超密着型の相棒たち
オーディナル・スケールの事件からしばらくの平穏が過ぎたある日、悠也は久々となる《GGO》へのログインを果たした。
見慣れた荒野のロビーに降り立ち、周囲のプレイヤーたちの喧騒をBGMにしながら、ふと気になった噂を思い出す。なんでも最近、ゲーム内で妙なバグが起きているらしい。武器が突如として消えてしまう現象が極一部で囁かれているのだという。
「銃が消えるってマジか……」
嫌な予感を覚えた悠也は、確認のためにインベントリを開き、自身の相棒――シャイタックM200を取り出そうとした。
だが。
「……無い?」
いくら指先でスワイプし、リストの隅から隅まで探し回っても、そこにあるはずの黒い影は綺麗さっぱり消え失せていた。あの重厚な対物ライフルが、インベントリのどこにも存在しない。
「嘘だろ……!?」
冷や汗が背筋を伝う。あのライフルを手に入れるために、どれほどの血と汗と、気の遠くなるような苦労が詰まっていたか。ゲームのシステムを逆手に取るような狂気の努力の歴史を、他でもない彼自身が一番よく知っていた。それが一瞬にして消え去ったのだ。ショックで思考が数秒ほど停止する。
そんな、絶望に打ちひしがれる悠也の背中を、誰かがちょんちょんとつついた。
「こんな緊急時に、ふざけた事をする奴はどこのどいつだ……!」
殺気すら帯びた険しい顔つきで、悠也は不機嫌に振り返った。しかし、そこに立っていた人物を見た瞬間、彼の全身の動きがピタリと固まる。
(え、誰……?)
視界に映っていたのは、見覚えのない一人の少女だった。彼女は制服風のクラシカルな白いワイシャツに細身のネクタイを締め、そのタイにはアクセントのように一部紫色のワンポイントカラーが入っている。
左胸から肩にかけてはクリップで固定された大型の無線機や通信用ガジェットがジャラジャラと装備され、ゆったりとしたシルエットのジャケットを羽織っていた。
そして何より目を引くのは、左腕の袖に縫い付けられた「408」という不敵な数字のワッペンだった。呆然と立ち尽くす悠也を見上げ、少女はふふんと誇らしげに胸を張る。
「どちら様……?」
警戒心を隠さず、悠也が低い声で問いかけた。
「僕のこと、覚えてないのですか?」
「……俺の記憶にお前の姿はない。知り合いにこんな美少女の軍人なんて記憶は断じてない」
「ひどい……」
少女はわざとらしく両手で顔を覆い、大げさに肩を落としてみせる。
「え、本当に誰? 新手のNPCか、運営の嫌がらせ?」
混乱する悠也の視線が、再び彼女の左腕へと引き寄せられた。 ――「408」
その数字を目にした瞬間、悠也の脳裏でピタリとパズルのピースが噛み合う。.408 Chey-Tac弾。彼の愛銃が吐き出す、あの圧倒的な破壊力を持つ弾薬。悠也の目が細くなり、目の前の少女を上から下へと値踏みするように見つめ直す。
「もしかして……シャイタックM200関連のバグって、お前のことか?」
「やっと気づきました? ずっと隣にいましたよ。僕の名前はM200じゃ無かった……シャイアン」
荒野を吹き抜ける風の音が、やけに静かに聞こえた。愛銃が擬人化したのか、あるいはシステムエラーのバグの具現化なのか。いずれにせよ、悠也の久々のログインは、想像の斜め上を行く大混乱の幕開けとなったのだった。
「シャイアン、だと……?」
悠也は目の前に立つ少女――自称・シャイタックM200の化身を見下ろしたまま、盛大に頭を抱えた。愛銃が消えただけでも青天の霹靂だというのに、それが意思を持つ少女になり、しかも一人称が「僕」のいわゆる「僕っ子」だなんて、脳の処理キャパが圧倒的に追いつかない。もっとも、個人的に僕っ子が嫌いなわけではないが、今はそれどころではなかった。
「そんな頭痛そうにしないでください。せっかくこうして、主様と直接お喋りできるようになったっというのに」
不満げに頬を膨らませるシャイアンは、クラシカルなジャケットの裾をパタパタとさせながら、悠也のまわりをくるりと回る。その身のこなしや纏う空気感は、彼が愛用してきた対物ライフルが持つ「圧倒的な長距離の静寂」と「容赦ない貫通力」を、なぜかどこか彷彿とさせるものがあった。
「失礼も何も、こっちは一挺しかない相棒が突然消えてパニックなんだよ。そもそも、お前がそのバグの犯人なのか?」
「なんか最近のアップデートの不具合で、データが変な圧縮され方をして、こうして実体化しちゃって……で、次に目に入ったのが、主である貴方の背中だったということ」
ふふん、と誇らしげに鼻を鳴らして胸を張るシャイアン。 その生意気で、どこか人を食ったような態度が、驚くほど自分自身に似ていることに気づき、悠也はさらに遠い目をしながら深く息を吐き出した。
嫌な予感が脳裏をかすめる。もし仮に、この「シャイアン」の仕様が本体の性能や持ち主の性格を色濃く反映しているのだとしたら、これからこの少女の面倒を見るのは、想像以上に胃に穴が開きそうな未来が待っているということだ。
「……はぁ。とりあえず、インベントリに戻る気はなさそうだな」
「はい、全然戻れる気がしないです。しばらくはこのままの方が得策だと思います」
悠也は天を仰ぐ。GGOの荒野で数々の強敵を撃ち抜いてきた凄腕スナイパーは、目の前の「元・愛銃」という最強にして最大の頭痛の種を抱えながら、前途多難すぎるログイン初日のため息を飲み込むしか無い。
しかし、当のシャイアンは悠也の苦悩などどこ吹く風といった様子で、むしろにんまりと悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「そんなに嫌そうな顔しないでくださいよ、主様」
そう言いながら、シャイアンはためらいなく悠也のすぐ隣へと歩み寄り、その腕に自分の腕をぎゅっと絡みつかせた。
「近いぞ……離れろ」
「許してください。ずっとこうして、いたかったんです」
ふにゃりと柔らかい体温が、ゲームの仕様を超えてリアルに伝わってくる。シャイアンはそのまま悠也の肩にこつんと額を預け、上目遣いで彼の顔をじっと覗き込んだ。
「知ってます? 主様が毎日僕のことを磨いてくれて、丁寧にパーツを選んでくれたり、大事に抱えて第三回BoBでフルに扱ってくれたり……僕、ずっと見てたんですよ。声には出せなかったけど、すごく嬉しかった」
「お前、それ絶対に周りに言うなよ……俺の人生が詰む」
銃の姿だった頃の記憶を恥ずかしげもなく本人(?)の口から暴露され、悠也は思わず顔を背けた。無機質な鉄の塊として過ごしていたはずの相棒が、実は自分の行動をずっと感じ取っていたと知らされるのは、破壊力抜群の恥ずかしさがある。
だが、シャイアンはそんな悠也の反応が面白くて仕方がないといったふうに、さらに距離を詰めてくっついてくる。
「主様のその手の中にいて、鼓動を感じて、名前を呼ばれるのを待ってたんです。でも、どれだけ想いを伝えたくても、トリガーを引かれるその瞬間まで、僕はただの道具として沈黙するしかなかったんです……」
急にしんみりとした、けれどどこか熱を帯びた声になり、シャイアンは悠也の服の裾をキュッと小さく掴んだ。その瞳には、かつて冷徹な殺戮兵器だったライフルには似つかわしいほど、真っ直ぐで深い独占欲と愛おしさが揺らめいている。
「だから……こうして声に出して、主様の隣を歩いて、体に触れられるのが、嬉しくないわけないじゃないですか」
「悪いが、俺には」
「もちろん主様に大切な恋人がいる事はわかってます。その関係を壊すつもりは毛頭ありません。主様の幸せが私の幸せですから……でも今日だけは許してください」
これ以上ないほど甘ったるい言葉をさらりと言ってのけるシャイアンに、悠也は頭を抱えたくなりつつも、ついに抗うのを諦めて大きく息を吐き出した。どうあってもこの我が儘で愛おしい相棒から逃げることはできそうにない。
「……はぁ、銃のくせに生意気な口聞くようになったな。変な事したら.......分かってるよな?」
「僕を誰だと思ってるんですか。主様の銃の中で一番特別な相棒ですよ」
シャイアンは勝ち誇ったように満面の笑みを浮かべ、さらにぴったりと悠也に寄り添いながら、これから始まる終わらない二人の日常へと再び歩き出す。
荒野を歩き出す悠也と、その後ろを軽快についてくる自称・シャイアン(M200)と、頭を痛めながら歩いていた悠也だったが、ふと視線の先に、見覚えのある特徴的なシルエットを見つけてピタリと足を止めた。
「……ん?」
遠くの岩陰、安全エリアの境界付近。 そこに立っていたのは、水色の髪を揺らす見慣れた恋人――詩乃、改めシノンだった。しかし、彼女の様子がどこかおかしい。 いや、それ以前に、シノンのすぐ隣に、もう一人「見知らぬ少女」が立っていた。
深みのあるパープルとブラックを基調とし、ベルトの裏地にビビッドなピンクの差し色が映える、極めてサイバーチックな衣装。首元はハイネックで、肩は大胆なオープンショルダー、袖には可愛らしいフリルがあしらわれている。
腰から下には、後ろに長く広がる黒いシースルー調のロングテールスカートが揺れ、ゴシックなエレガントさを漂わせている。さらに、ハイレグ状のインナーに、太もも部分のアシンメトリーな透け感のあるレース、幾何学的なラインが施されたニーハイ丈のタイトなレッグウォーマーという、あまりにも攻めた格好の少女だった。
「……あれは」
悠也が絶句していると、向こうもこちらに気づいた。シノンが、信じられないものを見るような目でこちらを凝視している。その隣にいるゴシック衣装の少女もまた、悠也の姿と、その隣にいるシャイアンを交互に見て、みるみるうちに頬を引きつらせた。
「……悠也?」
シノンが信じられないといった声音で呟きながら、恐る恐る近づいてくる。 その足取りはどこかぎこちなく、彼女の隣にいるゴシック衣装の少女も、気まずそうに目を泳がせていた。
「詩乃……お前もか?」
悠也が乾いた笑みを浮かべながら問いかけると、シノンはこめかみを押さえながら深い溜息をついた。
「……そうよ。ログインしたら、いきなりインベントリからヘカートが消えてて、代わりにこの子が目の前に現れたのよ。『私の名前はヘカテー、言いにくければヘカーテと呼んでください』とか言い出して……」
「……奇遇だな。俺もだ」
悠也の背後から、シャイアンがひょっこりと顔を出す。 そして、シノンの隣にいるゴシック衣装の少女――ヘカーテと、ジッと視線を交わした。愛銃たちが勝手に擬人化し、しかも自我を持って喋り出すという異常事態だ。
「で、どうする詩乃?」
「そうね……とりあえず、あなたの部屋で一旦話しましょう……」
詩乃の提案に従い、二人はそれぞれの愛銃――もとい、擬人化した少女たちを引き連れて、街の安全エリア内にある悠也の個室へと向かった。しかし、その移動の道中がまた地獄だった。 先ほどから、周囲のプレイヤーたちが悠也に向ける視線がやけに痛い。それもそのはず、客観的に見れば、見目麗しい3人の美少女を引き連れて歩く1人の男という、ハーレム状態の極みのようにしか見えないからだ。
すれ違う男たちの、嫉妬と羨望が入り混じった突き刺さるような視線に、悠也は冷や汗を流しながら早足で歩くしかなかった。そして、ようやくたどり着いた自室の扉が閉まり、静寂が戻る。
「さて、ようやく部屋に着いたが……これからどうする?」
息をつきながら悠也がソファに腰掛け、テーブルを囲むように詩乃と二人の少女が向かい合う。
「どうするって言われても……私達の主力武器があんなのになってるから、クエストに行くことだって難しいわよ」
詩乃が頭痛を抑えるようにこめかみを押さえる。その言葉に、ヘカーテは目を下に向け隣のシャイアンはすっと目を細めて詩乃を指差した。
「あんなのじゃ無いです。シャイアンです」
「うっ……」
まさかの本人(本銃?)からの鋭い訂正に、詩乃はわずかに言葉を詰まらせる。
「まぁ、俺は他にサブウェポンとか、ライフルも色々――」
言いかけた悠也の言葉を遮るように、シャイアンがスッと顔を近づけてきた。
「主人様の標準装備は兎も角、浮気はだめです」
ジト目でそう警告するシャイアンの瞳には、愛銃としての妙な独占欲と主への信頼が入り混じっていた。
「……誰が浮気だ。武器だろお前らは」
「武器だけど、今は女の子。扱いには十分気をつけて欲しいです」
呆れたようにため息をつく詩乃、そしてどこか気まずそうに詩乃を見つめるヘカーテ。 前途多難すぎる共同生活(?)の幕開けに、悠也は深く、深く天井を仰ぎ見る。
「僕達は指揮官が命令してくれたら戦えます」
「その通りです」
シャイアンとヘカーテの二人は、きっぱりとした口調で胸を張る。その凛とした佇まいは頼もしいが、今の状況を考えると悠也にとっては全く嬉しくない提案だった。
「命令って、俺たちが指示を出すのか?」
「はい。指揮官として狙うべき敵を定めて、攻撃の許可を出してくれれば、あとは僕たちが完璧に撃ち抜けます」
「私も同意見です。主である詩乃の下す指示に従うことこそ、今の私の在り方ですので」
「俺は、自分の手で銃撃ちたくてこのゲームやってんだが……」
悠也が頭を抱えながら呟くと、隣に座っていた詩乃も深く頷いた。
「私も自分のヘカートで狙撃するのが醍醐味だったのに、これじゃあスナイパーじゃなくて、後ろでふんぞり返ってるだけの司令官じゃない」
二人にとってGGOの魅力は、自らの指で引き金を引き、弾道計算の末に敵を撃ち抜くその手触りにあった。しかし、愛銃たちが擬人化して戦力となった今、彼らが直接武器を構えて撃つことができなくなってしまえば、ゲームのジャンルそのものが根底から覆ってしまう。指示を出すだけのシミュレーションゲームになってしまっては、自分たちがやりたかった銃撃戦の趣旨とは大きく異なってしまうのだ。
「....分かりました。2人も前線に行きましょう。でも、私達を連れていってください。もちろん、武器は渡しますから」
ヘカーテの思いがけない言葉に、悠也は思わずまばたきをした。
「……え、武器?」
隣に座っていた詩乃も、信じられないものを見るような目で声を上げる。自分の愛銃が勝手に美少女化してしまったせいで、すっかり戦力外になったと思い込んでいたからだ。
「私達はただのデータでは無く、この銃に内包されたイメージや持ち主の想いが、具現化したような存在。だから、その気になれば、私たち自身が武器を構成して渡すこともできます」
淡々と語るヘカーテの、あまりにもオカルトチックでファンタジーじみた説明に、悠也と詩乃は思わずこめかみを押さえた。ゲームの世界とはいえ、愛銃の口からそんな超常現象めいた話を聞かされるとは予想もしていなかったのだ。
「……まぁとにかく、俺たちが自分で銃を持って戦えるんだな?」
悠也がわずかな希望を込めて問いかけると、シャイアンは頷く。
「任せてください。ただ――」
シャイアンは少しだけ表情を引き締め、もう一つの重要な条件を口にする。
「僕たちも、完全に別個の存在になったわけじゃないです。指揮官たちとの距離が離れすぎるとこの姿を維持するためのイメージを保てなくなってしまいます……だから、基本的にはお互いに近くに離れないようにしてほしいです」
そう言って、シャイアンはスルスルと悠也の隣にピタリと寄り添い、腕にしがみつくように距離を詰めてくる。 同じように、ヘカーテも無言のまま詩乃の隣へと移動し、服の裾をキュッと掴んで密着した。
「……っ、近っ!」
「なによ、急にベタベタして……」
突然の至近距離でのスキンシップに、悠也と詩乃は揃って頬を引きつらせる。 だが、自分たちの手で再び愛銃を構えて戦えるというメリットと引き換えに、この「超密着型の相棒たち」を常に連れ歩かなければならないという事実を突きつけられ、二人は再び遠い目をしながら深い溜息をつくのだった。
「まぁ.....そういうことなら話は早いな」
悠也はふっと息をつくと、先ほどまでの頭痛が嘘のように切り替える。というより諦めに近い。自分の手で引き金を引ける――それだけで、GGOをプレイするモチベーションは十分すぎるほど復活した。
「行きましょうか、シノン」
「……そうね。文句は色々あるけど、ここで足踏みしてても始まらないわ」
詩乃もまた、ヘカーテの問いに呆れ交じりのため息をつきつつも、どこか楽しげな笑みを浮かべて立ち上がる。かくして、最強の二大スナイパーと、その「擬人化した愛銃たち」という、傍から見れば珍妙な四人パーティは、新たなクエストへと向かうことになった。
ロビーの一角、クエストカウンターの巨大な電子掲示板の前で、二人の愛銃が揃って同じクエストの項目を指し示す。
「「これにしましょう」」
シャイアンとヘカーテが同時に発したその声の先には、掲示板に並ぶ数多の依頼の中でもひときわ異彩を放つ、最高難易度を誇る極悪なクエストが表示されていた。
報酬の額やドロップする武器は他の追随を許さないほどにとてつもないが、その凶悪な難易度ゆえに、腕に覚えのある上級プレイヤーたちでさえ敬遠してスルーし続けるシロモノだ。挑戦するための前提条件は厳しかった。
そもそも、ソロでの攻略は論外。メインの攻撃手段が超遠距離狙撃に限定されているため、卓越したスナイパーとしての技術がなければスタートラインにすら立てない。更に、持ち込める武器はライフルと小型のビール系ピストルのみ。その上、最初の敵との交戦距離は最低でも1500メートル以上離れているという超ハード仕様だった。
「これ、めちゃくちゃ難しいやつじゃない……」
さすがの詩乃も、画面に記された詳細な条件を見て思わず声を漏らす。しかし、その隣でヘカーテは涼しい顔で言い切った。
「大丈夫です。貴女と悠也の狙撃技術と、私とシャイアンの完全なサポートが合わされば、敵なしです」
「簡単に言ってくれるな……詩乃、やるか?」
悠也が苦笑交じりに問いかけると、詩乃はふっと不敵な笑みを浮かべて頷いた。
「そうね....やってみましょうか」
引き下がるという選択肢など最初から持ち合わせていない二人は、迷うことなくその最高難易度クエストを受注した。クエストの受理が完了すると、システムからのアナウンスと共に、拠点から目的地までの長距離移動を見越した一台の荒々しいジープらしき車が目の前に出現した。
どうやら、過酷な移動距離を強いられるプレイヤーに対する運営からの最低限の配慮らしい。
「下手な優しさってむしろ恐怖なんだよな」
「確かに...」
ため息をつきながらも、ハンドルを握るため、悠也がさっそく運転席のドアを開けて乗り込む。助手席には、詩乃が迷うことなく滑り込んだ。そして後部座席には、シャイアンとヘカーテの二人が仲良く並んで腰掛ける。
運転手は悠也、助手席に詩乃。後部座席にシャイアンとヘカーテを乗せた珍妙な四人パーティは、エンジンを轟かせて荒野へと発進した。荒涼とした大地を蹴立て、ジープは目的地である最高難易度の戦域へ向けて、猛烈なスピードで疾走していくのだった。
ドルフロ要素を入れてお送りししました。悠也とシャイアンが甘々な雰囲気でしたが詩乃とヘカーテもコレに負けないくらい濃い出来事があったというのは秘密。ヘカートⅡまんまだとしっくりこないので、ちょっと変えました。
番外編という形で劇場版の『オーディナル・スケール』を読みたいですか?※もし書くとなった場合更新が遅くなるかも知れません。
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書くんだ!
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書かなくてもいい!