実力の限界が数値で明確に記載されていると思われている遊戯王世界の話 作:SOD
オリジナル設定とオリジナル世界のオリジナルストーリーです。
リアルが胸糞なのにどうして創作物まで胸糞展開見なきゃならないんだと思う人には合いません。ブラウザバック推奨です。
※作者は自力で『空』を見に行ったことはありません。
伝わる人にだけ伝われば良きです。
世界がある。世界には、常にデュエルが共に在る。
世界はカミサマが創ったらしい。
この、才能ある者だけが栄光と幸福を独占する、弱肉強食の世界を…………。
〘石島隆、スキャン完了。D値1/1413と判定されました〙
「1413か……デュエリストへの道は無いも同然だな。養子にでも出すか」
「ようしってなぁに? おとうさん」
「今後わたしを父などと呼ぶな出来損ない。お前はもう用済みだ」
「ようずみってなに? どうしておとうさんをおとうさんって呼んじゃダメなの……?」
〘坂井勉、スキャン完了。D値1/843と判定されました〙
「843……私とのD値の差が僅か30程度。ああ……七代続いた結果がこれでは、我が家系は限界なのかもしれんな。
もはや、生きていく意味もない……勉。帰ったら母さんとご馳走をたくさん食べような。誕生日だものな」
「わーい! ご馳走だー!
パパ、僕これから頑張って最強のデュエリストになるよ!!」
「………………フフフ」
ここは、世界の中心。天空を貫かんとそびえ立つ惑星の展望塔。デュエルタワー。
この世界に生まれ落ちた子供は、小学校に入学する前の年の誕生日にこの塔の最下層にある検査室。通称『第二の分娩室』に親子二人一組で『召喚』される。そして、人知を越えた
定められた運命に従い、また一人。門を登るべく召喚された鯉が一匹召喚された。
「ついにこの日が来たなぁ、我が子よぉ!」
「父さん、テンションがおかしいよ」
「おかしくもなるさ、そりゃあ!! お前はたった五歳でスキャナーにスキャンされる前から、身を落とした誘拐犯とは言え、D値1/307という超上澄みのデュエリストを真っ向から討ち倒した超天才だ!
父さんはD値1/1013って微妙な数値だけど、お前は間違いなく三桁台以上が約束されているようなものじゃないか。
フフフフフ。もう早く結果が知りたくて父さんおしっこ洩れそうだよー」
「漏らしたら着替えるまで近寄らないでね」
「愛する息子が辛辣ゥ!!」
今からスキャンを受けるのは、とあるデュエリストの名家の子供を
三桁に行くことすらめったに無い仲、二桁のラインまで到達するのか? 或いは、100年に一度現れるかどうかと言われている、タワーの頂点に住まうことを赦される一桁の数値が示されるのではないか?
世界中が、少年のD値に注目し、期待した。
そして今、運命は否応なしに語られる。
〘黒杖遊臥、スキャン完了--〙
「来るぞ……来るぞ来るぞ!!」
「父さん静かにして。聞き逃すって」
世界中が注目した、神童の数値は--
「D値1/99999」
「は…………?」
「きゅ、きゅう……万??」
世界の記録上、一度も確認されたことの無い5桁台。それもおそらくカンストしているのではないかと思われるD値1/99999。
これが、元神童『黒杖遊賀』の第二の人生の幕開けだった。
神童として持て囃していた大人たちは腫れ物を使うかのようになり、友達は親から関わることを禁じられたと言い離れていった。
要は、住む世界が違う人間なのだと烙印を押されてしまったのだ。
次第にイジメを受けるようになった。
遊臥を気に入らないクラスメイトや、ガキ大将などがケンカを売るようになった。
D値とはこの世界の人間の価値。人権の値札。より1/1に近いデュエリストこそが王であり神。これこそが世の基準だ。
だが、D値1/99999と診断された黒杖遊臥は、早熟ですぐに頭打ちが来る……と言うことも無く。
周囲が新しいカードを次々『創造』して行く中、新しいカードこそまるで増えなかったが、一度としてデュエルに敗北したことが無かった。
同級生や年上の学生は言うに及ばず。
教師、アマチュア、セミプロ。デュエルをする機会が有れば決闘に身を投じる日々。
自身が成長しているのを、遊臥は確かに感じ取っていた。
だが、D値1/99999と言う目に見える基準にばかり盲目的になる周囲は彼の実力に懐疑的になるばかり。
成長する実力と、周囲からの評価は日に日に乖離していく。
その内、くちさがない者たちから不正をしているのではないかと噂をするようになったデュエルアカデミア中等部の頃。
黒杖遊臥は、学校に行かなくなって、暴走族の仲間と共にDホイールを乗り回すアウトローになって行ったのだった…………。
ここから主人公の日常ヒロインや腐れ縁のライバルとかと絡みつつ、初見の真ヒロインが現れてストーリーがどーのこーの。
最近、この手の平成ムーブの作品を目にしなくなりました。
『リバーズエンド』とか『しにがみのバラッド。』とか『イリヤの空、UFOの夏』。上記のような、他人がこれバッドエンドだろ……と言いたくなるような、でもメリーバッドエンドとも言い難い。なんか本人たちだけは納得しているっぽい、みたいな……名前の付かないエンディングが好きです。