最高速度でぶち抜いたれッ!!! 作:とうしゃじゅほう
甚爾君ポジ入れるかなやんだんすけど入れました。
俺は天才と崇められた。
父さんも次の当主は俺だと言った。
禪院家には落ちこぼれと呼ばれている者が居るらしい。
別に馬鹿にするつもりじゃない、だがトレーナーでありながら、担当が全く付かないらしいのだ。
俺は気になって仕方が無かった、だから見に行ったんだ。
俺は、彼に...魅入った。
「遂に俺も、トレーナーかぁ」
長いようで短かった時間や、まぁその時間常に期待を掛けられているのは非常にきつかったんやけどなぁ。
あぁ、自己紹介がまだやったね。
俺の名前は禪院直哉、真希ちゃんのいとこや。
つうても、あの禪院直哉ではない、俺は偽物や。
異世界モノって訳でも無いけど、転生者みたいなものやね。
勿論術式は使えるで?でも家の皆は使えんのや。
まぁ術式なんてこの安全な世界に置いて要らんと思うけど。
どこに来たかって?
そんなん知っとるやろ、ウマ娘の世界やて。
最初は驚いたで?母親にウマ耳付いとんねんからな。
しかも禪院家と言うのがトレーナーの名門みたいな設定持ってこの世界にもおったねん。
無論俺も禪院直哉と言う人間は知ってる、まぁ本物を演じてるっちゅう訳なんや。
ま、俺は本物みたいにドブカスにはならん。
だが利用はさせてもらう、俺はこの世界で名声を手に入れるんや!
「さぁて、どんな娘が居るんやろなぁ」
和服に身を包み、下駄を履いた人間など今の時期にはふさわしくない...というか暑いだろう。
だが同時にそれは禪院直哉という人間を強く目立たせる装飾となる。
「おぉ...皆噂してるなぁ、まぁ禪院家次期当主と言われてるし名くらいは耳に入っとるやろ」
名門育ちのトレーナー、しかも次期当主と噂される人物だ、名どころの話ではない。
「しっかし、今日は一段と人が多いこと」
俺がそう呟くと
「あれ、禪院トレーナーじゃないですか!」
ここに入った時色々と世話になった〇〇さんがおった。
「禪院だと多すぎて分かりませんよ、名前で良いです」
「いやいや、期待の新星に名前呼びなんて出来ないよ!」
別に先輩なんやから後輩に気使わんでもええんやけどな。
しかもこの人かなりのベテランやし。
「せや、どうしてこんなに人が居るんです?」
俺がそう聞くと
「ここで行われるレースは期待度満点!特に注目されているのが」
先輩が視線を一人のウマ娘に向けた。
「ヴィルシーナ、前回の選抜レースでは1着。スピードもセンスも明らか抜きん出てるんだ」
「名前くらいは知ってはります、何でもスピードも競り合いのセンスもとてつもないとか」
まだ新人とは言えトレーナーだ、そう言った強い娘の情報は入ってくる。
「間違いなく注目するべき一人...ただ、今日は」
視線を変えた、その先に居るのは
「あれ、ジェンティルドンナでしたっけ?先日は居りませんでしたよね?」
彼女もまた、期待のウマ娘の一人だ。
「そうだね、休んでたらしいけど...あ、レース始まるよ!」
そうこうしている間にもレースは始まろうとしていた。
「(さ、お手並み拝見や...)」
ガコンッ!
レースが始まる。
この場の皆が注目しとる二人、間合いを保ったまま第3コーナーを回っていく。
多分後半に足を溜めとる。
そして二人が第4コーナーに入ると...
「...!ヴィルシーナが動いた!」
「結構早めにかけましたね、ここからでもスタミナが持つんかって所ですね」
そして、勝負が決まろうとした...
刹那
ドゴォン!!!
「いぃ!?」
辺りに響き渡る轟音。
「な!?ジェンティルドンナが一気に隣に付けた!?」
「(凄い力やなぁ...噂には聞いていたが、実際に見ると...すっごい加速やね)」
そう言っている間にも二人の差は開く。
「...ヴィルシーナ相手に、5バ身差!?」
先輩が何か言っている、だが俺の頭にはジェンティルドンナが揺らした大地の残響がまだ残る。
舞い上がる土埃、引き裂かれる風、そして...
「(イカれた音やね...)」
だが俺の好奇心は溢れ出しそうになる。
彼女はどれほど強い走りをしたのか気になって仕方がない。
そして...
「ふっ、あの娘なら楽に稼げそうやね」
目的への、近道。
「それにしても...ターフに穴空いとるんやけど、ホンマにウマ娘?バケモン過ぎやろ」
そうしている内にも、ジェンティルドンナは既に大勢からスカウトを受けていた。
「君なら三冠を取れます!何万と居るウマ娘の中で栄光を掴むのは君です!」
「三冠、ね...それで最も強いと称されますの?」
「三冠すら足らないか...では凱旋門賞ではどうだ?強さの先にある最高の名誉。達成できれば日本史上初だぞ」
あの人身たことあるわ、中々のベテランやろ。
「...熱烈なお誘い、心より感謝致しますわ。けれど、相手の顔色をもっとご覧になったらいかが?」
どーやら断られたらしいな、こりゃスカウトするのにも一苦労やね。
「それに、私は...」
あの模擬レースから数日経った。噂によればジェンティルドンナにはまだトレーナーが付いとらへん。
「だが、ベテラントレーナーも皆断られてるしなぁ」
ベテランであんな対応だ、いくら期待の新星とはいえ新人に過ぎない。
「俺には無理か?でもジェンティルドンナの走りには...」
そう呟くと。
「へぇ、私の走りがどうしたのかしら?」
後ろを振り返るとその御本人様がいらっしゃった。
「どうぞ、続けてくださる?」
「...どうして君が此処に?」
俺は質問するが
「戸惑うよりなさるべきことがあるでしょう?ご感想は毅然と仰って?」
直ぐに却下される、そしてとんでもない圧が掛かる。
「(どんな圧しとんねん...)」
その圧に押され、俺は言葉を出した。
「君は強すぎるねん」
俺の言葉にジェンティルが黙る。
一瞬の静寂の後。
「どうして、強すぎるのがいけないのかしら?」
「たとえば濡れた芝。力を込めなければ足は滑ってロスを生む。ならば力こそアドバンテージになる」
彼女の言い分はごもっともだ。
「ああ、君が普通やったらな」
彼女は規格外だ、濡れた土は彼女の足を包み込む。
踏めば踏むほど、その足は深く沈んでしまうんや。
「雑魚の罪は強さを知らんこと。だが、強さを抑えることが出来ないバランスの無い奴も雑魚や」
正直7話くらいで終わってそう。
追記
ポジションをウマ娘からトレーナーに変えました。
そっちのほうが分かりやすいからね