名前のない距離の隣で   作:レゾリューション

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オーディナルスケールは来週に投稿すると言ったな、あれは嘘だ。

と言うことで、オーディナルスケールをなんとか書き上げました!テスト期間になると書くのが止まらないのはなんでですかね?


番外編【オーディナルスケール】
スネークとオセロットが見たら説教するレベル


心地よい春の風が街を吹き抜ける四月も下旬に入ろうとしていた。そんな世間のガジェット界隈、ひいてはゲーマーたちの関心は、ある一つの新型ウェアラブルデバイスに完全に塗り替えられていた。

 

次世代ウェアラブル・マルチデバイス《オーグマー》。

 

フルダイブという「完全な仮想現実」ではなく、覚醒状態のまま現実に視覚情報を重ね合わせる「拡張現実」に特化したそのマシンと、キラーコンテンツであるARMMORPG《オーディナル・スケール》の爆発的な流行は、日本のゲーム市場を一変させていた。その影響は凄まじく、あれほど隆盛を誇っていた各種VRMMOのログイン人口が目に見えて減少するほどだった。

 

当然、その波は朝田詩乃の元にも届き、そして彼女の恋人である真下悠也もまた、その渦中に引きずり込まれることになった。

 

「ほら、悠也。早くオーグマー着けて。次のボス、もうすぐポップするわよ」

 

都内の公園のベンチにて、詩乃は耳の後ろにスマートな形状のオーグマーを装着し、やる気満々で悠也を急かしていた。対する悠也は、手元にある近未来的な白いデバイスを忌々しそうに見つめながら、深々とため息をついた。

 

なぜ自分はこんな目に遭っているのか。悠也の脳内では、昨晩からの記憶がどんよりとした霧のように再生されていた。ことの始まりは、大学の食堂だった。入学以来珍しい「完全ソロ活動」のランチタイム。しかし、その時の悠也にとって食欲など微塵もなかった。あるのは、意識が泥のように沈んでいく凄まじい眠気と頭痛だけ。

 

あの光景が走馬灯のように脳裏をよぎる。部活の新歓準備で遅くなり、そのまま流れるように友人達と先輩の家に転がり込んだのが運の尽きだった。その場は「大学生らしいノリ」という名の戦場と化していた。

 

「……あの野郎……絶対、地獄に突き落としてやる……」

 

恨めしげに呟いた言葉の先には、惨劇があった。先輩の家で差し出された一杯のウーロン茶。悠也は大学界隈で悪名高い「某ダイビングサークルの例のアレ」を連想し、一瞬だけ警戒心が働いた。しかし、「安心してくれ、ウィスキーは入ってない」という先輩の真っ直ぐな瞳(と、その背後に隠された悪魔のような笑み)に騙され、うっかり喉に流し込んでしまったのだ。

 

直後、食道から胃にかけて広がる凄まじい灼熱感。悠也がむせ返りながら抗議すると先輩は涼しい顔でとんでもない暴言を吐いた。

 

『ウィスキーは入ってないが、ウォッカが入ってないとは言ってないぞ』

 

「……屁理屈にも程があるだろがッ!!」

 

尋問の末に判明したその正体は、ウォッカの中でも純度96パーセントという、もはや燃料に近い禁断の液体『スピリタス』。それをわざわざウーロン茶に入れて飲ませたのだ。

 

結果として悠也は、「復讐」という名の暴挙に出ていた。彼は先輩が持っていた水の入った紙コップを奪い取ると、中身をこっそりと「可燃性の水」にすり替えたのだ。何も知らずにそれをグイと煽った先輩が、直後に目を見開いて変な声を出しながら悶絶する様は、まさに自業自得の極み。

 

その後は友人を巻き込んでゲームを遊び尽くして最後は全員で床に転がって寝落ちした。窓から差し込む朝日が、男共の無様な寝姿と、空になったボトル、そして散らかったゲーム機を容赦なく照らし出す。それは、悠也の人生で最も不毛であり、かつ、最も記憶から消し去りたい一夜の結末であった。

 

ふいに、静かだった隣の椅子がわずかに沈み、誰かが腰を下ろした。

 

「随分眠たそうね」

 

聞き覚えのある、凛とした涼やかな声だった。悠也は重たい瞼をかろうじて持ち上げ、視界の端に映る影を捉えるも、脳内がスピリタスで燻製にされているせいで思考が鈍い。

 

「あぁ……流石にスピリタスはキツい……マジで死ぬかと思った」

 

「あなた、それ以前に20歳だっけ?」

 

「大学生ってのは、飲むのが法律の規定より 2年くらい早くなるパターンが多いんだよって……」

 

言いかけて、悠也の思考が強引に再起動した。脳内を覆っていたアルコールの霧が霧散し、代わりに心臓が跳ね上がる。悠也はバネ仕掛けのように身体をひねり、隣を振り返った。

 

「詩乃!?」

 

大学の食堂という食堂の空気が、悠也の裏返った悲鳴で染まった。周囲の学生たちが「え、今のなに?」とこちらを振り返るが、悠也にはそんなことどうでもよかった。

 

「ようやく気づいた」

 

詩乃は呆れたような、しかしどこか楽しげな瞳で、魂の抜けた恋人を見下ろしていた。

 

「おまっ……どうしてここに!?」

 

「あら、彼氏に会いに来たらダメ? 連絡しても既読すらつかないから、様子を見に来てみたのよ」

 

詩乃は淡々とスマートフォンの画面をタップしてみせる。悠也が慌ててポケットを探ると、そこには無慈悲にも「未読メッセージ」の通知がずらりと並んでいた。

 

「つーか、それサボ……「自主的な休業よ」

 

悠也の指摘を、詩乃は笑顔のまま完璧に遮った。その背後に見えないヘカートⅡの銃口が見えた気がして、悠也は即座に居住まいを正す。

 

「あ、そうですか……で、ご用件は?」

 

「オーグマー、一緒に買いに行きましょ? 今から」

 

「え、今から?」

 

悠也の困惑などお構いなしに、詩乃は立ち上がり、有無を言わさぬ動作で悠也の腕を掴んだ。そのまま食堂の出口へと連行されていく姿は、否が応でも周囲の視線を集めてしまう。通りすがりの知人たちが、あからさまに「あいつに美人の彼女がいるなんて」という顔で茶化してくる。しかし、悠也は毒気にあてられたような虚ろな顔のまま、堂々と応じた。

 

「そうだけど、何か問題あるか?」

 

さも当然のように言い放つその姿に、周囲の学生たちは言葉を失う。特に、悠也のことを「一生ぼっちの戦友」だと思っていた周囲の連中からは、獲物を奪われた獣のような、痛々しいほどの妬みの視線が背中に突き刺さった。

 

そんな視線などどこ吹く風とばかりに、詩乃は満足げに小さく笑う。

 

「……随分と自信満々ね」

 

「これくらい言わないと、隣を歩く権利が失効しそうだったからな」

 

二日酔いの頭痛も忘れて強がる悠也を、詩乃は呆れ半分、期待半分といった様子で引きずり、大学の門の外へと消えていった。

 

……記憶の中の楽しげな喧騒が、急速に遠ざかっていく。

 

公園のベンチで、悠也は現実に引き戻された。目の前には、買ったばかりのスティックがある。先ほどまでの思考の残滓が、二日酔いの名残のように頭の奥で疼いた。悠也はコントローラを握り直し、隣で獲物を狙うように目を光らせるシノンを一瞥する。

 

「詩乃……やっぱりこれ、俺には向いてねぇって」

 

「始める前から何言ってるの。せっかく一緒に並んで買ったのに」

 

「無理を言われたから買ったけどさ。これ、一台いくらすると思ってんだよ....というか、一番気に入らないのはこれだ」

 

悠也はオーグマーを起動し、目の前のAR空間に表示された支給品の武器――近未来的な流線型のフォルムをした、ピッカピカ光るライフルのグラフィックを指差した。

 

「なんだよこの、おもちゃみたいなデザイン。バレルは無駄に光るし、排莢口もなければ、火薬の匂いもしない……ARなんだから、AR-15の一つでも実装しろよ」

 

悠也の不満は、ただの文句というよりは、銃器を愛する者特有の切実な嘆きだった。その光景を見ていた詩乃は、肩をすくめて呆れたように溜息をつく。

 

「とんだAR違いね」

 

彼女の冷ややかな、しかしどこか楽しげな指摘に、悠也はぐうの音も出ないといった様子で頭をかいた。彼の「やる気のなさ」は、同じくVR派としてオーディナル・スケールに乗り気ではないキリトのそれを、遥かに凌駕していた。

 

キリトの不満が元々VR派である事に加えて「運動神経がダイレクトに反映されるリアル身体能力ベースのシステム」にあるのに対し、悠也は結構運動は出来る。だが問題はそこでは無い。彼の不満はもっと根深い「ロマンの欠如」にあった。

 

実銃ベースの無骨なミリタリーを愛する彼にとって、ARゲームの派手で未来的なエフェクトは、およそ趣味に合わない代物だったのだ。とはいえ、大好きな恋人の頼みを無下に断るわけにもいかない。

 

「……まぁ、詩乃がどうしてもって言うなら、時折は付き合ってやるけどな」

 

「ありがと。ほら、文句言ってないでトリガーに指かけなさい」

 

ぶつぶつと愚痴をこぼしながらも、詩乃のピンチにはきっちりと未来のレーザー銃で正確無比な援護射撃を叩き込む悠也。そんな彼のツンデレな優しさに、詩乃は呆れつつも嬉しそうに微笑むのだった。

 

そんな、どこか「AR疲れ」や「近未来デザインへの物足りなさ」を感じていたのは、悠也だけではなかった。

 

時代は常に反動を生む。

 

最新のオーグマーがもてはやされる時代の裏側で、SNSの片隅から、ある奇妙なムーブメントが巻き起こり始めていた。発端は、とある硬派なミリタリー好きのインフルエンサーが呟いた一言だった。 

 

『光線銃はもう飽きた』

 

その言葉は、最新トレンドに馴染めずにいたオールドスクールなゲーマーたちの魂に火をつけた。彼らが集結した先は、最新のVR空間でも、現実のストリートでもなかった。今やクローゼットの奥に眠りつつあった旧世代の据え置き型ゲーム機――『PlayStation』。そして、かつて一世を風靡した古き良き名作『バトルフィールドシリーズ』や『CoD』のサーバーだった。

 

この「先祖返り」とも言えるレトロ回帰の波に、悠也が乗らないはずがなかった。

 

「……やっぱ、こうでなきゃな」

 

自室のデスクで、悠也はVRゴーグルではなく、久々にテレビモニターを前にしてPS5のコントローラーを握り締めていた。

 

画面の中に広がっているのは、オーディナル・スケールの華やかな光の世界とは真逆の、硝煙と泥に塗れたリアルな戦場だ。爆撃によって崩壊するビル、五感を揺さぶる重厚な銃撃音、そして何より――悠也の愛する、無骨な現代兵器たちがそこにはあった。

 

SNSで拡散されたこの『先祖返り祭り』の影響は凄まじく、古いタイトルであるにもかかわらず、その期間だけ同時接続プレイ人口が爆発的に跳ね上がるという奇妙な現象を引き起こしていた。世界中の「頑固な兵士たち」が、最新のARブームへのささやかな抵抗として、旧世代の戦場へと一斉に里帰りしてきたのだ。

 

タタタタン!とコントローラーのボタンを軽快に叩きながら、悠也は画面の中でお気に入りのボルトアクションライフルを操り、遠方の敵を次々と仕留めていく。 

 

「悠也、そっちの調子はどう?」

  

背後のベッドから、のんびりとした詩乃の声が届く。彼女は悠也の部屋に遊びに来ており、スマホで最新のOSのイベント情報を眺めていた。 

 

「やっぱり火薬を燃やして弾を飛ばすのが一番落ち着く。最新のARも悪かねぇけど、コレに勝るロマンは無いな」

 

「本当、筋金入りのミリタリーオタクね」 

 

詩乃は呆れたように肩をすくめたが、画面を見つめる悠也の横顔が、OSをやっている時とは比べ物にならないほど生き生きとしているのを見て、ふっと優しい笑みを浮かべた。 

 

「まぁ、たまにはそういうゲームで息抜きするのもいいんじゃない?……でも、明日になったら、ちゃんと私のARのレベリングにも付き合ってもらうからね?」 

 

「へいへい。わかってますよ、お嬢さん」

 

画面の中の泥臭い戦場で完璧なヘッドショットを決めながら、悠也は口元を緩める。最新の光に溢れる世界と、古き良き硝煙の世界。そのどちらにも、自分の隣には大切な恋人がいる。四月の穏やかな夜、悠也の部屋には、実銃の銃撃音と、二人の心地よい会話が静かに響き続ける。

 

 

しかし、世間を席巻するARMMORPG《オーディナル・スケール》の運営陣は、決して無能ではなかった。それどころか、ゲーマーたちの細かな流行の変遷を恐ろしいほどの敏聡さで監視していた。

 

SNSの片隅で巻き起こった、旧世代機による『先祖返り祭り』。最新のきらびやかな光線銃に飽き、泥と硝煙、そして実銃の無骨さを求めて回帰していくコアなミリタリーオタクたちのムーブメントを、運営は絶好の商機と捉えたのだ。

 

そして導入されたのが、突発的なゲリライベントを伴う、ある限定アップデートだった。内容はシンプルかつ、頑固な銃器愛好家たちの財布と情熱を直撃するものだった。

 

数は少ないがリアル銃火器の追加、そして、あるイベントボスのラストアタックを奪い取ったプレイヤーにのみ、特別な限定AR武器がプレゼントされるというのだ。

 

「……なるほど。少しは話のわかる奴が運営にいるらしい」 

 

都内の公園にて、数日前まで「おもちゃみたいな光線銃なんか気に入らん」とキリトを凌ぐほどのやる気のなさを見せていた悠也は、今やオーグマーを耳にセットし、猛獣のような鋭いギョロ目を輝かせていた。手のひら返しもいいところだったが、彼にとってラストアタック限定は、それほどまでに絶対的な価値を持っていた。

 

「さっきまであんなに文句言ってたのに、現金すぎない?」

 

隣で同じくオーグマーを起動した詩乃が、ジト目を向けながら呆れたようにクスリと笑う。 

 

「当たり前だろ。特別AR武器なら話は別だ。詩乃、悪いが今回は本気でラストアタックを狙いにいくぞ。アシストを頼む」

 

「ええ、いいわよ。私も実物のモデルがどんなものか見てみたいしね……絶対に獲るわよ」

 

二人は不敵な笑みを交わすと、イベントボスの出現ポイントへと同時に駆け出した。

 

出現した巨大なサイボーグ型のボスモンスターの周囲は、限定報酬を狙うプレイヤーたちでごった返し、文字通りの大混戦と化していた。飛び交うレーザー光線と剣戟のエフェクト。しかし、悠也の脳内は驚くほど冷徹に冴え渡っていた。彼が手にしているのは、相変わらず支給品のピカピカ光るレーザー・ライフルだったが、その使い方は他のプレイヤーとは一線を画していた。

 

乱射はしない。ボスの残りHPバーの減少速度、周囲のプレイヤーの攻撃サイクル、そしてボスの次の一挙手一投足。GGOで祖父の地獄の特訓を生き抜き、数々の修羅場を潜り抜けてきたスナイパーとしての計算能力がフル回転で『その一瞬』を導き出していく。

 

「詩乃、今だ!ボスの右膝を崩せ!」

 

「了解!」

 

詩乃の放った正確無比な一撃がボスの姿勢を崩し、その巨体がわずかに傾く。ボスのHPは残りドット単位。周囲のプレイヤーが一斉に叩き込もうと前傾姿勢になった、そのコンマ数秒の前。

 

悠也は引き金を引いた。放たれた一条のレーザーが、他の誰の攻撃よりも早く、ボスの頭部コアへと吸い込まれる。ズドォォォン!とAR空間にエフェクトが弾け、ボスの巨体が光の粒子となって霧散した。同時に、悠也の視界の最中央に、黄金に輝くシステムウィンドウがポップアップする。

 

「――よっしゃあッ!!」

 

悠也は思わず拳を握りしめた。周囲から「うわ、持っていかれた!」「誰だ今の!?」と悔しがる声が上がる中、彼はすぐに人混みを離れ、詩乃と共に静かな木陰へと移動する。

 

すると何処からともなく、頭上を飛んでいた運営のドローンが旋回し、悠也の足元へ何かを投下した。音もなく着地したそのパッケージには、オーディナル・スケール専用のコントローラと、ホルダーが収められていた。

 

悠也がコントローラを手に取った瞬間、詩乃が思わず息を呑んだ。それは一般的なスティックタイプではなく、精密なハンドガンの形状をした、明らかに特殊な特別製のコントローラだったからだ。トリガーガードの感触から重厚なグリップに至るまで、銃器愛好家の琴線に触れるような無骨な作りをしている。

 

「OSのコントローラ……と、報酬か?」

 

悠也はそれを見つめながら、期待に目を細めた。詩乃もまた興味津々で顔を覗かせてくる。

 

「見せて、悠也。どんな銃が当たったの?」

 

詩乃が興味津々で顔を覗かせてくる。悠也はメニューを展開し、獲得したばかりの武器をインベントリからドロップさせた。光のエフェクトと共に悠也の手元に現れたのは、中々に、いや、恐ろしいほどに渋い一丁だった。

 

その名は《リデンプション》。元ネタは、現実世界でもコアなファンを持つトンプソン・コンテンダー。それも、大口径の弾に耐えられるように作られた黒の『アンコール』モデルだった。悠也は手に入れた直後こそ目を輝かせたが、銃身までも埋め尽くす銀細工のような緻密な彫り込みを目にした瞬間、途端に顔をしかめた。

 

「……嬉しくないの?」

 

詩乃の問いかけに、悠也はため息を深く吐き出しながら首を振る。

 

「わかって言ってるだろ、詩乃」

 

「もちろん」

 

「こんな彫刻(エングレーブ)には、何の戦術的優位性(タクティカル・アドバンテージ)もないだろ……スネークとオセロットが見たら説教するレベルだぞ。この派手な装飾」

 

しかし、不平を漏らしつつも、その手つきは驚くほど丁寧に銃を扱っている。この銃の最大の特徴は連射機能が一切存在しない「単発式」であること、そして装弾・排莢のために銃身を中央からパカリと折り曲げる「中折れ式」の構造が、オーグマーの超高精度なグラフィックで完璧に再現されている点だった。感嘆の息を漏らす二人の前に、詳細なシステムテキストがポップアップし、悠也は表示された文を読み上げた。

 

「『おめでとうございます。リデンプションはユーザーのお好みの口径を選ぶ事が出来ます。ただし、弾が大きい程威力も上がりますが反動も大きくなるので注意してください。また一度選ぶと変更は出来ません。慎重にお考え下さい』……バレル交換と口径変更のギミックまで再現してるのか....」

 

目の前にずらりと並んだのは、使用弾薬の選択肢だった。通常のピストル弾である9mmパラベラム弾から、357マグナム弾、果てはライフル弾まで、ありとあらゆる口径のアイコンがホログラムで並んでいる。

 

悠也はスクロールの手を止め、ズラリと並ぶ弾丸のグラフィックを眺めていたが、ある一つの尖った形状の弾丸に目が留まった。その瞬間、彼のニヤリと口元を歪める。

 

「――これにしよう」

 

迷いはなかった。彼が指先でタップして確定させたのは、あろうことか『.30-06スプリングフィールド弾』だった。

 

銃の知識がある人間なら、その選択を見ただけで正気を疑うような大口径ライフル弾だ。現実世界ではかつて米軍の主力小銃に使われ、そして何より――あるアニメで、『魔術師殺し』と呼ばれた冷徹な主人公が、まさにこのトンプソン・コンテンダーに込めて奇跡を穿った、暗殺の弾丸だった。

 

「ちょっと、悠也……本気?」

 

隣で選択画面を見ていた詩乃が、流石に引き攣った声を上げる。スナイパーライフル並みの反動を、ストックもないピストルの形状のまま、片手、あるいは両手だけで受け止めろというのだ。オーグマーの精緻な触覚・反動シミュレーションが、どれほど狂暴な数値を叩き出すか想像に難くない。

 

「コンテンダーを使うなら、これ以外の選択肢はない」

 

悠也はリデンプションの重みを確かめるように構えた。AR武器であるため物理的な重量はないはずだが、視覚から入る圧倒的なリアリティのせいで、まるで本物の金属の塊を握っているかのような錯覚さえ覚える。

 

中指でレバーを操作すると、カチャリ、と硬質な金属音を響かせて銃身が折れ曲がった。実銃であれば、ここに極太のライフル弾を直接手で一発だけ装填するのだ。一発撃てば手動で排莢し、また一発込める。その不便さこそが、この銃の持つ最大のロマンだった。

 

「大きいわね」

 

銃器に関しては悠也に負けず劣らず目の肥えている詩乃が、その銃身を指先でなぞりながら感心したように呟いた。

 

「運営見直したわ」

 

「さっきまでの態度が嘘みたいね。でも、あなたにぴったりの銃よ」

 

コンテンダーを弄り回す恋人の横顔を見て、詩乃は呆れつつも、どこか誇らしげに微笑んだ。

 

 

 




そんなわけで、悠也の新しい相棒はアルバイトウェスカー....じゃ無かった、ゼノのリデンプションです。

映画本編では、ミサイルとか銃火器が登場していますがこの世界ではそこまで実装されてない感じでお願いします。


みなさんは大学生で可燃性の水を飲んだのはいつでしょうか?私は....とりあえず伏せておきます....


後.......



スピリタス入りウーロン茶を飲んだのは私の体験談です。感想としては...普通のウーロン茶が恋しくなりました。当たり前ですけど、スピリタス版スクリュードライバーの方が圧倒的に美味しかったですね。

番外編という形で劇場版の『オーディナル・スケール』を読みたいですか?※もし書くとなった場合更新が遅くなるかも知れません。

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