お姉さんに抱きかかえられながら頭をなでなでされていると、やっぱり、心から安心しちゃう。
怖い犬の人が襲ってきたり、グラディロン団長と、変な騎士団の人が来たりして騒がしかったけど、気を取り直して列に並び直した私達は、ようやく飛行艇に乗り込めそうだった。
でもここは、王都バイトコル。いつも通り、まだ怖い人がたくさんいるみたい。並ぶ順番で、知らない2人が喧嘩をしているらしい。片方は人間族の男性で、もう片方は人間族の女性。
「おい!俺の方が前に並んでたぞ!」
「そんなわけない!私の方が前だったわ!」
「……お前たち……耳障りだ。静かにしろ……。俺に目をつけられると、面倒事しかおきないぞ」
エルフか、ハーフエルフかどちらかは外見だけだと分からないけど、近くの男の人が、喧嘩しててうるさい2人に向かって少し怒っている。黒っぽい髪をかなり長く伸ばしていて、片目しか私からは見えなくて、低い声も相まって少し……いや、けっこうな威圧感がある人だ。パストグロリさんなら、エルフ繋がりでこの人のことも分かるかな?
お姉さんは、「あはは、またなんかやってるわね〜?……リーシャンちゃんは、アタシだけ見てれば良いから、気にしたり、怖がったりしなくていいのよ!」と、特に気にせず私の頭をヨシヨシと撫で続けている。
大声を出されると、やっぱり驚いちゃうけど、お姉さんに撫でられると安心するから、それも不思議。……もしかしたら、そういう魔法もあるのかな?
「うーん……?」と、顎に指をあてて考え込んでいると、喧嘩している人たちのところに、さっきの荷物検査のお兄さんが仲裁しに行っていた。……バイトコルの騎士団の人って、やっぱり大変なんだなぁ……と、素直に思った。
フリフリとしたこの服……えっと……そうだ、メイド服!
私は、お姉さんに着せてもらったメイド服を着て、猫耳をゆらゆらと左右に揺らしながら歩く。それがどうやら、お姉さんの目を惹きつけていたみたい。
「……大正解……だったわね……!最高よ……」
飛行艇の前とバイトコルの外壁の間にある、少し大きな川。これを越えるための石橋は、一見すると頑丈だけど、たくさんの人の歩行に、ちょっとだけ悲鳴をあげてるように感じた。……すっごく揺れてて……かなり怖い。……崩れたりしないよね……?
私の歩く石橋の下は、ゴーゴーと力強く流れる大量の水。
大きな水の音と、強い風の音に襲われ、足がすくんでしまい、お姉さんに体重を預けるカタチになっちゃった。
だけど、お姉さんの身体はとても安定してて……石橋なんかよりも、ずっと屈強だった。
キャラクタープチステータス:
⑨リーシャン(Part2)
年齢:13歳
身長:153.3センチ
種族:猫族と人間族のハーフ。先祖に魔族。
好み:甘党
好きな人:お姉さんと、お家の皆。パストグロリさん。お母さんとお父さん。