ミラクルトリガー   作:アルピ交通事務局

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第2話

「中学生の子に対してアドバイスを送りたいのだけど、なにか無いかしら?」

 

「なんのアドバイスだ?」

 

「ほら、小学校じゃテストなんて基本的に満点じゃない。でも中学に入ってからは高い点を取る難易度が一気に上がったり英語が入ったりとかでその上でボーダーだからある程度はフォローしてくれるけども確実に授業を休まないといけない時が来るのよ。1日でも授業休んだらその時点で置いてかれる子って多いらしいわ」

 

 屋上でラノベを読んでいれば加古に発見された。くっだらねえ話だったら無視するがアドバイスを送りたいと言う。

 なんでそうなるんだと思えば学業方面の話になる……地球の現代が舞台の物語で確実にぶつかるもの、そう。学校の成績だ。

 

 加古はボーダーで自分が気に入ったと思った奴をスカウトしているが基本的にはボーダー隊員として優秀という話だ。

 一般教養やボーダーでは特に使わないであろう技能を持っている奴は対象外な事が多い…………

 

「らしいわ、ねぇ……本人の前で言うなよ」

 

 サラッと嫌味を言いやがるな、この女は。

 通っていたのは進学校だから勉強は出来る、だから一般教養関係の勉強で躓くとかが分からないタイプ……理系の奴がこの程度の問題でなんでわからないんだ?となる数学とか物理も文系から見ればトンチキな問題だったりする。勿論、その逆もある。

 

「言わないわよ……勉強に関するアドバイスを送ってもいいけれども、それだけじゃなんの成長にもならないでしょ」

 

「勉強をするって事を当たり前の様に身に着けさせるのは本人の資質もあるが家庭環境とかもあるからなんとも……後、どういう結果が欲しいんだ?点を取るためだけの勉強と満点を取る勉強と赤点回避は異なるんだぞ」

 

「そうね…………考える力を持たせる、かしら。素質は充分にあるのだけれどそれは単純に自分の効率の良い動きとかを自分だけが何となくで理解しているって感じでそれをいざ他人に伝える時に言語にして教える事が出来ないって感じなのよね」

 

「お前がそれを意図的に選んでるんじゃねえのか」

 

「ええ、そうだけどなにか悪い」

 

 才能がある奴は才能が無い奴の苦しみとかは特に分からない。そいつが積み上げるのに使ったものとかを無視して高い段差に登る。

 加古はどういう基準で才能がある奴を選んでるかは知らねえが、才能がある奴は才能が無い人間にしか出来ない事が理解したりすることが出来ない。それは無理だろ

 

「テスト関係に関してはボーダーとか特に関係無いもしくは応援してくれる同級生からノートでも借りろ……一般教養が物凄く残念だって言うなら赤点を確実に回避する事だけは出来る知り合いが居るからそいつに回せば赤点は回避出来るから最悪寄越せ」

 

「頼もしい知り合いね」

 

「で、考える力を持ってほしいならビブリオバトルとかをやらせればいい」

 

「……なにそれ?」

 

「自分が好きな物やオススメするものを具体的には何処が良いところや何処が面白いとか紹介する勝負、要するに布教だ」

 

 考える力を鍛えなければならないというのであればビブリオバトルは意外と役立つ。

 布教するには色々と理解したりしないといけない……ただ個人的に好きから、こういうところが良いというのを教えれる。

 

「言い方が酷いからピンと来ないわね……」

 

「和洋中スイーツのなんかジャンルを決めた後に自分の知っている美味しい店を紹介するってだけでいい……そして大抵は躓く」

 

「…………美味しいお店だからね」

 

「それが分かってんなら、それに対する答えとか色々と考えさせろ」

 

 ビブリオバトルについて言われてもあまりピンと来ないと言うので美味しい飯屋を紹介するを題材にすればいいとテーマを決める。

 そこで躓く、躓くが具体的になにがどうとかそういうのを見極める、考える力を養う……題材が題材なだけに変な方向に成長するだろうが。

 

「答えが無い問題に対して納得や理解が出来るじゃなくてさせれる、する答えの枠組みを考える……ただしそれは外部の意見は自分の意見や考えをまとめた後に聞く。自分の見ていない視点からの意見は一応は大事だが、あくまでも答えが無い問題だからそれだけが答えじゃないから、その意見に対して自分ならではの解答を考える」

 

「黛くん……何処かで訓練でも受けてるの」

 

「日本を相手にバカをやろうとしている馬鹿共につき合わされている……まぁ、美味しい思いは出来るからそれでいいんだがな」

 

 色々と口が達者だから何処かおかしいと違和感を感じる加古に対してバカな行いに付き合っているとだけ答える。

 それを聞けばどういうことなのかを根掘り葉掘り聞きたそうにしているが……そろそろオレが受けなきゃいけねえ講義が始まるから行かなきゃならねえから話題は切り上げて講義を受けに行った。

 

 

 ※

 

「美味しいカレーを出してくれるところを知ってるかしら?」

 

「どうしたんですか、急に?」

 

 場所はうってかわってボーダーの防衛任務中の加古隊。

 敵が発生する時は観測が可能なのでそれまでは基本的には待つ姿勢である為に加古が暇潰しにと黛に言われた課題を出してみる。

 

「ちょっと色々と言われてね……美味しいカレーってなんなのかってのが分からなくなって」

 

「んなのその辺のココイチにでも行け。A級なんだから金はあるだろ」

 

 加古隊だけではなく他の部隊も巻き込む。

 諏訪隊の諏訪がココイチにでも行けともっともらしい意見を述べるがそうじゃないと加古は言う。

 

「そもそもなにを基準に美味しいとかそういうのが分からないのよ」

 

「それは哲学的な話、なのかい?」

 

「いえ、美味しいって言う人は居るけれどもカレーなんて美味しいのは当たり前じゃない。この成分があるから美味しいと感じるって科学的な根拠じゃなくてここがあるから美味しいって言うセールスポイントみたいなのが分からなくなったのよ」

 

 美味しいが分からない、と言う意見に対して同じく諏訪隊の堤が哲学的な話なのか?と聞いたがセールスポイントみたいなのが分からないと答える。

 カレーと言えば美味しい料理の定番で合わない奴は合わないけれども、日本人ならば1回は口にしたことがある料理の代表格みたいなものであり余計にそれが分からなくなる。

 

「なら、カツカレーだな」

 

「それは単純にお前が好きなだけだろう」

 

「ちゃんと根拠はある。美味しいカレーだが食感が物足りない、そんな中にジューシーさを持ったとんかつが入っているんだぞ?」

 

「だからそれ完全に個人的な主観だろ」

 

 風間隊の風間が美味しいカレーはカツカレーだと答えた。

 個人的に好物である物を言ってるだけだろうと諏訪にツッコミを入れられるが、ちゃんと根拠があると言うが一部が感情論なところがある。

 

「カレー言うたら、カレー屋で食うカレー以外にも色々ありますよ」

 

「そうなの?」

 

「定食屋や喫茶店のカレー、中華料理屋のカレー、麺系のカレーとか……同じカレーでも色々と違います」

 

「具体的には?」

 

「定食屋や喫茶店のカレーは家で食うカレーに似てて、中華料理屋のカレーは店で使ってるスープにカレー粉を入れた物、うどん屋とかのカレーはうどんの出汁入れてて、洋食屋のカレーは普通は使わない高い肉の骨とか煮込んだり、んでカレー屋のカレーはスパイスに拘っとるとか……」

 

 生駒隊の隠岐がカレーにも色々とあると答えれば具体性を求める。

 店によって色々と異なるという事を加古に教えれば加古は興味深そうに聞いた

 

「加古さん、急にどうしたんですか?今度はカレーにでも目覚めたんですか?」

 

 時にはゲテモノ炒飯を振るう女であることを自覚している加古隊の黒江はいきなりのカレーについて疑問を抱いた。

 ゲテモノ炒飯からカレーを作る事に目覚めたのかと聞けば堤が今度はカレーなのかと恐怖を抱いたりしているがそれは気にしない。

 

「いえ、たまたま使いやすいテーマがカレーだっただけよ。別に寿司でもピザでもとんかつでもなんでもいいけど、カレーなら色々と出てきそうだから聞いたのよ」

 

「テーマ?」

 

「大学でね、考える力を養うなら自分がオススメする物を何故オススメするのかを言語にして説明出来る様にすればいいって教えてくれた人が居るのよ。カレーなんてそれこそ最初に諏訪さんが言った様にココイチで済ませようと思えば済ませれる。仮にこの後に食べに行けば7割ぐらいの満足は出来るわ。それだけのクオリティはある……けどそれでもココイチ以外に、それこそ隠岐くんが言ったお店にカレーはあるし、そのカレーを目当てに食べに行く人は居るわけで、それがなんで好きか?と言う事を味が好みだからの完全な個人の感覚じゃなくて人に分かりやすい様に言語にして出来るかどうかって考えてみたのよ」

 

「…………」

 

 なんでカレーになったんだ?と言う疑問はあるがそれはホントに偶然にもカレーになっただけで特に意味は無い。

 ただし、なんでカレーの事を考えさせているか?と言うことについて、加古が言っているのは物事を考える力を養う為に必要な事だったりするわけで、それを何処かの誰かがアドバイスを入れた。

 

 カレーと言うものを題材に哲学的な方面で美味しいカレーとはなにか?でもなく、頭でも心でも納得が行ける様にする方法を考えてみろと考えさせれる様な内容をぶつけた。

 

 考えることはとても大事であり、カレーと言うものは身近な料理だ。

 しかしかなり奥深い料理であることは確かで、それについてあえて考えさせている。

 

「加古、東さんがなにかを言ったわけじゃないんだな?」

 

「大学の友人の変人です」

 

 1人の大人として色々と考えさせたりして伸ばそうとする東隊の東ならばこういう感じの問題をぶつけてくる。

 風間は東さんじゃないのか?と聞けば大学の友人の変人だと答えた……東さんならば東さんと素直に答えるがそうじゃない。ボーダー隊員ならば名指し出来るがそうじゃない。

 

「カレーが話題に出たせいで口が完全にカレーになってしまったな……昼はカツカレーか」

 

「それ通常通りだろ」

 

 その大学の友人の変人がどんなのか、と風間は少し興味を抱いた。

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