俺が8000年に負けるまでの話   作:凪 瀬

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FIRST TAKE聞いたので初投稿です。
あまりにも2人の歌声が澄んでいて、私は視界がぼやけましたよ……生きるのは最高だ!みんなも見よう、超かぐや姫!


21話 晴れた夕焼け、曇った常夜

 

 かぐやが月に帰って2日経った土曜の朝。

 彩葉に何通か連絡を入れはしたが、返信どころか既読も付かない。それだけ、かぐやの存在が大きかったということだろう。

 ちゃんと食べているだろうか、倒れたりしていないだろうか……生きているだろうか。

 様々な不安がありはするが、今は信じて待つことしかできん。

 後は、仮想世界から月への行き方だが……月見ヤチヨに聞いてみたら分かるだろうか?流石にツクヨミの管理人とはいえ、月へのアクセス方法なんぞは知らぬか……。

 まぁ、聞くだけ聞いてみるか。

 

「おはよー……お、光。もう大丈夫そうだね」

 

「おはよう、照兄さん。お陰様でな」

 

「全く、約束の恋バナをしようと思ったら、この世の終わりみたいな顔で勉強してて何事かと思ったよ」

 

「そんなだったら止めてくれよ……」

 

「中学の時にもそうなってたし、その時は止めたら『止めるな。止めないでくれ。俺は、止まっちゃダメなんだ』とか言ってたからね。いや〜、あの時の光は痛々しかったなぁ……」

 

「止めろ、何か、何か形容しがたい羞恥心が湧いてくる!?」

 

「まぁ、その時も3日くらいで回復してたし、今回も何となく大丈夫だと思ってたからね。今日もダメそうだったら流石に何かしら動いてたけど」

 

「……まぁ、今も昔も、友に救われているというだけの話だ」

 

「ふふ、そっか。いい友達を持ったね」

 

「あぁ、自慢の友達だ」

 

 誰1人欠かすことのできない大切な友達だ。

 だからこそ、欠けた分は取り返さなくては、満足も納得もできん。

 

「それじゃあ、いい加減光の好きな人と友達について、聞きたいな〜」

 

「……まぁ、約束だしな。しかし、長くなるぞ?」

 

「今日と明日は休みだから何時間でもいいよ。ご飯も、昨日のあまりがあるしね」

 

「それもそうか。では、どこから話すかな……」

 

「それは勿論、出会いからでしょ!」

 

「クククッ、そうだな。……始まりは、1年最後の学年末テストだった──」

 

***

 

「──という感じで、彩葉は無理に無理を重ねる厄介な奴でなぁ、俺達も何とか支えようとしたものだ」

 

「それは……すごいね。凄くならざるを得なかったとも見えるけど」

 

「そこよ。芦花の話を聞く限り、母親と何らかの確執があるか彩葉自身がある種の依存をしているかと見れてな、流石に親子関係には踏み込めぬ故、頭を抱えてな……」

 

「なるほどね……それからはどうしたの?」

 

「そこで、昼休みに空き教室を借りてな──」

 

***

 

「──そのカフェで初めてかぐやと出会ったのだ。今でこそ慣れたが、あの美貌は俺に文句を付けるという目的を忘れさせるほどのものだったな……」

 

「ここでかぐやちゃんが出てくるんだね。通りで、光が配信によく出るわけだ」

 

「俺としては、照兄さんがぐやのファンだったことが驚きだがな。ああ言う賑やかな娘は得意だったか

?」

 

「友達としてと推しとしては違うでしょ?そういうことだよ」

 

「あぁ、なるほど。さて、そこからは知っての通りヤチヨカップが始まってな──」

 

***

 

「──彼奴らの俺の扱いは日に日に雑になって行ってな、リスナーにさえ雑に扱われる始末だ。それでも嫌だと思えなかったのは、その雑さが信頼だと思えたからだろう」

 

「光が欲しかった友人関係って、元々はそういうものだっただろうしね」

 

「……そうだな。思えば、必要だったのは能力や実力ではなく、踏み込み踏み込まれる事への勇気だったのかもしれん」

 

「そこまで分かってるなら、これからもっと仲良くできるし、新しい友達もできるさ」

 

「……そうだな。そうだといいな」

 

「それからは?」

 

「あぁ、やはり『かぐや争奪KASSEN選手権』は外せまい。あの時の彩葉は強くてな、その理由もかぐやという──」

 

***

 

「──かぐやから彩葉が倒れたと聞いた時は大いに焦ったものだ。同時に、その懸念から目を逸らしていた自分にも愕然とした」

 

「……あぁ、あの日か。光が異様に慌ててたからよく覚えてるよ」

 

「あの日以上に焦りと恐怖を覚えたことはない……今にして思えば、あの時には既に、俺は彩葉が好きだったんだろう」

 

「積み重ねた友情が、恋にまで昇華されていたわけだ。振り返って自覚できるタイミングが、彩葉さんの倒れた時というのは、何だか皮肉なものだけどね」

 

「失ってから気づくよりは余程良いだろう。……いや、俺は失ってから気づいたんだったか……」

 

「は、はは……そ、それから?」

 

「……ヤチヨカップも終わりが迫る中、かぐやの元に帝アキラからKASSENの誘いが来てな、黒鬼との竹取合戦が始まった訳だが、これが全員強くてな──」

 

***

 

「──彩葉がかぐやと笑っていた時、その晴れ晴れとした笑顔に、ようやく俺は恋を自覚した。だが、彩葉の隣には既にかぐやがいた」

 

「……奪いたいとは思わなかったの?」

 

「……できるなら、奪いたかったさ。だが、彩葉が笑えるようになったのはかぐやのお陰だ。かぐやがいなければ、彼奴はあんな風に笑えなかった……ならば、俺が奪うのは違うだろう?」

 

「……全く、昔は欲しいものがあったら僕の奪ってまで手に入れてた癖に」

 

「その話は止めないか???……俺も、子供のままでは居られなかったというわけだ」

 

「……大きくなったね」

 

「かぐや達は無事ヤチヨカップを優勝したんだが、照兄さんも知っての通り、俺がスランプに陥ってな。あれは辛かった──」

 

***

 

「──3人のコラボライブは素晴らしかった。華やかで賑やかで、自由で楽しげで、俺が見たかったものはあそこに詰まっていたように思う」

 

「おぉっ!?すごい急に泣き始めるね?!ティッシュいる?」

 

「もらゔ……んんっ、あの時の光景は今も目に焼き付いて離れん。全員が綺麗で、笑っていて、俺は、もう一度あの景色を……」

 

「僕も見てたけど、本当に綺麗だった。それでいて楽しそうで……光が惹かれるのも分かるよ。彼女達はそれ程までに魅力的だ」

 

「……その後は、照兄さんにも相談した通り、月人の事件について追いかけてな──」

 

***

 

「──ツクヨミで芦花と真美と俺で行った花火は楽しかった……月人の事で悩んでいた俺にとって、友達との楽しい未来の話は得難い癒しだったと、今なら思える」

 

「楽しめたなら良かったよ。僕はその間泥のように眠っていたわけだけど……」

 

「そこに関しては、本当に申しわけない……だが、照兄さんのお陰で立てられた推測はほぼ全て当たっていたぞ!事前準備は、まぁ、ほとんどできなかったがな……」

 

「僕の頑張りがなにかの役に立てたなら……え、立ててなくない?僕の頑張り、役に立ててなくない??」

 

「いや!ちゃんと役には立ったぞ!月人が埒外の存在であることが事前に分かっていなければ、彩葉の話を信じる事ができなかったかもしれんからな!」

 

「そ、そう?それなら良かった……」

 

「……それからは、かぐやの卒業ライブの準備が始まって──」

 

***

 

「──抵抗虚しく、かぐやは月へ帰っていった。そして、彩葉は今1人でかぐやが居なくなった事と向き合っているはずだ」

 

「……今更だけどさ、僕、月人の事とか聞いてよかったの?」

 

「照兄さんは無意味に吹聴しないだろう?それに、吹聴したとて与太話で片付けられる。打算的な意味も含めるなら、月にアクセスする方法を探して欲しいしな」

 

「信頼されてるな〜僕。……月にアクセス???」

 

「あぁ、月からかぐやを連れ戻す。ツクヨミに月人が来れるなら、理論上俺達もツクヨミから月へ行けるはずだ。そのための方法を探すのを手伝って欲しい」

 

「……とんでもないこと言うなぁ。できると思ってるの?そんな事」

 

「さぁな。だが、人は不可能を可能にして月へ行ったんだ。可能性はいつだってある。それに、今回は月人という前例もある」

 

「……なるほどね。限りなく低くても勝算はあるわけだ。でも、僕が協力すると思う?そんな博打みたいな計画」

 

「月人の技術を知ることができるかもしれない。仮想世界と現実地点の行き来が可能になるかもしれない。そんな荒唐無稽で面白いことに、照兄さんが興味を持たないわけがないだろう?」

 

「ふふ、正っ解!」

 

「まぁ、これも彩葉達と色々話して決めることではあるがな。友の嫌がることをしたくはない。それに、俺一人では、また間違った方向に暴走しかねん」

 

「その時は、またお友達に助けて貰わないとね」

 

「あぁ、今度こそ、完全無欠のハッピーエンドにせねばならんからな!」

 

「頑張れー」

 

「さて、俺が話せるのはここまでだ。満足したか?」

 

「うーん……光はさ。まだ、彩葉さんのこと好きなの?」

 

***

 

 随分と、デリカシーのないことを聞いてくる……。知りたい、気になる、野次馬根性や興味も多分に含まれているだろうが、それ以上に、兄として俺を心配してくれている。

 そりゃそうだ。

 初恋の人の隣は埋まっていて、そこが空いても、空いた分は俺の中でも空いている。

 好きな人は泣いていて、友達のいなくなった寂しさがあって、胸と頭がゴチャゴチャしていて酷く辛い。

 いっそ、彩葉のことが好きじゃなかったらと、考えなかった訳ではない。

 その方が楽になれると、俺の天才的な頭脳は導き出していた。

 それでも

 

「あぁ、好きだよ」

 

 気持ちに、嘘はつけない。

 

「計算しつくして、割り切り尽くして。それでも残ったこの想いには、嘘がつけない」

 

 真美()だろうと、芦花(共犯者)だろうと、家族(照兄さん)だろうと、(月見ヤチヨ)だろうと……彩葉だろうと。

 俺の気持ちは、否定も曲解も、させない。

 

「俺は、酒寄彩葉のことが好きだ」

 

「……そっか。それなら、僕は応援しかしてあげられないね」

 

 朝日に照らされていた部屋は、既に夕暮れの茜色に染まっている。

 立ち上る炎のような燃える色の中で、照兄さんは拳をつき出した。

 

「お兄ちゃんが応援も協力もする。だから、納得できるまでやってみろ!」

 

 本当に、俺はいい友達と、いい家族を持った。

 

「任せておくがいい!」

 

 付き合わせた拳は太陽に照らされて、酷く熱かった。

 

***

 

「と、言ったはいいけども。なにか手伝えることってあるの?」

 

「正直なところ、今の俺たちにできることはない。彩葉の回復を待ち、彼奴の気持ちを優先したいからな」

 

「愛だねー」

 

「愛だぞ。故に、今は備えることしかできんな」

 

「ふーん……なら、一先ずは月人がどうやってアクセスしてきたかを動画を見つつ解析しようかな」

 

「あぁ、頼む。俺も、プログラミングと工学関係の勉強を始めておくとするか」

 

「教えてあげようか?」

 

「結構だ。感覚派の理論は理解できんのでな……」

 

「え〜?規則性のないところに規則性を生み出して、規則性のあるところに不規則性の変数を入れてれば何とかなるよ?」

 

「それがわからんと言っておるのだ!!」

 

 クソッ!これだから天才は!

 

「先ずは俺が俺なりの理解をできるようになってから頼ることにする。それまでは、苦労をかけると思うがよろしく頼む」

 

「協力するって言ったのは僕だしね。気にしないで」

 

「分かった。ありがとう、照兄さん」

 

「素直なのは光の美徳だよ。そうだ、月人について調べるならヤチヨさんにログの確認権限もらっておいてくれないかな?それがあれば楽になるしね」

 

 確かに、確認のために毎回ハッキングさせるのも申し訳ない……というか、普通に犯罪だしな。

 送っておいた連絡に返信は……なしか。既読も付いていないな。……彼奴も、かぐやの事で何か責任を感じていたりするのだろうか?

 

「分かった。聞いておこう」

 

「ありがとうね」

 

「気にするな。頼んだのは俺だからな」

 

 とはいえ、ここまで返信がないのは不安だ。

 一報だけ入れておいて、いつもの和室に行ってみるか。いなければ……その時考えるとしよう。

 

***

 

「──なんだ、待たせていたのは俺だったか」

 

「ヤチヨが勝手に待ってただけだよー」

 

 和室に入れば、落ち着いた内装が出迎え、その中心で浮いた存在感を放つ月人ヤチヨと目が合った。

 

「色々と聞きたいことや話したいことはあるが……一先ず、ありがとう」

 

「……それは、何に対するお礼かな?」

 

「貴様には鬼面や武器、戦場のことで何かと世話になったからな。あの舞台を作ってくれたことへの、感謝だ」

 

「律儀ー……ヤッチョはなにかの皮肉かと思っちゃったよ」

 

「貴様、普段は適当で楽観的に見せておきながら、かなり悲観主義的よな……少なくとも、貴様に悪趣味な皮肉を言うつもりは無い」

 

「……そうだね。ライトはきっとそうなんだろうね。うん、ありがとう」

 

「俺が感謝していたんだが……いや、それはいい。貴様には何かと聞きたいことがあってな」

 

「──月へのアクセスについて、かな?」

 

「……おい、俺の連絡を見ていたなら既読をつけるなり返事を返すなりしろ。心配したではないか」

 

「あはは、いや〜ヤッチョにも色々ありよりはべりいまそかり?見てはいても知らせたくはなかったりしまして?」

 

「何故に全て疑問形……?まぁ、いい、それで?月へのアクセス方法は分かるのか?」

 

「ん〜それについては全くだね。多分、向こうは技術とかじゃなくて生態系レベルの問題だから、こっちから行くとかは無理なんじゃないかな?」

 

「生態系レベル……技術でどうにかなるレベルを超えている、か……何とかならんのか?」

 

「む〜ライトに頼って貰えるのは嬉しいけど、こればかりはヤッチョにはどうしようもない事ですのでねー……」

 

「そうか……いや、何か手がかりがあればと思っただけだから気にしないでくれ」

 

「ごめんよー、代わりと言ってはなんだけど、テイルの欲しがってるログの閲覧権は渡しておくねー。わかってると思うけど、悪用しちゃダメだよ〜?」

 

「やはり貴様盗聴しているだろ!?あるいは盗撮!?もしかしてどっちもか!??!」

 

「ふふふ、ヤッチョは全知ですことよ〜☆」

 

 なんで照兄さんと今日……どころか、ついさっき話してたことを知っている!?

 怖いっ!

 身近にサイバー犯罪者が潜んでいることにもだが。それが友人で、世界的なライバーで、電脳の歌姫で、しかもツクヨミの管理人とか言う……あっ、ダメだ。超規模の情報に脳が理解を拒むぅー!?

 

「なんて、冗談。単純に推測しただけだよ。月へのアクセス方法を探すなら、月人が来た時のログを見るのが手っ取り早いからね〜。ライトとテイルなら、そのくらいは考えると思って、用意してたの」

 

「そういう事か……全く、脅かせよって。しかし、助かる」

 

「……ライトの欲しがってることは何も分からないと思うよ。あれは、そういうモノだから」

 

 目を伏せてそう零す月見ヤチヨは、酷く物憂げだった。普段の余裕ぶった態度も巫山戯た賑やかさもなりを潜めて、ひたすらに、罪を告解するかのような湿り気のある重さがあった。

 ……これだけのヒントがあれば、流石の俺も理解できた。貴様が、何故俺に嫌われるような、怒られるような言動を繰り返していたのかも。

 

「……貴様は、全てを知っていたのだな。本当に、全てを」

 

「……そうだね。ヤチヨは、全部知ってたよ。知ってて、隠して、誤魔化して、選ばなかったの」

 

「それは、何のために?」

 

「彩葉とかぐやの為に」

 

 即答だった。もはや、食い気味と言っても過言では無いほど、刹那の間も生み出させない、そんな速さ。

 

「ヤチヨが選んじゃったら、2人には余計なものまで背負わせちゃうから」

 

「……だから、貴様は何も答えず、何も拒まず、何も選ばなかったのだな」

 

「それで、罪悪感を慰めるために、ライトに怒ってもらって、嫌われようとした……。どう?失望しちゃった?」

 

 そう言って笑う月見ヤチヨはどうしようもないほど幼く。どうしようもないほど哀れで。どうしようもないほど馬鹿だ。

 

「──この俺が、その程度で失望するとでも思ったか!!!」

 

 その程度で失望できるほど、俺がお前に向ける友情は軽くないぞ!!

 

「貴様が嫌われたがっていることも怒られたがっていることも分かっていた!だがな、それでも俺は友を嫌いになんぞなれなかったし、恩人に怒りたくもなかった!何より!そんなことを望んで欲しくなかった!」

 

「ライト……」

 

「全てを知っていて見逃した?隠した?それがなんだ!誰だってそうすることがある!子供が親に隠し事をするように、子供の失敗を知りながら見逃すおやのように!人は営みの中で同じことを繰り返してきた!」

 

 当たり前の事だ。誰もがやっていることだ。程度が違うだけ、行う対象が違うだけで、同じなのだ。

 

「月見ヤチヨ……いや、ヤチヨ!俺はもう、友達に泣いて欲しくない!笑って、幸せに生きて欲しい!その為にできることはすると決めた!」

 

 だから俺は、月に行きたかったのだ。

 

「もっと我儘になれ!もっと自由に生きてみろ!罪悪も嫌悪も忘れて、やりたかったことを思い出してみろ!そうしなくては、貴様はこの先笑えんだろう!」

 

「っ、そんなの……」

 

「応えてみろ、貴様が満足する為に、俺が手伝ってやる!」

 

「ヤチヨは……私は……」

 

 突き出した俺の手に、ゆっくりとヤチヨの手が伸ばされる。迷い、惑い、躊躇いながらも、少しずつ……

 

「……やっぱり、怖いよ」

 

 だが、俺の手に触れる直前に、その手は下へ落ちた。

 

「──ごめん。やっぱり、ヤチヨはダメなんだ。ごめん、ごめんね。光」

 

「っ!待て、ヤチヨ!!」

 

 盛大なノイズと共に、ヤチヨは目の前から消えた。無理矢理に移動したせいか、先程までヤチヨの座っていた場所には青と緑の入り交じったノイズが残り、数度宙を割ってから、何事も無かったかのように消えていく。

 ヤチヨがここに居た証拠は、俺の記憶にしかなくなった。

 

「……馬鹿者め」




コソコソ裏話


ヤッチョは、「分からないことが一番怖い」と思うんだよね
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