HUNTER×HUNTER立志伝〜世界に追放された異能たち〜   作:ゆゆ式

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──今日はもう疲れた。

──初めて無関係の人間を殺めちまったかも知れん。


ひとつの終着点と交信

 

 

GIのアイテムの中には、内部で効果を発動させれば外部でも効果を維持するものがある。睡眠少女もその一つだ。効果は睡眠少女がプレイヤー、あなたの代わりに眠ってくれることで、24時間活動できるようになるというもの。

 

他にも秘密の部屋を好きなところに作る隠れ家不動産や、金粉少女などが現実でも効果を発揮するものになる。あるいは大天使の息吹も、一度使ったことはあるが現実でも効果は残った。

 

このようにGIは別にクリアしなくても恩恵を受けられるようになっている。これは様々な条件があるからだろう。まず念能力者でなければGIには入れない。その念能力者が自ら入る意思を見せないとGIは始まらない。

 

カードの入手難易度。制限枚数。現実に実際に効果を持ち帰って現実で使用できるほどの力量。簡単なように見えて、これほどの制約とも言うべきものを利用者は課せられる。

 

そりゃあ現実で効果があるものもあるわけだ。

 

そん風に納得しながら、とりあえずニシヤはこの数ヶ月。転生者達の日程を確認しながらも、まずは睡眠少女と転生者の暗黒大陸探検隊との同期を図った。

 

これにより睡眠などの隙ができる時間が無くなる。

 

それはいい事だ。しかし悪いこともあった。他でもない、ジンだ。あいつ、定期的にどっかへ行くが、またふらっと来てはニシヤから情報を聞き出そうとしてくる。

 

ニシヤが「自分で調べればいい」などと言えば、「お前の口から聞きたい」だの。やかましいんじゃボケ。しまいにゃ本気でしばくぞ。全力でやれば世界屈指の念能力者でもボコれるっちゅうのに。

 

などと思いながらジンの相手をし続けた。今日もそうだ。しばらくキャンプはやめて、街中で泊まること数日目。泊まっていた宿にまたどこかからジンが来た。

 

 

「よお、来たぜ。というか聞きに来たぜ」

 

「はあ、またかよ。いい加減諦める気にならんもんかね?」

 

「いーや諦めないね。俺の嗅覚が絶対お前は何かとんでもない事を企んでると言ってる。間違いねー」

 

 

ジンが来たことで、宿を出てそこら辺を散策しながら話す。こうも話を聞きに来る姿勢だと、絶対に時間が掛かるので、鬱憤晴らしにモンスター狩りに出掛けた。

 

ある場所の、森林地帯。そこでディノニクスなどの小型の恐竜などに近い形のモンスター達を狩る。爪が一閃頬の近くを通るのを見ながら、避けるのもそこそこに拳を振りモンスターを吹っ飛ばした。

 

 

「飽きねーなお前も。俺もモンスター狩りはきらいじゃねーけどよ」

 

「だってこうでもしてないとジンの話なんて聞いてらんないでしょ?」

 

「そうか?お前が話してくれたら全部すぐ終わるぜ?」

 

「………それができたらどんなに楽なことか」

 

 

計画の手駒はもう十分揃った。今更ジンにリスクを賭けて計画を話す意味が無い。残念ながらジンは自由奔放さも相まって誘うには色々と不確定すぎた。だから暗黒大陸に行くなら自分で行ってくれ、というか。

 

勝手に混ざってこいと言うしかない。だいたいジン程の奴なら、あるいは計画にたどり着けるかもしれないのに。わざわざ本人にのみ聞きに来て。そういう妙に律儀なところがムカつく。

 

そう思いながら変わらずモンスターを潰していると、遠くから久しぶりに移動スペルの飛行音が聞こえてきた。見ると、北西方向、ソウフラビなどがある方から飛んできているのがわかる。

 

なるほど。もしかしたらこれはもしかするかもしれない。未発見イベントの発掘。まあ、ソウフラビで得られるアイテム自体は別にそこまで欲しい訳ではないが。

 

ちょっと実験に使えるかと思い。手に入れられるなら手に入れようと賞金をかけた訳だ。それが見事に引っかかったならいいが。

 

 

「んあ?移動スペル?おめーの知り合いか?」

 

「そうかもね。多分。成果報告に来てくれたのかも」

 

「ふーん」

 

 

風になびく草葉などの音に混じって飛行音が近づいてくる。ジンなどは無関心そうだったが、実の所あんたにも関係はあるんだよって感じだ。正確には覚えてないが、何せゴンは父親を探すためにGIをやりたいと言っていた。その事を考えれば。

 

と、それからしばらくして、森の一角に光の球体が降り立った。それがゴン達のものだったとして、予想外なのは果たしてどちらか。

 

こちら側も若干一名何も考えてないのがいるし、向こうもその考え知らずがいるとは考えていない。

 

そんな中で、光の球が溶け始めた。そしてその中にいる者たちの姿が露わになる。それはすなわちこちらの姿も相手に見えるという事で、様々な事情もあり、その場に一時の静寂が訪れた。

 

 

「………ジン?」

 

「ん?」

 

 

光の球から姿を現した団体。全員がニシヤによる雇用組。彼らは皆一様にジンという不審人物を訝しげに見つめたが、その中で唯一、ゴンという少年だけがジンの正体を見破った。

 

それにジンはふと声をあげ、ニシヤと談笑に応じていた顔を光の球体が降ってきた方に向ける。すると、何かに気づいたようだった。

 

 

「お前………ゴンか」

 

「そういう君は………ジン」

 

「っ、あー、何しに来たお前?俺を殴りにでも来たか?2歳の赤ん坊をほっぽって今もこんなところにいるオヤジをよ」

 

 

いや何サラッと言ってたんだ。お前。それがこの場での全員の感想だった。アカンパニーにより移動してきた雇用組の彼らも、状況が理解できないながらも非難を浴びせる。

 

 

「お前そんなことしてたのか!」

 

「このクズ野郎!」

 

「死んで詫びるのが筋ってもんだわさ!打首!」

 

 

あまりの所業に、さすがのハンターと言えども中指を立てるものまで現れる始末。特に協会でみんなのおかあさ……お姉さんとして有名なビスケは一際敏感に反応した。

 

しかし、当の被害者たるはずのゴンは、何やら目を輝かせているようにも見えなくもない。別に父親を恨むことはなくても関心を向けるなどありえないはずだが。

 

 

「すっげー!君が俺の父親!ジンなんだね!ビスケからすごい念能力者だって聞いてたけど、すっごいや!」

 

「お、おう」

 

「ねえねえ!俺がクジラ島にいる間は何してたの!?遺跡ハンターなんでしょ!?いっぱい教えてよ!知りたいんだ!」

 

「お、おぉぉぉぉ……そうか。うん。とりあえずちょっと待て」

 

 

 

モンスターを狩っていた森の只中で、ジンが眉間を揉む。とにかく迫ってくるゴンに、どう対応していいか分からないようだった。そんなところに、仲間たちの声が入ってくる。

 

 

「ちょ、ちょちょ!何言ってるんだわさ!その男に同意する訳じゃないけど、とりあえず一旦落ち着きなさい!」

 

「え?俺落ち着いてるよ?ただすごい人にあったら誰でも興奮するじゃん!ジンが父親だなんて話!どうでもいいよ!」

 

「え、そ、そうなのか」

 

 

サラッとゴンが、仲間と言葉を交わす過程でジンの事を父親だとは思っていないと述べる。それが改めて言われるとどこかに響いたのか、何故かジンが少し落ち込んだ。

 

まあそんな事もあり、しばらくはジンがすごいだとか、クソ野郎だとか、なんだとか、ずっとその話題ばかりが続いた。

 

そうして幾許か経ち。ようやく用件を思い出したのだろう雇用組達が、話を切り出してきた。

 

 

「ああ、そういえば指定されていた未発見クエストを見つけたぞ。あと求められてたSランクアイテムもいくつか。確認できたら成果に加えてくれ」

 

「OK。Sランクアイテムの数と種類は?」

 

「きまぐれ魔人、リサイクルーム、魔女の若返り薬、メイドパンダの全4種だ。あんたの言う通り、渡された希望カードリストの中からできるだけ有用そうなのを選んで持ってきた。ブック。これが証拠だ」

 

「ふむふむ。手に入れたのはそれぞれブケット、ボネス、ゴレイヌ、ゴレイヌか。みんな手が早いねぇ。じゃあそれぞれ追加で5億かな。もちろん未発見クエストも確認次第見つけたここの7人に振り込む」

 

 

とはいえまずは、未発見クエストの内容の把握が先だ。という事で、アイテムを確認した次は、雇用組にその内容を聞いた。するとおおよそこんな感じのようだ。

 

移動スペルで15人以上でソウフラビへ移動し、そこからイベント恒例の情報収集、それが終わればイベント、レイザーと14人の悪魔。

 

詳しい内容は海賊、レイザー一味とスポーツ対決をして先に8勝した方が勝ち。ただし同じパーティーでは二度と挑戦できない、というらしい。しかしそうなると困った事になった。

 

ニシヤも参戦出来ればあるいはクリアもできただろうが、それができないとなるとそもそもそのイベントをクリアすること自体がプレイヤー全体でかなり難しくなる。

 

そうなるとGIのクリアが絶望的になるわけで。まあニシヤとしてはそれでもいいのだが。そもそもイベントをクリアしたところでという感じだし。

 

クリアを目指すなら色々最前線組で協力が必要だろう。そのうえでとりあえず協力してくれそうなのはかなり強そうだったゲンスルーの3人組か。

 

それでも10人。せめてあと5人は精鋭が欲しい。なにぶんスポーツ勝負なら負けることもあるだろうし。それじゃなくてもゲーム最後のイベントなんだから何かしらあってもおかしくない。

 

今まで見つからなかったのだ。それほどの難易度でもおかしくないだろう。となると理想としてはニッケス組からゲンスルーを初めとして突出した実力者を4名。

 

あとはやはり最前線組のツェズゲラ組4名の15人編成が望ましいか。まあ仮にその後クリアしても各組で報酬2枠の奪い合いが起こるだろうが。

 

そこは今までの功績と実力を考慮して決めて欲しい。雇用組もこのイベントがある以上手を組むだろうし。

 

ひとまずニシヤとしては誰がクリアしてもやはり構わない。出来ればバッテラにお世話係のメイドパンダでもあげようかと思っているだけだ。

 

恋人かなにかかは知らないが、何か大切な人物が床に伏せっているのだろうし。子供ができたら綺麗好きで子供が好きなメイドパンダはかなりありがたいはずだ。少しびっくりするかもだが。

 

とまあそんな感じで思考しつつ、ニシヤは話し合う雇用組達にレイザーのイベントの攻略メンバーと今後の攻略方法を提案した。

 

 

「とりあえず、ここの雇用組は組まないと攻略最前線には加われないとして、逆に組めば加われるんだよ。全員で86種くらいかな?報酬は山分けになるけど。で、そのうえで提案がある」

 

「ふむん、提案ってなんだわさ?あんたが参加すれば少なくとも何人分かにはなるんじゃないの?」

 

「いや、攻略には参加しないって約束があってね。そこで俺の穴埋めの為の提案。どうせもうクリア報酬の奪い合いはすぐそこなんだから、攻略最前線組でお手て繋いでみない?ニッケス組から4人、ツェズゲラ組から4人集めればちょうど15人の精鋭部隊が作れるよ」

 

「なるほど。でもあたしブループラネットちゃんて石が欲しいんだけどね〜。あんたら、クリア報酬あたしに譲ってもいいと思える?このGIのアイテムを見て」

 

「そりゃ無理ってもんだろ。が、実力じゃあんたには勝てねえ。そこは要相談ってところだな。だが雇用組で組むのは賛成だぜ」

 

 

誰もが譲れないものがありながらも、なんだかんだ会議は進行していく。その中で、ゴンとタジタジな感じで話していたジンがその会議に突っ込んできた。

 

 

「ちょ、ちょっと待てよ!ニッケス組4人だったか!?そいつらのうち1人は力不足だろ!なら俺も混ぜやがれ!せっかくの遊べるチャンス見逃すなんて有り得ねーぜ!」

 

「あんた、とことんハンターだな。どうするんだお前ら?俺はいいぜ。ジンと言えばとんでもない化け物と噂だ。この様子だと本当かは怪しいがな」

 

「うっせーわ!てめーゴレイヌだったか!覚えたかんな!」

 

「おお、怖い怖い。ていうかダブルのハンターに言われるとまじで怖いからやめてくれ」

 

 

濃い顔のゴレイヌ。彼が引き気味にジンを宥めようとする。実際なんかジンに恨み持たれたっていうのは恐ろしい話だった。そもそもジンは実力で言えば協会トップクラス。

 

実績も面倒だから申請してないだけで、一段階上のものだ。

 

そしてハンターの星はシングル、ダブル、トリプル、とあるので、実質全世界のハンターの頂点。ここまで言えばジンの厄介さは言うまでもなかった。

 

そんな中で、雇用組のひとりが手をあげる。

 

 

「じゃあ、ひとまずニッケス組のゲンスルー達一行に、そもそもレイザーのイベントをこなせないとクリアも何も無いから、共同戦線を張ろうって、スペルのコンタクトで伝える形でいいか?ツェズゲラも同様に」

 

「ああ、それでいいと思うぞ。ゴン組。というか今は同じ仲間な訳だが、それでいいか?」

 

「うん!大丈夫!あ!俺はクリア報酬いらないよ!ジンに会うのが目的だったから!」

 

「んじゃ俺もぱーす。俺たちの中でクリア報酬欲しいのはビスケだけかな。この強欲ババア」

 

 

なんか収まりの良い雰囲気になったところで、キルアが爆弾発言をする。それに当然ビスケは怒り、逃げるキルアを追いかけた。

 

だがまあもうある意味いつもの光景なのか、メンバー達は気にすることなく事態を進行させる。彼らは"交信(コンタクト)"のカードをそれぞれ取り出した。

 

 

「コンタクトオン!"ゲンスルー"!」

 

「コンタクトオン!"ツェズゲラ"!」

 

 

離れたところで、同時にスペルが利用される。しばらくして、両方のスペルを利用した彼らの方から、通信音が聞こえてきた。果たして結果はどうなるか。例えば雇用組がクリアできたとして、魔女の若返り薬などを選べば全員が平等に恩恵を得られる訳だが。

 




※ゼノのオーラ量判断

・潜在オーラ量18万
・顕在オーラ量2万

これはかなりどんぶり計算になる。まず作中の描写。クロロ戦から考えるとゼノの実力はクロロと同格かそれ以下だが、キメラアント編を見るとそれは一変する。
誰もがなにかおかしいと直感した、「じっちゃんのドラゴンダイヴ!?」だ。あれは冷静に考えておかしい。ゴン達がナックルが死ぬかもしれないと思うほどの威力。ビゼフに爆撃を疑わせる量。

仮に顕在2000のナックルを屠れそうな1000オーラの塊が500降ってきているとして、そうなると単純計算50万の顕在オーラをゼノは持つことになる。
これは言うまでもなくありえない。そこで考えました。制約と誓約の応用なのは間違いないとして、これは可能なのか?
結論から言えば可能です。そもそもゼノはあの絨毯爆撃に意味があるだなんて思ってなかった。せいぜい撹乱出来たらいいなくらいの感覚で打っていた。

つまりはそういうこと。格上にも同格にも意味はないし、制御も出来ない。なんなら頑張れば避けられるかもしれない。

以上の事からこれは能力バフを多大に受けた能力だとわかる。じゃあ実際ゼノのオーラはどのくらい?かと問われれば、まあ2万くらいと返すしかない。1万だと1000オーラの塊を数百打てるのはおかしいし、3万オーラ以上とかなら護衛軍とかにワンチャンある。となると1000オーラを木っ端と言い切れる2万が妥当。
だとするとゼノは顕在2万の潜在18万
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