MAJOR:BLOODLINE   作:心ここにあらず

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主人公たちは英語で会話しています。勿論。


2話

 

 

ここはアメリカ西海岸――陽光が降り注ぎ、乾いた風がヤシの葉を揺らすその地に、成功者だけが辿り着ける“別世界”がある。

 

広大な敷地を囲うのは、高く重厚なゲート。セキュリティは厳重で、外界と完全に切り離されたその内側には、まるでリゾートのような光景が広がっている。

 

白を基調としたモダンな大豪邸は、ガラス張りの壁が多く、どこにいても青い空と遠くの海を望める造りだ。天井は高く、リビングは吹き抜け。磨き上げられた大理石の床が、差し込む光を反射して眩しく輝く。

 

室内には最新のトレーニングルームが完備され、バットやグローブが整然と並ぶ。壁にはこれまでの栄光――獲得したトロフィーやユニフォーム、サインボールが飾られ、その一つ一つが男の歴史を物語っている。

 

外に出れば、手入れの行き届いた芝生の庭がどこまでも続き、その中央には巨大なインフィニティプール。水面は空と一体化し、まるで地平線へと溶け込んでいくようだ。隣にはバーベキュー設備やラウンジスペースがあり、仲間たちと過ごす時間すら映画のワンシーンのように演出する。

 

 

 

この様な大豪邸がここ西海岸湾岸部には多く建ち並んでいた。

 

 

そして豪邸のリビングにて2人の男女が肩を並べてソファにてテレビを見ていた

 

 

 

『続いては昨夜舞い込んできた緊急ニュースです。なんと我がロサンゼルス・ダイナーズに新たな強力投手が移籍する事が決定されました!!その選手とはーー』

 

 

 

そして映像に映し出されるは、金髪長髪を後ろで結びつけたような髪型に大型の体型から繰り出される"左腕"

 

 

 

『昨季、タイタンズにて先発投手として二桁勝利を飾った大型左腕…ジョーギブソン投手がトレードにてダイナーズに移籍することが決まりました!』

 

 

「…」

 

 

「へぇ〜。タイタンズで活躍していてもトレードされる事もあるんだ」

 

 

 

香織がテレビの報道を見ながら呟く

 

 

「まぁギブソンは今期、調子が上がらなかったみたいだからな。それにタイタンズは投手が揃ってる。今足りないのは野手陣の補強だし、このトレードも三対1の大型トレードによるものだしチームの兼ね合いもあるんだろう」

 

 

 

香織の問いにウィルソンが答える。

 

 

 

 

「そう言えば香織」

 

 

「ん?」

 

 

「対面の屋敷に人影が見えたが誰か引っ越してきたのか?」

 

 

 

そして何かを思い出したかような仕草を見せたウィルソン。

昨夜、カーター家の屋敷の対面にある無人であった屋敷に灯りがついていたのをウィルソンが目撃したのだった

 

 

 

「あぁ〜それね。お隣のラックスさんから聞いたんだけど…」

 

 

 

お隣のラックスさんと言うのはカーター家の隣に位置する屋敷に住まうバスケットボール選手の家庭である。

 

 

 

「ニューヨークから家族が越してきたみたいよ?名前までは分からないけど…」

 

 

「…へぇ〜。ならいつか顔を合わせるかも知れないな。…っとそう言えばレオンの奴はどこだ?」

 

 

「あぁ〜ほら、そこの庭でボール遊びしてるわよ?」

 

 

「ん?」

 

 

 

 

ウィルソンは妻の指す方向を向くとそこには、野球ボールを上に投げて遊んでいるレオンの姿が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レオンはグラブを左手につけ右手で柔らかいボールを頭上になげ遊んでいた

 

 

 

 

「ん〜ぼくだけだとたのしくない」

 

 

 

しかし、子ども特有の飽きが早くも現れようとしていた。ウィルソンや香織に頼もうかとしたその時…

 

 

 

「ねぇ!君 きみもベースボールやるの!」

 

 

 

声の先には綺麗な金髪を短く整えられた髪型に翡翠色の瞳を持ったレオンと同じ年頃の少年の姿が

 

 

 

「そうだよ?きみだぁれ?」

 

 

 

生まれた時からここに住んでいるレオンは近隣住民の子供はあらかたスクールで見かけた事があり友達であるのに対して、目の前の少年は初めて見た

 

 

 

「ぼくのなまえはじゅにあ!パパがメジャーリーガーなんだ!じょーぎぶそんってしつてる?」

 

 

 

少年…Jr.はどこか誇らしげに高々だと言い放った

 

 

 

「?しらなぁ〜い。でもぼくのパパもメジャーリーガーだよ!」

 

 

 

「え!?そうなの!だれだぁれ?」

 

 

 

「ぼくのなまえはれおん!パパはうぃるそん・かーたーだよ!」

 

 

 

レオンも尊敬する父を誇らしげに語る

 

 

しかし

 

 

 

 

「ん〜しらなぁい!!」

 

 

 

 

無理もない。2人の父親は互いにリーグが違う。片方はニューヨークの選手なのに対しもう片方はロサンゼルスの選手である。いくらベースボールを愛する少年とは言え4歳児が何万人もいる選手の中で2人を知っている訳もない

 

 

 

「「ぷっ…あははは!!」」

 

 

 

互いに絶対に知っているものだと思い自慢げに語るものの微塵も知らないことを知り、どこか面白おかしくなり笑い出す

 

 

 

「ねぇ!キャッチボールしようよ!」

 

 

 

「うん!いいよ!」

 

 

 

 

そう言い2人はレオンの邸宅にてキャッチボールを始める。もちろんボールは当たっても痛くないような柔らかいゴム製のボールである

 

 

 

 

「じゅにあはなんでここにいるの?」

 

 

 

「ん〜?ひっこしてきたんだ!!パパがこっちのちーむでプレイすることになったから!」

 

 

 

「そうなの!じゃあぼくのパパとおなじちーむかもね!」

 

 

 

「たしかに!」

 

 

 

 

2人がゆっくりとボールを投げ合い拙いながらも微笑ましく楽しんでいる時

 

 

 

 

「Jr.!!どこに行ったんだ!?」

 

 

 

向かい側の道路で大声でJr.を探している男が

 

 

 

「あ!パパだ!お〜い!こっちこっち!」

 

 

 

「ん?Jr.!」

 

 

 

 

慌ててコチラに走り込んでくる男

 

 

 

「Jr.!なぜ誰にも言わずに出て行くんだお前は!せめて俺かローラには一言言ってくれ!心配するだろう!」

 

 

 

「あ!?ごめんなさいパパ」

 

 

 

Jr.を心配した様子で駆け寄ってきた父のジョーギブソン。どうやら何も言わずにJr.が家から消えたのをきっかけに慌てて探しに出てきたようだ

 

 

 

「む?君は」

 

 

 

ギブソンは隣にレオンがいることに気づいた

 

 

 

 

「あ!そうだ!パパ!こっちはさっきともだちになったレオンなんだけどね!レオンのパパもパパと同じなんだって!」

 

 

「なんだって?」

 

 

 

 

拙い言葉ながらも息子の言葉を聞き驚くギブソン

 

 

 

 

「すまない。君のご両親の名前を聞いても良いだろうか?」

 

 

 

レオンと目線の合う位置まで屈んだギブソンはレオンに問いかける

 

 

 

 

「うん。うぃるそん・かーたー。かおり・かみや・かーたー」

 

 

 

「っ!?…まさか」

 

 

 

レオンの口から出た名前に驚いた様子のギブソン。そしてその時ーー

 

 

 

 

「レオン!!ママがクッキー焼いてくれたぞ!そろそろおやつの時間だ!」

 

 

 

庭の入り口の扉を開けウィルソンがレオンを呼び出す

 

 

 

 

「あ!パパだ!クッキー!?やったぁぁぁ!」

 

 

「え!クッキー!?」

 

 

「じゅにあもいこ!」

 

 

「いいの!?」

 

 

「あ!?おいJr.!?」

 

 

 

そう言いジュニアの手を引きながら走るレオンと息子をギブソンを見つめる。

 

 

 

 

「ん?アンタは?…ってお前は!?」

 

 

 

 

ウィルソンは自宅の庭に立つ見知らぬ男性を見かけ、その顔を見て驚く。なぜなら、今期までライバルチームに居たはずの男が目の前に立っていたからである

 

 

 

 

「…すまない。うちの息子が迷惑をかけたようだ」

 

 

 

「…いや。気にしなくて良い。それよりもアンタだったのか。ウチの向かいに引っ越してきた家族は」

 

 

 

「…そのようだな。…まぁなんだ…これから息子共々よろしく頼む」

 

 

 

「はは。気にするなよ。それにギブソン…アンタとも同じチームになるんだ。そんな堅苦しくしなくて良いぜ?それより中に入れよ」

 

 

 

「…すまない。ありがとう」

 

 

 

 

 

そうして思わぬ形で出会ってしまった。両家族であるが、これが運命の出会いだと気づくのはまだ先の話である

 

 

 

 

 

 

 

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