幻想ベースボール   作:シャワーランプ

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粘り抜いた栄光 13球目の奇跡

 

4回裏 博麗結界ガーディアンズの攻撃

 

スコアボードには、先程刻まれた[2]という数字が冷酷に光っていた

 

ベンチに戻った霊夢は未だ一言も発さない、ただどこか遠くを眺めるような空虚な瞳でグラウンドを見つめているだけだった

 

重苦しい空気がベンチを支配する中、霧雨魔理沙が ゆっくりと立ち上がった

 

魔理沙「……やれやれ、このままじゃお通夜だぜ」

 

魔理沙はヘルメットを被り、愛用のバットを握りしめながらバッターボックスに立つ

 

対してマウンドに君臨するのは今日の試合、攻守において存在感を見せる鬼、星熊勇儀が立っていた

 

彼女から放たれるプレッシャーは、怖いもの知らずな魔理沙でさえも気圧すほどのモノであった

 

魔理沙「かかってこいよ、勇儀!鬼退治の時間だぜ」

 

魔理沙のその挑発的な声がスタジアムに響き渡る

 

初球、勇儀から放たれた豪速球がミットを叩く

魔理沙は迷わずスイングを仕掛けるが、伸びのある直球に空振り、2球目もスイングを仕掛けるが落差の激しいフォークにまた空振り

 

魔理沙はあっという間に追い込まれてしまった、だがしかしここからが霧雨魔理沙の真骨頂であった

 

勇儀が投げ込む一球一球に魔理沙は必死に食らいついていく

 

時には170キロを越えるストレートをカットしたり、時には自分の視界から消えるようなフォークに食らいついたり、そうやってファールを積み重ねること実に12球

 

百戦錬磨の勇儀の顔に初めて苦い表情が浮かび上がった

 

星熊「しつこいな、魔理沙…だがこれで引導を渡してやるよ!」

 

13球目、勇儀が渾身の力を込めて投じた球はコース、球威、共に完璧なアウトローのストレート

 

普通の打者なら見逃せばストライク、振ればボテボテのゴロで終わるようなそんな最高の一球

 

だが魔理沙はこの時を待っていた

 

魔理沙「私は普通の魔法使いだ、特別な才能や能力があるわけでもない」

 

魔理沙「だがそんな私にも、誰にも負けないと思っているものがある、それは……」

 

魔理沙「諦めないってことだ!」

 

魔理沙はバットを最短距離で出し、今まで溜めていた力を一点に爆発させる

 

ーーカキンッ!

 

乾いた音がスタンドに響き渡った

 

魔理沙が振り抜いた打球は完璧な角度で舞い上がり、美しい放物線を描きながらスタンドに入っていった

 

魔理沙は確信歩きなどをせずしっかりと走りながらダイヤモンドを一周していく

 

ダイヤモンドを一周し、ベンチに戻ってきた魔理沙は、未だに塞ぎ込んでいる霊夢の前に立った

 

すると魔理沙はいきなり、霊夢の目の前で右手の拳を天に突き上げた

 

魔理沙「……見てたか、霊夢 ここからは私達の出番だぜ!」

 

魔理沙はニカっと歯を見せながら笑う

 

その言葉を聞いた霊夢は、ふっと息を吐いた

 

霊夢「……バカみたい、たった一点取っただけで何よその顔…」

 

案の定彼女の口から出たのは冷たい言葉だった

 

しかし、その瞳からは先ほどまで絶望しきった[虚無]は消えていた、そこにはめんどくさがり屋で、負けず嫌いで、凛とした博麗の巫女の光が宿っていた

 

 

 

4回裏途中

剛力鬼 3

博麗  1

 

1回表 星熊勇儀が先制のソロホームランを放つ 1-0

4回表 火焔猫憐が追加点となるツーランホームランを放つ 3-0

4回裏 霧雨魔理沙が反撃となるソロホームランを夜空に描く 3-1

 

幻想郷 剛力鬼

1 射命丸 文(中)

2 今泉 影狼(遊)

3 星熊 勇儀(投)

4 伊吹 萃香(三)

5 茨木 華扇(捕)

6 赤  蛮奇(右)

7 火焔猫 憐(左)

8 雲居 一輪(二)

9 奥野田美宵(一)

 

博麗結界ガーディアンズ

1 東風谷早苗(中)

2 魂魄 妖夢(二)

3 霧雨魔理沙(遊)

4 藤原 妹紅(一)

5 八雲  紫(捕)

6 庭渡久侘歌(左)

7 鬼人 正邪(三)

8 多々良小傘(右)

9 博麗 霊夢(投)

 

 

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