転生者は割と詰んでる世界を全力で楽しむようです。   作:柊 詩音

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なんとか続きができました。
今回もお楽しみいただけると幸いです。


2話「作り出せ無敵の機体」

 

 

 

『で?どのようなロボットにするのですか?』

へっ…そんなの決まってらぁ。

「リョウ君がスーパーロボットだからな。俺は毛色を変えてリアルロボット寄りにしようかと思ってる」

『スーパーだの、リアルだのはよくわかりませんが早めに取りかかりましょう』

この総体ノリノリである。

『正直あんなものが進化で産まれるとは思いませんでした』

総体でもわからないのか?

やはりあの恐竜変異体は特殊個体か。

『で、あれば早急に手を打たねばなりません』

「伝承の竜をモチーフにする変形ロボットだ」

『貴方は会話が下手なんですか?私が喋ってる途中でしょう…で?それはどういうロボットなんですか?』

「後にエリア51で制作されるβ(バハムート)とよばれる四足歩行竜型のロボットがある。

それの試作機みたいなイメージだ」

『なぜ完成形があるのに、発展するのではなく退化してるんですか?』

まるで意味がわからないと言いたげな声色に頭を抱える。

「先にこちらが完成させておいて、エリア51にいる者にβを極限まで改修してもらうためだ」

『なるほど。貴方がどこまで知ってるのか本当にわからないですけど、こちらの機体情報を逐一送りましょう。座標が分かっているのであれば先ほど行なったみたいに量子テレポートの応用でいけます』

テレポートなぁ…あれ慣れないんだよな。

なんだよ、Gエネルギーの光に飲まれたらどこへでも飛べるって…超常現象すぎるだろ。

「なら、その名を宣言しよう。終わりなき戦いに終止符を打つ存在…“永久決戦魔龍α(アジダハーカ)”」

伝説の魔龍はまだ眠っている。

 

 

 

「今のは…一体」

自らの身体に溶け込む光と共に、とてつもない脱力感が襲う。

まだ息が整わない。

一通り暴れたとは言え倒したのはあのデカブツだけ。

雑魚どもはいつ群がってきてもおかしくない。

ダメージが抜き切っておらず、途切れそうになる意識を気合いで繋ぐ。

「ぐっ…!」

地を這いずる度に体を突き刺すような痛みに喘ぐ。

「…ッ!?ゴボッ…」

口の中に広がる鉄の味に、むせ返してしまう。

微かに聞こえてくる奴らの声。

もう、群がってきやがったか。

「ハイ…エナども、め」

加速しながらこちらに近づく変異体。

小型中型大型、その群れの数1000はくだらない。

脳裏に蘇る死のイメージ。

嫌だ…。

あの日、生涯をベッドの上で終えた瞬間。

二度と、死にたく…。

二度目の生。

転生を果たしたと言うのに。

自由に動ける身体を得たと言うのに。

死にたく無い。

 

「そのまま這いつくばってろ」

一閃。

光が変異体を穿つ。

二つの近未来的拳銃を携えた茶髪の男が対峙した。

「ちっ…最新兵器とは言え、この数には意味ねえな」

銃を投げ捨て拳を構える。

「それ拾っとけ。動けなくても護身くらいにはなるだろ」

『オペレーター5よりアスカさんに通達です。

当ポイントのG変異体を殲滅、新型装備のレポートをお願いします』

「小型、中型、大型の大規模な群れだ。ここら辺が縄張りだったのかもな…新型は数が多すぎて使い物にならねえ、普段使いなら満点を出せるレベルだと思うぜ」

彼は冷静に状況報告を続けながら変異体の頭を的確に潰していく。

一つ二つ三つ…その全てを一撃で葬っている。

あるものはその蹴りを受け、あるものはその拳で、またあるものはその頭蓋で。

まさに、全身凶器である。

これこそが現代のSランク解放者(リベレイター)アスカ・ミナトの実力だった。

彼の異能は“超再生”。

一見強さとは紐付か無さそうだが、その真価は“脳のリミッターを外付けの機械で強制的に外し、肉体への負荷を異能で打ち消す”という点だ。

戦闘持続可能時間はおよそ1時間。

足りない時間はG型武装を用いて殲滅する。

「それと負傷者1名だ。Aランク以上の奴らを最低2名寄越せ、足手纏いを抱えつつこの物量は骨が折れる」

そう言いつつも変異体の群れに対して最善手を打ち続けている。

常人ではこの物量に対し10秒と持たず戦死したことだろう。

『オペレーター5より各Aランク以上の解放者(リベレイター)に緊急通達。ポイントS-23にて大規模な群れと交戦、負傷者1名の救助に向かってください』

「ってわけだ。せいぜい死ぬなよ?死に損ない。これは余談だが、自身の許容量を大きく超えるGエネルギーを与えられた時、器が耐えきれず崩壊するという性質がある…上手く使えよ?それ」

「くっ、無茶を言いやがる」

霞む目の中、銃を構えた。

 

 

大型バイクのような乗り物、Gモービルに乗った少女が二人。

荒廃した街の中を走っていた。

『オペレーター5より各Aランク以上の解放者(リベレイター)に緊急通達。ポイントS-23にて大規模な群れと交戦、負傷者1名の救助に向かってください』

黒髪の少女はGブレスからの緊急通信にGモービルを停止させる。

「あ、あの…」

「すまないが私は戻らなくてはいけない」

Gモービルをオートパイロットモードに設定する。

『オートパイロットモードに移行します。目的地をリベレイトギルドに設定しました』

「これで、安全に帰れるはずだ」

「で、でもあんな危ないところに戻らない方が」

「負傷者はきっとリョウのことだ。あいつは生きてる、急がねば」

「そ、そんな…」

「では、ギルドで会おう」

彼女の返事を聞く前に異能を解放する。

髪が青色に染まる。

その姿は迅雷、圧倒的な速さで地を駆ける。

あの場所、自らを賭して道を切り開いてくれた少年の下へ。

 

 

「くっ…!」

なんとか、座り込み引き金を引く。

発射されたGエネルギーは着弾箇所を中心に爆発する。

「なんか威力違くないか!?」

彼が撃つ時とは違う。

脳天を撃ち抜く貫通力と周囲の爆発。

使用者によってこうも違うのか。

「俺もそれについては知らねえよ」

なんであの人は俺が倒す量に対して三倍差もつけられるんだろうか。

「おい、余所見すんな!」

一瞬だった。

限界を超えた戦闘に刺される隙。

死角から小型種が一匹。

「やっば…」

視界が影に覆われる。

だがそれは蒼い稲妻により霧散した。

「リョウ!」

「レイカ…先輩!?」

刃の軌跡は蒼く煌めく。

「早くここから離れるぞ!」

俺を小脇に抱えて光の速さで駆けていく。

そこで張り詰めていた意識の意図が切れた。

「俺は置き去りか?……オペレーター5へ伝達。負傷者の保護に成功、当ポイントを離脱する」

『状況を把握しました。5カウントの後、離脱をお願いします』

5秒か。

あと30体はやれるな。

「もう少し遊んでやるよ雑魚ども」

彼の姿が見えなくなる頃には100を超える死体の山が出来上がっていた。

 

 

 

Gエネルギーは人類を進化させた。

2020年以降に産まれた新生児達には、微弱なGエネルギーを浴びせる事を義務付けられている。

その背景には人類をさらなる次元へと進化させる目的があった。

Gエネルギーの効能により、その人毎に適正が高い異能が発現。

この時代から産まれた新生児達を“新人類”と定義し、それまでの人類を“現人類”と公的に定められた。

全ての新人類が異能が使えるわけではない。

全体のおよそ20%は異能が発現せず、異能持ちには“モドキ”と呼ばれ蔑まれてる。

2022年に地球上に存在する全Gエネルギーが暴走し、人類以外の動物を強制進化させた。

動物たちは“G変異体”と呼び、犬猫サイズを“小型種”鹿や猪サイズを“中型種”熊サイズを“大型種”と定義された。

G変異体の最大の特徴は異常なまでの人類への執着だ。

僅か3年で世界の人類の殆どが死亡し、残る人類はここ“東京”にいる30万人程となってしまった。

2023年、G変異体の強襲へ対抗すべく日本は首都東京都を中心に30kmの範囲をGエネルギーで構成された特殊なバリアを形成して地球人類の最終生息域を確保した。

各国はこれに続こうとしたがノウハウが無く、遂には確立できず滅亡した。

2040年、政府は初の新人類によるG変異体掃討作戦が開始された。

少なくとも東京を中心とした50kmの範囲を生存圏として確保しなくてはいけない思惑があったからだ。

2054年を境に新人類の中でも群を抜いて戦闘に特化した異能を持ったものが現れる。

人類は殺し殺されの関係を築き、政府は2060年に14歳以上の戦闘型新人類は人類生存圏を確保する為に学業と並行して規定エリアのG変異体の殲滅を命じた。

以降25年間で人類の生存権は東京を中心に50km圏の制圧を完了。

政府は今後の目標として、関東圏の完全奪取を掲げている。

 

 

翌日。

異能者が集う開拓の砦リベレイトギルド。

そこに常駐している四人のSランク(最強)

茶髪の男、短い青髪の女性、長い金髪の女性、桃色ツインテールの女性が円卓を囲んでいた。

「集まったようだな」

「さっさと本題に入ろうよー」

「フタバちゃんも疲れてるし、私も疲れてるからさ」

「まあ言わずともわかりますけど、あの恐竜型変異体ですわね」

「ああ、ぐっすり寝て死にかけだったバカも起き上がったことだろうし…参考人を連れてこい」

彼が扉の前にいる職員に声をかけると、すぐにその姿を現す。

そこには前日の痛々しい姿から一変して、大人しい少年が佇んでいた。

 

昨日の戦いから目覚めたら、お偉いさんに呼び出されました。

意味がわからないよ?

「よぉ、昨日ぶりだな」

「助けていただきありがとうございました!」

気にすんなと手を軽く振っている。

「あんな爆心地でよく生き残ってたね〜?」

「貴方には聴きたいことが沢山ありますので」

「さっさと本題行こうよ」

知らない人多いよ!?

「改めて自己紹介だ。アスカ・ミナト、異能は超再生」

「フタバ・スズキ、異能は収束。よろしくぅ〜」

桃色ツインテールのメスガk…少女が覗き込んでくる。

「よろしくお願いします」

「アヤ・キサラギ、異能は未来視。適当によろしく」

青髪の女性がひらひらと手を振っている。

「よろしくお願いします」

「私はサヤカ・ミキです。異能は因果律操作を行えます。よろしくお願いしますね」

金髪の女性が、…ん?因果律操作??

「よろしくお願いします。ご存じかと思いますが、リョウ・サカキです。異能はありません!ご迷惑をかけますが改めてよろしくお願いします!」

「早速だが、恐竜タイプと巨大兵器の戦闘を間近で見た感想は?」

「早速すぎません?」

「さっさと帰りたいからね」

「えっと…人智を超えたトンデモパワーって感じです」

「まあ見たまんまだよね〜」

魔女狩りしてるのか?

あのロボットは俺が操作してます…って言っても信用するわけねえしな。

 

その時だった。

突如として建物全体に轟音が鳴り響く。

『マスターオペレーターより、館内に緊急アラート。昨日と同様の50m級変異体が出現。Sランク解放者(リベレイター)の皆さんに討伐の指揮を一任します』

右手に熱が帯びる。

まるで、出番を待っていることを伝えるように。

なら、やることは一つ。

「作戦が決まるまで俺が時間を稼ぎます!」

「あ、おい!」

部屋から駆け出し、出動ゲートに急ぐ。

「あの、馬鹿」

「ああ言うのを死に急ぎって言うのかな」

「彼の為にも早急に策を練りましょう」

「じゃあ〜5分で決めちゃおう!」

どこか緊張感の無い最強達がモニターに映る変異体を見つめていた。

 

 

ゲート前の装置にGブレスを翳して自動ドアを開け、中に入る。

そこにあるのは全長約3m程の超大型二輪Gモービル、運転の為には車体のハンドル部にあるディスプレイでGブレスの認証をする必要がある。

画面には認証を受け付けた表示がされており、専用のヘルメットGフェイスの装着を促している。

「認証を受け付けましたので、こちらを装着してください。」

整備員から渡されたGフェイスを装着し、右耳部にあるボタンを押して起動させる。

これにより、フェイスガードのHUDに情報が展開される。

「Gフェイス、セット、レディ」

『Gフェイスの起動を確認しました。以後、オペレーター3がナビゲートを担当します。本日はよろしくお願いします』

「お願いします」

Gフェイスから本部との通信が開始される。

これによりリアルタイムで切り替わる任務へのスムーズな対応が可能となる。

『オートパイロットモードへ移行します』

『こちらオペレーター3。発進準備を完了しました』

Gモービルに搭乗し、グリップを握る。

「こちらGモービル、発進できます」

『わかりました。B-2ゲートオープン、ゲートが完全に開いてから発進してください』

オペレーターの案内とともに前方の壁がせり上がる。

まばゆい光が差し込み、その景色が入り込む。

「ゲート完全開放しました。発進してください」

手に持った誘導灯を大きく振らしながら整備員は声をかける。

「Gモービル発進!」

アクセルを回し発進させる。

『そのままBルートからGバリアまで通行してください』

「了解」

機体は双角の獣を討つために加速し続ける。

「このままじゃ間に合わないかGブースターを使用します!ルートをBルートからFルートに変更を申請します!!」

Gブースター、Gモービルの急加速装置。

その速度はおよそ三倍ほど上昇する。

『しかし、Fルートは飛行用で』 

「奴はすぐそこです。少しでも時間を稼ぐ為には上からの強襲をする必要があります」

まだ加速が足りない。

「Gハイブースター使用!ルート変更を!!」

『わかりました。…Fルートへ変更します!』

さらに加速する機体。

その速度は亜音速に達する。

『まもなくGバリアに到達します。限定開放を行いますので通過しましたら連絡をお願いします』

視線の先にはドーム状の壁があり、およそ300mほどのところで通信が入る。

『接触までのカウントを行います。10、9、8、7、6、5、4、3、2…Gバリア限定開放します』

辿り着くと同時にバリアに穴が開く。

飛翔。

変異体の目の前に飛び出す。

そして、右手の光が一際強くなる。

巨人は今か今かとその出番を待ち望んでいる。

「チェェェェンジッ!ダイナミィィック!!」

あの時と同じように巨人の身体が生成されていく。

ただ前回と違うのはGモービルがコックピットになったことだ。

後輪が背もたれのように変形する。

そして、Gモービルの耐衝撃性能によりコックピット内の安全を確保。

「ぶっつけ本番だったがうまくいったぜ」

巨人の瞳に光が灯る。

「ダイナミック!G!!」

護国の巨人が再び立ち上がった。

 

「50m級巨大兵器出現!」

「周囲1kmのGエネルギー消失を確認!」

「昨日の個体と見て間違いありません」

管制室のあちこちから謎のロボットに対するデータ、動向、その一挙手一投足について怒号のように鳴り響く。

「あの死に損ないが…あれを?」

全身が傷だらけ、血の池を作っていた男。

リョウと名乗っていたか。

前日のティラノ、そして目の前のトリケラ。

デカブツと戦うためだけにあれを手にしたってわけじゃねえだろうな。

「すっごいね。確かにあんなので戦えるならSランクなんかどうでもよくなるよ」

「でもでも、会った時とキャラ違くない?あんなにアスカみたくヤンキー気質だっけぇ?」

「黙れフタバ」

「おそらくGエネルギーの過剰摂取」

なるほど、Gエネルギーは人類に異能という新たな力を与えている。

それを大量に食らったら人家が変わるくらいあり得る話だ。

「まあなんにせよ、だ。これで敵かどうかはっきりする」

モニターに映る黒鬼はその力を振るう時を今か今かと待っている。

 

 

 

「へっ来やがれ化け物戦車」

鋭く歪な角が急激に伸びる。

「なっ!?」

巨人の腹が突き破られる。

自身の脅威とも言える存在に大ダメージを与えたというのに、その歩みを決してやめない。

「くそっ…狙いはあくまでGバリア、東京ってことかよ」

巨人を突き刺したまま走行を続ける変異体。

その瞳は遠い光に向けられていた。

「そっちがその気なら!」

巨人の右腕が回転し始める。

そして、その鉄槌がくだされる。

「ダイナミックスマッシャー!」

グチャグチャと不快な音を立てながら、頭部を破壊した。

脳があったと思われる内部はこの一撃で空洞と化した。

「ざまあみろ」

変異体は致命傷を負った際、活動を停止する。

その筈だった。

「なんでまだ動いてやがる…!?」

その走行は一切の速度を落とさず一心不乱に目的地を目指していた。

「ちっ、ダイナミックビーム!」

巨人から放たれる一筋の閃光。

獲物を突き刺していた巨大な角が折れた。

「ぐっ…」

轢き潰される寸前、なんとか回避できた。

この間にも距離はどんどん広がっていく。

直してる暇はない、攻撃に転じる。

どうにかしてあいつの動きを止めねえと…

何か手はないか…手?

「右腕が飛ぶなら、左腕だって何かねえとなぁ!」

創造するのは錨。

相手に掛けることで綱引きの状態に持ち込む。

「ダイナミックアンカー!」

左腕から射出された錨は風穴の開いた頭部を捉えた。

力づくで止めようとするが、僅かに変異体の方が強かった。

歩みは遅くなるがそれでも東京を目指して止まらない。

「ぐっ……これでも、ダメか」

ズルズルと引きずられていく。

悔しいがようやく理解した。

やはり前回と同じ、細胞の一つ残らず消滅しない限り恐竜タイプの変異体は活動をやめない。

ダイナミックファイヤー、ダイナミックビームどれも決め手となるポテンシャルはある。

だが、重要なのは消滅までの時間。

あの耐久力の前には焼き尽くすにも、爆発させようとも時間がかかりすぎる。

それでは、倒し切る前にGバリアに到達してしまう。

奴はこちらの残存エネルギー全てを使わないと倒しきれないだろう。

「消滅、破壊…崩壊……崩壊?」

その時、アスカさんが言っていたことを思い出した。

“自身の許容量を大きく超えるGエネルギーを与えられた時、器が耐えきれず崩壊する。”

当初予定していたダイナミックGの残存エネルギー、その全てを注射のように流し込めばいい。

右腕内部にエネルギーを充填、これをシリンダーの役目として。

それを押し出すプランジャーを生成させる。

あとは注射針に当たる部分を生成すれば良い。

つまり、ロボットでこの構造の武装は一つしか思い浮かばない。

パイルバンカー。

右肘から手の甲にかけて、一本の鉄杭が生成される。

その原理は先程のイメージを模しており、鉄杭が与える衝撃と同時に巨人の残存エネルギーを全て一度に与える大技が生まれた。

狙いは一点、拳で砕けたあの頭蓋の中。

そうと決まればやることはひとつ。

「ジャンプ!」

砂煙を上げながら跳躍し、奴の前方500mの位置に移動する。

「そんなにGエネルギーが食いたいなら、たらふく食わせてやらぁ!」

アンカーを強制的に巻いていく。

奴の歩幅が狂う、完全にペースをこちらに引き込んだ。

あと、100m。

「これでトドメだぁっ!」

巨人が右腕を振りかぶる。

あと10m。

「ダイナミックゥ…バンッ!カァー!!」

0。

ドンッ!と、それは終末を告げる鐘のように響き渡った。

脳天に突き刺さるのと同時に膨大な量のGエネルギーが流れ込む。

緑の閃光が辺りを包み込み、それが収まる頃には。

腕を突き出したまま役目を終えた巨人が佇んでいた。

 

 

爆破する直前、少年は見た。

中にいた黒い蠢く何かを。

 

 

 

『おっ、あのロボットの戦いが終わったみたいですね』

「何!?なんで教えてくれなかったんだ!」

『言われませんでしたし』

このポンコツがぁ!

うっわぁ…見逃しちゃったよ。

ギルドに録画無いかな……。

 

 

 

Tips

ダイナミックビームとはダイナミックGの両目から放たれる局所破壊用ビーム兵器である。




次回もなるべく早く執筆できるように頑張ります。
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