんや。

 

そんな事もありながら、ニシヤは決断してくれたゲームマスター一同に感謝しつつ、GIへと再び入っていく。

 

モノクロの空間が内蔵されているスタート地点、シソの木を出ると、相変わらず雄大な自然が外には広がっていた。それを目の前にしながら、ニシヤは今後の計画を練る。

 

 

「とりあえずはまあ、睡眠少女と魔女の若返り薬を探検隊の分用意出来れば大天使と合わせて探検キットの完成か。いいねGI。ゲームとして本当は楽しむべきなんだろうけど、今の俺には暗黒大陸があるから」

 

 

そんな言い訳をしながら、ひとまず補給の為最寄りの街へと向かう。草原の中央に位置するシソの木から、ニシヤは遠くに見える街に向かって歩き出した。

 

道中分かりやすく覗かれたりするが、スタート地点の監視はいつもの事なので気にせず歩みを進める。ヨークシンとはまた違って、この島は風が心地良かった。

 

とまあそれからそこそこの速度で走ること幾らか、シソの木から感じ取れる視線もあって雇った彼らもいるであろう場所に着いた。街の入口の看板を見ると、そこには『アントキバへようこそ』と書かれている。

 

ここは懸賞の街。だから入ってしばらくすると、人だかりの多くあるところに、看板があった。そこには様々な懸賞が貼られている。まあジェイトのあの募集の奴とほぼ似たようなものだ。

 

周りを見ると、何人か雇った人物達もいた。とはいえこうなるとお互いゲームのプレイヤーなので、軽く会釈すると特に交流することもなく別れる。

 

そして補給の為にトレードショップへと向かうと、その道中である人物に話しかけられた。メガネを掛けた、体型に対して余裕のある服を着た男だ。確かニッケス組の人物だったか。

 

 

「ちょっと、話があるんだが、いいか?」

 

「うん?構わないよ。ゲームの話かな?」

 

「ああ、そうだ。ゲームの話だ。あまりこちらにとっては良い気分の話ではないが。それでも折り入って頼みがある」

 

 

重い雰囲気を放つメガネの男。彼に連れられて道の端に寄る。その末に行き交うNPC達を見ながら、ニシヤは男の話を聞いた。

 

 

「5年。俺達がプレイした時間だ。あんたの場合は10年くらいか。長いよな。しかし攻略に使った期間で言えば俺達は5年全て。あんたは10年の中のほんの1部。だから納得できないんだよ。わかってる。これは嫉妬とかそういう類のものだ」

 

「うん、それで?」

 

「正直醜い頼みだが、あんた攻略にそんな興味ないだろう。だからあんたは攻略に参加しないでくれるか?せめて戦える相手と戦ってクリアできるかできないかを決めたい。あんた相手だと話にもならないからな」

 

「うんうん、なるほど」

 

 

要するにメガネの男。間違いでなければゲンスルーは、納得というか、最低限の感情的な部分での整理を求めているわけだ。GIクリアに使った5年。その前にはPK騒動などでかなり色々あっただろう。

 

そこを乗り越えての5年。間違いなく重い。そしてニシヤはそれを尊重するべきだと思う。そもそもニシヤはクリアが目的にはない。

 

あくまでバッテラの役目を引き継いでついでに恩を返せればとプレイヤーを雇っただけだ。ニッケス組がクリアできるならそれでもいい。何せ彼らもバッテラが雇ったプレイヤーだから。

 

 

「まあ結果から言うと、俺はこれ以上の干渉はしないよ。バッテラと共にいた彼、ツェズゲラがクリアしても構わないし、君たちがクリアしても構わない。言う通り俺はGIとは関係が薄いからね」

 

「感謝する……話はそれだけだ。失礼した」

 

 

一言そう言ってこちらに頭を下げながらゲンスルーが去っていく。その背中は随分小さかった。彼からは何かを感じたのだが、それももう萎んで消えてしまったようだ。

 

どうやら裏に仲間がいて、待機していたようだが、そんな彼らもゲンスルーの様子に変なところを感じたのか、何事かを言っている。

 

 

「おいゲン!いいのかよ!?ようやく準備が整ったんだぜ!?」

 

「そうだぜ!ゲンスルー!副会長補佐がなんだってんだ!俺達が揃えば勝てない相手じゃねえ!」

 

「……いや、いい。もう、いいんだ。レベルが、違う」

 

 

彼らは、そのようにして不満を残しながらも、どこかひとり、ゲンスルーだけは憑き物が落ちたかのようにどこかへと去っていった。

 

あまりなんだったのかはニシヤにも分からないが、とりあえず街のトレードショップに行ったらそこからはまた懐かしのキャンプ再開だ。

 




↓例の考察

※ビスケオーラ量判断

・潜在オーラ量17万
・顕在オーラ量2万

結論おおよそのオーラ量で言うとビスケはゲンスルーとオーラだけならタメをはるであろうバラを瞬殺。
しかも手加減が難しいと言っているので手加減した上で半殺し。となるとバラを顕在1500ほどとして、ビスケはそれを上回る程度のオーラで殴ったのだろう。

そして手加減が難しいというのは身体能力だけではなくオーラ的にも。おそらく普段は相当オーラも制限して普段の姿を維持している。
そしてあるいはビスケはバラを殴った時相当な手加減をしていたと見える。具体的には堅すらしてなかったのではなかろうか?
それはすなわち纏。堅を50として実に10の攻防力。それでありながら1500位は顕在オーラがありそうなやつを瞬殺。

このことからビスケは纏で1500以上のオーラがある。となると純粋に考えて攻防力100の状態だと1万5000以上のオーラがあることになり、しかもバラの攻防力を上回らないと攻撃を通すのは難しいのであるいは2万程の顕在オーラも考えられる。
とすると一流の念能力者が潜在オーラからして顕在オーラの量が十分の一以上の値になる可能性が高い事を考えると、おおよそビスケの潜在オーラは15万〜17万。となる。


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