『9回の表3:2の一点リードのダイナーズ…マウンド上にはサザンリーグを代表するセーブ王ドミニクが上がっています!!』
ーードパァァァァァァァァン!!
『三振んんんん!!最後のバッターを三振に仕留めダイナーズがワールドシリーズ優勝を飾りました!!』
『今年…見事栄冠を手にしたのは…サザンリーグの覇者…ロサンゼルス・ダイナーズです!!』
スタジアム中が大歓声に包まれる。
「「やったぁぁぁ!!」」
そしてそれは…ここも例外ではなく…
父親達が共に揃って活躍し見事チームを勝利に導いた事で2家族にも笑顔が溢れていた。特に移籍したばかりのギブソン一家はそれが顕著に現れており、嫁のローラは涙を溢している。
「ぼくもここでぷれーしてみたい!!」
「ぼくも!!」
2人の息子達には父親がヒーローのように映っていた。そして将来…自分もこの舞台に上がることを夢に見る
◆
あのワールドシリーズから早1年半の月日が経過しようとしていた。2人は6歳から通える同州にあるエレメンタリースクールへと進学を果たし、いよいよ今日待ちに待ったベースボールクラブへの入部を果たす日がやってきた。
「レオン〜荷物の準備は出来たかしら?」
「出来てるよママ」
「あらそう?じゃあローラさん達を迎えに行きましょうか?」
「うん!」
ベースボールクラブへはレオンと香織、ローラにメリッサ、ジュニアの五人で行くことになっている。
なぜなら父親達は9月のこの時期はポストシーズンへ向けた重要な期間であるためウィルソン、ギブソン共に試合に集中してもらうために他の面々で行くことになっているのだ。
「おっすレオン!」
「楽しみだなジュニア」
「あぁ。すぐに俺たちでレギュラーを掻っ攫ってやろうぜ」
レオンとジュニアは父親達の英才教育だけでなく、この日のために日頃から遊びの時間を無くし…いや…少し減らしてまで練習を続けてきたのだ。おかげで2人とも自信に溢れていてるのが分かる
自宅から車で数十分ほど走らせた海辺付近にある球場…ここを本拠地にしているのが『アナハイム・リトルウェーブス』…エレメンタリスクールに通っている子ども達を対象にしているベースボールチームである。
2家族の元へ20代後半から30代前半に見える白人の男性が現れる
「ようこそ!我がリトルウェーブスへお越しくださいました!皆様!僕は監督のマイケル・トゥラング!これからコーチ達と共に君たちを指導させて貰う者さ!」
目の前の男がこのチームを率いる監督らしい。
「あらまぁ初めまして、私カオリ・カーターと申します。この子が息子のーー」
頭を撫でられたレオンが答える
「レオン・カーターです!」
「君がウィルソンの息子か〜!!」
どうやら、ウィルソン・カーターの息子というのは認知済みのようだ。
そして
「ローラ・ギブソンです。コチラが娘のメリッサと息子のーー」
「ジュニアです!お願いします!」
「こっちはギブソンの息子かぁ〜!!これほどのサラブレッドを指南できるなんて指導者冥利に尽きるね!!」
挨拶が終わった後、監督のマイケルの元、各施設の案内や見学に訪れることとなった。
ロッカールームに、屋内練習場、筋トレルームに、室内投球練習場や多数の室内バッティングゲージなどなど…
更には最新のアップデートにより、投球の質や、バッティングの向上を図るためにデータ機具を取り入れた事も有名である。
やはり名門に相応しい施設完備が搭載されており、施設としてはこれ以上ないほどであろう事が分かる。
「それじゃあ、既存のメンバーに挨拶をしに行こうか」
「「はい!!」」
俺たちがスタジアム内のグラウンドに出るとそこにはーー30人ほどの少年少女達が列を成しコチラを見つめていた
「「っ…」」
その迫力に思わず唾を飲み込む2人
「この前話した通り今日からチームに加入する2人だ!先ずは自己紹介をして貰う。カーター!前へ!」
「は、はい!!」
先ほどまでとはまるで違うマイケルの迫力に驚くレオン
「レオン・カーターです!6歳です!」
「おいアイツがウィルソンの息子の…」「まじかよ!俺ファンなんだ!」「可愛い子ね」
ここでもウィルソンの息子ということは知れ渡っているらしい
「オーケーレオン!希望ポジションとか夢はあるかい?」
「…夢」
「そうだ。口にしてみる事で実現に大きく近づこともあるぞ」
「ポジションは…ショートをやって見たいです!」
「ほう?親父さんと同じだな」
「夢はメジャーリーガーになってパパを超えたいです!!」
「っ!"あの英雄ウィルソン"を超えると言うか…オーケー良いだろう!ナイス回答だレオン!次ジュニア!!」
「はい!!」
続いてジュニアの自己紹介が始まる
「ジョー・ギブソン・ジュニアです!ポジションはピッチャーをやりたいです!夢は…パパのようなピッチャーになりたいです!!」
「流石はギブソン選手の息子さんだ。あの人を目指すという事は果てしなき道のりだが2世が成し遂げるのも面白いか…よし!!とりあえずアップから始めようか!ジャックとノアがそれぞれ指導してやってくれ!」
「「はい!!」」
「解散!!」
「「「はい!!」」」
マイケルに名指しされた2名が返事をする。2人とも白人系のアメリカ人である。
「俺はこのチームのキャプテンを任されているノア・マーティンだ!よろしくな!レオンは俺が面倒を見てやるぞ」
「はい!」
ノアは12歳のクラブ最年長であり、卓越した身体能力と技術で既に名門スクールへの進学が内定しているウェーブスの主軸の選手である。
「俺はこのチームのエースを任されているジャック・アンダーソンだ!ジュニアは投手希望だろ?俺が色々教えてやろう」
「お願いします!」
ジャックは太陽のような蜜柑色の髪を持つノアと同じくチーム最年長であり、このクラブのエースだ。この人がいる限りアナハイム州で負ける事ないと言われるほどの実力を有する。
この2人を指導係に添えた事こそこのチームの2人に対する期待が見て取れるだろう。
こうしてレオンとジュニアのクラブチーム入りが叶い、夢に向かって少しづつ進み始めたのであった。
この時点でギブソンはメジャーで上手く行っているので日本に行く事は無くなりました!