HUNTER×HUNTER立志伝〜世界に追放された異能たち〜   作:ゆゆ式

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警戒、覚悟、そして自信

……が、2対3対5程のブレンド。

強い性格。

95点♠


己の価値と系統

 

 

不思議な部屋に立たされていた。白と黒の部屋だ。そして周りには幾何学のおかしな模様が張り巡らされており、足元にも円状の印がある。だが決して閉じ込められたというわけではなかった。

 

部屋の正面、中央には白黒模様の扉がある。そしてこの部屋に飛ばされてから少しすると、その扉が開いた。ニシヤはそれに誘導されるようにして、その先へと進む。

 

扉を潜り、短い通路を辿ると、しばらくして開けた空間に出た。もっとも、相変わらず白黒の空間ではあったが。そしてそんな場所で声を掛けられる。目を向けると、これまた変わった格好の少女がいた。

 

 

「グリードアイランドへようこそ。プレイヤー名を設定してください」

 

 

抑揚があまり効いていない平坦な声で、少女が声を響かせる。周りを見ると、ここはいわゆるチュートリアル空間なのだとわかった。この白黒模様の浮遊感といい、間違いない。

 

飛ばされたのは、グリードアイランドのゲーム内で間違いないようだ。ほんの少し前までは、薄暗い地下にいたのが嘘のように思える。

 

 

「プレイヤー名はユズでお願いします」

 

「ユズ様ですね。ではこちらの指輪をお収めください。それを指にはめることで当グリードアイランドの様々な機能を利用できます」

 

「ありがとうございます」

 

 

少女のオーラから、指輪が生まれてニシヤのほうに飛んでくる。それを受け取ると、素直にはめた。指輪は自動調整のようで、10歳のニシヤの体にもよく馴染む。ひと通り指輪を眺めると、少女に向き直った。

 

 

「それではこれよりゲームの説明を始めます。ユズ様。ゲームの説明を聞きますか?」

 

「はい」

 

「⋯⋯このゲームではその指輪をはめていれば誰でも使える魔法が2つあります。"ブック"と"ゲイン"です」

 

 

そうして、少女に説明されながらチュートリアルが始まる。体感では数分ほどか。おおよそルールは記憶した。

 

このゲームの最終目標はゲーム内に存在するアイテムを全100種集めること。ゲーム内のアイテムはカード化することで入手可能。

 

そのほかブックは入手したカードを収納することが可能。ゲインはカードを再度アイテム化することが可能と。大雑把にこのようなルールとなっている。

 

細かく言えばもう少しあるが、それはおいおい実際にプレイして確認していけばいいだろう。とりあえず、変わった格好の少女によるチュートリアルが終わった。

 

頭の中で教えられたルールを再度反芻する。そうして気を落ち着けていると、少女に説明の終わりと、ゲームの開始を告げられた。しかし、始まりは静かなものだ。

 

 

「それでは御健闘をおいのりいたします。そちらの階段からどうぞ」

 

 

少女が指さしたことで、どこからか現れた階段へ向かう。チュートリアルを施してくれた少女にお礼を言って、階段へ一歩踏み出した。黒と白の景色が、階段を降りるごとになくなっていく。

 

コツコツと、音を鳴らしながら薄暗い階段を降りた。やがて、周囲に籠もっていた音が、乾いた音に変わる。それと共に視野が開けてきて、明るい光がほのかに目に入った。

 

ふとむず痒い感覚に、目を細める。階段を下り終わると、そこにはあっと目を見開くような景色があった。

 

空には、燦燦と輝く太陽。風は優しく、静かなざわめきを奏でている。そして何より、視界の一面に広がる雄大な草原。まるで幼い頃夢見るような、原風景。

 

とんでもなくリアルなゲームだ。などとすら思えない光景。だが目に見える風景は、どこまでもゲームのようだ。ここは果たして現実なのか、仮想空間なのか。

 

ニシヤは好奇心に駆られると共に、感じた気配に目を横に向けた。

 

 

「どうも、ジェイトさん。ここ綺麗ですね」

 

「ああ、確かに。それはそれとしてユズくん。グリードアイランド入島おめでとう。この後はどうする?」

 

「そうですね。定期連絡は前提として、少し単独行動してもいいですか?思ったよりゲームが面白そうなんで」

 

 

チュートリアルが終わるまで待っていてくれたジェイトサリに、軽く要望を出す。そばの柱に寄りかかっていたジェイトサリが、顔を大きく歪めた。

 

 

「それは攻略よりも優先するべきことか?私より強いのは認めるが、あまり大人を舐めるなよ。有用だからこそ重用しているんだ」

 

「やだな。舐めてないですよ。だってまだジェイトさんにとって俺ってそこまで重要でもないでしょ?違います?」

 

 

ジェイトサリの顔の皺がさらに引き締められる。逆鱗に触れてしまったのかもしれない、と思わせるほどの顔だ⋯⋯実態は違うのだが。

 

 

「⋯⋯⋯ふっ、脅しにもならないか。まあ、まあその通りだ。君には悪いことだと思うが、今からどこで君が死のうが私に損害はない」

 

 

厳かな顔を緩めたジェイトサリが、さも残酷に言う。

 

 

「単純な話だがな。信用のまだない、ましてや10代の子供など初めから戦力に換算してはいない。それだけの話。ということだ。本当に理解力のある子供だな。君は」

 

 

荒々しい気配が解け、純粋な感心の言葉がジェイトサリより送られる。これはもう、転生したことによる副作用とでも言うしかない。ニシヤ自身、前世の時にここまで人前で啖呵を切れたとは思わない。

 

そういう意味で言うと、そのできるようになる過程などをすっ飛ばしているのは、ある意味であの謎の神様らしきものの言う通り、才能があったのかもしれない。

 

ジェイトサリの言葉に、ニシヤは軽く頭をかいた。

 

 

「とりあえずユズくん。そういうことだから君の単独行動は構わない。かと言って君は失うには惜しい人材だ。このゲームに理不尽な効果のアイテムなどはないが、プレイヤーには気をつけろよ」

 

「はーい、了解でーす。じゃあ失礼しまーす」

 

 

激励を受けながら、ニシヤは一面に広がる草原へと足を踏み出す。空は快晴で、正面から吹いてくる風も気持ち良かった。しかしプレイヤーか。ある程度は気をつけなければならないだろう。

 

アイテムは脅威となるものはそんなにないらしいが、いかんせんプレイヤーには発がある。まだそれを覚えていないニシヤでは、ジェイトサリからいくら実力を保証されているとはいえ、きついものがあるだろう。

 

とすると、RPGでの定番である〇〇の街に寄るのは最低限に、野外で様子見するのがひとまずベストだろう。そんなことを考えながら、ニシヤは歩き続けた。

 

幸いというか残念と言うべきか、この草原にモンスターなどはいないようだ。一面に広がる緑。それに恥じない平和さがあるらしい。初心者の草原というやつだろう。

 

そうして、しばらく南方向に向かって草原を歩いていると、ひとつの街が見えてきた。とりあえず最初は、情報がないと何も始まらないので、ひとまずその見えてきた街へと向かう。

 

目標を見つけたことで、ニシヤは少し足を速めた。こういうのは家の近くの山で念の修行をしていたこともあって、かなり得意だ。そのためそれほど時間はかけずに、街へと着いた。

 

 

「ようこそ南の街ルビキュータへ!旅人さんはこの街初めてかい?ここの街には特に特徴なんてないけどね、さらに南の岩山のほうへ行くと、無限に水が湧き出る滝があるって噂さ!」

 

 

街の側面に海が見える街。建物の建築方式は美食の国イタリアのすぐそばにある、モンテネグロの港町に似ている。さすがに世界遺産にも登録されているほどの光景とタメを張るほどではないが、昔の情緒が感じられるいい光景だ。

 

そこで街の人間に歓迎されながら、中へと入っていく。道中街の人に情報を色々聞きながら、情報を集めた。その結果わかったのは、とりあえずお金が必要ということだ。

 

そしてちょうどここは港町なので、ニシヤはとりあえず、釣具屋でただ同然のガラクタ釣竿をもらい、釣りに出かけることにした。

 

街中を歩き、堤防にまで向かう。その道すがらプレイヤーなどの姿も僅かに見受けられ、これがまた面白いことに、彼らはまるで港町の住民のように振る舞っていた。

 

見たところオーラも弱いので、危険ではないだろうが。なんというか、もはやゲームではなく海人(うみんちゅ)生活を満喫しているかのようだった。

 

そんなこともあり、そこそこ歩いて岸辺まで到着する。堤防では、荒々しい波がニシヤをお出迎えしてくれた。

 

ざわざわとした海の上で、そっと堤防の端に座り込む。そこら辺で拾った餌を針に突き刺し、それを海に放り投げた。それからは、待ちの時間だ。ひたすら釣れることを願い、それのみに没頭する。

 

竿は念でいくらでも強化できるので、ボロ竿だろうが問題なかった。

 

そしてそれから数時間。釣りという一種のサイドクエストを終え、ニシヤは街の住人から聞き出した漁業専用の売買店を訪れていた。

 

 

「スケラベ、エリッチ、ヘルンタイ。他十匹で5500ジェニーね。なかなかいい釣り人じゃないか。頑張りなよ」

 

 

数時間で五千弱。まあ普通のバイトとかそんなもんかと思っていると、店員から応援の言葉を投げかけられた。

 

まあ多分住人のほとんどがちょっとした言語能力があるNPCだったので、店員もそうだとは思うが、不覚にもその応援に苦労が報われた気がした。

 

ニシヤはちょっと感激しながら、店を出る。そして今度は軽く食べられる店を探し、そこで腹ごしらえをしてから、様々なものが買えると噂のトレードショップへ向かった。

 

ちなみにボロい釣竿は元の場所へ返した。どうやら釣りに使ったあの竿は、ほぼ持ち帰るのも自由の貸出道具だったようだ。そして、そんなこんながありつつトレードショップに到着する。

 

と言ってもお金がないので、最低限の野営セットをそこで買うと、店自体はすぐに出た。店の人に聞いた感じ、かなり色々なものが買えるようだったが、やはり金がないので。

 

そして、街にもひとまず用事はなくなったので、カード化した野営セットをブックにしまい、街を出た。

 

釣りで時間を使った分、もう空は夕暮れ時の真っ赤な色だ。空を見上げると、ねぐらへと帰る途中の鳥の群れなどが列をなして鳴いていた。そうして街を出てしばらくすると、噂の岩山地帯が見えてきた。

 

ゴツゴツとした見た目。近づくごとに乾燥する空気。夜の帳も相まって、視線の先の岩山の群れは、絶妙に不気味な雰囲気を醸し出していた。そしてあそこには、大量のモンスターがいるらしい。

 

だからニシヤは、とりあえずその手前で野営の準備を始めた。ちょうど岩山のほうからは、綺麗な水が流れてきているので、それも利用する。

 

川の水を大量に汲み取り、使う分だけをこしとって、スープを作るために野営場所まで運んだ。ただ街と岩山の間にはほぼ何もないので、ほとんど吹きさらしだ。

 

それでは味気ないから、事前に野営の一環として買った杭と大きめの布を使い、簡易的なテントを作成した。そしてその近くで焚き火をし、川の水の煮沸処理を始める。

 

菌などが消えるまで暇なので、その余暇を埋めるため、ニシヤは湯呑み、水、そしてその中に入れる葉っぱを用意した。それらは何のためのものか。そう、水見式のためのあれこれだ。

 

この三種のものさえあればニシヤは自身の系統を簡単に判別できる。特別なものは必要ない。ただ水を入れる容器と、その水に浮かべる葉っぱがあれば、あとは練をするだけ。

 

近くで、バチバチという焚き火の音が聞こえた。それをBGMに、自分の目の前に湯呑みを配置し、その中に水を入れ、最後に器の中央へと葉っぱを浮かべる。

 

水面に、自身の顔が映った。そしてオーラも、また水面の中で揺れ動く。それを見て、なんとなくやはり自分は操作系だろうと思った。全ては勘だ。しかしそれなりに根拠もある。

 

系統は全部で六系統あるわけだが、その六系統には相性図のようなものがある。操作系は肉弾戦が不得意とか。そういうのを実際に図としてどうして苦手なのかを表したものだ。これを六性図という。

 

記憶が正しければ、六性図はこのような図式だったはずだ。ニシヤは、記憶を掘り出しながらそこら辺の焚き火に照らされた地面に、六性図を書き込む。

 

 

   強化系

  /   \

放出系   変化系

 |  発  |

操作系   具現化系

  \   /

   特質系

 

 

このように、系統とは明確なシステムによって分けられている。そして操作系が肉弾戦が苦手というところから、この図式は自身の系統を中心として、対角線上のものほど苦手なのだと理解できる。

 

つまり隣接する系統が比較的得意であり、そのさらに向こうの系統は不得意。対角線上のものはほぼ論外だ。そして系統とは、オーラの特性を具体化したもの。操作系であれば何かを操作するのが得意だ。

 

一方でやはり肉弾戦に関わる強化系は苦手。そしてこの得意不得意は、習得率と習得速度という形でもろに関わってくる。才能と到達点。どれだけの速度で学び取り込めるか。力の限界はどの程度か。

 

これが苦手なものほど習得速度、到達点共に低レベルで、得意なものほど高レベルになる。そしてそのことさえ分かれば、自身の系統も大雑把には絞り込める。

 

まずオーラ操作で関わってくるのは放出、強化、変化系だ。それぞれオーラを切り離した時の持続力。オーラで物を強化できる力。オーラを変化させる能力に関わってくる。

 

そしてニシヤは放出が得意で、変化はかなり苦手だ。このことからニシヤは操作系か特質系に属する可能性が高いことがわかる。そしてそのどちらかだとして、実際どうなるのか。

 

それは水見式で見てみればわかることだ。ニシヤは睨み合っていた六性図から目を外し、用意した水見式用のコップに目を向ける。そしてそこに手を添えて、気を整えた。

 

果たしてどんな系統になるか。結果は如何に。

 

 

「練」

 

 

体の奥底でオーラを練り上げ、体外に噴出させた。そしてそれを水見式のコップに当て、反応を見る。言ってしまえば水を入れたコップに葉っぱを浮かべただけの代物。

 

それはオーラに反応すると、莫大なオーラに震えるような反応を示し、そして直後、中央に浮く葉っぱを回転させた。

 

 

「⋯⋯うーん残当。普通かな。操作系だ」

 

 

結果は、予想通り。普通にやりやすくはあるので、下手に変化球で変化系(激うまギャグ)よりはマシ。と考えよう。

 




とりあえず完結までの推敲終わりました。今後は軽い検査を続けながら投稿していく所存です。


↓いつもの

※モラウの顕在オーラ量判断

・潜在オーラ量7万
・顕在オーラ量8000

潜在オーラ量は作中描写から7万でOK。顕在オーラ量を測定する。ここではゴン対ゲンスルーとモラウ対ヂートゥ(ナックル入り)の戦いの描写からオーラ量を測定する。まずはゴンの方。
ゴンはレイザーの大砲ごときの攻撃を耐えた。そこから考えて顕在500では心許ない。故に800オーラを当時持っていたとしましょう。
一方ゲンスルーのオーラを強化系100%状態の数値として考えて本来の2300予想から1400と考えます。

じゃあゲンスルーとゴンの最後の攻防。ゴンがジャジャン拳を使った時の攻撃力がおよそ2000オーラ程のものだとして、その時のゲンスルーは色々あり平静をかいていた。
だいたいゴンがどこにジャジャン拳を打ってくるか分からない。じゃあその時のゲンスルーの顕在オーラは堅時攻防力50%の700だ。これでゴンの攻撃2000を受けた。思いっきり。でもゲンスルーは死んでない。

そこから考えると3倍程度の攻撃なら念使いはギリギリ耐えられる事になる。逆に3倍差力に差があってもやり方次第では相手に攻撃を通せるだろう。

じゃあヂートゥはどうなんだという話ですが。うん、モラウどころか同行していたナックルにも傷をつけられてない。ゴンと勝負になるくらいの、適当に顕在2000くらいのナックルにも。

まあ基本殴りとかだと同量のオーラがあればほとんどガードできるとはいえ、ナックルにも流さえ許さない高速打撃なのに防がれてる。要するにヂートゥは多めに見積っても顕在1500オーラとかそこら。モラウに至っては受けてあげてる感じすらしたから、モラウの顕在オーラはヂートゥの3倍所ではないのは確定。
完全無傷となると4倍の6000オーラあってもおかしくない。そしてモラウの潜在から考えると、もう少し上の8000が妥当なライン。


またまた一話に抜けがあったのでご報告。というのも身体能力値とオーラ量が掛け算ではなく足し算なのはご存知ですが、実は身体能力値が全くの無意味という訳でもありません。
ラモットを見ればわかりやすいかな。おそらく顕在オーラ量が1000〜とかそこら辺の人は身体能力+オーラ量という式にはかなり影響されます。
だからラモットは身体能力1000+オーラ量1000=2000で普通に覚醒したキルアにぶっ殺されたんですね。キルアは身体能力500+オーラ量1800=2300とかだったから。
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