荒野の果てにそびえ立つ、かつての旧文明の巨大プラント跡――そここそが、最高難易度クエストの目的地である最深部だった。ジープを降りた悠也と詩乃の前に立ち塞がったのは、周囲の地形に完全にカモフラージュされた要塞級の超大型防衛兵器、要塞型自走プラント「ギガース・フォートレス」である。
巨岩の如き装甲を纏ったその砲台は、最大射程2000メートルを誇る超遠隔自動迎撃システムを内蔵しており、近づく者すべてを容赦なく蜂の巣にする文字通りの難攻不落のボスだった。悠也達は距離を考慮し約3000メートル地点から双眼鏡で覗いていた。真の弱点である中央のコアを露わにするには、まず堅固な両腕の装甲を完全に破壊し尽くす必要がある。
「距離、3027メートル……まともに正面から突っ込んだら、一瞬でスクラップね」
遮蔽物の少ない荒涼とした高台に身を潜めながら、詩乃が冷徹な瞳で前方を睨み据える。
「おまけにあの装甲の厚さじゃ、並大抵の弾じゃ傷一つ付けるのは無理だ。だが――」
悠也はニヤリと不敵な笑みを浮かべ、背中から白地のシャイタックM200を力強く引き抜いた。隣では詩乃もまたヘカートⅡを静かに構える。
「「「「俺(僕)((私))たちの狙撃を通すのに、装甲の厚さなんて関係ない(わ)((です))」」」」
二人の声、そして背中や傍らに寄り添うシャイアンとヘカーテの声が綺麗に重なり合う。装甲が硬いのなら、同じ場所を何度も狙い撃ち、砕くまでだ。かつて《デスガン》の影を鉄橋の足場から狙い撃った時、彼は孤独な一挺の銃とともに一人で引き金を引いた。あの時は、すべてを自分の背負う覚悟だけで弾丸を放った。
だが、今は違う。隣には同じだけの狂気と技術を宿した詩乃がいる。そして、彼女の傍には完璧なデータリンクを繋ぐ相棒たちがいる。
「俺は右腕を破壊する」
「じゃあ私は左腕をやるわ」
敵にどれほどの鉄壁の装甲があろうとも、破壊すべき部位が在り続ける限り、そこを二人掛かりで徹底的に撃ち抜き続けさえすればいい。
「主様、ギガースの右腕部ジョイント、ピンポイントで解析完了しました」
「シノン、悠也。私たちの演算と同期すれば、3000メートル先の1ミリの誤差すらありません……左腕の装甲盤、撃ち抜いてください」
愛銃たちの心強い囁きが、それぞれの脳裏に深く突き刺さる。悠也の瞳の色が戦闘者のそれに変わり、詩乃の双眸が氷のように冷たく、かつ熱く研ぎ澄まされていく。二人のスナイパーは完璧に呼吸を合わせ、超長距離の彼方にある絶対強者へと、冷徹な殺意と熱狂の銃口を向けた。
「主様、風速補正維持! 弾道、完璧に同期完了!」
「シノン、敵の対空迎撃システムの演算を上書きしました……今です!」
シャイアンとヘカーテの叫びが、それぞれの主の脳裏へと鋭く突き刺さる。
「「――撃つ!」」
二挺の大口径ライフルが同時に火を噴いた。凄まじい衝撃波と轟音が周囲の荒野を揺らし、音速を超えた二筋の破壊の弾丸が、3000メートルもの広大な空間を一瞬にして切り裂いていく。
初弾は、ギガース・フォートレスが放つ無数の自動迎撃ミサイルの弾幕を紙一重でかすめながら直進した。悠也の放った.408弾と、詩乃の放った12.7mm弾――二筋の流星は、要塞型ボスの幾重にも重なった重装甲の継ぎ目を正確に穿ち、強固な両腕の外殻をこじ開けて内部の駆動系へと文字通り同時に直撃する。
グァアアアッ――!
ギガース・フォートレスの左右の巨大なアーム部から、凄まじい金属音と火花が噴き上がった。悠也の狙撃は右腕の装甲を破壊し、数千トンもある巨腕の動きを大きく鈍らせる。詩乃の放った一撃は左腕の油圧シリンダーを直撃し、分厚い装甲ごと内部のケーブルをズタズタに引き裂いた。
ガガガァァァンッ! と、巨大な要塞の左右の腕部から金属がひしゃげる凄まじい絶叫が響き渡り、火花が盛大に散り散るのだった。
「手応えはあるわ!」
「ここからが本番!」
最初の衝撃波が収まる間もなく、ギガース・フォートレスは直撃を受けた痛撃に怒り狂ったように巨体を震わせた。全身のハッチがガシャリと音を立てて展開し、無数の対地ミサイルとガトリング砲が悠也達の居る高台へと一斉に照準を合わせる。
「主様、敵の迎撃システムが全開で反撃モードに入ります! !」
「詩乃、悠也。次の装甲板の継ぎ目は3メートル左上! 私たちが風圧を計算します、続けて撃ってください!」
シャイアンとヘカーテの切迫した警告が脳裏を鳴らす。次の瞬間、高台の周囲が凄まじい弾幕と爆風の嵐に呑み込まれた。大地がえぐられ、砂塵が視界を完全に遮る。しかし、二人のスナイパーは一歩たりとも引かず、煙の向こうに潜む巨砲の気配だけを研ぎ澄まされた五感で捉えていた。
「「弱点があるなら、狙い撃てる――!」」
怒号のような二重奏の叫びとともに、二度目の引き金が容赦なく絞られた。轟音を置き去りにした弾丸が、暴風吹き荒れる3000メートルの空間を再び一寸の狂いもなく貫いていく。悠也の放った.408 Chey-Tac弾が先ほど亀裂を入れた右腕の関節部を完璧に粉砕し、内部の重機動シリンダーを完全に吹き飛ばした。同時に、詩乃のヘカートⅡから放たれた巨弾が左腕の装甲板を文字通り消し飛ばし、駆動系の動力回路を根こそぎ破壊する。
バキィィィンッ! と、断末魔のような金属音を上げて、ギガース・フォートレスの巨大な両腕がその重さに耐えきれず、轟音を立てて砂塵の大地へと崩れ落ちた。
「両腕の装甲、完全排除!中央のコアが剥き出しになったわ!」
詩乃の鋭い声に呼応するように、要塞の守りを失った真ん中から、赤黒く脈打つ巨大な中枢コアがその姿を露わにする。
「狙い撃つ!」
悠也と詩乃は、崩壊する要塞の猛反撃の嵐を潜り抜け、勝利を確信した不敵な笑みを浮かべながら、最後の引き金へと指をかける。ギガース・フォートレスの巨体が激しく痙攣するように揺らぐ。しかし、要塞ボスもただでは死なないとばかりに、狂ったような猛反撃を開始した。
「ギガースの自爆プロトコルが起動しました!!」
「ふざけた真似を……!」
崩壊の淵に立たされたボスは、残された全ての機能を強制暴走させ、全身のハッチから無数の自走式自爆ドローンを文字通り「雨」のように射出した。さらに、上空の雲を切り裂くように、無数の対空迎撃レーザーが収束し、高台の二人へと奔流のように降り注ぐ。
ドドドドドドッ――! と、地表が次々に蒸発し、凄まじい熱風と爆破の連鎖が悠也と詩乃の足場を容赦なく削り取っていく。
悠也はM200を一時的に腰だめに構え直すと、迫り来る自爆ドローンの群れへ向けて乱れ撃ちを放った。至近距離での荒々しい銃声が轟き、空中でドローンが次々と連鎖爆発を起こして火の雨を降らせる。だが、撃ち落としてもなお、漆黒の群れは雪崩のように押し寄せてくる。
「詩乃、後ろです! 右側の崖からも小型ドローンの挟み撃ちです!」
シャイアンの悲鳴に近い警告と同時に、詩乃はヘカートⅡの銃身を素早く背後へと翻した。冷徹な双眸に敵の軌道を捉え、トリガーを容赦なく引き絞る。重厚な銃声が荒野を震わせ、一撃で数機のドローンを粉々に吹き飛ばしたものの、爆風の余波が彼女の衣服を激しく焦がした。
「これでひるむ私じゃないわ!」
さらに、中央の超大型プラズマキャノンが不気味な蒼い光をチャージし始め、周囲の重力を歪ませるほどの高密度エネルギー弾をこちらへ向けて溜め込む。それは、当たれば地形ごと二人を消し飛ばす文字通りの死刑宣告だった。圧倒的な物量の自爆ドローンが雪崩のように押し寄せ、プラズマキャノンが解き放たれようとする絶望的な光景。
「――っ主様! 左前方から小型ドローン群、五時の方向から迎撃ミサイル再点火!」
「詩乃、悠也! 敵のプラズマキャノンの照射角、わずかに右に逸らせます! 私たちの弾道演算を信じて!」
シャイアンとヘカーテの切迫した声が、二人を現実に引き戻す。 悠也はM200を瞬時に迫り来る自爆ドローンの群れへと、対物ライフルとは思えない零距離のクイックショットを叩き込んだ。
銃声の代わりに、重い一撃がドローンの群れの中心で大爆発を起こし、無数の残骸を空中で木端微塵に吹き飛ばす。しかし、キリがないほどの物量が二人を押し潰さんと殺到する。
「鬱陶しい……!」
詩乃もまた、愛銃をサブマシンガンのように乱暴に振り回し、迫るドローンのセンサーコアを次々と正確に撃ち抜いていく。しかし、頭上ではプラズマキャノンのチャージが限界を迎え、荒野の空気が不気味に歪み始めていた。
「主様、プラズマの解放まで残り3秒! 敵の演算コアは完全に自爆へ移行しています。中枢を撃ち抜かなければ私達もろとも消し飛びます!」
「あぁ、分かってる……!」
限界を超えた熱気と砂塵が吹き荒れる中、二人のスナイパーは地面に片膝をつきながらも、再びその銃身を完全に一筋の線上へと固定した。互いの相棒が体に密着し、狂気的なまでの精度で補正データを脳裏へと叩き込み続け、猛吹雪のような砂塵のなかで微動だにせず引き金に指をかける。プラズマキャノンの閃光が眼前まで迫り、世界が白く塗り潰されようとしたその瞬間――。
「「今――っ!!」」
二人のスナイパーの意思が完全にシンクロし、轟音を切り裂いて二筋の究極の弾道が放たれた。悠也の放った.408 Chey-Tac弾は、炸裂するプラズマの奔流を正面から突き破り、幾重もの電磁シールドを摩擦熱で焼き切ってボスのメインジェネレーター内部へと飛び込む。
直後、その極限の衝撃波を道連れにするように、詩乃のヘカートⅡから放たれた巨弾がボスの剥き出しになった中枢コアの中心へと完全に突き刺さった。
ズドンッ――!
世界が静寂に包まれた次の瞬間、ギガース・フォートレスの内部から無限の光が溢れ出し、すべての装甲が内側から粉々に霧散していく。荒野の静寂を完全に焼き払う双発の銃声が、夜空を引き裂く流星の如き軌跡を描き、ボスの残された全ての弱点を完全に粉砕するのだった。
ギガース・フォートレスの巨大なコアが完全に粉砕され、要塞全体が眩い光の粒子となって四散していった。 荒野を包んでいた地響きがピタリと止み、やがて静寂が戻ってくる。目の前にぽっかりと浮かび上がったのは、最高難度クエストクリアを告げる巨大なクリアウィンドウと、地面に山のように積み上がった眩いドロップ品の数々だった。
「――っ!?」
悠也は思わず息を呑み、開いた口が塞がらなかった。 宙に浮かぶクリア報酬の数字――桁違いのクレジットと経験値の表示を見た瞬間、脳裏の計算が追いつかなくなる。
「すげぇ!……これ、報酬のゼロの数、いくつあるんだよ……!」
あまりの破格さに、悠也は冷や汗を流しながら目を見開いた。 隣では、詩乃もまた信じられないものを見るような目でウィンドウを凝視し、絶句したまま固まっていた。
「……嘘でしょ。これ、一桁間違えてない……? これだけの報酬、サーバーが開設されてから誰も引き出したことないはずじゃ……」
普段は冷静沈着な彼女の美しい瞳が、動揺で激しく揺らいでいる。 しかし、驚愕は報酬だけにとどまらなかった。足元に散らばるドロップ品の山から、ありえないほど神々しい光が放たれている。
「主様、見てください! ドロップ品の中に、旧文明の超レア素材と、最高位スナイパー専用の伝説級ユニーク武器の設計図が混ざってます!」
「シノン、敵のコアから剥ぎ取ったドロップの品質、最高純度の判定が出ています! これがあれば、私たちの性能限界をさらに引き上げられます!」
シャイアンとヘカーテが、それぞれ興奮した様子で戦利品のデータを次々と空中に投影していく。
「ユニーク設計図……それに、この素材の量……」
詩乃は自分の頬を軽くつねりながら、呆れたような、しかし隠しきれない高揚感を浮かべてふっと笑った。
「悠也。私たち、とんでもないものを引っこ抜いちゃったみたいね」
「あぁ……だが、これだけの苦労をしたんだ。相応の報酬ってことだろ」
顔を見合わせた二人は、やれやれと肩をすくめながらも、その口元には隠しきれない笑みが浮かんでいた。 しかし、悠也の耳にやけに変な音が聞こえてきた。低く、地中から這い上がってくるような、不気味な機械の駆動音。
「なんか……変な音聞こえないか?」
「確かに……」
その時、シャイアンが最悪の事態に気づき、青ざめた顔で叫んだ。
「主様、詩乃さん! すぐに車に乗ってください! あのボスの自爆プログラム、このエリア全域を巻き込む拡大起爆です!」
「「嘘!?」」
「本当です。一刻の猶予もありません、車に乗りましょう」
ヘカーテが冷静に、しかし切迫した声音で告げる。
「急ぐぞ! こんなところで死ぬなんざゴメンだ!」
悠也と詩乃は即座に身体を翻し、駐車していたジープへと飛び乗った。悠也が運転席に滑り込み、エンジンを荒々しく始動させると同時にアクセルを床まで踏み抜く。ジープは猛烈なホイールスピンを上げて走り出した。
「クッソ! この四駆、せめてエボ並に加速してくれよ!」
「無理な注文言わないでよ!」
助手席で体を揺らしながら詩乃が叫ぶ。その背後や後部座席で、実体化したはずの愛銃たちが呑気に声を上げた。
「主様、私もいつかその『エボ』とやらに乗ってみたいです」
「私もですね。どんな加速をするのか興味があります」
「お前ら、こんな死地で呑気か!?」
悠也が絶叫しながらハンドルを激しく切り返す。背後では、ついにギガース・フォートレスの残骸が連鎖大爆発を起こし、山肌が丸ごと崩れ落ちるほどの落盤が押し寄せていた。頭上からは巨大な岩の塊が雨のように降り注ぎ、悠也はそれを紙一重のテクニックで次々と避けて爆走する。
「落ちる、掴まってろ!」
「きゃあッ!」
凄まじい衝撃と爆風の壁を突き破り、ジープは決死の覚悟で危険区域の境界線を飛び越えた。その直後、背後で世界が白く塗り潰される。エリア全域を飲み込んだ最大規模の大爆発が起き、その凄まじい衝撃波がジープの車体を激しく打ち据えた。車は勢い余って地面を数回跳ね、激しい砂塵を巻き上げながらようやく停止する。
「痛てて……全員無事か?」
「私は……大丈夫。シャイアンとヘカーテは……無事みたいね」
運転席の悠也と助手席の詩乃がそれぞれ体を起こすと、そこには奇妙な光景が広がっていた。なぜかシャイアンとヘカーテの二人は、爆風の衝撃(あるいは彼女たち自身の意思か)で悠也と詩乃の膝の上や腕の中にすっぽりと入り込むような形でしがみついている。
ただでさえ狭いジープの車内は、彼女たちが加わったことで文字通りのキツキツ状態になっていた。
「もう……体が潰れそうね……」
詩乃がぐったりと息を吐き出す傍らで、シャイアンは悠也の腕にしがみついたまま、悪戯っぽく笑うのだった。悠也は肩で息をしながら、未だに離れないシャイアンの腕をポンポンと叩いた。
「おいシャイアン、もう戦闘は終わったぞ。そろそろ離れてくれ」
「セーフゾーンに戻るまでは離れたくないです」
「こいつ……」
呆れる悠也の横で、ヘカーテもまた、詩乃の服の裾をキュッと掴んだままクールな顔で宣言する。
「私もシノンから離れるつもりはありません。弾薬の補充と、主たちのケアも私たちの役割ですので」
「……ケアって、ただベタベタしたいだけじゃないの?」
詩乃のジト目と鋭いツッコミに、ヘカーテは明後日の方向を向いて聞こえないふりをした。
「はあ……まあいいわ。とりあえず、街に戻って冷たいものでも飲みましょう」
「そうだな...帰ろう」
前途多難で、けれどどこか賑やかで頼もしい相棒たちを車に乗せて、二人と二挺は夕闇に染まり始めたGGOの荒野を、セーフゾーンに向かってジープで走りだすのだった。
翌日、いつも通り《GGO》にログインした悠也と詩乃は、見慣れたロビーの掲示板に大きく張り出された運営からの臨時メンテナンスおよびアップデート報告の告知文に目を留めた。そこには、昨日の奇妙な現象について驚くべき真実が記されていた。
『昨来発生しておりました「武器の不具合および変化現象」につきまして、システムエラーやバグではありません。『BoB』を制した歴代の優勝者に対する、運営からの特別なサプライズ報酬――いわゆる隠しイベントとして実装された、専用AIアバターの限定機能となります』
「……バグじゃなかったのかよ」
悠也が思わず声を漏らすと、隣に立っていた詩乃も、どこか複雑そうな、しかし妙に納得したような顔でモニターを見上げていた。
「あれだけ振り回されておいて、まさか公式のイベントだったなんてね……でもまあ、昨日の今日で消えちゃったら少し寂しい気もするし……って、何よ」
自分の口から出た素直すぎる感想に気づき、詩乃は慌ててフイと顔を背けた。隣で悠也が「いや、俺もちょっとだけ同じこと思ったから言うなよ」と苦笑する。
二人の心にあったのは、あんなに頭を痛がらせた面倒な相棒たちとの一日が、案外悪くなかったという隠しきれない本音だった。
その時、背後からふっと聞き覚えのある軽やかな足音が聞こえてきた。
「僕たちのこと恋しくなりましたか主様?」
「詩乃のそんな顔を見たら、早く出てきてしまうじゃないですか....」
振り返ると、すっかり見慣れた姿のシャイアンとヘカーテが、いつの間にかそこに立って少しニヤニヤと笑っていた。
「お前ら、いつの間にインベントリから……!」
「僕たちはもうただの無機質な鉄の塊ではありません。BoB優勝者の特権として、これからはいつでも話せるようになりました」
「1日限定じゃ無かったのね....」
得意げに胸を張るシャイアンを横目に、ヘカーテは静かにうなずいた。
「とはいえ、四六時中この姿で外を歩き回るのは、周囲の目も多いですし実用上も不便です。ですから、基本の運用方針を決めました」
「運用方針?」
詩乃が怪訝そうに眉をひそめると、ヘカーテはきっぱりと言い放った。
「はい。戦闘中や野外の移動時は、これまで通り通常の銃の姿に戻ります。ただし、私達との意思疎通やデータリンクは常時接続したままにします。そして――」
言葉を区切り、シャイアンがにやりと悪戯っぽく笑った。
「主様たちのセーフティーハウス、あの個室に戻った時にかぎり、この姿に擬人化して合流します! つまり、外では頼れる相棒、家の中では……同居人というわけです!」
「「なっ……!?」」
悠也と詩乃は揃って盛大に声を裏返した。 外でも意思疎通ができるのは戦術的に破格のメリットだが、プライベートな空間に戻るたびにあの我が強くてちょっと生意気な相棒たちが美少女の姿で待ち構えているというのだ。想像するだけで、今後の平穏なプライベートが音を立てて崩れ去っていく未来が鮮明に浮かび上がる。
「ちょっと待て、俺たちの意見は……」
「拒否権はありません。主様とシノンがBoBで優勝した栄誉の証なんですから」
威風堂々と胸を張るシャイアンと、淡々と頷くヘカーテ。 こうして、最強の二大スナイパーの日常は、銃と少女の二つの顔を持つ最高に賑やかで、少し頭痛の絶えない新しいフェーズへと突入していくのだった。
公式SAOがキリトとアスナのイチャコラ小説を出していたので、乗るしなないですよね、このビックウェーブに!
というわけで次回は詩乃とのイチャコラシーンをお送りします
完結したんですけど書いて欲しいネタありますか?
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詩乃とのイチャコラ
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アンダーワールド編
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AGGOのキャラ達とのクロスオーバー