デンジとレゼは砕けない   作:Nキング

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お久しぶりです。
とても時間がかかってしまいましたが、刺客編の完結です。

楽しんで頂ければ幸いです。


刺客編 ④

 そこは、一面の花畑であった。

 

 しかし美しい地表に対して、その空模様は異様である。

 

 そこにあるべき青空と雲は無く、一面に張り巡らされた無数の扉、扉、扉。

 

 デンジとレゼもあの扉の内のどれかから落ちてきたのだろうが、もうそれがどれだかは判別出来ない。

 

 見渡す限り一面の花畑。しかし、地上の花と空の扉が合わさる筈の地平線は見えなかった。そこにはただ、どこまでも続く闇があった。

 

「デンジ君ッ……そろそろ起きッ、てッ!」

 

 ここに来た衝撃で打ち身になった身体に鞭を打ち、レゼがデンジのスターターを思いっきり引っ張る。

 

ヴ…ヴヴン……!

 

「痛ったアああああ!! 糞ッ! アアッ!」

 

 呪いの悪魔に殺された際に血を失いすぎたのか、額からチェンソーが若干飛び出るだけで完全には変身できない。

 

「しょうがないなぁ~デンジ君は。私の血、ちょっと分けてあげるよ」

 

 レゼがそう言うが早いか、自分の唇を噛んで出血させデンジにキスをした。

 

 デンジの額から半端に飛び出たチェンソーが当たりそうだったが、そんなものを意に介すレゼではない。そして図らずしも再び血の味のキスとなったが、朦朧とするデンジの視界に飛び込んできた最高にカワいいツラのせいで全く気にならなかった。

 

「んむっ!

 ン……サンキューレゼ。バッチリ目が覚めてきたぜェ~」

 

「どういたしまして~。ホラ、一旦チェンソー引っ込めて」

 

「俺は一体何を見せられているんだ……」

 

 そうボヤくアキが辺りを見回すと、杜王駅前広場で戦闘していたほぼ全員がこの場に居た。一緒に落ちてきたであろう公安職員達も居たが、一様に事態が理解できず混乱している。だが問題は魔人達であった。パワーと天使、その他の公安子飼いの魔人たちの焦燥と混乱ぶりは異常だ。吉田がアキに駆け寄り、ひとまず状況確認と情報共有を行う。

 

「早川さん、オレ達はどうやらあの空にある扉から落ちてきたらしい。

 あの場に居た公安は岸辺隊長以外全員来てて、負傷者は少数いるけどいずれも軽微。現在位置は不明。それと魔人たちの様子がおかしい」

 

「天使! しっかりしろ! 

 ここが何処なのかわかるか!?」

 

「ここ『地獄』だ……。『地獄』の匂いだよ。

 僕たち終わりだ……見られてる……」

 

「見られてるって、何に……?」

 

「根源的恐怖の名前を持つ……あ、悪魔……」

 

 呆然と立ち尽くす天使にアキが返答に困っていると、先程からうずくまって震えていたパワーが突如叫び出す。

 

「うあああ……あぁ~!! 来よる! 来よる!」

 闇の悪魔がぁ……」

 

 上空に張り巡らされた無数の扉の内一つが開き、黒い雫が一滴落ちる。

 

 

 ───闇の悪魔、降臨

 

 

 闇の悪魔が一歩前へと踏み出すと、まるで元から無かったかのように、その場に居た全ての人物の腕が肩口から刈り取られた。胸のスターターに、首のピンに、拳銃型のスタンドに、自身の刀に、それぞれ手を掛けた腕が全て切り落とされた。如何様な力によるものなのかは不明だが、目の前に降り立った闇の悪魔の仕業である事は確かだった。

 

 倒れ込む一同とは逆に、先程レゼとホル・ホースに始末された警察官の死体が立ち上がる。この場に居る人間には知る由もないが、それは精巧な人形に変えられたトーリカであった。

 

「私は人形の悪魔です。契約通りチェンソーの心臓を持ってきました。

 私にどうか、マキマを殺せる力をください」

 

「マ、マキマを……?」

 

 以外な名前が飛び出た事に小さく反応したのは、倒れ伏したレゼだった。

 

「デンジ君、ボムちゃん、久しぶりだね」

 

 その呼びかけに呼応したのか、この絶体絶命の状況にそぐわない、自信と美しさに満ちる凛とした声が地獄に響き渡る。この正真正銘の地獄においても微笑みを崩さない口元から発せられるのは、救世主の声か、はたまた悪魔の囁きか。

 

 その声の主マキマは、まるで午後のコーヒーを買いに行くかのような軽い足取りで歩み出し、トーリカの死体に触れる。

 

「地獄の悪魔よ。

 わたしのすべてをささげます。なのでどうか、私達をお帰しください」

 

 もはや首のみのトーリカが、出来の悪い合成音声のように発声した。その時、地に伏した全員の地面に再び扉が現れた。

 

 

 

────

 

 

杜王町

杜王駅前広場

 

 

ドサッ、ドサドサドサッ

 

 

 承太郎が岸辺と今後の対応を協議していた所、突如広場に何かが落下したような物音が響き渡る。新手の刺客の攻撃かと承太郎達が振り向くと、音の正体は先程ここから失踪した面々だった。そして彼らを吐き出したであろう扉が音も無く消え去ってゆく。

 

 失踪した扉の向こう何があったのかは想像も出来ないが、帰還した面々は様々に負傷している。ただ共通点として、皆が一様に腕を喪失していた。切り取られたであろう腕も辺り一面に散乱している。

 

「デンジッ! レゼッ! ホル・ホースの兄貴ッ!

 みんな大丈夫ッスかッ! 今治してやるからな!」

 

 仗助が急ぎ駆け寄りクレイジー・ダイヤモンドで身体や腕に触れて回ると、散らばっていた腕が動き出しそれぞれの持ち主の元へと戻ってゆく。

 

 まずは一番近くに放り出されたホル・ホースとレゼ、それからクァンシ相手に共闘した公安の面々、死んでいなければ順番に目を覚ましていく事だろう。

 

「マ、マキマが……」

 

「安心するッスよレゼちゃん。今デンジも治してやるからよ」

 

 だがデンジに触れようとした時に仗助は気付いた。デンジの側に、集団失踪前には居なかった人物が一人増えている事に。それも、とびきり厄介な人物が。

 

「それが君のスタンド『クレイジー・ダイヤモンド』の能力、か。

 直接見るのは初めてだけど、中々便利そうだね、東方仗助君」

 

 公安対魔特異四課課長、内閣官房長官直属デビルハンター、極東の魔女マキマ。

 

「テメーは……あの時のプッツン女ッ!

 俺のダチに何しやがったッ!」

 

「えっ! この女の人が例の公安の!?」

 

「仗助、康一君、下がるんだ」

 

 今にもマキマに飛びかかりそうになりながら仗助が叫び、康一もエコーズAct3を出し警戒態勢を取る。だがそれを承太郎が制し、二人の前に出る。

 

 一方のマキマは、この人数差を前にしても飄々とした態度を崩さない。実際にこの場で主導権を握っているのは、キーパーソンであるデンジを手中にしているマキマだった。

 

「これは随分とご挨拶ですね。折角みんなを『地獄』から連れ戻してあげたっていうのに」

 

「地獄だと……?」

 

「ええ。デンジ君達は先程まで地獄に落とされていました。全ての悪魔の故郷たる、地獄にね。

 そのまま地獄の悪魔にデンジ君を奪われちゃうとこちらとしても不都合なので、私が連れ戻して来たという訳です」

 

「デンジを連れ戻して来た事には礼を言おう。

 だが、コイツは現在もスビードワゴン財団の保護プログラムの庇護下にある。返してもらおうか」

 

「構いませんよ。

『サンタクロース』からデンジ君を守りきれるならば、ね」

 

「なに?」

 

 マキマがあっさりと自身の優位を手放すと宣言したその時、広場中に散らばる人形の残骸がカタカタと不気味に震え出し、一体また一体と立ち上がり始める。再生した人形達は標的であるデンジの方へ……ではなく、ある一点に集まり積み重なり始める。それはもはや小高い山となった。

 

「マキマ……何をしやがった?」

 

「私ではありません。彼女に聞いてみたらどうです?」

 

 折り重なった人形の山から、異形の存在がゆっくりと立ち上がる。彼女こそが闇の悪魔の肉片を取り込み、異形の存在と成り果てたトーリカの師匠、ソヴィエト連邦よりの刺客『サンタクロース』である。

 

「ふ、ふふふ……

 素晴らしいです……これが闇の力……

 今や、全てが理解できます」

 

 この杜王駅前広場には、サンタクロースの本当の顔を知っている人物がもう一人居た。

 

 

ボォンッッ!!

 

 

 同郷たるレゼである。

 

 突如、人形の山とサンタクロースが爆発する。両腕を取り戻したレゼが即座に変身し爆発弾を叩き込んだのだ。直撃弾を食らったサンタクロースは、自身の身体が半壊している事を気にも留めず愉快そうに喋り出す。

 

「おや? モルモットが祖国の任務を果たせなかったとは聞いていましたが、恋愛ごっこの挙句の果てに反逆までするとは。今のあなたは、私の作った人形にすら劣る存在ですよ?」

 

「黙れ」

 

「素晴らしい……私を見てください。

 闇の中で瞬時に傷が治りました。たった一度、闇の悪魔との契約を完遂しただけでこれ程の力を得られたのです。もう一度あなたのボーイフレンドの心臓を捧げれば、今度はどんな力が得られるのか……

 あぁ! 楽しみでたまりません!」

 

 サンタクロースが喜びの叫びを上げると、それに呼応するかのように再起動した人形軍団がレゼへと殺到する。

 

「さぁ、デンジ君もそろそろ起きないと。愛しのボムちゃんが死んじゃうかもよ?」

 

 未だ目を覚まさないデンジに、マキマがまるで目覚めのキスをするかのように胸のスターターを引いた。

 

 

ヴゥン! ヴヴヴンンンッッ!!

ギュギュギュイイイイイイイイィィッッ!!

 

 

 その心臓より爆音を轟かせ、チェンソーが額をカチ割り変身する。さながらナイトの如く我が姫の下へ猛進し、レゼに群がる人形共を殺戮する。

 

「俺の最強無敵にクソカワイイ彼女に何しやがんだぁ~ッ!?

 頭良いフリしてくっちゃべってんじゃあ……ねぇッ!!」

 

 悪魔と悪魔が激突する。

 

 杜王駅前広場は、今日一番の死地と化した。

 

 

 

────

 

 

 

日没20分前

 

 

「マズイな……日が暮れてきた。

 早川、そろそろ起きろ」

 

 岸部は人形と応戦しながら、足元に転がるアキを軽く蹴飛ばす。

 

「ここは……ッ!

 帰って……来れたのか」

 

 意識を覚醒させたアキが飛び起き、自身の状況を確認する。失ったはずの両腕がしっかりと有る。地獄での出来事は夢だったのかと思ったが、あのおぞましい感覚は今でもハッキリと覚えていた。

 

「起きたか。

 倒した人形どもが再起動した。パワーと天使の悪魔を叩き起こして応戦しろ」

 

「了解です!」

 

 まだ鈍っている頭をフル回転させ、近くに居た二人を起こしに向かう。

 

「パワー! 天使! 起きて戦え!

 人形どもが押し寄せて来てるぞ!」

 

「ひ……ひいいいいいい!!

 闇の悪魔がぁ! 闇の悪魔がワシを見ておるゥ!」

 

「あ………あ………」

 

「クソッ!

 俺一人で切り抜けるしか無いのか……ッ!」

 

 二人の身体的な損傷は仗助によって完治していたが、しかしその精神状態は未だ正常では無かった。そんな事はお構いなしに人形軍団が押し寄せる。しかもその手には警察及び公安の武器が握られており、徒手の人形は腕そのものが刃状に変形していた。

 

「くッ……!

 こいつら、以前よりも強化されてやがる! しかも再生能力までッ……」

 

 アキも狐の悪魔と刀を使い応戦するが、復活した人形軍団は球体関節と強化により、人間では身体上不可能な挙動や機動で襲いかかってくる。数も膨大でその上自己再生能力まである為、倒しても時間が経てば復活してしまう。

 

 パワーと天使の悪魔はデンジと違って不死身ではなく、殺されれば死ぬ。いかに実戦経験豊富なアキとて、この数の人形軍団相手に茫然自失の二人を庇いながら戦うのは容易ではなく、その包囲網は時間が経つほど分厚くなってゆく。

 

 ただの人間であるアキにとってはただ触られるだけでアウト、即奴らの仲間入りだ。そしてアキが人形に触れられてしまうのも時間の問題だった。再生を繰り返し一向に数が減らない人形軍団に岸辺隊長や吉田も手一杯であったし、地獄から帰還した者や後から駆け付けた援軍の公安及び警察職員も、既に何名かが新たに人形軍団の隊列に加わっていた。

 

 限界が訪れたのは、アキが人形の一体を斬り払いきれずに鍔迫り合いに入ってしまった時だった。その致命的な隙に、未来視の眼が3秒先のヴィジョンを映し出す。それは、先輩である黒瀬と天童の人形が自分に掴みかかるヴィジョンであった。

 

 刀はそのままに首だけで振り向くと、未来視で見た通り黒瀬と天童の人形が両手をアキに伸ばしている。

 

「俺はッ! こんな所で……ッ!」

 

ダァン!!

 

 だが伸ばされた腕はアキには届かず、肘から先がダラリと垂れ下がった。

 

「お困りのようだな、サムライボーイ」

 

メギャン!

 

ドドドドド、ダァン!!

 

 徒手空拳の男により発射された不可視の弾丸は人形の膝と肘を正確に撃ち抜き、更には勢いを落とす事無く曲がりくねって人形軍団の中を縦横無尽に飛び回る。アキを包囲していた人形達が一斉に崩れ落ちると、その向こうから現れたのはカウボーイ風の出で立ちの男。スピードワゴン財団から派遣されたというエージェント、ホル・ホース。

 

「いかな化け物人形といえども、手と足を動かしてるのには代わりは無え。

 俺のエンペラーは派手な破壊は不得意でも、関節を狙い撃つなんざァ、朝飯前よお」

 

「す、すまない……助かった。

 それがアンタのスタンドってやつか」

 

「一つ貸しだぜ? サムライボーイ。

 ところでなんだが、俺の能力はいかんせん後衛向きでな。前衛を一人探しているんだが……まだその元気は残っているか?」

 

「公安退魔特異四課、早川アキだ。カウボーイ」

 

 再度刀を構えて臨戦態勢を取る。

 

「オゥケイ! よろしくなァ!

 俺の名はホル・ホース。スピードワゴン財団から派遣されたスタンド使いだ」

 

「こいつら、数が多い上に再生までする。倒しても倒してもキリが無い……!

 本体を叩かないと意味が無いぞ。どう切り抜ける?」

 

「派手なのは苦手だって言っただろォ?

 あっちの親玉は承太郎の旦那とチェンソー坊や達に任せる事にするぜ。餅は餅屋って言うしなァ。

 俺達の仕事は、あっちにチャチャが入らないよう人形共を足止めする事だぜ。相棒」

 

 ホル・ホースがキザに親指で指し示した方向には、日没により更に怪物じみた姿に変化したサンタクロース、それと戦うデンジとレゼ、そしてスタンド使い達が見えた。

 

 ここに本日再び、クァンシに続きサンタクロースという共通の敵の出現により、公安と財団との共同戦線が相成った。

 

 

 

────

 

 

 

同じく日没20分前

 

 

 レゼの心の内には、様々な感情が渦巻いていた。『サンタクロース』の正体が同郷の者だった事。宿敵であるマキマに地獄で助けられた事。そして目の前に襲い来る元人間の人形達を『始末』しなければならない事。

 

「弾薬庫のモルモットはこの人形達を殺せるでしょうか?」

 

 サンタクロースがそう言うと、デンジとレゼの前に群がっていた人形軍団の顔が元の人間に戻ってゆく。

 

「あれ……? 私の腕が……私の腕がぁ!」

「体がなんか勝手に動くぞ!」

「悪魔! 悪魔を発見! 本部応援願いまスぅ!」

「痛い痛い痛い!」

 

「マジかよ~ッ!

 すっげえワルの敵が使ってくるヤツじゃん!」

 

 サンタクロースが意図的に能力の一部を解除し、人形と化す前の人格のみを呼び起こしたのだ。しかし人間としての意識を取り戻した彼らの言葉と表情とは裏腹に、人間離れした膂力を持ってしてデンジとレゼに襲いかかる。

 

 元は無辜の人々だという事実を否応なしに実感させられ、デンジの動きはどうしても鈍ってしまう。対してレゼは冷酷に、淡々と小規模な爆発を繰り返し起こして人形を屠ってゆく。

 

「おや、また殺人を繰り返すのですか? あの弾薬庫での訓練のように。こなした任務のように。

 どんなに逃げても、やはり貴女に『普通』の生活など無理なのですよ、モルモット。

 ほぉら、聞こえて来ませんか? 貴女が今まで殺した無辜の人々の怨嗟の声が……」

 

「ギャアアアアアア!!!」

「やめて! やめてェ!!」

「熱い熱い熱いよォ!!」

「人殺し……助けて……」

 

 焼き尽くされる人々の悲鳴を聞き流すその表情は、頭を覆うボムによって窺い知る事はできない。

 

「もう人殺しなんてたくさん。でも……私は『覚悟』を決めたから。

 過去の罪を捨てる事はできない。だけど私は全てを抱えて前へと進む。私とデンジ君の邪魔をするならば例え殺人であろうとも、手段は選ばない。

 私にもう『迷い』は無い」

 

 それはレゼの『覚悟』。かつてデンジと戦った際に見せた弾薬庫で教育された冷酷非情さとはまた別種の物。愛する人に認められ、自己を確立したが故の意思。自分の決めた進むべき道を阻む者、それをすべからく排除するという『漆黒の意思』。

 

 一方デンジは意識を取り戻した人形を殺害することを厭い、逃げ回りながら手足のみを切り落とすなど場当たり的な戦い方をしていた。

 

「無理無理無理! 人殺しになりたかねーよ!!」

 

 だがレゼの様子を見て、デンジもまた覚悟を決める。

 

「ハァ~……せっかくクソカワイイ彼女と最高にハッピーな学校生活送ってたってえのによォ~。

 どいつもこいつも何で俺達の邪魔ばっかしやがるんだァ~~!?

 レゼの手ェ汚させやがって!」

 

 それはデンジの『覚悟』。今までの人生で失ってばかりだったデンジが、そんな自分が愛する者の心の拠り所となる。だからこそレゼにこんな思いをさせるサンタクロースが許せなかった。あの夏の浜辺でレゼの過去の過ちを全て赦し、受け入れ、どこまでも一緒に歩んで行こうという『黄金の精神』。

 

 そしてこの場にはもう一人、サンタクロースの所業に怒り猛る者が居た。

 

「テメーは……絶対に許さねえッ! テメーこそが『吐き気を催す邪悪』だッ!」

 

 東方仗助である。

 

「待て仗助ッ! お前は人形に触られたらアウトだ! 巻き込まれただけで本来関係無いお前はこれ以上戦う必要はねえ!」

 

「そうだぜ仗助! コイツァ悪魔で、そんでコイツの狙いは俺だ!」

 

 仗助がサンタクロースに打って出ようとするのを承太郎とデンジが制止するも、ブチ切れた仗助に止まる気配は無い。

 

「関係無くねーッスよ……! 俺のじいちゃんもおまわりだったんだ。三十五年間も『この町を守ってきた男』だったんだ……。じいちゃんに代わって俺が守ると誓ったこの杜王町をを土足で踏み荒らされて、ドタマに来ねえ方がどうかしてるぜッ!!

 この杜王町を、この町の人間を傷付ける奴はよォー! 何であろうと俺の敵だァッ!

 クレイジー・ダイヤモンドッッ!!」

 

 助けを求める声を上げながら襲いかかって来る人形軍団は元は公安か警察であり、その大部分は杜王町の所轄警察官だ。仗助はこの夏に亡くしたばかりの祖父を想い、心の底から怒りが込み上げてくる。それは髪型をけなされた時とはまた違う、燃え盛る炎のような怒りであった。

 

 それは仗助の『覚悟』。祖父が愛し、母が愛し、自分の生まれ育ったこの町を、仲間達の住む杜王町を必ず守るという『黄金の精神』。

 

「陳腐な。まるで自分の縄張りを守ろうと躍起になる動物ですね。

 心意気は結構ですが、ふふふ……もうすぐ夜が来ます」

 

 覚悟を決め、サンタクロースをブチのめそうとする三人の背に夕日が沈む。

 

「ふふ、ふふふ……」

 

グ、ググ……ビキッ、ミシミシッ……

 

 太陽が地平線に沈んでゆくにつれ、サンタクロースの身体にも変化が現れる。より巨大に、より強大に。脚は太く、腕は増え、まさしく人形のようだった白い肌は闇の色に。

 

「あと半年で死を迎える筈だったこの私が……

 これが闇の力なのですね。

 ふっふふふふハハハ……!

 不死身! 不老不死! 悪魔のパワー!」

 

「ちょっとキモくなってんじゃねえか~?

 そんなんでビビると思ってじゃねえぞォ! ウラアアァッ!!」

 

「愚かな」

 

 デンジが一撃浴びせようと飛び込むも、先程とは比べ物にならないサンタクロースのパワーとスピードによって弾き飛ばされてしまう。それを見たレゼがすかさず爆発弾を数発叩き込み牽制した為、なんとか追撃は免れる事ができた。

 

「ギャアッ!! 痛っってええええ! クソッ!」

 

「グレートですよこいつァ……

 あの大量に生えてる腕のせいで死角が無え。他の人形共の相手もしなきゃならねーし、これじゃあ倒すどころかクレイジー・ダイヤモンドの射程距離内に近寄る事もままならねえッスよ」

 

「その上、ダメージを与えた側から瞬時に再生しやがる。まるで観終わったビデオテープを巻き戻すみてえにな。だが、ヤツは闇の中で回復すると自分で言っていた……

 レゼ、頼めるか?」

 

 デンジを受け止めた仗助が治療をし、承太郎は冷静に敵を分析する。人形軍団はホル・ホースと公安によって大部分が抑えられてはいるが、サンタクロース本体からの操作を受けた個体が直接襲いかかって来る。

 

 レゼによる爆炎の中から姿を表したサンタクロースは既に回復しきっており、先程までと寸分違わぬ姿をしていた。

 

「ふふ……ちくちくします。

 爆弾の悪魔など取るに足りません。私は再生だけではなく痛覚も他の人形と分散できるのですよ」

 

「それじゃあこれならどう?」

 

カッ!!

 

 夜の帷が降りた町に眩しい程の光が降り注ぐ。承太郎が提案しレゼに発射させた照明弾だ。化学反応により60万カンデラの光が降り注ぎ、ナイターの野球場のように戦場が照らされる。

 

「行くぜえええぇぇ!!」

 

「まるでサカりのついた猿ですね。何度やっても同じ事です」

 

 これを好機と見たデンジが再び飛び付きチェンソーを叩き込む。再度迎撃されてしまったが、今度は組み付いた際に置き土産を残した。

 

「テメェ体ン治り遅くなってるぜ?

 そんで……捕まえたぜェ!」

 

「これは……チェーン?」

 

 デンジの腕が肘先辺りから引き千切れており、そこから伸びたチェーンがサンタクロースの多数の腕に絡みついている。

 

「レゼが教えてくれた戦い方の応用ってやつだァ!

 チェンソーってのはただのノコギリじゃねえ。チェーンが付いてるからチェンソーってんだぜ?」

 

「そりゃそうでしょ……」

 

 自分の作戦勝ちだとはしゃぐデンジに、照明弾を打ち上げ続けながら呆れるレゼ。しかしサンタクロースは禍々しい笑みを浮かべた。

 

「少な目の脳味噌でよく考えましたね。ですがやはり浅はかです。今の私に力勝負で勝てるとでも?

『捕まえた』のではなく『捕まった』のですよ」

 

 拘束を逃れた何本かの腕で逆にチェーンを掴み返し、その強大なパワーを持ってしてデンジを引き寄せ始める。死の綱引きの始まりだ。

 

 自身の状況を理解したデンジが拘束を解除しようとするも、サンタクロースの大量の腕にチェーンが絡んでしまっていた。

 

「ヤ、ヤベェ!! ほどけねえ!

 誰かチェーン切ってくれェ!」

 

「踏ん張れデンジ! クレイジー・ダイヤモンドで引っ張ってやる!」

 

 闇の悪魔の肉片で巨大化し、重量とパワーで大きく勝るサンタクロース。デンジは踏ん張りを効かせようと脚から出したチェンソーを地面に突き刺しフル回転させるが、サンタクロース相手にはトルク不足であった。

 

「わざわざ自分の方から捕まりに来てくれるとは……私が直々にその心臓を引き抜いてあげます!

 数々の国家と悪魔が求めるチェンソーの心臓が今再び我が手に! そしてさらなる力と智見を私にもたらすでしょう!」

 

「うおおおおおブッタ切れろォォ!!」

 

 チェーンを切るべく頭のチェンソーを押し当てるも火花を散らすばかりで、その間にもサンタクロースとの距離は縮まり続ける。

 

 

「いやぁ違うよデンジ君。それをやめるなんてとんでもない。

 その絡みついたチェーンが『いい』んじゃあないか」

 

 

 デンジがサンタクロースに捕まる直前、そこに届いたのはデンジが学校生活で得たもう一人の学友の声。

 

 チェーンを強力に引き続けていたサンタクロースが、突如としてその動きを止める。

 

「なっ!? こ、これは……体の動きが、に、にぶい……

 いや、にぶいのではない! お、重い……ッ!」

 

 大量の人形の頭を重ねたようなグロテスクな脚がアスファルトにめり込み、チェーンを引っ張っていた腕も地に落ちる。

 

「チェーンを引くのに残りの『腕』を全部使ってくれて助かったよ。その腕が厄介だったんだ。

 その長い腕のせいで近寄れなかったんだよ。エコーズAct.3の射程距離までね」

 

 

『3 FREEZE !!

 射程距離5メートル以内に接近しました。BEEEITCH!!』

 

 

 サンタクロースの背後に立っていたのは、髪を逆立てた小柄な男子高校生、広瀬康一。彼のスタンド能力の前にサンタクロースは地に伏し頭を垂れた。

 

「貴方のッ、仕業ですか……

 この矮小な存在ごときが……まずは貴方から人形にして……あげましょう!」

 

 サンタクロースが怪力にモノを言わせて立ち上がり康一を人形化しようと手を伸ばす。だが忘れてはならない、今の彼女にはその手綱を握る二人が居るという事を。

 

「やっぱりお前は頼りになる男だぜッ、康一!」

 

 仗助がデンジにクレイジー・ダイヤモンドを発動させ、チェーンと共に千切れた腕が持ち主の元に戻ろうと動き出す。その力が更にチェーンを絡みつかせ、荷締機のように締め付けた。

 

「見やがれェッ!

 これが俺のォ……仲間ン力だアアアあああ!!」

 

 クレイジー・ダイヤモンドの能力で勢いを付け突撃するデンジ。

 

「あ、な!? ギ、ぎゃあああああアアア!!!」

 

 今度こそサンタクロースを額のチェンソーで一刀の下に両断した。

 

 だが、強大な闇の悪魔の力によって強化されているサンタクロースは未だ絶命はしていない。

 

「グッ……ガッ……この程度のダメージ、すぐに再生してみせます……!」

 

「調子に乗ってる所悪いけどデンジ君……そろそろ照明弾を作り続けられなくなってきた……!

 それに、光が当たっていても再生を遅らせる事しかできてない!」

 

 身体を再生させながら再び立ち上がろうとするサンタクロースの前に立ちはだかるのは、近距離パワー型のスタンドが二体。

 

「承太郎さん。こういう再生する敵ってのは、大抵ゲームや漫画とかだと再生が追いつかない程ダメージを与えるのがセオリーなんスよ」

 

「なるほどな。だったら俺が一度に再生が間に合わないくらい叩っ壊す。

 その後で再生したけりゃ思う存分させてやれ。ただし仗助、お前のクレイジー・ダイヤモンドでだ」

 

 

『スタープラチナ・ザ・ワールドッ!』

 

『クレイジー・ダイヤモンドッ!』

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッッ!!」

 

「ドラララララララララララララララララララララララララララララァッッ!!」

 

 

「闇の力を得たこの私がッ!? この世の全てを理解した、この私がああァッ!!

 このちっぽけなゴミ共がああああああ───ッ!!」

 

 承太郎が停止時間中にラッシュを叩き込みサンタクロースを一気に粉砕する。そこに今度は仗助がラッシュを叩き込み、ブッ飛ばされたサンタクロースは広場の中央に鎮座している噴水に激突した。

 

「ウッ、ガッ……ギッ!!

 こっ、これは……ッ! 体が勝手に再生して……!? 

 まっ、混ざる! 周囲の瓦礫と混ざって……動けない!」

 

 身体を再生させ立ち上がろうとするが思うように身体が動かない。一度粉々に砕かれたサンタクロースの身体はクレイジー・ダイヤモンドの能力で噴水と混ざり合い、融合し、名状しがたい物体と化していた。

 

「グレートだぜ。

 ただでさえ趣味の悪かったビジュアルが、更に趣味の悪いオブジェになっちまったなァ」

 

 完全に敗北を喫したサンタクロースだったが、それでも彼女は自身の敵を嘲笑う。

 

「ふ、ふふふ……

 私をどのように倒そうと無駄な事です。

 私の操る人形は世界中に居て、その全てと意識が繋がっています。ここで私を破壊したとて、別の人形が次のサンタクロースとなり、貴方達を殺しに行くでしょう。

 それこそ、私を『この世から完全に消滅』でもさせない限り……」

 

 そうしてサンタクロースは今の身体を捨て、どこか適当な国に用意した人形に乗り移る気でいた。

 

 だがサンタクロースが挑発の為に放った言葉。闇の力を得て以前とは比べ物にならない力を得てなお、敗北してしまったというプライドが、その必要の無かった「いつでも友人や家族に成り代わってお前達を殺しに行ける」という言葉を放った一瞬が彼女の命運を分けた。

 

「ホォ~、そいつぁ良いコトを聞いたぜ。

 テメーがこの町を滅茶苦茶にした騒ぎの元凶で、テメーを『この世から完全に消滅』させれば良いんだな?」

 

「なにを

 

 

『ザ・ハンドッ!』

 

 

ガオンッ

 

 

 サンタクロースの口にした疑問の言葉はついぞ解決される事はなかった。趣味の悪いオブジェと化した彼女の身体が、まるでアイスクリームをスクープで掬うかのように削り取られたからだ。その削り取られたオブジェの向こう側から現れたのはデンジと仗助の学友、虹村億泰。

 

「億泰ゥ~ッ! お前避難してたんじゃなかったのかァ~!」 

 

「親父を避難させてたら遅れちまったぜェ~。

 てゆーかその声、もしかしてデンジかァ?」

 

 大量に居た人形軍団が力を失いガシャガシャと崩れ落ちる。それは彼らの司令塔がこの宇宙から完全に消滅した事を示していた。しかし一度人形に変化させられた彼らの身体と意識は、その司令塔が消滅しても元に戻ることはなかった。

 

 

────────────

  サンタクロース

契約悪魔『人形の悪魔』

 

────完全敗北…消滅

────────────

 

 

 

「へぇ~ッ! 二人は悪魔の心臓を持ってんのかぁ~!

 でも心は人間なんだろ? まるで悪魔と人間のハイブリッドカーって感じじゃあねーかッ!」

 

「ハイブリッド!

 なんかカッコ良い響きだなァ~! 次からそう名乗ろうっかな!

 人間とチェンソーのハイブリッド、デンジ様だァ!

 どうだレゼ!?」

 

「はいはい、デンジ君はカッコ良いよ」

 

 無事の再開を喜ぶデンジと億泰、それに呆れるレゼ。まだ周囲の街並みは滅茶苦茶に破壊されたままだったが、明るく話す彼らの姿に日常の兆しが見えてきた。

 

 

パチ、パチ、パチ、パチ

 

 

「素晴らしい。まさかあのサンタクロースを倒してしまうとは。

 ご苦労さまでした。これで共闘は終わりです」

 

「マキマ……ッ!」

 

 現れたるは極東の魔女マキマ。

 

 レゼがデンジを守るように一歩踏み出し、仗助と億泰もスタンドを出現させてマキマに立ち向かう。しかしマキマが向いていた方向は、最優先確保対象であるデンジではなかった。

 

 それは、先の承太郎との戦闘で消耗していた為自分の魔人達を守るのに徹していたクァンシ。

 

「さて、クァンシ。

 あなたは公安や所轄の人員を大量に殺してくれましたね。

 公務執行妨害及び複数の殺人罪により現行犯逮捕します」

 

 これもチェンソーの悪魔奪還作戦のプランの一つだった。デンジ目当てに襲撃してきた刺客を捕らえ、支配し、手駒とする。後に必要となる日の為に。

 

 マキマが抜刀すると同時に、岸辺と吉田、そしてアキが目隠しをする。公安職員である彼らとて、マキマの能力を知る権限は無い。

 

「降参する。私が逃げると思うなら四肢を切ってもいい。だから私の女達は殺すな」

 

「クァンシ様……」

「ハロウィン!」

 

 世界最古のデビルハンターの命乞いという滅多に見られない状況にも、マキマはその表情をピクリとも動かさなかった。

 

「死体が喋っている」

 

 

ヒュッ

 

 

バシィッッ!!

 

 

 マキマの不可視の一閃。その刃はクァンシの首に届く直前で停止していた。

 

 クァンシにとっての運命の死たる刃を受け止めるは、世界最強のスタンド、スタープラチナ。そしてその傍らに『出現』したのは、スタンドの持ち主たる偉丈夫、空条承太郎。

 

「コイツらは今回の事件の協力者として、もうスピードワゴン財団の預かりだ。この攻撃も財団への攻撃とみなされる。

 もっとも、まだ今なら『悪魔討伐中の巻き込み事故』かもしれんがな」

 

 自身の必殺の刃を防がれたとて、マキマの表情は一切崩れずその口元は微笑みを浮かべたままだ。

 

「また貴方ですか、空条承太郎。

 随分と手癖が悪い男だね」

 

 マキマの示した罪状も承太郎の言った保護名目も、結局の所は政治的な言葉遊びでしかない。建前こそを重視する日本社会において、公権力の側に立つ者ならば筋の通った口実さえ立ててしまえば大抵の事は可能なのだ。それが殺人であろうとも、大量殺人犯や悪魔の起用であろうとも。だが逆に言うと、政治的な大義名分が立たなければ動くことはできない。公安という公的機関に籍を置き内閣総理大臣とも契約を結んでいるマキマには、その制約は最も強く働いていた。

 

 数秒間睨み合いが続いたが、先に沈黙を破ったのはマキマだった。

 

「良いでしょう、今日はこれで失礼します。

 各員、収容プロトコルに従い人形の残骸を回収。

 撤収準備始め」

 

「マキマさん! デンジを奪還しなくて良いんですか!?」

 

 目隠しを外したアキがマキマに食って掛かる。岸辺と吉田の姿はもう無かった。

 

「ほら、早川君もパワーちゃんと天使の悪魔を回収して。

 まぁデンジ君はもうちょっと彼らに預けておく事にしたよ。

 可愛い恋人と良い友人達を得て、楽しそうにしてるのも見れた事だしね」

 

 アキに指示を飛ばすと、デンジを一瞥する。そして最後に一言だけ言葉を投げ掛けた。

 

「デンジ君、私は君の幸せを心から願ってるよ」

 

 

 

────

 

 

 

 マキマを含めた公安の人員が視界から消えると、最初に口を開いたのはレゼだった。

 

「ところでデンジ君。まだマキマのこと好き?」

 

「あえっ!? えっ、いや、俺がスキなのはレゼだけだッ!」

 

 レゼとて、自分へのデンジの想いに疑いがある訳ではない。しかし最後のマキマの言葉を聞いてふつふつと湧き上がってきた独占欲を少しだけ発露したかったのだ。

 

「正解! 天才!

 今日一日戦い抜いたデンジ君にはご褒美をあげましょう」

 

チュッ

 

「クァンシ様! あいつら人前でキスしてますよ! キス!」

「クァンシ、わたしも」

 

「若いなぁ……」

 

 そんな二人の様子を見る仗助や億泰は慣れたモノであったが、クァンシの魔人達はキャイキャイと黄色い声を上げながらはしゃいでいた。

 

「でも今回、地獄でマキマに助けられたのは事実。

 なぜデンジ君だけでなく私達まで……」

 

 そんなレゼの疑問を皮切りに、皆次々とマキマの感想を口にする。

 

「DIOみてえな女だったな……おっかねえ」

 

「怖かったぁ~! あの目! 由花子さんを怒らせた時と同じ感じがしたよ」

 

「夏に出くわした時も思ったッスけど、大人しく振る舞っちゃあいるがとんでもねえプッツン女だな」

 

「ありゃ絶対権力なんて持たせちゃあならねぇ種類の人間だぜェ~?」

 

「ハロウィン! ハロウィ~ン!」

 

 

 こうして、杜王町史上最悪の一日は終わったのだった。

 

 

 

TO BE CONTINUED

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