お姉さんのお家で、今日も明日もほのぼの生活   作:TTKTW

39 / 39
第三十八話 子猫刺され事件

 

 

 

 お姉さんが扉をくぐるのと一緒についていくと、円形のグレーのテーブルに沿って、椅子が置かれていた。

 

 ……えーっと、ひとつ、2つ4つ…………12個だ。12個の椅子がある。会議って、思ったより人の数は少ないんだね?

 

「……テンダーネス家のお嬢様ですね。……あちらの、奥の席に…………っと、その前に……そちらの子供はいったい?」

 

 銀のちょび髭を生やして、片側だけの変な眼鏡をつけたスーツ姿の執事さんみたいな人が、私を見下ろして話しかけてきた。……いや、私について、お姉さんに聞いてるみたい。

 

「見ればわかるでしょう?これは私の秘書よ!」

「秘書……ですか……?しかし流石に、子供を連れてくるのは……」

「秘書よ!!」

「は、はぁ……」

 

 片眼鏡さんは諦めたのか、私とお姉さんを通してくれた。そうだそうだ、私はお姉さんの最強の秘書なんだからね!

 

 お姉さんが奥の席に座ったから、私は隣に立っていれば良いかなと思っていたけど、どうやらお膝の上に座っていて良いみたいで、ひょいと持ち上げられて座らされた。

 

 ……なんというか、私ってお姉さんの膝の上にいること多くない……?お姉さんの趣味なのかな……。

 

 まぁいい匂いするし、なんでも良いけど!

 

「リーシャンちゃん?いい?そこで座っているだけで良いからね?お話はアタシがするから!」

「わかった!」

 

 

 お姉さんの指示を忠実に守ることを心に決めて、数十分後。席が12個全部埋まって、ようやくお話が始まるみたい。もうちょっと早く始められないのかな……。

 

「……これより、第七十八回。魔条国十二王代会議を開始する。進行は、私……ロドア・ヴァンドが行う」

 

 ……なんていうか、すっごい重い雰囲気……。いま話してた人は、一番偉い人なのかな?それとも、ただの司会さん……?周りの重厚そうなおじさん魔族たちが姿勢を正し始めた。

 

 すっごく背が高くて、ガタイも良くて、肩までの銀髪を綺麗に整えていて、凛々しい顔立ちで……えっと……その、すっごい……カッコいい……。肌もツヤツヤでまだ若そうだし……いや、魔族だから私よりは年上なんだけど……!

 

 声も低くて、でもハキハキしてる……タイプだ!

 

「……今期の議題は、魔条国のこれからの方針についてだ。我々魔条の民は、周辺の人間族の国との不仲により、たびたび命が失われる事件が起きている。……この問題を解決するために、まず私は——」

 

 何について話してるのか、あんまり分かんない……。いや、内容は分かるんだけど、言葉遣いが堅くて理解しづらいって言うのかな?

 

「——この案について、意見のあるものはいるか。……私としては、このまま排除の方向で向かうことが良策であると考えている」

 

 排除……?あんまり話聞いてなかったけど、排除って……たぶん、さっきの話の流れ的に……人間族を殺すってことだよね……?

 

「……ダメ!!!…………だと、思う……!」

 

 考えてたら、話が進んじゃうと思った。言い終わってから、『その人間族たちが、どうしようもない程のろくでなしだから、魔条としては仕方がない判断』だとか、『避けられない、今すぐ解決しないといけない問題』とかの可能性について浮かんできたけど……言い終わっちゃったから取り消せない……。

 

 やらかしちゃった……

 

「ちょ、リーシャンちゃん!?」

 

 違う方向を向いていたロドアさんの鋭い眼光が、一瞬で私の顔を刺すように見てくる。……怖い……!

 

 い、いや……ヴァロストロさんの教えを思い出そう……怖くない、怖くない……怖くない……私は最強……王の……なんだっけ。……あ、家臣にしてくれるってヴァロストロさんは言ってた……大丈夫、大丈夫……!!

 

 どうにかして不安を落ち着かせようと、モコモコメイド服のスカートの部分をギュッと握りしめてみた。

 

 ロドアさんが口を開くまでの時間が、異様に長く、そして冷たく感じた。




キャラクタープチステータス:

   ⑫ロドア
   年齢:不明
   身長:192センチ
   種族:魔族
   好み:紅茶

   好きな人:20歳差の妹

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

TS女神の体が万能薬なので気持ちよく配ってたらなぜか周りが全員泣いてる(作者:なほやん)(オリジナルファンタジー/コメディ)

前世は取り柄のない男だった。目が覚めたら異世界で女神になっていた。▼体が万能薬らしい。切って食べさせれば難病が治る。しかも再生するし、皆に感謝される。▼——なのに、なぜかみんな泣いている。▼---▼ハーメルン匿名杯2で5位をいただきました。▼応援してくださった皆様、ありがとうございました!▼


総合評価:3411/評価:8.26/完結:20話/更新日時:2026年03月22日(日) 19:00 小説情報

悪役令嬢の私が追放された先の世界で機械人形に乗って無双しますわ~!(作者:エスカド)(オリジナルSF/冒険・バトル)

アーデニアム公爵令嬢レタリアは、聖女と崇められる妹を階段から突き落としたという冤罪で、転送魔法による追放刑に処された。▼――だが、光に包まれた先で彼女を待っていたのは、遠い異国ではなく、全方向に星々が輝く「宇宙」という名の未知の世界だった!▼言葉も通じず、ならず者に捕らえられ、ボロボロの機械人形(マキナ)に「囮」として押し込められるレタリア。しかし、彼女の「…


総合評価:192/評価:7.67/連載:97話/更新日時:2026年07月26日(日) 12:06 小説情報

ニチアサ系世界に転生したTS魔法少女は悪の幹部をやりたくない(作者:なはた)(オリジナル現代/冒険・バトル)

▼フィジカルよわよわなTS銀髪魔法少女がクール系敵幹部を必死に装いながら魔法少女達と戦うお話。


総合評価:3235/評価:8.45/連載:14話/更新日時:2026年07月24日(金) 12:38 小説情報

たとえ転生先が鬱ゲーな上に主人公の幼なじみだとしてもTS少女は曇らせがしたい(作者:ヒナまつり)(オリジナル現代/ホラー)

いつも、俺は小説を読んで思っていたことがあった。▼それは、どんな登場人物でも曇らせにあった瞬間が世界一美しいと言うものだ。▼クール美女も、甘々幼なじみも、ミステリアスな不思議ちゃんも…全部、全部絶望に伏せて泣き喚くあの瞬間が俺にとっては最高で、その後色々あって立ち上がるまでの道のりが世界で一番好きだった。▼けれど、残念ながら現実の俺は誰かにとってそこまで大切…


総合評価:152/評価:5.75/連載:9話/更新日時:2026年04月29日(水) 22:14 小説情報

未実装・闇落ちキャラに救いはあるのか(作者:ねこ)(オリジナル現代/冒険・バトル)

(救いは)ないです。▼前世でプレイしていたソシャゲに転生したものの、未実装・闇落ちキャラ「比良坂クオン」になってしまった。▼何とか闇落ちしても「もとはいい人だったから」と同情を買って助けてもらいたいと努力するが、そういう足掻きは人の心をかえってくちゃくちゃにしたり、疵を残したりするものですよ?▼


総合評価:2355/評価:8.09/連載:11話/更新日時:2026年06月24日(水) 23:06 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>