歪んだ神秘をもつ生徒によるキヴォトスオーダー 作:セレネ2563
合宿3日目
しっかり起きれましたわ。
つまり
ハナコ「残念です...ウリアちゃんを洗えると思ったのですが...」
「されてたまりますか!
はぁ、顔を洗ってきます」
こうして部屋を出る
うーん、ドッペルに任せて、ミカ様とナギサ様のことを見に行きますか、それとも昨日と同じで補習授業部に行きますか。
どっちにしようかな
それとは別件で夜のアズサ様の不穏な動き、そしてそれを追うハナコ様。
どう動きましょうか....
ーーーーーー
ミカ「わぁっ、水が入ってるー!
あはっ、ここに水が入ってるのなんて久しぶりに見たなー。
もしかしてこれから泳ぐの?
それともみんなでプールパーティ?」
“お待たせ。要件を聞いてもいいかな?”
結局ミカ様と先生様の監視に来てしまった。
お話がすごい気になりますからね
ミカ「...えへへ
先生は上手くやってるかな。って思って」
“上手くやれてるよ”
ミカ「それなら良かった。
にしてもナギちゃん、随分入れ込んでるみたいだねー
こんな施設まで貸し出しちゃって
ところで、合宿の方はどう?
遠いのを良いことに何か楽しそうなことしてたりしない?
例えばみんな水着でプールパーティとか!」
“.....”
先生は警戒していますね。まぁティーパーティですし。私とは違う理由で警戒しているんでしょうね
ミカ「あはっ
そこまで警戒されちゃうのは心外だなー。
私こう見えても繊細で、傷つきやすいんだよ?
ところでここ、食事とか大丈夫?
何か美味しいものでも送ろっか?
ケーキとか紅茶とか」
前置き長いな、ミカ様っぽくない気がします
ミカ「...ふふっ、ごめんね。先生もあんまり長い前置きは好みじゃないかな?
じゃあ、本題に入るとしよっか?」
いや、ミカ様もやっぱり長い前置き嫌いじゃないですか。
なにかありそうかな
ミカ「じゃあ、本題に入るとしよっか?
あっ。ちなみに私がここにいることについて、ナギちゃんは知らないよ?
見ての通り付き添いもなしの私の単独行動!
というわけで、あらためて本題だけど...
先生、ナギちゃんから取引とか提案されなかった?
“取引?”
ミカ「例えば、そうだなぁ...[トリニティの裏切り者」を探して欲しい、とか」
“....”
こういう時の、沈黙は肯定ですわよ
ミカ「...ふぅ、やっぱり。
もうナギちゃんったら、予想通りなんだから
何か詳しい情報とかは?
そういうのは何も無しで、ただ「探して」って言われた感じ?
理由とか、目的とかは?
どうして補習授業部がこういうメンバーで構成されているのかとか、ナギちゃんは教えてくれなかった?」
“うん、教えてもらわなかったよ”
ミカ「...そっかー。もう、何も教えずに先生にこんな重荷を背負わせるなんて....」
“...その提案は、断ったよ”
ミカ「...え?そうなの?どうして?
自分の生徒たちを疑いたくないから?それとも...」
“それは、私の役目と違うかなって”
ミカ「へぇ..
そっかそっかぁ...
確かに先生は、[シャーレ]の所属だもんね。
トリニティとは本来無関係の第三者。
なるほどね、
まぁ、私たちにとってはずっと[トリニティ]そのものが世界の中心みたいだから、アレだけど...
...面白い答えだね。なるほど、新鮮かも。それはそれで正しいよね」
胸の奥で違和感のあったものが消えていく感じがする。
なるほど、自分たちの学校が世界の中心か。
その発想はなかった。それなら、トリニティの自分たち至上主義は割と分かる気がしますわ
他のところも、トリニティほど他校への対応の悪さはなくても自分たちが住んでる場所、通ってる場所がその人にとっての中心になるでしょう
となると、私や、先生が異端でいらっしゃるのかしらね?
ミカ「それじゃあ、先生は誰の味方?
もしトリニティの味方じゃないんだとしたら...ゲヘナの味方?連邦生徒会の味方?それとも誰の味方でもない....とか?」
“私は、生徒たちの味方だよ”
「.....
あ、あぁー...
生徒たちの味方、かぁ...
そっかぁ...それは予想外だったな....
あ、あのさ...だていうことは、その...
先生は一応、私の味方である...って考えて良いのかな?
私も一応この立場とはいえ、生徒に変わりないんだけど....」
“もちろん、ミカの味方でもあるよ”
ミカ「...わーお
さらっとすごいこと言ってのけるね、先生...
大人だねぇ。そういう話術?って思う気持ちもあるけど....
うん、ちょっと純粋に嬉しいかも。えへへ....」
あれで少女を恋に落とすなんて、先生、女性関係で後ろから刺されるか、既成事実を複数人から作られるかしそうで怖いんだけど....
ミカ「でも、それを額面通りに受け取るのはちょーっと難しいなぁ...
だってそれは同時に誰の味方でもないって解釈もできるよね?
だからそのまま受け取るんじゃなくて、私から先生に、取引を提案させてもらおうかな」
“取引...?”
ミカ「補習授業部の中にいる[裏切り者]が誰なのか、教えてあげる」
“...っ!”
なっ!なんで、ミカ様がそのことを知っているんですか......
ミカ「ナギちゃんのいう[トリニティの裏切り者]
今必死に退学させようとしているその相手
実際のところ、もう少し複雑で大きい問題もあるんだけど....
今このまま、先生がナギちゃんに振り回されている姿をただただ見てる...
なんていうのは、ちょっと申し訳ないなって。
そもそも、先生のことを補習授業部の担任として招待したのは私だからね。
このことは知ってた?」
“ミカが.....?”
ミカ「うん、ナギちゃんにはずっと反対されてたんだけどね。
せっかくの借りをこんな風に使うのはどうとかこうとかで。
先生とナギちゃんの間に色々あったんだね?
...まぁ、私の方にも色々あって。
トリニティでもゲヘナでもない、第三の立場が欲しかった。
....ああ、[裏切り者]のお話だったね
補習授業部にいる[トリニティの裏切り者]、それは...
白州アズサ」
“アズサが...?”
あの深夜徘徊は、定期報告ってことですね
ミカ「うん、知ってるかもしれないけど、あの子、実はトリニティに最初からいたわけじゃないんだ
ずいぶん前にトリニティから分かれた、いわゆる分派...[アリウス分校]出身の生徒なの
....うーん、よく考えると[生徒]って呼んで良いのか分からないんだけどね
[何かを学ぶ]ということが無い生徒のことを、生徒って呼べるのかな?」
“このことを、私に教える理由は何?”
ミカ「ふふっ
...良い眼だね、本当に。期待しちゃうな。
あれこれ誤魔化しても仕方なさそうだし....うん、端的に言おっか
これまた、想定外の方に話が行きましたね。
“アズサが、裏切り者...?”
ミカ「うん。それで、あの子を守って欲しいの
あー、ごめんね。ちょっと単刀直入すぎたかな?
ナギちゃんの悪い癖が移っちゃったのかも
戸惑ってる先生のために、もう少し最初の方から説明してみようかな?
私はナギちゃんやセイアちゃんみたいに、あんまり頭が良いわけじゃないんだけど...
ちゃんと伝わるように頑張ってみるね!」
“うん、お願い”
もしかして、アリウスについて詳しく知れるのでしょうか。
私もちゃんと知っているわけじゃないから、ちょうど良いですね
ミカ「まず、この[トリニティ総合学園]について。ナギちゃんがこの前言ってた通り、その一番の特徴は
パテル、フィリウス、サンクトゥス・・・・・この三つの分派がトリニティの中心になったっていうのは前も話した通り。
でも正確には他にも、今の[救護騎士団]の前身に当たる派閥とか、[シスターフッド]とかも含めた大小さまざまな派閥がいくつもあるの。
元々そういうたくさんの派閥が、まるで今のトリニティとゲへナみたいな形で、お互いにお互いを敵視してて、毎日毎日、紛争ばかりの時代があったんだって
そこで、もうこれ以上戦いを続けるんじゃなくて、仲良くしようっていう約束をすることになったの。
私たちはもう戦わなくて良い、一つの学園になろう.....
そんな話をしたのが、いわゆる[第一回公会議]」
“うん、どこかで聞いたことある”
私も聞いたことがありますわね。ただセイア様は省略して話したようですね。
当時の私はシスターフッドや救護騎士団を知らなかったってのもありますが...
そこから、アリウスの話に移っていった。
トリニティ総合学園がアリウスを弾圧していった。
力を持ったものが力に溺れるよくある話.....
だけじゃないですね。多分アリウスはそこまで反対していなかったはず...
はぁ、面倒ですね。権力を誇示したいものほど、情報を規制して、自分に都合の良い偽りを真実にして過去に残す。
こんな話、前世の世界のゲームにありましたね。
アリウス側の情報があるであろうポルタパシス....ラテン語で平和の門という意味でしたね、あそこにいけば当時のことがなにか分かるかも....
いまは無理ですけど、やるべきことにいれておきましょうか
ミカ「トリニティの自治区から追放されて、今は...詳細はわからないけど、キヴォトスのどこかに隠れているみたい
相当厳しい戦いだったんだろうね。
その後全然見つからないような場所に隠れたみたいで、多分、連邦生徒会ですらいまだにその自治区がどこにあるか分かってないくらいなの」
私もカタコンベのルートは正確には知らないですわね....
“アズサが、そのアリウス分校の出身....”
「うん。
それで.....ナギちゃんが推進してる[エデン条約]
あれはさっき話してた[第一回公会議]の再現なの
大きな2つの学園が、これから仲良くしようねって約束。
・・・・何だか、いいお話に聞こえるよね、でも本当のところはどうだろ。
だってその核心は、ゲヘナとトリニティの武力を合わせた
エデン条約は、雷帝の抑止力だと聞いてましたが、雷帝がいない今では新しい武力集団を作ることだとは....
連邦生徒会長がいない今、そんなものができるのは不穏ですわね....
どこに振り下ろしてもやばい結果にしかならない武器は誰も持ってはいけないでしょうに....
ミカ「大きな力を手に入れたら、きっと自分が気に入らないものを排除する....
昔、トリニティがアリウスにしたみたいにね
あるいは、もしかしたらセイアちゃんみたいに....」
“セイアみたいに?”
ミカ「...ううん、ごめんね。今のは失言だったかな」
“セイアは、何があったの?”
ミカ「...前にお話しした通りだよ。セイアちゃんは入院中なの」
“....いまどこにいるか聞いてもいい?”
ミカ「うーん...
先生は本当に知りたい?
この話をしたら、もう私は戻れない
もしこの先の事実を知った先生が、私のことを裏切ったら...私はきっと終わり
それと、ウリアちゃんが知れば、必ず絶望する。
それでも、知りたい?」
“裏切るだなんて...
それに、ウリアが絶望するの?”
ミカ「うん、ウリアちゃんはね。あんなふうに見えても繊細なんだって。
セイアちゃんが教えてくれたんだ。
....それに、うん、きっと大丈夫だね。だってさっき、先生は私の味方って言ってくれたもん。
もし、これで裏切られたって、なんで言うのかな...
うん、それはそれで悪くないと思う。えへへっ」
覚悟をした顔でミカ様は話し始める
ミカ「.....セイアちゃんは入院中なんかじゃない。
ヘイローを、壊されたの」
“....っ!?”
ミカ「....冗談じゃないよ、本当のこと。
先生が来る少し前、いまからだと半年くらい前かな、セイアちゃんは何者かの手によって唐突に襲撃された。
対外的には[入院中]ってことになってるけど....そっちの方が真実
私たちティーパーティを除けば、このことはまだトリニティの誰も知らない。
もしかしたら、[シスターフッド]には知られてるかもだけど...あそこの情報網は半端じゃないからね。
それと、ウリアちゃんも...
とにかく、それくらい極秘事項なの」
“犯人は、まだ...?
それと、なんでウリアが情報を知ってるのかなって思ったんだけど...”
ミカ「....まずは、最初の質問に答えるね。
犯人については分かってない。
操作中っていうか、何も分かってないっていうか....
もともとセイアちゃんは、秘密の多い子だったこともあってね
...うん、まぁそういうことなんだ
“......”
ミカ「とはいっても、目星がついてないわけではないんだけど...
今の段階でただの推測を口にするのもね。
あ、ウリアちゃんの話はちょっと後に回すね。
それで、前の話に戻るんだけど、
[白州アズサ]....あの子をこの学園に転校させたのは、私なの。
“ミカが...”
うん、ナギちゃんには内緒でね。
生徒名簿とかそういう書類を全部捏造して、あの子を入学させた。
....どうして?って思うよね
アリウス分校は今もまだ、私たちを憎んでる。
私たちはこうし豊かな環境を謳歌しているのに、彼女たちは劣悪な環境の中で、[学ぶ]ということが何なのかも分からないままでいる...
私たちから差し伸べた手も、連邦生徒会からの助けも拒絶し続けてるの。過去の憎しみのせいで。
でもその憎しみは、簡単には拭えないほど大きくて.....これまでの間に積み上がった誤解と疑念もあまりに多い。私の手には負えないくらいに」
でしょうね。アリウス自治区に行ったからわかります。あそこの環境の悪さを。そして、裏で手を引いている悪のこと
ミカ「けど、ナギちゃんもセイアちゃんも私の意見には反対だった....政治的な理由でね。でも、それも分からないわけじゃない。
私たちはティーパーティだから。
私は不器用だから、そういう政治とか得意じゃないんだけど...
でも、また今から仲良くするのってそんなに難しいのかな
前みたいにお茶会でもしながら、お互いの誤解を解くことはできないのかな?」
お姫様みたいにふわふわした内容で、夢物語みたい。
あー、でも、そういう人がいなきゃ、歩み寄ることもできないですわね
ミカ「私はあの子...[白州アズサ]という存在に和解の象徴になってほしかったの。
あの子についてはそれほど詳しいわけでもないんだけど、アリウスでもかなり優秀な生徒だったみたいだし、その可能性に賭けたかった
ナギちゃんを説得してちゃんと正式に進めるっていう手段もあったかもしれないけど...!そこについてはちょっと疑っちゃったっていうか...
ナギちゃんはそういうの、聞いてくれないだろうなって思って」
悪い方で信用されてますわね、ナギサ様
ミカ「もしエデン条約が締結されたら...その時はもう今度こそ、本当に、アリウスとの和解は不可能なものになっちゃう...
だから、どうにかその前に実現させたかった
アリウスの生徒がトリニティでもちゃんと暮らしていけて、幸せになれるんだって...
みんなに証明して見せたかった。
でも、そんな中でナギちゃんがトリニティに[裏切り者]がいるって言い始めて
...ナギちゃんが、どうしてそんなことを考え始めたのかは分からない。
私がそうやって動いている時に、何かやらかしちゃったのかもしれない。
それでナギちゃんは条約の邪魔をさせまいとして、[補習授業部]を作ったの。
もしかして、先生、あの子達が補習授業部に選ばれたのかは聞いてないかな?
あそこにいるのはナギちゃんが疑った子」
その後、アズサ以外のみんながどうして選ばれたのかが話されていき、
ハナコ様は天才からの没落とそれに付随する素行不良(没落じゃなくて素なのでしょうが...)
コハル様は正義実現委員会のための人質
ヒフミ様はブラックマーケットへの入り浸りとそれに付随する素行不良
が理由であることが判明した。
ついでにハスミ様のゲヘナ嫌いの件も
そして、私の話になる
ミカ「ウリアちゃんはね、セイアちゃんの友達だったの。
セイアちゃんもすごい信頼しててね!
だからかな...
ナギちゃんは真っ先にウリアちゃんのことを疑った。
ウリアちゃんなら、セイアちゃんを簡単に殺せるから...
ウリアちゃんってね、テストの点数が70点なんだって、ぶれても70点前後になるの」
“70点付近になるの?”
ミカ「そうなの!
ナギちゃんは、その程度の頭なんだろうって思ってるみたいだけど、私は違う。
ウリアちゃんの答案を見たときにね、難しい問題を正解して70点だったんだ。
そしたら、基礎問題は何個かケアレスミスをしてたの。
それを全部のテスト、1年から3年の問題、全てでだよ」
“え?”
ミカ「ウリアちゃんはね、わざとその程度だと思わせてるんだ。
70点はトリニティのなかだと低めではあるから、舐められても返り討ちにすればいい。
70点なら面倒なことに巻き込まれない。そんな感じだったんじゃないかな。
まぁ、ナギちゃんは低めだからっていうのと、同じ点数が多いから不正をしてるかもしれないっていう理由でねじ伏せるつもりだったのかもだけど」
“ウリアは何も抗議してないよね”
ミカ「そうなの!ウリアちゃんは、私に話せば補習授業部を抜けられる。
だって、赤点なんてことに1回もなってないんだもん。
それでも補習授業部に残る理由はただ一つ。
さっきは、絶望する、なんて言ったけど、彼女は、裏切り者のことも、セイアちゃんのことも、個人的な情報源から知ることができた。
セイアちゃんのヘイローを壊した犯人への復讐。
それがウリアちゃんの目的だと思う。
ウリアちゃんはなんでも利用するからね。この状況すら利用するんじゃないかな」
“それは、アズサのことを知られたら....”
ミカ「少しまずいことになっちゃうかもしれないね。
彼女の中では、トリニティを恨むアリウスから来た生徒ってだけで疑っているかもしれない。
だから、先生にはそれも含めてアズサちゃんを守って欲しいんだ!」
2人とも夢にも思わないでしょうね、私が聞いてるなんて....
やっぱり、ミカ様頭いいですわね。
私のことちゃんと理解できてます。それに、今ある情報からの予測がしっかりできている。
正直ナギサ様が裏切り者だったら、簡単に対処できたんでしょうね...
それにしても、今の話何かが引っかかるんですよね。
私はベアトリーチェの口から実行犯がアズサだということを聞いている。
ミカ様が裏切り者なのは、アズサ様をここに転校させたことからも確定。
だけど、アズサ様が犯人という事情を知らなくても、裏切り者の候補に上がってしまう行為のはず...目的があった...この話をすることで得られるメリット...
ミカ「私の方にも色々あって....」
色々...この場合の色々ってなんでしょう...
ミカ様の事情。裏切り者....
バレてしまう可能性が上がるのにそんなことする理由...
ミカ様自身に関わること
...止めて欲しいから....
ミカ「...私はアリウス分校と和解がしたかった」
この言葉は本心なのだろう。だから頑張ってアリウスに接触して...こんなことに....
この世界は歪だ。未成年の生徒たちが国王や領主の立場に立つ。
ミカ様だって、精神が大人ほど成長していないんだから辛いに決まってる。
それが、ゲマトリアの大人に利用されているならなおさら....
さて、作戦を少し変えましょう。
ミカ様のことも助ける方向で動きますわ!
ーーーー
ドッペルの操作するウリアとお手洗いで入れ替わり記憶も確認して今の進捗を頭にはいれた。ここからは4人と共に試験を受けられるかのほうが問題になってくる
どうせ、ナギサ様は腹黒いから、どんな方法であれ、私たちに試験を受けさせない方向で妨害するはず。万が一受けて合格しちゃえば意味がありませんから。
♪〜
この音、ミネ様じゃありませんね。
一体誰が...
?!なんでこの方が...
「すみません。呼び出しを受けたので離席いたします。
模擬テストはこちらに揃えているので好きにお使いください」
ヒフミ「分かりました」
ハナコ「誰から連絡が来たのですか?」
「....サクラコ様です。それでは」
私は急いで部屋を出る。
「どのような要件ですか。サクラコ様」
サクラコ『いえ、あなたと話をしたいと思ったので、こちらにきていただきたいのです』
「私もいずれそのつもりでしたので、今から向かいます。それでは」
どういうつもりでしょうか...
シスターフッドは私への干渉を一切してこなかった。
マリーとは個人的に仲良くしているがそこまで。
ついでに、権力争いに巻き込まれた哀れな1年生を、シスターフッドという非戦闘の組織に向かわせるのはしたけど、その程度のことだけ。
一体何が理由なのでしょうか
ーーーー
“あれ、ウリアはどこかに行ったの?”
「はい、サクラコ様に呼ばれたと話していたので、シスターフッドに向かったのかと。
それにしても、あの噂は本当だったのでしょうか」
コハル「噂?」
「えぇ、天使ウリアは、ティーパーティの首席、百合園セイアの地位を狙っている。
そのためにシスターフッドを利用しているというものです。
セイア様が表に現れないのも、行動を起こした後だとか」
“ウリアが....?!”
アズサ「.......」
ヒフミ「ウリアちゃんに限ってそんなこと....」
「えぇ、今なら私もそう思います。ですが、セイア様と仲が良かったのも事実です。
お二人の間で何かしらあったと見るべきでしょう」
セイア様が入院中である理由を知っているでしょうし
ーーーーーー
サクラコ「あなたの噂が流れているのをご存知ですか?」
「噂、ですか?」
サクラコ「えぇ、なんでも、セイア様を陥れるために私たちシスターフッドを利用したとか....」
「は?」
ヒナタ「え、えっと、ウリアさん、あくまで噂ですので」
「それを流したのはどこの誰ですか?」
ヒナタ「えっと...」
サクラコ「えぇ、噂の出所も知っています。
ですが、こちらに協力してもらうことが条件です」
「なるほど。何が狙いですか?」
サクラコ「あなたが持っている情報の全てです。
補習授業部のことも、セイア様のことも、裏で何かを企んでいることも。
その何もかもを教えてください」
「どういう心変わりですか?
シスターフッドは不可侵のはずです。
今更動く理由を教えてください」
サクラコ「あなたの勝手で巻き込まれたから、それで理由になりませんか?」
「なりません。ただ一言、[天使ウリアの独断であった。私たちには関係ない]そうシスターフッドが言えばそれで終わりです。
この組織は、ティーパーティと同レベルの権利はあるのです。
だからこそ、聞いています。理由を教えろ、と」
ヒナタ「あ、あの、サクラコ様、流石にウリアさんが喧嘩腰になっているのでやめた方がいいのでは.....」
サクラコ「この程度なら問題ないですよ。
本気でウリアが怒っているのであれば、もう手が出ていますから」
「随分な言い方ですね。そこまで喧嘩っ早くないですが」
サクラコ「そうでもないですよ。ウリアさんと敵対した相手は恨みよりも[怖かった]や[来るな!]といった恐怖を口にするそうですので」
私というより、あの加害者どもが化け物に襲われたり、銃で撃たれ続けたり、拷問されたりの幻覚をずっと見てたからでしょうけど....
「そんな野蛮な戦闘はしませんよ。
それで、大真面目に今更介入する理由はなんですか?」
サクラコ「あなたの力になりたいから、ではおかしいですか?」
「ダウトですわ。シスターフッドがそんな個人的な理由では動かない。
どうせ、協力する代わりに天使ウリアをシスターフッドに所属させる。
そんなところでしょうか
悪いですけど、所属するとサンクトゥスとの折り合いが悪くなって、セイア様と会いにくくなるので嫌ですわ」
サクラコ「ふふ、流石は、ウリアさん。私たちの目的をしっかり理解しているようで何よりですわ。
では、教えておきましょう。
それが、ティーパーティとシスターフッドが隠している情報です」
「なっ!!!!」
ヒナタ「サクラコ様!!
セイアさんはウリアさんの友人だったんですよ!?
それなのに、そんな...!」
サクラコ「そうですね。ですが、遅かれ早かれ知ることです。
こんな辛い情報。早く知っておいた方がいいです。それに...」
「なるほど、ティーパーティもシスターフッドもその情報は持っていたと....
ミカ様が先生様に話していた情報と同じですね。
すみません。さっきの驚きは、シスターフッドもその情報を持っていたことの驚きです。」
ミカ様がここまで読んでいるとなると、下手な思考力だと逆に読み負けそうですわね。
もっとも、セイアが生きている情報は漏れていない。
スズミ様たちに話したのはあくまで、セイアが入院しているというのをベースに作ったもの。セイアがミネ先輩に守護されているのは一切出していない情報ですのでバレているはずがありませんからね
サクラコ「やはり知っていましたか。ミカさんとシャーレの先生のお話を盗み聞いていたことは触れないでおきましょう。
では、補習授業部に滞在し続ける理由は、あそこに何かあるからですね」
「...えぇ、補習授業部は今回の事件の中心にいる部活ですわ。
なにか用があればこちらから赴きます」
私は席を立つ。
ヒナタ「入り口まで送りますね」
「ありがとうございます、ヒナタ様」
サクラコ「分かりました。
ですが、最後に一つ、ウリアさんはどこまでご存知ですか?
この事件について」
返答に困り黙ってしまう。どこから、なら、簡単だが、どこまで、だと返答に困りますね
「...そうですね。
補習授業部が中心のこの事件は、始まりでも終わりでもなく、途中でしかない。
この事件の始まりは、セイア様のヘイロー破壊事件であり、
この事件の終わりは、
これが私の今話せる精一杯の返答ですかね」
サクラコ「ふふ、どこまでご存知かという問いに対して、事件の終幕を教えてくださるとは、ウリアさんとは良い関係を築きたいですね。
分かりました。ありがとうございます。
なにか、要件があればまた連絡させていただきますね」
「..,はぁ、分かりました。
何かあれば連絡ください。では」
こうして、私は、ヒナタ様にシスターフッドの出口まで案内してもらった
「ごめんなさい。すこしギスギスしていましたね。
居心地悪かったと思います」
ヒナタ「い、いえ!ウリアさんはセイアさんと仲が良いので、あんなふうになるのもよく分かります。
あまり気負わないでくださいね」
「えぇ、分かっていますわ。それでは」
こうして、補習授業部の部室まで部屋まで戻る
ーーーーー
ヒナタ「サクラコ様。ウリアさんを送ってきました」
「ありがとうございます。ヒナタさん。
ウリアさんのことどう思いましたか?」
ヒナタ「セイアさんが、亡くなって心の奥では悲しんでいるのかと思いましたが、違うのですか?」
「そうですね。
ウリアさんの反応から見るに、セイアさんは生きている。もしくはそれに相応する情報を持っているのでしょう」
ヒナタ「?!いえ、そ、そんなはずは...」
「ウリアさんは、友達のことを大事にするお人です。
そんな彼女がセイアさんが害されたのであれば、もっと、動いているはずです。
それこそ、補習授業部から籍を外して」
ヒナタ「そ、それなら、私たちの情報やティーパーティの情報はどこから来たものですか....」
??「もしくは、ウリアちゃんが初めからセイア様が死んでいるのを知っていたか、補習授業部にいればセイア様を殺した犯人に近づけると思っているから、そして、ウリアちゃんがセイア様のヘイローを壊した犯人だから、ではないですか」
「あら、珍しいお客様ですね。ウリアさんのお噂の真偽について聞きに来たのですか?ハナコさん」
ハナコ「それに加えて、ウリアちゃんの情報も貰いに来ました」
「いいでしょう。おかけになってください。
補習授業部でのウリアさんのこと、お聞きしたいので」
ーーーーーーー
サクラコ様はまた呼び出すつもり満々だし、ここからどうしましょう。
いっそのこと全部投げ捨てて、一旦ゲヘナの裏工作に行くのもありですわね
私は部室というか教室に戻った
「ただいま戻りました...ハナコ様は?」
“ハナコならすこし話してきたい人がいるって言って出て行ったよ”
あの人がそんなことを?
なにか、目的があるのかしら
アズサ「ウリア、なんの話をしてきたんだ?」
なぜか、言葉に覇気みたいなのがない気がする。
何かあるのでしょうか...
「当たり障りもない、噂話についてですわ」
コハル「噂話って、セイア様の地位をあなたが狙っているって話?」
「えぇ、私が病院送りにしたみたいなお話まで上がっているようで、全く参ってしまいますわ。誰が話したかわかれば問答無用で潰しますのに...」
“ウリアって、言葉遣いは上品なのに、内容は物騒なことって意外とあるよね...」
ヒフミ「はい...普通に、怖いと思います...」
アズサ「もし、もし、そのセイアって人が本当に誰かに襲われてたら、ウリアはどうする?」
なるほど、犯人としては気になるのかな。
アズサ様視点、私が[セイア様が生きていることを知らない]でしょうからね。
....やっぱりアリウスの生徒だって、環境が悪かっただけで、人を思う気持ちは無くなってないよね...
「もし本当にいるなら、私は、その襲撃者を倒しますよ。必ず、報いを受けさせます」
ここはちゃんと言わなきゃですわね
アズサ「そうか」
“やりすぎちゃダメだからね”
「分かっていますわ。
さぁ、試験作り再開します」
こうして、補習授業部での私のやるべきことをする
第二次試験での妨害の内容を考えながら....
オリ主は、アリウスのことは、全部ベアトリーチェが悪いと思っています。
なので、最終的にはアリウス内部にも関わるつもりです。