実力の限界が数値で明確に記載されていると思われている遊戯王世界の話 作:SOD
高評価下さった方々、ありがとうございました。
まさかストーリーが一ミリも進まず過去回想をしている段階で赤バーになれるとは。これも日頃からご愛顧いただいている皆様のおかげです。承認欲求をイイ感じに貪り食えて作者もニッコリです。
この作品を書くきっかけになったとある作品があるんですが、しばらく更新されてなくてさみしいなーとも思っています。
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン。
四天の分け身の四体の内の一体であり、【天空橋】宗主より『圧倒的攻撃力に最も重きを置いている』と判断された者に送られるエクシーズモンスターである。
本来なら、決着の一撃を放つその一ターンのみ姿を現すことが望ましい性能ではあるが、天空橋大河のデュエルはそのセオリーとは真っ向から反している。
「カードを二枚伏せてターンエンドだぜ、遊臥!」
「うわあ……あの子、最初のターンで手札を全部使っちゃった。デュエルがあんまり上手くないのかな?」
大河のプレイングに最愛が心中でダメ出しする。これは【天空橋】と【天帝】では使用しているカードもそのプレイングも性質も真っ向から相反するがゆえの感想だ。
「おいおい何言ってんだよ、そこのチアガールは。
手札を出し惜しみしてたら何も出来ないし、勝てるもんも勝てないだろ」
「キミこそ何を言っているの?
手札が無かったら何も出来ないし、勝てるものも勝てないじゃない」
「…………なんだあ、おめえ?」
「…………ア?」
バチバチと火花を飛ばす両者。ピキピキしながら威嚇の笑みを浮かべる大河と、ドスの利いた一声でガンを飛ばす最愛。
(おいおい……何でデュエルしてる俺をそっちのけでお前らが睨み合ってんだよ…………)
「…………ったく、しゃーねえ。一発ガツンと入れて目を覚まさせてやるか。ちょうど天帝家から貰った『謝礼』も手札に来てるしな。
行くぜ大河、俺のターンだ! ドロー」
「--! あ、わりい遊臥」
「よそ見してて負けても知らねえぜ! 例えばこんな風に。
手札から『
「見たことのないモンスターだな。まさか、それが『創造』で手に入れたカードか!?」
「きゃーん♡ 遊臥くんが、さっそく私の上げたカード使ってくれた~!」
「って、貰いもんかよ!?」
「まあ、ウチボンビーだし。貰えるモンは貰っておいて、使えるものは使うぜ」
「それなら
「ダーリンはやめろお!! 五歳で結婚なんかしてたまるか!!」
「オレの方こそデュエル中に何を見せられてんだ!」
「本意じゃないて!!
バトルだ。
「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの方が攻撃力が高いわ! 大河くんの勝ちね!♡」
「大河くーん、かっこいいよー!♡」
「がんばれー!♡」
(ぐぬぬぬ……今日はいつもより外野が騒がしい気がするぜ。
さて、どうしようか。遊臥が意味も無く攻撃力が低いモンスターで攻撃してくる筈も無いが…………)
「よし、ここは受けて立つぜ!! 行け、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!」
小さなカラダのレッドアイズが、反逆の竜に戦いを挑む。だが力の差をそのまま押し付けられた幼竜は、ダベリオンのアゴに貫かれ一撃で息絶えた。
黒杖遊臥 LP6700
「
アップの装備カードとして装備する!
来い、
「レッドアイズ……! 遊臥の切り札をこんな形で特殊召喚出来るようになるとはな」
「行くぜ!
黒炎弾!!!!」
「やった! これで相手の切り札を倒せるよ遊臥くん!」
「ああ、そうだな。攻撃専門の効果を持った切り札のドラゴン。それを先攻1ターン目に召喚するだけしておいて、無防備に放置しておくだけ。そんな素人みたいなデュエリストだったら……な?」
「え?」
「トラップ発動! 『ディメンション・ガーディアン』」
大河の発動の宣言と共に、ダベリオンの頭上に守護者のご神体が出現する。
「ディメンション・ガーディアン。自分のモンスター一体を対象にして破壊から護る罠カード。
もう100回は見せられたぜ」
天空橋大河 LP7800
黒炎弾がダベリオンに着弾。大河のライフを僅かに削るが、肝心の敵切り札は無傷である。
「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
「ならオレのターンだ。ドロー!
おっと、良いカードを引いたぜ。
メインフェイズ、ダーク・リベリオンの効果発動! オーバーレイユニットを2つ取り除き、相手モンスターを対象にして発動。相手のモンスターの攻撃力半分を奪う!
「きゃー! 来た来たー! ダーク・リベリオンの雷光ー!」
「かっこいいー!!」
「大丈夫だよ遊臥くん! どんな攻撃力を吸収されたって、レッドアイズでの戦闘で受けるダメージは2500。今のライフなら余裕を持って受けていけるよ!」
大河のギャラリーの声援に対して、理論的なアドバイスを送る最愛。その理屈は、何も間違っていない。だが、毎日毎日何度も大河とデュエルをしてきていた遊臥には、最愛の語る未来の更に一歩先が視えていた。
「ここで発動して来るってなると、引いた良いカードってのはアレかな……ったく。まあしゃーねえか。
リバースカードオープン。罠カード『スキル・プリズナー』!
自分のカード一枚を対象に発動。
このターン、『スキル・プリズナーが対象に取ったカード』を対象にして発動したモンスター効果は無効になる!」
「やった! これでダーク・リベリオンに攻撃力を奪われなくて済む!!」
「チェーン。
速攻魔法『竜皇神話』!」
「やっぱりソイツか、やるな大河……!」
「あのカードは、たしかドラゴン族のモンスター一体の攻撃力をそのターン中だけ二倍にするカード……普通はダメージステップに撃つものだけど、苦し紛れに撃ったのかしら?」
「いいや。竜皇神話には隠された効果があるのさ。
それは、相手の場……つまり俺の場にドラゴン族モンスターが存在する場合、攻撃力の倍化に加えて『このターン、竜皇神話の対象になったモンスターが発動した効果』は無効化されない!」
「--!!!!」
「その通りだぜ、遊臥。
先ずは竜皇神話の効果を適用。ダーク・リベリオンの攻撃力を二倍にする」
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ATK2500→5000
「そして、竜皇神話の加護によりスキル・プリズナーの無効化効果を無力化してダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの攻撃力吸収効果が発動する!!」
《ガアアアアアアアアアアアアアアアーーーー!!!!!》
黒牙の竜の咆哮が響く。体外には紫電の雷光が解き放たれ、
紫電に襲われたレッドアイズが力を奪われ、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンが吸収する!
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ATK6350
「攻撃力6350ーー!!??」
「すごーい!!!! これが【天空橋】の力なのー!?」
「いいなあ……アレ欲しいなあ」
「行け、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ATK6350 VS
「うおおおおおおーー!!!?」
黒杖遊臥 LP1700
紫電の閃刃が光よりも速く突貫し、レッドアイズを一撃に灰にする。
更に、遊臥のライフも大幅に削り捨てる。
「遊臥くん!!」
「おーいってえ……相変わらずとんでもねえな。その紫電の一撃は……」
攻撃の勢いで頭を打った遊臥がたんこぶをさすりながら、手札のカードを公開した。
「ドラゴン族モンスターが破壊されて墓地に送られたこの瞬間。手札から『霊廟の守護者』の効果を発動。
こいつを特殊召喚する。更に破壊されたドラゴン族モンスターが通常モンスターなら、墓地のドラゴン族通常モンスター一体を手札に加える。
当然、
霊廟の守護者 DEF2100
「さすがだぜ遊臥……あんだけデカい一発を入れてやったのに、全然ビビってねえ。
けど、もう流石に出し惜しみしてはいられねえんじゃねえのか?
そろそろ勿体ぶってないでお披露目しろよ。お前の
「……………………俺のターン、ドロー!」
遊臥がカードを引く。
引いたカードは『融合』。そして、6枚ある手札には…………。
「『切り札』を見せろ、か。
あいにく俺は【天空橋】のような力の継承とも、【天帝】のヤクザチックな財力とも無縁なんでね。
『切り札』は戦況で変わる。同じなのは、常に俺が必要とした時に来るってことだけだ」
(遊臥くん、かっこいい……♡♡)
「先ずはスタンバイフェイズ。
手札から速攻魔法『速攻召喚』を発動。
このカードは、モンスターの通常召喚を行う。この時、相手の場にモンスターがいればレベル5以上のモンスターをリリースなしで召喚出来る。
俺が呼ぶのはこのカード。『ブラック・マジシャン』!!」
ブラック・マジシャン ATK2500
自身を『創造』した主の
「ぶ、ブラック・マジシャンだって!? 何で『名家』でもない黒杖遊臥が、そんな究極のレアカードを持ってるんだ!?」
「まさか、昨日『創造』したカードって、あのブラック・マジシャンなの!?」
「すっご~い! もしかして遊臥くんって将来ユーボウ!?♡」
「ええ~大河くんといい、もしかしてウチの幼稚園宝の山!?♡」
「…………ボディーガードさん。お願いがあるんだけど。
遊臥くんに手を出そうとした泥棒猫がいたら、『この世界から
「頃セと……?(´;ω;`)」
「犯罪っす……(´;ω;`)」
「幼児を手に掛けるとか無理っス……(´;ω;`)」
「おなかいたくなってきたお……(´;ω;`)」
ボディーガード達へお嬢さまからの『おねがい』を他所に、遊臥が更に手札からカードを出す。
「メインフェイズ。
霊廟の守護者をリリースして『
「真紅の瞳の黒竜に、黒衣の魔術師。
二体並んでると、サマになっててかっこいいぜ。
けど、攻撃力はダーク・リベリオンの方が上。破壊も出来ない。
こんな状況でお前はどうするんだ?」
「こうするのさ。見せてやるよ、今日の最強カードはこいつだ!!
手札から魔法カード『
相手のフィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!!」
「何だと!? 世界に数枚しかない『ハーピィの羽根帚』と同じ効果のカード!?」
「人助けはしとくもんだぜ。
【天帝】の当主が趣味で集めてたカードをだそうだ。
このカードの効果で、お前の『ディメンション・ガーディアン』はもちろん。魔法カード扱いであるペンデュラムカードも破壊する!!」
「うおお……!?」
ブラック・マジシャンが杖を振るい、相手の全ての魔法・罠カードが飲み込まれる。
これで、大河の場には攻撃力6350となったダーク・リベリオンがあるのみ。
「更に、『黒炎弾』を発動! 2400のダメージを与える!」
天空橋大河 LP5400
「ぐっ……!! 出やがったな黒炎弾!!
相変わらず熱いぜ……!!」
「本当に熱いのはココからだぜ。しっかり見てろよ、これが俺の世界最強!!
手札から魔法カード『融合』を発動。
フィールドの『ブラック・マジシャン』と『
黒衣纏いし魔杖の主よ、紅き瞳の黒竜と一つとなりて、
融合召喚。レベル8『超魔導竜騎士ードラグーン・オブ・レッドアイズ』!!!!」」
超魔導竜騎士ードラグーン・オブ・レッドアイズ ATK3000
黒衣を纏いし魔術師に、金色の装飾が幻出し黒竜の翼と尻尾が生える。装備していた黒杖は装飾で飾られた大剣と成り、全てを斬り果たさんとする魔道竜騎士。世界にまかり通る。
「…………っ、な、何だ……『コレ』!?」
遊臥の召喚したドラグーンに、大河が驚愕する。その力に、その威光に。
何より、この『異常』に驚愕した。
「………………こんなの、この世界に居て良いのかよ……?」
大河はドラグーンのカードの効果を知らない。そもそもこの世界のデュエルディスクには、カードの効果を表示するような機能は
「ドラグーンの効果発動!
効果解決時に相手フィールドのモンスターを破壊して元々の攻撃力のダメージを与える!」
「ぐっ……モンスターを破壊してダメージか。それぐらいなら他にも出来るカードは幾つかあるぜ」
天空橋大河 LP2900
(だって言うのに何なんだこの嫌な感じは!?
何でこんなに、アイツが『壊れていく』って思うんだ……??)
「これで最後だ! 超魔導竜騎士ードラグーン・オブ・レッドアイズで、大河にダイレクトアタックーー!!」
超魔導竜騎士ードラグーン・オブ・レッドアイズ ATK3000
「う、うわあああああーー!!!!」
天空橋大河 LP0
「よっしゃあ! 俺の勝ちー」
「遊臥くんー♡♡♡」
「ほびゅ--!?」
遊臥がガッツポーズで飛び跳ねていると、後ろからチアガール衣装の最愛が抱きしめてきた。
ガッシリと頭をホールドされて頬ずりされ、将来的に感触の変わらないぺったんこの胸を押し付けられる。
「おつかれさまー♡ かっこよかったよ~ダーリン♡♡」
「ダーリンは止せ!!! あと離せ!」
「だぁ~め♡ 離さない♡
誰の男に手ェ出そうとしてるのか、はっきり見せつけておかないと……ね」
「えー? なんだってー!?」
「遊臥くん愛してるぅ~♡♡♡♡」
「分かったから離せてーー!」
「………………」
デュエルの衝撃で倒れていた大河が、起き上がった。
「大丈夫ですか大河くん?」
「惜しかったね。でも次はきっと勝てるよ♡」
「元気出して、大河くん♡」
「大丈夫? おっぱいもむ?♡」
心配する取り巻きを他所に、大河は真っ直ぐに遊臥を見ている。
「……きゃ」
「え? どうしました大河くん?」
「…………わりい。オレちょっと家に電話しなきゃ」
「へ?? 電話って、大河くんー!?」
元々、強くなることにモチベーションが高かった大河だった。
だがこのデュエル以降、彼は自身の力の成長を急ぐようになった。一刻も早く自分が強くならなくてはいけない、と。
だが、敗北したからではない。
大切なライバルが、致命的に変わってしまう気がしているんだ。
「何か、何か起こるような嫌な予感がする。
何かわかんないけど、オレも【四天の龍】を覚醒させなきゃいけない気がするんだ……!!」
こうして、成長を急ぎ【天空橋】の力で様々な格上とのデュエル修行をするようになった大河は、数年後に自身の切り札を『覚醒』させるに至るが……なんやかんやその代償で女のカラダになってしまうのだった。
スイーツ系脳みそで主人公にだけデレデレなヤクザ的ちっぱいヒロイン(攻め)と、
ライバル系湿度高めの尽くすTS巨乳ヒロイン(受け)。
に対して、ちょっと主人公のキャラが弱すぎる気がいたします。
少年期はもうコナン君のイメージで書いてましたw