しばらくすると、それから救助用の飛行船が横付けされ、ようやく地上に降りることができた。
大立ち回りの結果、銀さんは片腕負傷、星海坊主さんは全身に火傷及び多数の打撲、神楽ちゃんは脇腹の裂傷、新八君は打撲等々全員満身創痍である。
唯一の無傷なのが、私とハタ皇子の側近の人。
ぼーっとターミナルを眺めている。
今は神楽ちゃんの手紙タイムと新八君の家族発言タイムだろう。
部外者である私が混じる隙間はない。
そーいえば砲撃発射の時、銀さん私を庇ってくれたな。今更恥ずかしくなってきた……。あの時は 必死だったから良かったけど。のたうち回りたい……。
えっと、真選組忙しそうだなぁー。えいりあんの残骸大量だしって。
「刀!」
握りすぎてつい違和感なく持ってるけど、抜身の刀をずっと持ってる危ない人だ、これ。
ターミナルの正面で事後処理を行っている真選組のところまで走っていく。
現場での処理はもっぱら土方さんがしており、後ろで立っているだけの近藤さんは暇そうだったので遠慮なく話しかける。
「近藤さーん、すみません刀借りっぱなしで……」
「ん? おお忘れてた」
「武士の魂を勝手に借りてしまって……ごめんなさい」
「いいってことよ。護りたいものは護れたか?」
刀を受け取りながら、まっすぐな瞳で見つめてくる。
きっとこの瞳にみんなやられたのだろう。この人の前では素直になれる。
「全然です」
「そうかー」
正直に気持ちを打ち明けると、豪快に笑い飛ばしてくれた。
本当は誰一人怪我なんてさせたくなかった。そして心も守りたかった。
近藤さんが笑い飛ばしてくれたお蔭で少し気持ちが楽になる。
「万事屋はどうだ?」
「出ていくことにします。済みません、せっかく住む場所用意してくれたのに」
「そうか……。俺はいいんだがな、トシには伝えておけよ」
「土方さんですか?」
一番勝手にしろって言いそうな人なんだけど???
「お前を保護するように俺に進言したのもトシだし、万事屋に依頼したのもトシだぞ」
「え?」
「詳しくは知らんが、お前を見ているとガキの時分を思い出すんだろう。誰にも懐かない野良猫みたいな奴だとこぼしていた」
「そうですか……教えてくれてありがとうございます」
バラガキ土方十四郎。確かに誰にも懐かなそうだな。
私のは懐かないように頑張っているだけなんだけど、傍から見たら一緒に見えるのだろうか。
なんだかな……。
「もう行くのか?」
「はい、みんな待ってると思うので」
「そうか、今度屯所に遊びにこい」
「そうします。土方さんに援護射撃ありがとうございましたって伝えておいてくれますか?」
「おう、じゃあ、気をつけてな」
「はい」
手を振って別れると、神楽ちゃんと別れて独り歩く星海坊主さんを見つけた。
「星海坊主さん! お願いが……私も宇宙に連れてって下さい!」
振り向いた星海坊主さんは少し寂しそうだったけど遠慮なく要求を突きつける。
大丈夫、きっとこの人はタフな人だから。
「お前は万事屋の元ホームレス」
「黒島キリです」
そーいえば、ちゃんとした名前紹介してなかった気がする。
「地球は少し居心地が悪くて……連れてってくれませんか?」
「俺にはずいぶん居心地が良さそうに見えたんだけどな」
「柔らかいソファーって長い間座ってると疲れてくるでしょ? 私、固めが好きなんです」
「訳は聞かないが、まあ、世話になったしな」
そういって、胸を摩る星海坊主さん。
ばれてないと思ったのにな……。
「そーして頂けると助かります。後、私パスポートとかないんですけど何とかなります?」
「そうか……まあ大丈夫だ。えいりあんばすたー星海坊主の名前は伊達じゃないんだ」
「ありがとうございます」
「追って日にちは連絡するが、万事屋でいいんだな?」
「はい、じゃあ皆まってるみたいなので」
「気を付けて帰れよ」
「星海坊主さんもお大事に」
手を振って別れると、皆が此方を向いて待っていてくれた。
「パピーと何の会話してたアルか?」
「ん~……今は内緒。後でね。ちゃんと教えるから待っててね」
「わかったアル」
少し寂しそうな神楽ちゃんの頭を思わず撫でてしまう。
父親と別れる決心をしたばかりの神楽ちゃんに、星海坊主さんと宇宙に行きますと告げるのは少し難しかった。
「よし、帰るか」
「「「はい」」」
「キャウン」
万事屋リーダーの掛け声でぞろぞろと歩きだす。