最高速度でぶち抜いたれッ!!! 作:とうしゃじゅほう
言っても憧れがウマ娘からトレーナーに変わっただけですけど。
「雑魚の罪は強さを知らんこと。だが、強さを抑えることが出来ないバランスの無い奴も雑魚や」
力の調整の為のトレーニングもある、例えば膝
「膝抜きのトレーニングが必要かしら?普段のフォームにも影響が出そうだけれど」
「俺が考えてるときに先に言うなや、効果は出るやろ」
ジェンティルドンナの走法はフルパワー走法、重力を活かせとらん。
「今から修正したほうがええんちゃうの?」
というかやったほうが絶対良い。
「そう...他に具体的なメニューは?」
「ああ、まずは君の圧倒的な力が足枷にならんようバランスを鍛えるトレーニングをするっちゅうわけや、例えば...」
そうして俺はジェンティルドンナに具体的なメニューを示していった。
「...話は以上?では失礼致します」
「せやね、俺もまだ担当でも無い娘に喋りすぎたわ」
「それと...次にお話するまでに、新しいメニューを考えてもらえるかしら?貴方の案、結構良いもの」
...いや俺は君の担当ちゃうがな。
「あら?その傷一つないバッジ...真新しい方で?」
ジェンティルドンナが俺のバッジを指す。
「せやけど、てか君俺の事知らんの?」
さっきから話してて思うが、俺の事を知らない感じがするんやけど、結構名知れてると思ったんやがそうでもないか?
「...名前を聞いていませんもの、容姿では分かりませんわ」
...それもそうか。
「じゃあ自己紹介しよか、俺は禪院直哉、まk...君の言うた通り新人トレーナーや」
「あら、あの家の出身でして?噂は聞いていましたが、こんな人でしたのね」
「なんや、馬鹿にしとる?」
「いいえ、滅相もありませんわ。では失礼します」
そう言ってジェンティルドンナは去っていた。
「(あの娘、俺の事新人だって分かって話を続けたんか?)」
しかも俺が言うまで名の知れた家の出身だとは気づいとらへん...己の強さの為か?
「おぉ、また走っとるんか」
俺は暇つぶしも兼ねてターフを見に来ていた、有望な人材が居れば利用したいからなぁ。
で、またジェンティルドンナが走ってたって訳。
「...並走しとる相手って
しかもこの前ヴィルシーナと並走した時に比べて明らかにパフォーマンスが上がっとる。
「トレーニングメニューちゃんとパクリおったか...人の心とかないんか?」
まぁ教えたのは他でもない俺自身なんだが...
「あ、書類片付けてないわ、帰ろ」
トレーナーとしての義務は果たさねばならない。
後日
「は〜、またあの二人走るん?」
先輩から聞いた話によれば、もう一度レースをするとのこと。ヴィルシーナのレベルもまた上がったらしい...が
「デビュー前で言うのもなんやが、今の状態じゃジェンティルドンナには勝てへん」
まだデビューしとらんのにあんな仕上がってんのはイカれとる。
「ま、見るか...」
そうして俺がターフを見渡せる場所に移動すると
「あぁ...ちょうど良いわ、そこの貴方。新人トレーナーさん」
またもやいつの間にか居たジェンティルドンナに話しかけられた。
「タイムを計って頂戴な。全てが
「何でわざわざ俺に...まぁいい、計っちょる」
俺がそう言うと、ジェンティルドンナはヴィルシーナの元へ向かっていった。
「さ、力比べや」
ターフが静まり返る...が、その静寂は2人の蹴り上げた土の音で破られる。
体を並べ合い、闘志を纏って己の勝利に向かって走る。
その空気は周囲をも飲み込み、そして
「...僅差」
ハナ差でジェンティルドンナが勝利を掴んだ。
疲れ切っているヴィルシーナを横目にジェンティルドンナがこちらに向かってくる。
「...タイムは?」
「前回より速いタイムや、どちらも格段に成長しとると言えるな」
「そう、前回よりも...」
ジェンティルドンナが視線を変える。
「ヴィルシーナ、貴方は成長している。しかし私はそれ以上に力をつけた。それが事実、揺るぎない真実ですわ」
「くっ...それでも、そうだとしても...!私は挑み続ける!負けた理由を洗い出し、何百でも力を補って!」
「貴方の先を行くその時まで...私は強さを...求め続ける!」
「よろしいッ!!!」
「うるさっ!」
なんだこの二人、漫画の展開かて。
「レース走者とは泥に塗れ、転げても。自ら拭って昨日までの己を超える!」
「挑み続けなさい、強き者に。自身こそが強者だと誇示するためにッ!」
すげぇ良いこと言っとるな。
「その全てを跳ね除け、引きずり下ろし..私は最強に成るわ。この身で、この力で、最強を示しましょう」
「...っ...失礼するわ、これからもどうぞ、お覚悟なさって」
そう言ってヴィルシーナはこの場を去っていった。
「ええ。...ごきげんよう」
ジェンティルドンナはヴィルシーナを見送る。
立ち上がる"力"を持つライバルを、高みに居るものとして気高く。
「(痺れるわぁ...!)」
その力、その強さ!彼女が描く先を望まないトレーナーなど居らへん。
その姿に俺は期待してしまう、ジェンティルドンナとなら、
ならばどうする。
「(一択やろ、俺が力を持っていると示すんや。他の誰よりもなぁ)」
それこそジェンティルドンナよりも、本人よりも強さを引き出す力を持っていると。
「(そっち側に立つんは、俺や)」
「それで?貴方からの提案、聞かせてもらえるかしら?」
正直禪院直哉と言うキャラを理解できれば本人だったと思います。
まぁあんなドブカスじゃ直ぐに引退ですね。