記憶【だけ】を引き継いだ記者系少女   作:扇谷

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セリアの自己紹介

  ルル
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だ、大丈夫ですか?

  ルル
_________
だ、大丈夫ですか?

 

  リア
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はい……ありがとうございます。

さっきは放心してて……。

  リア
_________
はい……ありがとうございます。

さっきは放心してて……。

 

ラウンジに入る前から既に衰弱・意気消沈といった具合の私に、メルルが声をかける。

 

ここは【玄関】、【監房】の漏れる光だけが頼りな一本道とは違って随分と広い。相当なお屋敷と見た。

少女たちと顔を合わせる余裕が無かったが、今こうして気づいてみると皆記憶で見たことがあるような奇抜な衣装を身につけていた。

見る限り、黒い軍服風の衣装、蝶があしらわれた衣装、王子のような黄金の衣装、明らかにお嬢様、などなど。

皆一様に特筆したような表情などはなく、私たちと同じようにラウンジに向かって歩いていた。

  リア
_______
(……どうりで重いと思った。)

  リア
_________
(……どうりで重いと思った。)

 

そこでふと気になったのが私の衣装だ。

少し下を向くと自分の装いが分かったが、どうもこれは典型的な新聞記者や編集者なんかをイメージしてデザインされている様子。サスペンダーでハーフパンツが留められており、それだけなら少しお洒落な外着で十分だと思うが、案の定衣装の節々に特徴的なアレンジが加えられている。いや、それでもかなりシックな仕上がりだ。着せ替え人形にされているのは腹が立つが……センスは良い。

それに何か肩が重いと思ったが、どうも私はポラロイドカメラを掛けていたようだ。デカい、これを今の今まで見落としていたとは思えないくらいには。

  リア
_______
(一体、この屋敷は人の私生活を

どこまで把握してるんだろう……?)

  リア
_________
(一体、この屋敷は人の私生活を

どこまで把握してるんだろう……?)

 

要するに私が新聞部に所属していた事実を、この牢屋敷は知っているのだ。

この牢屋敷は……存在価値も理由も不可思議で、正体がつかめず、末恐ろしい。

ずっとそうだ。

 

このことを考えるといつも心の中で形容しがたいものが燻って(ざわ)めく。

  リア
_______
(これ以上考えると頭が痛くなってくる……)

  リア
_________
(これ以上考えると頭が痛くなってくる……)

 

視界がぐらついて眩むような、内臓を力強く掴まれながら神経を冷やされるような奇妙な体調の悪さを感じながら私は、再会した囚人たちと共にこの強大な怪物(きおく)の胃の中へと着実に歩を進めた。

 

 


 

 

ラウンジ。悪趣味な装飾と真紅に包まれたその場所、光景には見覚えがある。もうすぐあのブラウン管の青みがかった光をバックにして【彼ら】がやってくるはずだ。

あの威圧的な光景が実は今起こっていることの説明とこれからのガイダンスを話す絵面だというのだから凄まじい。

齢一桁の私が当時、これをどれほど怖がったのか……ただ今だとその絵面【だけ】ではそれほど恐怖を感じない。それは成長の証か。

あるいは、あの妙に人間味がある平身低頭な態度にある程度絆されたからだろうか。

だがとにもかくにも、ついにやってきてしまったのだと。

 

幼少期から見てきた怪物が質量を以て私の前にやってきたという恐怖で、頭が窄むように痛む。

絵面が怖くないにしても、こんな地獄か殺処分しか未来が無いだなんて無慈悲に宣告された私にとっては十分耐えがたい空間である。

気を紛らわす目的でも、これから共に生活していく囚人たちを一瞥(いちべつ)していくことにした。

  ??
_______
ふんふふーん♪

  ??
_________
ふんふふーん♪

 

カラフルな少女がラウンジの立体物の配置を変えて遊んでいる。

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_______
っざけんじゃねえぞ!ぶっ殺してやる!

  ??
_________
っざけんじゃねえぞ!ぶっ殺してやる!

 

穏やかじゃない、ガラの悪い少女が今にも暴発せんと力強い独り言を吐き続けている。

 

他には藍色の、夜空をイメージしたのだろう、至る所で豪華にラフルがあしらわれたドレスを着る少女など。

ああ、彼女は印象深い。スマート・クールなヴァルキリーかと思いきやその実やり方が不器用な少女、なのらしいが。実際には正直、威圧的に見える。

後は……そう。一番見覚えがある二人。

【桜がその衣装にあしらわれた銀髪の女の子】と……。

時折彼女のことを恨めしく睨み、さっきは彼女を強く押し倒して突き放しさえした、【赤い百合と王冠が特徴的な少女】。

彼女たちは前世、いわゆる【主人公】のような役割だったと記憶している。

そう二人だ。ただよく覚えていない、この世界ではどちらが先に、どんな形で居なくなるのか分からない。

 

何とはなしに二人のうち桜があしらわれた方を見ていると、いずれ人影が近づいてきた。

青い髪の探偵風の装いをした子。

  ??
_______
いやぁ~すごいですねっ

突然牢屋で目覚め!化け物に見張られていて!

  ??
_________
いやぁ~すごいですねっ

突然牢屋で目覚め!化け物に見張られていて!

 

心底笑顔で少し不気味に思う。

彼女のことも知っている。不謹慎で場にそぐわない表情を繰り返す奇天烈な探偵の卵。しかし友情に忠実で時に命さえ捧げる。

『……正直、あまりに現実離れしていて実際に会いたくはない方だった』と、【桜羽エマ】の両の手を握って勢いよく振るう彼女を見ながら思う。

  ??
_______
なあにが、高まっちゃいますよね~、ですわ!

  ??
_________
なあにが、高まっちゃいますよね~、ですわ!

 

今度は若草色の貴族のようなドレスを着た少女が近づく。

そして探偵の戯言(ざれごと)を甲高い声で批判しはじめた。

  ??
_______
やべーことになってるんですわ!

もっと危機感を持った方が良いんじゃないかしら!?

  ??
_________
やべーことになってるんですわ!

もっと危機感を持った方が良いんじゃないかしら!?

 

  ??
_______
……ふふっ

  ??
_________
……ふふっ

 

私の隣から笑みを漏らす声が聞こえる。

見るとそれは先にも見た王子風の装いをした少女、【蓮見レイア】だった。

彼女の声が聞こえたらしい、【ハンナ】がその顔を紅潮させながら顔をしかめて怒り出す。

  ンナ
_______
今笑ったのは誰でやがりますの!?

  ンナ
_________
今笑ったのは誰でやがりますの!?

  イア
_______
――いや、すまない。

少し変わった喋り方だなと思ってね。

  イア
_________
――いや、すまない。

少し変わった喋り方だなと思ってね。

 

前世で見たとは言え、やはり本物の芸能人となると思わず喉を固唾で鳴らしてしまいそうなほど緊張してしまう。正直すごく顔が良い。

  イア
_______
みんな初対面だと思うから、

良かったら自己紹介をしていかないか?

  イア
_________
みんな初対面だと思うから、

良かったら自己紹介をしていかないか?

 

――【自己紹介】。

 

つまり私が見たこの予言の、【14人目】という不確定的な存在が加わったそこで、その【私】という存在が、彼らの前で脚光を浴びるもの。

この先で何が起こるのか、私は知らない。だが、これは願望。()()()()()()()()()()()

私という個だけでどんな可能性へ曲がってしまうのかは分からないが、生まれ、選ばれてしまった私はそれを知る義務があるのだろうと――

  イア
_______
先に名乗らせてもらうよ。

私の名前は蓮見レイア。

  イア
_________
先に名乗らせてもらうよ。

私の名前は蓮見レイア。

 

――【自己紹介】は始まった。

  ンナ
_______
……ふんっ、遠野ハンナですわ。お見知りおきあそばっ……お見知りおきあそばせせ?

  ンナ
_________
……ふんっ、遠野ハンナですわ。

お見知りおきあそばっ……

お見知りおきあそばせせ?

 

█████████████████████

█████████████████████

█████████████████████

ちょっとお先によろしいかしら?

あなた、レイアさんと言ったわね。

いきなり人のことを笑うのは失礼じゃなくて?

ちょっとお先によろしいかしら?

あなた、レイアさんと言ったわね。

いきなり人のことを笑うのは失礼じゃなくて?

 

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す、すまない。そんな気にしてるなんて思わなかったんだ。

お手柔らかに頼むよ。

す、すまない。そんな気にしてるなんて思わなかったんだ。

お手柔らかに頼むよ。

 

█████████████

きっ、気にしてないし……っ

きっ、気にしてないし……っ

 

  ェリー
_______
はいはーい!私は(たちばな)シェリーっていいますっ。

事件があるところに私あり!

この名探偵にお任せください!

  ェリー
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はいはーい!私は(たちばな)シェリーっていいますっ。

事件があるところに私あり!

この名探偵にお任せください!

 

███████████

名探偵ぃ??あなたが?

名探偵ぃ??あなたが?

 

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████████████████

そうですよ!えっへん!

なんせミステリマニアですからね!

そうですよ!えっへん!

なんせミステリマニアですからね!

 

度々小言が挟まれながらも挨拶、また挨拶と、レイアに指名された皆々の素性が明かされていく。

人の名前はこの15年間を経て忘れかけていた部分もあったので、こうして自己紹介の機会があるのは嬉しい。顔を覚えるためにも【魔女図鑑】なども確認しておこう。

 
_______
ボ、ボクは、桜羽(さくらば)エマ!

 
_________
ボ、ボクは、桜羽(さくらば)エマ!

 

エマが気を張ったように名前を伝えている様子を側から見ていると、いつのまにか隣にいたはずのメルルがいなくな――彼女に近づいていた。

  ルル
_______
わわわ、私の名前は、ひっ、ひっ、ひ……

氷上(ひかみ)、メルル、です……っ

そ、それで、エマさん……

  ルル
_________
わわわ、私の名前は、ひっ、ひっ、ひ……

氷上(ひかみ)、メルル、です……っ

そ、それで、エマさん……

 

言葉を詰まらせながらエマに怪我のことを伝える。そういえば彼女は、隣に凛然と佇んで顔をしかめている【二階堂ヒロ】に突き飛ばされていたはずだ。さっき見た。

  ルル
_______
痛くないですか?大丈夫ですか?

  ルル
_________
痛くないですか?大丈夫ですか?

 

 
_______
あ、ありがとう。

 
_________
あ、ありがとう。

 

メルルが膝立ちになってエマの右ひざに手を当てると、光と共にその傷がみるみる回復していった。前世だとここは立ち絵でしか描写されていなかったが……実際に見ると、確かに、いきなり目の前で膝立ちになるなど何をするつもりなのか分らなくてびっくりする一面だ。

 

――パシャリ。

せっかくなのでポラロイドカメラを手にしてその治療の様子を撮影してみた。ちゃんと写真には発光した手まで写っている。

私が出した異音にいくつかの少女たちは一度目をうつしたが、その後すぐさまエマの治療を終えてうずうずと顔を下ろし立ちすくむメルルへ視線を戻した。

そしていずれレイアがわざとらしく咳払いをし、場を仕切りなおした。

  イア
_______
……その不思議な力についても詳しく聞きたいところだけど、

他の子も残っているね。お互いの自己紹介を優先しよう。

次は……キミ、いいかな?

  イア
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……その不思議な力についても詳しく聞きたいところだけど、

他の子も残っているね。お互いの自己紹介を優先しよう。

次は……キミ、いいかな?

 

  リア
_______
あやっ……私が、ですね。

  リア
_________
あやっ……私が、ですね?

 

そう演劇のように声を張って、身振り手振り大げさな彼女の視線は私に向いていた。……私か。

何を紹介すべきか、そしてその紹介の順序を頭で早急(さっきゅう)に構築する。

  リア
_______
情報共有は新聞部で部長をしていた私にお任せを。

私は椣原(しではら)セリア、というものです。

  リア
_________
情報共有は新聞部で部長をしていた私にお任せを。

私は椣原(しではら)セリア、というものです。

 

  イア
_______
情報共有か。それについてもおいおい話しておこう。次は……

  イア
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情報共有か。

それについてもおいおい話しておこう。

次は……

 

カラ元気で何とか調子よく答えたが、上手いこと馴染めた、かな……?

実際、既にここでの活動もある程度目途は立てている――、私はここでも新聞を書く。

こういった緊急事態で【情報】は大切な財産になり、それを取材・頒布する人間はより貴重となる。その代わり狙われやすくなるかもしれないが……こうした事態ではできる限り貴重なニッチを取り、信頼を得ようとするのが良い。

まず私やりたいし。これは嘘偽りない本心。

 

ただ……そうなると中学とはまた異なった活動が必要か……。まずは……まずは……、そんな風に立ち上げ方を思案している矢先に他の少女たちの自己紹介が続々とやってきた。

 
_______
あー、あてぃし?

あてぃしの名前は沢渡(さわたり)ココね。

んで、あんさぁ――

 
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あー、あてぃし?

あてぃしの名前は沢渡(さわたり)ココね。

んで、あんさぁ――

 

確かここで、レイアが芸能人であることが周知される。

 

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███████████████████████

やっぱりー、すごい!生芸能人初めて見ましたっっ

サインください!

やっぱりー!すごい!生芸能人初めて見ましたっっ

サインください!

 

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ちょ、ウゼーなおめえ!

あてぃしが先に見つけたっつの!

ちょ、ウゼーなおめえ!

あてぃしが先に見つけたっつの!

 

  リア
_______
ええと……やりづらいな……佐伯ミリアだよ~?

よろしくね~、あはは……はぁ。

  リア
_________
ええと……やりづらいな……

佐伯ミリアだよ~?よろしくね~、あはは……はぁ。

 

  ーゴ
_______
私は宝生マーゴよ。

可愛い子がいっぱいで、舌なめずりしちゃいそう。ウフフ。

  ーゴ
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私は宝生マーゴよ。

可愛い子がいっぱいで、舌なめずりしちゃいそう。ウフフ。

 

  リサ
_______
チッ……紫藤(しとう)アリサ。

おめーらと馴れ合うつもりはねーから。

  リサ
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チッ……紫藤(しとう)アリサ。

おめーらと馴れ合うつもりはねーから。

 

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アリサさん、ですよね。どうしてマスクを?

顔を見られるとマズいんですか?

アリサさん、ですよね。どうしてマスクを?

顔を見られるとマズいんですか?

 

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うっせえな、おめえに関係ねーだろ。

うっせえな、おめえに関係ねーだろ。

 

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えぇー、とっても気になります!

名探偵の血が騒ぐんです!

えぇー、とっても気になります!

名探偵の血が騒ぐんです!

 

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それ以上絡みやがったら殴るぞてめえ!!

それ以上絡みやがったら殴るぞてめえ!!

 

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キミたち、諍いはよそう!

キミたち、諍いはよそう!

 

あわや、わざと絡みに行く彼女のデリカシーの無さから辺りが若干張り詰めた空気になりかけたが、レイアがエスカレート寸前の二人を諌める。この光景も、実際に彼らが眼前の時空で生々しく動いている以外は寸分違わず記憶通りだ……った気がする。

これから起こることを鑑みようと、この世界は私にとって現実だ。

だが一方で、ただの盤面に積み上げられた描写の連続として捉えてしまうような自分もいて。困った、どうしよう。

何はともあれ流石に死にたくはない。

  ンアン
_______
『わがはいは夏目(なつめ)アンアンである。

 以降、どうか話しかけないでいただきたい』

  ンアン
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『わがはいは夏目(なつめ)アンアンである。

 以降、どうか話しかけないでいただきたい』

 

  ノカ
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黒部(くろべ)ナノカ。

  ノカ
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黒部(くろべ)ナノカ。

 

  階堂
_______
私の名前は、二階堂(にかいどう)ヒロだ。

  階堂
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私の名前は、二階堂(にかいどう)ヒロだ。

 

自己紹介もほとんどの人間が終えて、後はラウンジの調度品や家具を我が物顔で物色する、色彩豊かな少女だけとなった。そうだ、彼女だ。

  イア
_______
キミ、キミだけまだ名乗っていないんだが、

名前を教えてくれないか?

  イア
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キミ、キミだけまだ名乗っていないんだが、

名前を教えてくれないか?

 

  ケ崎
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んー?なまえ?のあはのあだよ?

んーと、城ケ崎(じょうがさき)ノア。

  ケ崎
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んー?なまえ?のあはのあだよ?

んーと、城ケ崎(じょうがさき)ノア。

 

というのも、彼女は第一被害者になる。ここは多分よく覚えている。

トリック云々に関してはあやふやで少し忘れてしまったが、白いキャンバスのような空間で彼女は血の蝶を背にし横たわって死ぬ、即席の三節棍に刺される形で。

犯人はレイア、その動機の中核は【目立つこと】。だがしかし、そこに加えて融通が効かないノアの絵への執着がもたらした、――悪く言えば傍若無人な【危害】がより犯行への意思を補強した形だ。確かそんな感じだった。

 

ところどころ忘れかけているせいで因果関係がつかみづらい。本当に記憶の通りなら二階堂ヒロが異形の化け物になっているのが一番ベストなのだが、こと私の見る世界ではそうでないのだ。

……私が死ぬ可能性は否めない。それは……かなりマズい。

  イア
_______
ここにいる意味は、私にも分からない。

けれど、冷静に行動するべきだと思っている。

とにかく騒がず、落ち着いて説明を待とうじゃないか。

  イア
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ここにいる意味は、私にも分からない。

けれど、冷静に行動するべきだと思っている。

とにかく騒がず、落ち着いて説明を待とうじゃないか――

 

レイアのその言葉尻を遮るように、バサバサという羽音が聞こえてきた。どこからともなく、――ああいや天井付近の通気口から、あのブラウン管に映っていた姿そのままのフクロウ、【ゴクチョー】が現れたのだ。皆そのフクロウに注目する。

ラウンジ中央に置かれた長机の前へと留まると、矢継ぎ早に説明に入っていった。

  クチョー
_______
あっ……人がいっぱい……。

えっと、改めまして……この屋敷で管理を任されているかわいいフクロウ、

ゴクチョーと申します……。

  クチョー
_________
あっ……人がいっぱい……。

えっと、改めまして……この屋敷で管理を任されている

かわいいフクロウ、ゴクチョーと申します……。

 

ここが山場。

私に醜聞(スキャンダル)を書く趣味は無いから、できるだけ足掻かねば。




特殊タグの編集ミスをそのままに数日も放置した事実があまりにも悔しい。
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