歪んだ神秘をもつ生徒によるキヴォトスオーダー 作:魅音2563
※注意:オリジナル設定あり。
少女との約束
「私のミスでした」
ガタンガタンと揺られながら女性の言葉を聞こえる。
「私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況。結局、この結果にたどり着いて初めて、あの人の方が正しかったことを悟るだなんて……」
彼女は自身の後悔を俺に告げる。
「あの人は、✖︎✖︎の力に染まりました。あの結末をいまから変えることは不可能でしょう。」
彼女は自分の後悔を自分に告げる。
彼女は自分の世界で起きたことを受け入れている。
ふと、疑問に思う。
なら、なぜ俺はいるのだろう。
「疑問に思いますよね。なぜあなたがここにいるか。何をして欲しいのか。」
微笑みながらこちらの考えていることを当ててくる。
「あなたには、別の私たちを救って欲しいのです。
あれらは必ず、どこかのタイミングで、別の世界に攻撃を仕掛けるはずです。」
彼女の言葉に思わず言葉を漏らしてしまう。
「俺にはそんな力はないよ」
「わかっています。いまのあなたにはそんな力がないことを。
ですが、私は、あの人とは違います。それでもあなたに、賭けたいんです。」
「私自身には、もうなにもできないから。
せめて、できることを、したいんです。
あなたに出会うことができた、この『奇跡』に縋りたいんです。」
涙ぐみながらも話す彼女の言葉に、
奇跡という言葉に、
ある少女と重なった。昔いなくなってしまった少女と。
俺は返事をする。
「できないことが多いだろうけど、できる限りのことをする。
それで問題なければ、俺は、君の力になる」
俺は返事をした。絶対に大変なことだと分かっている。
それでも、あの時のようにはなりたくない。
いなくなってから知った後悔を忘れていない俺には、この少女の言葉は叶えたいと思うものだった。
少女はこちらを向いて驚いている。
自分から言っておいてなんで驚いているのだろう。
「正直に言います。
あなたは先生とは違うので、こんな突拍子もないことに巻き込まれているので、もっと乱れたり叫んだりするものと、いったぁ」
初対面でそれは流石に看過できないからデコピンをした。
「奇跡によって起こる突拍子もないことは何度も経験してる。
それに、妖怪や神様、魔術を信じてる人間からしたら、『死んで転生しました』なんて、『あー、転生したんだ』くらいにしか思わないよ」
「妖怪や魔術を信じてるんですか?
そんな現実感のないものを」
「神々しいオーラみたいなのと、頭の輪っかを説明をしてからその質問してくれるかな?」
なんか、早苗を相手しているみたいで結構素に戻っちゃうな、この人
「その辺の詳しい話は、向こうにつけば知ることになりますよ。なんなら、キヴォトスでの常識ですから、いやでも知ります。」
キヴォトス…ギリシャ語で方舟とかの意味だったな。
「キヴォトスと神秘を持つ人間か…
魔術的には随分嫌な組み合わせなんだけど。キヴォトスの外を神様の力で消し去ろう。なんてことのためにあるわけじゃないよね?」
「魔術的って、どんな意味で言っているんですか?」
「魔術師としては三流もいいところだけどそういうのに関しての知識はいろいろあるよ。父親が魔術師だったから」
そう、ほんと嫌なやつだった。
「待ってください。
魔術ってなんですか。あなたはどんなところで育っていたんですか?
もしかしてそっちにも神秘があるんですか?あとあと…」
「質問が多いよ。
少なくとも、普通じゃないところで過ごしてたよ。
ゲームに触れたのだって17歳くらいだし。」
彼女は目を背ける。
「別に死んだことも、あんな生活だったのも恨んではない。なるべくしてなったんだよ。
なんなら、死んで記憶もありであなたに会えたんだ。よっぽどプラスだよ」
彼女は涙目でこちらを見る
「私が殺したようなものなのに、それなのに、何も思わないんですか」
「生きてた1番の理由だって、ある世界に行く方法を探すため。死んだならこっちで探すだけ。未練はあるにしろ1番やりたいことはやれるからね」
なんたって、記憶を持たせるか、思い出せるか。
どっちにしろ前世ありに君がしてくれたんだ。なにも問題なんかない。
俺の言葉にようやく彼女は笑った。
「随分達観してるというか能天気というか。」
ひとしきりわらってこちらを向く。
「ある世界というのは?」
彼女が聞く。
「幻想郷、数年前に俺の友人が向かった先だよ」
「俺の1番の目的は、黙って行った友人を一発殴るためだから。」
彼女は唖然としている
「いやいや、会いに行って殴るんですか?」
「殴るけど、黙った言ったんだもそれくらいありじゃない?」
「無しだと思いますけど!?」
まぁその辺は置いといて
「とりあえず、こっちに問題はないから。
やるべきことを教えて」
取り乱した彼女は改めて整えて話す
「お願いは2つ。
いずれ来る先生を守ること。
生徒たち…あなたにとっては同級生や先輩後輩ですね。彼女たちを守ること。」
その2つです。そう彼女は言い切る。
あることについて質問する。
「いずれってことは、俺がつくときにはいないのか?」
「はい。あなたが高校1年の時に先生は来るはずです」
だからよろしくお願いします。
そういうと俺の意識は遠のき始める。
向こうの存在になるってことは俺も神秘を持つのか。あいつらがしれば驚くかな。
「約束するよ。二つのこと、絶対にこなしてみせる」
少女の微笑みをみて、俺は意識を手放した。
このときの俺は気づかなかった。
中途半端に知る魔術
外から来たという事実と神秘をもつという事実というテクスチャの重ね合わせ。
この2つがとんでもなく厄介な神秘を持つことになることを。
そして、キヴォトスという世界が俺にとって、孤独にならざるを得ないことを。
読んでいただきありがとうございます。
この連邦生徒会長は、色彩によって先生が倒れた世界線の連邦生徒会長です。
プラナがアロナに対して話したセリフから、プラナ≠アロナだと思ったので
オリ主が接触した連邦生徒会長はこのような形にしました。
そっちの方が、本編世界の連邦生徒会長でも驚けるよね、っていう刹那的な衝動で書いてます。