ハリエット・ポッターの不思議な冒険 作:新参なめ子
水曜日の真夜中はレイヴンクロー塔の尖塔の一つである天文台で、天体運動を研究する天文学の授業が行われた。望遠鏡で夜空を観察し、星の名前や惑星の動きを観察するのだ。ハティは正直、魔法といった荒唐無稽な領域の種族が天文学という科学的な分野を大昔から研究していたという事実に正直驚いた。
星の動きが魔法と一体どんな関わりがあるのか、というハティの質問にオーロラ・シニストラ教授は「古代、惑星と天空、そして宇宙には魔力が満ちていた。天文学とは占星術の基礎であり、占星術とは宇宙から力を授かる学問である」と説いた。では授業で宇宙から魔力を得る本格的な魔法を学ぶのかと思いきや、ハティたちが学ぶのは星の運行だけでありマグルの天文学と変わらぬものであった。占星術など、眉唾ものの話である。
ホグワーツの多くの授業はハティの知的好奇心を十分に刺激し、楽しいものであったがただ杖を振って魔法の呪文を唱えるだけがホグワーツでの生活ではない、ということは最初の一週間で痛いほど思い知らされた。
木曜日、相変わらずジャンプしなければならない階段は覚えられないし、階段は常にそこにあるとは限らず、あらゆる方面に動いてはハティたちを翻弄した。どういう意味かというと、ハティとロニーを乗せたままその階段は思わぬ方向へと振り子のように勢いよく動いたのだ。
ハティとロニーは階段の手すりに必死に掴まりながら、ようやく止まってくれた階段から飛び降りて危なげなく踊り場へと着地した。魔法史の授業を終えて薬草学の授業のために温室へ向かっていたのだ。
「あたし、やっぱりだめ……どの階段が安全か覚えられそうにない」
「わたしもよ。それと、魔法史の教室はいっそのこと外にしてくれないかしら? 眠くてたまらない」
マグル社会で育ったので、ハティは魔法界の歴史学についてかなり楽しみにしていたのだが、この分野の教授があまりにも問題点が多かった。カスバート・ビンズという教授はホグワーツ唯一のゴーストの教授で、教員室の暖炉の前で居眠りをし低酸素血症で儚くなったという逸話を持つ。しかし、ビンズ教授がそのまま天国に召されたかというとそうでもなく、彼は翌朝幽体のままいつものように教鞭をとり、今日にいたるのだそうだ。
ゴーストになっても熱心に心血を注いで魔法史の授業を行っている。もう一度言う、血も肉もないのに心血を注いじゃったのである。ビンズ教授は実体がないので歴史学に必須の論文を捲れない上に、ゴーストになって一世紀の経過しているので悲しいかな教授の学識はその時のままで停滞している。なので、近代史にいたっては各々教科書と参考書で知識をカバーしているのが上級生の現状らしい。そのような訳だから、魔法史の授業は実質的な自習時間になっている。と入れ替えで魔法史の教室に入っていった双子が語っていた。
もっと早く教えてほしかった。
時間を無駄にしてしまったわ。とハティはどんよりとした気持ちで、再び動き出した階段を見送った。
今降りてきた階段に飛び乗る勇気もなく、新たな階段が現れたら下に降りよう。とハティはロニーに提案して、そのまま目の前にある重い扉を開こうとした。
「あれ、開かない……鍵がかかってるのかな」
「もしかして、丁寧にお願いしないと開かない扉?」
ハティは初日に出会った扉のことを思い出し、にやりと笑った。
扉にも色々種類があり、特定の場所をくすぐらなければ開かない扉、扉のふりをした壁であったり様々なトラップがある。
「ううん、そういう感じじゃないみたい」
ロニーとともに首を傾げていると「そこで何をしている!?」と突如として怒声が二人にふりかかった。ハティもロニーも吃驚して振り返ると、階段に乗った男が鬼のような形相でこちらを睨みつけ、こちらにつけようとしているところだった。
「誰、あのハゲ」
「フィルチだよ! ホグワーツの管理人! あいつ、生徒にすごく意地悪だし、すぐ罰則を食らわせようとするの。まずいよ、ハティ。早く逃げないと」
「え……」
しかし、逃げ場といえば目の前の扉しかないが当の扉がびくともしないのだ。焦って扉をがたがたと揺らしていると、階段で踊り場に乗りつけたフィルチが髪を振り乱して猛然とこちらに駆け寄ってきた。
「ここは立ち入り禁止だと言っていたはずだ! わざと侵入しようとしたな!」
「わざとじゃありません。階段が勝手にここに連れてきたんです!」
ロニーが必死に言い募り、ハティも援護するために「そもそもお城のことが全く分からないので、ここが立ち入り禁止の扉だとわかりませんでした」と訴えた。
しかしフィルチは「嘘だ!」と怒号し、今にも二人を引きずろうと一層詰め寄った。
「いいや、わざとに決まっている。そこの赤毛! ウィーズリー家の子どもだな!? 昨日もお前の兄弟の双子がこの扉を開けようと夜に忍んで――」
「な、何事ですか」
その時であった。気弱そうな声がフィルチの声を遮ったのは。
ロニーは動く階段に乗って新たに現れた登場人物に、救世主とばかりに目を輝かせて「クィレル教授!」とその名前を呼んだ。
クィレル教授は怯えた様子で周囲を見渡しつつも、心配そうにこちらへと歩み寄ってきて困ったような顔でフィルチとハティたちを見比べた。
「な、何があったのですか」
「このクソガキどもが立ち入り禁止の廊下に入ろうとしたんだ!」
フィルチが唾をまき散らしながら叫んだ。
「規則を破ったガキどもには罰則を与えねばならん。地下牢へぶち込んでやる!」
何度も無実を訴えているが、頑として聞き入れないフィルチにハティは次第に苛々してきた。ジェットブラックの髪をかき上げ、激しくフィルチを睨みつけながら「だから、わたしたちは道に迷っただけって言ってるでしょう!?」と鋭い口調で叫ぶと、クィレルは「ま、待ってください」と慌てたようにフィルチとの間に割り込んだ。
「こ、この子たちは、し、新入生です……み、道に迷うこともあるはずです。う、嘘をついているとは考えられません」
「だからどうした? 規則を破ったことには関係ないぞ! 新入生だろうが……」
「わざと破ったわけではないのです。無実の子どもを罰するわけにはいきません」
クィレルは、静かに言い放った。
珍しく吃音もなくはっきりとした口調であった。いつになく、毅然とした態度にハティとロニーは「クィレルって意外と頼りになるかも」と驚きの表情で視線を交わした。
ロニーは必死で何度も頷きながら「そうなんです!」と叫ぶ。
「鍵がかかってたの! だから、扉は開けていないし廊下にも入ってない。あたしたちは、なんにもしてないんだから罰則を受けなくていいですよね? ね、クィレル教授。あたしたち、早くいかないと! 薬草学の授業があるから、急いでるの」
ロニーが縋るようにクィレルに懇願する。
すぐにクィレルは「だ、大丈夫です。急いでスプラウト教授の授業に行ってください」と請け負ってくれたので、ハティとロニーはフィルチを彼に任せて階段に飛び乗った。
足早に温室への道を進みながらロニーは「フィルチってやっぱりやなやつ! それに比べて、クィレルって意外といい奴かも……」と唇を綻ばせた。
「あいつがいなかったら、あたしたち罰則食らってたよ! 絶対」
「クィレルはレイヴンクローのOBらしいよ。だから、割とどの寮の生徒にも優しいみたい」
「そうなの? それは初めて聞いたかも」
「フィリパが言ってた……」
不意に隣を歩いていたロニーが足を止めたことに気付いて、ハティは振り返った。ロニーはじとりとした目でこちらを見ながら、ぽつりと呟いた。
「昨日の夕方もフィリパといたの」
「え?」
昨日の夕方はマルフォイに探りを入れるべく、プリシラと図書館にいた。プリシラと仲良くなったのは思わぬ収穫で嬉しかったが、その時のことまで確認されるとは思わずハティは困惑顔でロニーを見返した。
「昨日はプリシラと一緒にいたよ。どうしたの」
「クィディッチの競技場を見にいこうって話してたでしょ。昨日、一緒に行こうと思ったのに」
「あ……」
ロニーは拗ねたようにそっぽを向いてとぼとぼと再び歩き出した。
そうだった、ホグワーツ急行の中でいまいちゲームのルールが理解できない。と首を傾げていたハティに「実際に競技場で説明をしてあげる」とロニーは言っていたのだ。
「ごめんね、忘れてたわけじゃないんだけど。夜に天文学があるから、ロニーは仮眠してるかなって思ってたの」
「別にいいよ。ラベンダーとパールバティと一緒に部屋で雑誌読んでたからさ……でもどうしていつもフィリパやプリシラみたいな子と遊ぶの」
ロニーが不満げにそう吐露するのを見て、ハティは困惑顔になった。
「フィリパやプリシラみたいな子ってなに」
「スリザリンにいそうな子」
「フィルとプリシーは過激な純血主義でもないし、普通にいい子だよ」
そう答えてから、ハティはロニーの意図とは異なる返答をしたことに気付いた。
魔法族でも古く富裕な家で生まれ育ったフィリパと接していて分かったことは、ヴォルデモート卿の失脚後魔法界では純血主義が公では相応しくない思想とみられているが、それはまだまだ建前に過ぎないということだ。保守的な魔法族の家系は今でも公然と純血主義をかかげており、スリザリンはそんな
まるで二十世紀の英国を反映したような階級社会の中でも、フィリパやプリシラは上流階級に属する家の生まれだ。純血かつ旧家、そしてありあまる資産と人脈。スリザリンに入らなかったのが不思議なくらいだとルームメイトのカーラが呟いていたのを覚えている。つまり、ロニーにとっては身分の違うお金持ちの子どもである。
「あたしは確かにフィリパみたいに友達は多くないし、美人じゃない。それに可愛いリボンも持ってない。でも、あんたと一番最初に友達になったのはあたしのはずだよ。あたしは、別にハリエット・ポッターだから友達になったわけじゃないもん。知ってるでしょ!?」
「え……うん」
ハティは口ごもりながら、頷いた。
ロニーが何の打算もなしにハティと友達になったのは知っている。むしろ、二人のマダム・マルキンの店での心証は最悪だったが、良い感情を持っていなかった状態でロニーとハティは友人になった。ロニーが言いたかったのは、ハリエット・ポッターの名声を利用しようとせずに仲良くなった自分こそが一番の友達なのではないかと訴えているのだ。
ハティは思わず吹き出してしまった。
「二人に嫉妬してるの?」
「べ、別に嫉妬してないよ!」
「そっか。あのね、ロニーがわたしの友達じゃなくなったわけじゃないよ。ただ、わたしは今までずっと狭い世界で生きていたから色んな人と仲良くするのは楽しいなあって思ってるの。ロニーだって、ハリエットが一番とか思いながらラベンダーやパールバティと遊んでるわけじゃないでしょう?」
「それは……確かに」
「ロニーのことも、フィルのこともプリシラのことも、順位なんかつけずにみんな大切な友達だと思ってるよ。これじゃあ、だめかな」
ロニーは腑に落ちないという顔をしていたが「だめじゃない……」と自分を納得させるように頷いた。
ようやく魔法使いらしい授業は呪文学から始まった。
呪文学の教授はフリットウィックという、小柄な老人だった。うず高く積み上げた本の上に乗って、ようやく机越しに顔が見えるほど教授は背が小さかった。
「フリットウィック教授にはゴブリンの血が混ざってるらしいよ。公には否定してるらしいけど」
フリットウィック教授が出席を取っている間に、ロニーが小声で囁いた。
公に否定しているのは、ゴブリンとの混血であることが露呈すれば魔法使いとしての立場が微妙なものになるからだろう。魔法史の教科書にはゴブリンたちに経済を牛耳られていることを恐れた魔法使いが一時はグリンゴッツ銀行の経営権を時の英国魔法使い評議会——魔法省の前身——が掌握したが二百年後にはゴブリンたちに奪還されたと記されていた。他にもゴブリンの大規模な反乱があったりと、歴史上魔法使いとの諍いは絶えない。
ハティの口座でゴブリンのグリップフックが、ポッター家のファミリージュエリーを抜け目なく見ていたことを思い出すと、今でも不安がよぎるくらいだ。
盗まれていやしないか、とぶるりと震えていると生徒の名前を読み上げるフリットウィック教授の声が途切れた。ハティが不思議に思って視線を教壇に戻すと、フリットウィック教授と目が合った。彼は興奮したように身を乗り出して「ハリエット・ポッター」と震える声で名前を呼んだ。ハティが返事をしようとしたその時、教授は積み上げた本から足を踏み外して、生徒たちの視界から消えてしまった。
「次はあのマクゴナガルの授業か……厳しそう。欠伸一つしただけで、罰則食らいそうじゃない?」
「流石にそれはないだろうけど、睨まれるかも」
ロニーは大きな欠伸をしていたが、想像したのかぶるりと震えた。ハティは思わず苦笑いをした。
昨日の夜中は天文学の授業だったので、グリフィンドールの生徒たちはみんな眠気眼をこすりながら授業に出ているのだ。
「魔法史みたいな授業だったら、正直寝ちゃうかも」
「あたしはそんな勇気ないよ。魔法史と違って、ゼッタイこわーい顔で見られるし減点されそう」
ところがマクゴナガル教授による変身術の授業が始まると、二人の睡魔に負けるかもしれない。という心配は杞憂だとわかった。
マクゴナガル教授は厳格な教授だと言う最初の印象そのままに、初めて出会った時のように生徒たちを見渡すと毅然とした態度で言った。
「変身術はこれから皆さんがホグワーツで学ぶ魔法の中でも、最も危険で難解な分野の一つです。中には正しい理論で魔法を行使しなかったばかりに、一生変身がとけずに聖マンゴ病院に入院をする羽目になった生徒も過去にはいます。それほど危険な魔法だということです。いい加減な態度で私の講義を受ける者には勿論出て行っていただきます。二度とクラスにも入れません。よろしいですね」
マクゴナガル教授はそう言って杖を取り出すと、目の前の机を豚に変え、また元の姿に戻して見せた。
ハティは初対面でマクゴナガル教授が華麗に猫を豚に変える姿を見ていたので、他の生徒ほどの感動はなかったがマクゴナガル教授の厳しい言葉に張り詰めていた生徒たちは、感嘆と興奮に包まれていた。
無機物を有機物に変える術を持っていたならば、過去の大飢饉の際に魔法使いたちは食料を手に入れるのにたいした苦労はしなかっただろう。と思ったが、豚に変える魔法は生徒たちの学習意欲を向上させるパフォーマンスできわめて高等な魔法だったとハティは後に知ることとなる。
講義が開始すると、ものの数分でハティは変身術が杖をふりまわすだけの魔法ではないと知った。彼女が宣言した通り、非常に複雑な理論をハティ達は羊皮紙に綴らなければならなかった。この数日の授業で羽ペンの消費量に辟易していたハティはさっそく硝子ペンに切り替えていたが、周囲からは四苦八苦した様子で羽ペンを走らせたり、ポキッと折れることが聞こえてきた。
ハティは羊皮紙の内容を脳内で咀嚼しながらなんとか知識として落とし込もうと試みた。そうしているうちに、生徒一人一人にマクゴナガルからマッチ棒が配られた。
「これからみなさんにはこのマッチ棒を針に変えてもらいます」
早速、変身術の魔法を行使する機会がやってきた。
まずはマクゴナガルが板書したロジックを理解する――これは数学が得意であったハティには難しくなかった。そして、正しい発音と、腕の振り方と角度、イメージ。そのすべてが揃って魔法が成立する。ただ呪文を唱えればいいわけはないということは、これまでの授業を受けてなんとなくわかってきた。
「うーっ、全然針の形にならないよ! ハティはどう?」
「何となく理論が分かってきた気がする。やってみる」
銀色の針をイメージし、正しい角度・振り方で杖を振り下ろすとマッチ棒は一瞬ぶるぶると震え、そして鋭くとがった銀色の針に変化した。
「すごいよ、ハティ! どうやったの?」
「うーん、正しく理論を理解して、正しい発音、正しい杖の振り方、明確なイメージを描くことかな」
基本的なメタマルフォーゼが成功したのならば応用だって利かせられるはずだ。ハティは変身術の教科書片手に、今度は黄金の針をイメージながら杖をしならせた。銀色の針は再度ぶるぶると震え、金色の細い針へと変化した。
「素晴らしい、ミス・ポッター! 貴方には変身術のセンスがあるようですね。ごらんなさい、みなさん。この針の尖り具合と、黄金の色——非常に完成度の高い針です。そして色を変えるという応用をもう見せてくれました。よろしい、グリフィンドールに五点差し上げましょう」
マクゴナガルの言葉に、ロニーはわがことのように喜んだ。結局、授業が終わるまでにマッチ棒を針に変えられたのはハティとハーミスだけであった。ハーミスはまるで敵視でもしているかのように、終始こちらを睥睨していた。同じ寮なのに。
昼食が終わると、次は闇の魔術に対する防衛術の授業のために四階へと向かった。
授業のたびに教室を移動するのは、ホグワーツ城が広大な分時間がかかった。かといって入学して間もないハティたちが教室への近道を知っているわけでもないので、ハティはロニーとともに昼食w急いで食べなければならなかった。そもそも、グリフィンドールの寮も八階になるので食事に行くだけでも一苦労である。
「ねーえ、闇の魔術に対する防衛術ってすごくつまらなかったと思わない?」
「本当に。なんなの、あのニンニク臭い部屋。クィレル本人までニンニク臭がするんだけど、そんなに旅先のことがトラウマになってるのかな」
ロニーがべーっと舌を出した。
生徒たちが最も楽しみにしていた闇の魔術に対する防衛術は肩透かしであった。教室はにんにくの匂いが充満していて息のできないほどだし、クィレルは教科書を朗読するだけで授業は終わってしまった。
授業の前半はほとんどクィレルの自己紹介で「私の趣味は旅行です」という話題に始まり、魔法とは関係のない旅先での食事や文化の話が始まった。頭に常に巻き付けられたターバンや一年間放浪していた理由について生徒が質問すると、しどろもどろにクィレルは言葉を濁すのみであった。
「トラウマって?」
「ルーマニアでヴァンパイアに襲われたって話。前はあんな風におどおどした人じゃなかったんだよ。変なターバンも巻いてなかったし、普通のマグル学の教授をやってたんだって。それが一年間、旅に出て帰ってきたらああなってたの。相当なトラウマだったんじゃないかって」
「ヴァンパイアって、美女しか襲わないんだと思ってた」
ハティがぷっと吹き出すと「何言ってんの、ヴァンパイアは雑食だよ」とロニーはきわめて真面目な顔で言った。
美女のみを襲うという説は、マグルが美化した内容に違いない。
「それより、マクゴナガルの課題が多いよお。うちの寮監なのに、なんであんなに容赦ないのさ。ねえ、さっきパールバティたちと変身術の課題を分担しながらやろうって話してたんだけど、ハティも来るよね?」
「生憎、読書愛好家の集いに呼ばれてるの」
ハティが教材がぎっしり詰まったバッグを肩にかけて立ち上がると、ロニーはなんじゃそらという顔をした。
つまり、本の虫同盟の二人である。