魔法少女まどか☆なのはREBORN!   作:黒須紫苑

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交わるはずの無かったセカイ。

それらが交わるとき、物語は巨大化する。


プロローグ

これで何回目なのだろう。

 

 

 

 

 

何度繰り返してきたのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

でも、もうそれもここで終わる。

 

 

 

 

 

終わらせてみせる!

 

 

 

 

 

 

ベッドから起き上がって、机においてある不思議な装飾が施された箱を開ける。

 

その中身は、前の時間軸でまどかが願った《暁美 ほむらに運命を変える力を》という願いによって、突然出現した、翼を模した装飾が施されている七つの指輪。

 

その一つ、翼を広げた装飾の指輪を、導かれるように中指にはめた。

 

 

 

 

 

 

 

――刹那

 

 

 

 

その能力、名称が頭の中に流れ込んできた。

 

 

 

「?!」

 

 

 

頭がオーバーヒートしそう! なんて情報量!

 

 

思わずうめき声を上げてしまった。

 

 

徐々に苦痛が治まっていく。

 

 

完全に収まったあと、私が抱いたのは喜びと恐怖。

 

 

……なんて力。運命を変革できるどころの話じゃない。運命を自由自在に操る事だってできるかもしれない。

 

 

「暁美さーん。大丈夫ですか?」

 

 

どうやら先ほどのうめき声が聞こえたらしく、看護師さんが病室に入ってくる。

 

 

心配をかけないように、私は笑顔を取り繕う。

 

 

「大丈夫です。」

 

 

そう、と看護師さんが安心した表情を見せた後、私が身につけている指輪に気づいた。

 

 

「綺麗な指輪ですねー。プレゼントですか?」

 

 

その質問を聞いたとたん、私はこの言葉を言わずにはいられなくなった。

 

 

「えぇ。私の大切な友達が、託してくれた……大事な指輪です。」

 

 

 

 

 

 

――――――五日後

 

 

 

「マーレリングの封印が解かれた?!」

 

 

俺、沢田綱吉は、とんでもない情報に戸惑っていた。

 

かつて、世界を(未来だけど)混乱させたあのマーレリングの封印が解かれたというモノだった。

 

 

ここは、並盛町のとある公園。

 

ユニから話があると呼び出されて、ここにいる。

 

その場には、チェッカーフェイス……もとい、川平のおじさんもいた。

 

 

「はい。」

 

 

「それって、かなりヤバイんじゃないの!?」

 

 

マーレリング。横の時間軸の奇跡を起こす力を持った至宝777(7の三乗の文字ができないので、トリニセッテはこう表現します)の一つ。

 

かつて、白蘭がその力を悪用し、ほとんどの世界を征服したり滅ぼしたりした事もある、危険な指輪だ。

 

だが、あれは未来のユニが、命を懸けてまで永久封印したはず。

 

 

「封印が解かれるなんて……。」

 

 

「ありえない。」

 

 

川平のおじさんがやさしげな表情を崩し、真剣な雰囲気を見せながら言った。

 

川平のおじさんは、俺たちが束になっても敵わない、規格外の種族に属しているという。

 

あの虹の代理戦争でさえ、表情を崩さなかった彼が、ここまでの反応を見せる。

 

 

「777は管理することはおろか、関わる事さえ、我々か、それぞれの適合者しかないというのに、適合者である白蘭は動いていないらしい。」

 

 

 

白蘭はとても理解しづらい。

 

未来でも、今でも、全く理解が出来なかった。

 

でも、感じるものはある。

 

今の白蘭は、今を楽しむことと、ユニへの恩返しというものを中心に動いている。そう感じる。

 

だから、彼がマーレリングの封印をわざわざ解こうとはしないだろう。

 

 

「777の所持者の居場所を私は感知することができるのだが、」

 

「! じゃあ、それで場所を!」

 

「無理だった。」

 

 

 

!?

 

規格外の777管理人でさえ、居場所をつかめない!?

 

 

「正確には、ロストしたというべきか。封印が解かれたあと、一瞬だけ確認できたのだが、すぐに反応が無くなった。」

 

「777の話か。」

 

 

背後から声をかけられた。

 

振り向くと、そこには元アルコバレーノのヴェルデと

 

 

「ディーノさん?! それにロマーリオさんやキャバッローネファミリーの皆さんも!」

 

 

金髪で鳶色の瞳を持つ青年――ディーノさんと、その部下たちが勢ぞろいしていた。

 

もちろん、さすがに目立つのか、私服姿に似た服装だけど。

 

 

「み、皆さん勢ぞろいで、何か一大事なんですか?!」

 

 

「あぁ、下手すればこの並盛が危ないかもしれない。」

 

「本当ですか?!」

 

 

ただでさえマーレリングの問題で大変なのに、更に重なるのか?!

 

 

「何があったんだ? ヴェルデ。お前がらみとなると、試作品が盗られたかなんかか?」

 

 

聞き覚えのある、声。

 

 

「リボーン!」

 

 

スーツを着た最強の殺し屋にして、俺の家庭教師、元アルコバレーノ、リボーンがいつの間にか俺の肩に乗っていた。

 

 

「リボーンか。察しがいいな。」

 

「って、ことは?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「リボーンの察したとおりだ。先日、試作型BOX(漢字が見つかりませんでした)兵器、大空を除く6属性それぞれ一つが盗まれた。」

 

 

 

 

?!

 

 

 

「それに取り付けられている発信機が、並盛とその隣、見滝原町と海鳴市の範囲を示しているんだ。」

 

 

 

―――-――――――――時同じくして、

 

 

「なのは……。」

 

 

深く蒼い髪の小学生くらいの黒服少年が、機械的な杖を空中でかざしながら震えていた。

 

その瞳には、迷いがある。

 

視界の先は森で、とある学校の制服を着た、茶髪のツインテール少女が、地面に倒れ、気絶していた。

 

そのままずっと空中でとどまっていると、突然少年が何かを振り切るかのように首を横に振り、

 

 

 

「やるしかないんだ……。」

 

 

そうつぶやいた。が、その瞳の迷いは晴れてはいなかった。

 

 

 

 

だが、次の瞬間、彼は振り向いて杖を振りかざした。

 

魔法陣が足元に展開され、それと同時に複数の青い光が彼の視線の先に放たれる。

 

 

 

 

ズガガガガガァァァァァァァァン!

 

 

 

「やったか?」

 

「それ、フラグ。」

 

 

少年が背後からの声に気が付いたのは、既に首筋に蹴りを喰らった後だった。

 

 

先程光を受けた場所には、針が無数付いた紫に近い色の防御壁が張られていた。

 

 

「がっ!」

 

 

意識を失い、落下していく少年。

 

 

「あー! 誰かこの子回収して!」

 

 

そういった瞬間、どこからか飛んで来た熊の人形が、少年を抱える。

 

 

「サンキュー、みらい♪」

 

 

地面に降り立った蹴りの主は、フードがついたジャージのような服装を着た中学生くらいの少女。

 

 

熊の人形が彼女に少年を受け渡す。

 

 

少女は少年の服のポケットなどをまさぐり、三つの青い結晶を見つけた。

 

 

着地音で少女が振り向くと、ピンクのドレスを着た少女が、もう一人、先程少年が見つめていた少女を見ていた。

 

気絶している彼女の手には、金属的だけど形はファンシーな杖が握られている。

 

 

「関係者……だろうか? カオル。」

 

 

「多分ね。探ってみますか!」

 

 

少女の服に手を出そうとして、止まった。

 

 

感じたのは並ならぬ殺気

 

 

「……ヒッ!?」

 

 

ピンクのドレスを着た少女が、腰を抜かす。

 

ジャージ姿の少女は、身構えてはいるが、足が震えている。

 

そして、殺気の主へと視線を向けると……。

 

 

 

修羅が立っていた。

 

 

「家の妹に……なにをしたぁ!」

 

 

 

 

勝負は一瞬だった。

 

 

ありえない速度で、ジャージ姿の少女の背後へと接近。

 

手に持っている二つの刀のうち、一つを肩に突き刺した。

 

その間、0.5秒。

 

 

「痛っ!」

 

少女が血を流し崩れ落ちるが、その前に修羅はもう一人、ピンクのドレスを着た少女にも一瞬で背後に回る。

 

 

 

 

――――――――――刹那

 

 

パシュン

 

 

いつの間にか、修羅の背後に現れた黒髪ロングの少女が持つ麻酔銃によって、彼は倒れた。

 

修羅の正体は、屈強な青年だった。大学生くらいか。

 

 

「大丈夫かしら?」

 

 

黒髪の少女が、二人に問いかける。

 

 

「ははは……自力で立てない……。」

 

 

「いっつー……。容赦なく肩貫かれた……。」

 

 

それに対して、散々な二人。

 

 

「というか……つつ……聞いてないよ、兄が居るなんて。」

 

ジャージ姿の少女が、翼を模した指輪から出る黄色い炎を貫かれた肩に当てながら、苦情のように言った。

 

それに対し、黒髪の少女が額に手を当て、申し訳なさそうに言う

 

 

「私も視野が狭かった。……今度から関係者の家族についても警戒しなくては。」

 

 

その瞬間、黒髪の少女の表情がこわばる。

 

麻酔銃を盾の様なモノにしまい、その代わり、アサルトライフルを取り出した。

 

 

「そこまでだ。」

 

 

少女が声の方向に銃を構える。

 

そこには、凛々しい顔立ちの大人の女性が居た。

 

服はまるで軍隊がきるような、黒い制服らしきモノを着ていた。

 

長い髪を無造作に一本に縛っただけの彼女は、服のポケットから身分証明書らしきものを取り出すと、示すように突き出し、言った。

 

 

 

「私は非日常災害対策組織《AAN》第一部隊、《コスモス》の者です。あなたたちは魔法少女ですね。」

 

 

 

――――――組織?!

 

 

黒髪の少女が驚愕の表情を見せる。

 

肩の怪我が治ったジャージ姿の少女が、思わず叫ぶ。

 

 

「そ、組織って、しかも、私たちの存在を知って!」

 

 

黒髪の少女が、思考にふける。

 

――魔法少女の存在は、魔法少女、またはそれに関わった者しか知ることは出来ない。

 

――国家が知っているなんてもってのほか。

 

――でも、もし他の時間軸ではあまり目立つ行動をしなかったから来なかっただけで、こういう組織がいつの間にか作られていたとしたら……。

 

――可能性はある。

 

――だが、恐らく公的な組織。ここで捕まれば!

 

 

「逃走する!」

 

 

黒髪の少女が、そう叫ぶと、三人が一斉に駆け寄り、手をつないだ。

 

 

「させない!」

 

 

女性が警棒を取り出し、紫に近い色の炎を宿す。

 

 

――雲の炎! なぜ彼女が!?

 

 

ダッと、三人に詰め寄る女性。

 

 

 

 

 

カチリ

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間には、三人はもう消えていた。

 

 

足音もない。

 

 

「……逃げられた。」

 

 

そうつぶやき、女性はため息を付く。

 

 

そのあと、視界を気絶している三人(少年と少女と修羅)を見て、特に少年と少女の見た目年齢に驚き、続いてまたため息をついた。

 

 

「年功序列……なんてモノは、もはやこの世には存在しないのか?」

 

 

女性は胸ポケットから無線を取り出し、連絡を始めた。

 

 

『こちら、コスモス02。死ぬ気の炎をも使う魔法少女と遭遇したが逃げられた。被害者と見られる三人を発見したため、人員を要請する。』

 

 

『死ぬ気の炎を使う魔法少女ねぇ……。まぁ、とりあえず、今からそっちに夢羽ちゃんと行くから、よろしく。』

 

 

女性の堅苦しい口調とは裏腹に、無線の相手は軽い調子で話を始めた。

 

 

『まぁ、全速力で飛ばすのもあれだし、ちょっとお話しないかな。退屈しのぎで。』

 

 

『……いいでしょう。ただし、破廉恥な内容は無しですよ。』

 

 

『もー、ノリが悪いなー。みうみうは。』

 

 

『そっ、そのあだ名で呼ぶな!』

 

 

何故か無線の最後らへんは、終始女性が顔を紅くしたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――時同じくして

 

 

「はじめるよ。」

 

白と黒の魔法少女が動く

 

 

 

「借りが一つ、できてしまいましたね。」

 

「ん? 気にしなくていいさ。あんたんとこに居候するから。あ、麦チョコくれ!」

 

「はい……どうぞ。」

 

「なんで、そんな話になるぴょん!」

 

「うるせぇ、ワンコロ。……ホームレスなんだよ。」

 

「……その歳で。」

 

「るせぇ! ひょろひょろ! あたしは見た目どおりの年齢じゃねぇっての!」

 

「クス……。」

 

――やれやれ、面倒な事になりました。

 

黒曜の地にて、紅き魔法少女が騒ぐ

 

 

 

 

 

 

 

――恭介……。

 

電脳にとらわれし、彼を想う蒼き少女。

そのそばで、誰かの役に立ちたいと願う少女。

 

 

 

 

 

 

――この世界に、ずっと居たい……。

 

電脳にとらわれ、現実では出来ないことをしながら、そう思う少年。

 

――今の彼は、危険すぎる。現実世界に帰ったとしても、絶望してしまうかもしれない。なんとかしてやらねば……。

 

そんな少年を気にかける店主。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

交わるはずの無かったセカイ。

 

それらが交わるとき、物語は巨大化する。




はじめまして!
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