SAO〜片手半剣使いのおっさんが剣聖と呼ばれるまで〜 作:蒼月紅夜
さて、一波乱あった攻略会議を聞き流してディアベルさん(彼自身は自分の方が年下だから呼び捨てで良いですよと言ってくれたがメリハリをつけるためにさん付けだ)から溶けた鉄塊を集めてくれと頼まれた···溶けた鉄塊って何がドロップするんだ?
「Hey、アルゴ」
「何か御用デスカ?ってオイラsiriじゃないヨ」
「おう、ホントに来た」
「来ると思ってなかったのカイ」
「いや、案外近くに居るかなー?って」
「全く···で、聞きたい事って何ダイ?」
「溶けた鉄塊のドロップモブ」
「200col」
「ほい」
「はい、受け取ったヨ、リトルネペントとラージネペントが落とすネ、確率ドロップダケド、ちなみに見た目はウツボカズラみたいな奴だヨ」
「OK、助かったわ」
「これからもご贔屓にー、ってネ」
〜1層フィールド〜
「ソードスキル【スピネル】!」
まだ気付いていないラージネペントにバスタードソードを片手持ちした突進技を放つ、【スピネル】、和名【尖晶石】の名に恥じない鋭い突進でラージネペントの袋の部分を貫くと光の粒子となって弾けた
「うし、これで5個目の鉄塊っと」
多少疲労が蓄積してきたので近くの岩に座り一服、タバコに火を着ける
「ふぅ···相変わらずな不味さ···でも吸わないとやってられない自分の悲しみ···」
しばらく紫煙を燻らせていたらちょうど正面から茶髪にバンダナを巻いた青年が近付いてきた
「あ〜···えっと、隣良いすか?」
「ん?タバコの臭いや煙が気にならないなら良いよ」
「あざっす」
と言って隣に座る茶髪君
「あ〜、えっと、クラインです···いきなりで悪いんすけどタバコ1本貰えません?」
「ん?別に良いけどNPCメイドだからかなり不味いよ?」
「構いません」
「ん、ほい」
ポケットのタバコの箱を取り出し1本クラインに渡し火を着けてやる
「すぅ···ゲホッ、ホントに不味いっすね」
「だから言ったろ?あ、オジさんはタードね」
「タードさんっすね、よろしくお願いします」
「うん、よろしく···クライン君だっけ?タバコ、吸い慣れてないでしょ?」
「う、よく分かりましたね、実は初体験っす、リアルじゃもっぱら酒だったんで」
「酒ね、オジさんは逆に酒ダメなんだよね、若い頃にアルハラにあって急性アル中一歩手前までいっちゃって、そこから呑めなくなっちゃってさ」
「あらら、それは大変でしたね」
「まあね」
そこから互いのタバコの紫煙を燻らせつつ無言の時間が続く
「···」
「···」
「タードさん」
「ん?」
「弱音吐いて良いっすか···?」
「ん、良いよ、オジさんはタバコをもう1本吸いつつ聞き流しとくからさ、好きに吐き出しな」
吸い終わった吸い殻を携帯灰皿に押し込みもう1本タバコを取り出し火を着ける
そこからクラインは静かに弱音を吐き出し始めた、「死ぬのが怖い」「友人誘ったのは自分だから頑張らないと」···etcetc
そんな弱音を紫煙を燻らせ黙って聞き流す
人間、思い詰めれば思い詰めるほど萎縮し強張るモノだからこういう弱音を吐く時間も持たないと身体より先に精神が参る、現に俺もそれで過去、メンタルをいわしかねた
慣れないタバコを吸い煙を吐き出しつつ弱音を一通り吐いたクラインはすくっと立ち上がった
「あ〜···えっとタバコごちそうさまでした、その弱音、聞いてくれてありがとうございます、自分より年上っぽい人が中々居なくてちょっと溜め込んでしまってました」
「ん、オジさんは弱音なんて聞いてないよ、ま、またタバコを吸いたくなったら連絡しな、これオジさんのフレンドコードね」
「あ、どもっす···うし、登録出来た···タードさん、攻略組なんですか?」
「ん〜、とりあえず1層ボスは一緒に行こうかなって程度かな、オジさんはマイペースが好きだからね」
「そうなんすね···あ、フレから個人メッセ···じゃ、俺は行きます、狩り頑張ってください」
「ん、クライン君もあんまり無理しなさんなよ、命あっての物種だからさ」
こちらに背を向け走り出すクラインを見つつ吸い終わった2本目の吸い殻を携帯灰皿に押し込み立ち上がる
「さて、あと15本頑張るか」
弱音を吐き出せる年上の存在って大切ですよね
感想や誤字脱字報告等お待ちしております。
この小説の主人公タードおじさんのイメージcvは?
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諏訪部順一
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津田健次郎
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大塚明夫
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