お姉さんのお家で、今日も明日もほのぼの生活   作:TTKTW

40 / 41
第三十九話 容疑者

 

 ロドアさんの鋭い眼光が私を突き刺して、はや数秒……周りのおじさん魔族さん達もみんな座り直したりし始めた。そ、そんなにやばい……?いや、やばいよね……あたりまえだ……。

 

 お姉さんの細くて、しかし力強い腕が、私を囲むように動き始めた。冷たすぎる空気とは違って、お姉さんの腕の中はすっごく温かい……。

 

 ……って、こんな安心してる場合じゃない……!助けてぇ……お姉さん……!

 

 私が冷や汗をかいていると、ついにロドアさんが口を開き始めた。

 

「——面白い小娘だ」

「……え?」

 

 紡がれた言葉は、私の想像していたような怖い言葉じゃなくて、まるですこし笑っているかのような……いや、ロドアさんの顔はぜんっぜん笑ってないけど……!

 

「思えば、この会議で、私の意見に否定的な見解を述べた者は一人もいなかった。会議とは名ばかり……全てがただの確認作業と化していたが……お前のような若い子供が、ここの者達を差し置いて先駆者と成るとはな」

 

 お姉さんの腕から、少しだけ力が抜けた気がする。

 

「……良かったわね、リーシャンちゃん!貴方、褒められたわよ〜?」

「……丁重な場に子供を連れてくることは、まったくもって褒められたことではないがな」

 

 

 ……またお姉さんの腕に力が入った。……私の心配っていうよりは……なんか怒ってそう。でもたしかに、ロドアさんの言うことも正しいし……お姉さんの味方にはちょっと慣れないかも……。いやでも、私がついていきたいって言ったわけだし……あれ?でもお姉さんが寂しかったから、私はついてったんだよね……?

 

「……悪かったわね」

「……あぁ。後ほど、その幼き淑女をじっくり見せてもらおうか」

「え?」

 

 後ほどじっくり見せて……??

 

 ロドアさん、やっぱり怒ってる……!?許したフリして、すっごい怒ってるんじゃ……!?あとで呼び出すなんて、怒ってないとぜったいやらないと思うし……!

 

「リーシャンちゃんは渡さないわよ……!?危ないことなんてさせないんだから」

「……決して譲渡など求めていない。個人的に興味が湧いただけだ」

「そこを危ないって言ってるのよ!」

 

 お姉さんが私をギュッと抱きしめ…………ちょっと……力強いかもぉ……!!

 

「ふ、ぐっ……」

「アタシのリーシャンちゃんを奪おうだなんて、1200年早いのよ……!」

「奪おうとするつもりなど………………ふむ。私に怒鳴る前に、少し肩の力を抜いてはどうだ?」

 

 ロドアさんがそう言うと、お姉さんがハッと息を吸って腕に込めていた力を抜いてくれた。……危ない危ない……またお姉さんのお家での二の舞になるところに……。

 

「……ごめんねリーシャンちゃん……あとでたっぷり、甘い物を食べさせてあげるから……」

「許す!」

「流石はアタシのリーシャンちゃん〜っ!!」

 

 大事な会議中だっていうのに……お姉さんに抱きしめられて、みんなに注目されて恥ずかしい……。……まったく、お姉さんたらどこでも私をこうやってしてくるんだから……。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。