この世界に転生してる転生者は9人だ。
転生者同士は基本的には仲良くしておけよと地獄の転生者養成所で一言釘は刺されている。ただまぁ、主義主張の違いで仲が悪いとかそういうのは普通にある。それに対して仲良くしようねという発言は無い。基本的にはであり、強制は無い。
する時があるとするならば答えが無い問題に対して挑む時にちゃんとしっかりと物事を考えさせて意見を述べさせる時とかだろう。
オレを含めた9人の転生者はワールドトリガーの世界で原作キャラには関わっているが、物語の主要であるボーダーと言う組織には干渉していない。公式チートこと未来予知予知歩きをしている男が居るから三門市を出ていかないとその時点で詰み?安心しろ、真っ先にトップとそいつは脅している。
「はぁ〜……彼氏が理解者どころか本職顔負けの仕事しているから嬉しいのだけれどショックです」
「色々と稼がなきゃならねえから手っ取り早いのが絵師だからしゃあねえだろ……そのおかげであたし達は色々とよ。普通にアルバイトって言えるに言えないし、なんか稼ぎのいいバイトつったらそんなに無いし。黛さん、なんかいい仕事知りません?」
「乙4でもとってガソスタにでも行ってろ」
ボーダーには基本的には関わらない。結果的に関わってしまう未来になるものならば極力は回避する。
そういう感じの取り決めではあるが三門市から出ていけない以上はボーダーに入っている人間と顔を合わせる。コレはもう仕方がないと受け入れている。赤司も虹村もボーダーって組織に力を貸すことについては色々と言ってくるが、ボーダー隊員達とプライベートな付き合いを持つなとかそういうめんどうな束縛はしていない。
「つか、オレに愚痴を零すのかよ……青峰の奴は人間性の部分はともかく生活面に関しては嫌だって言えば直ぐに改善はしてくれるぞ」
オレに対して愚痴を零しに来たのは橘高羽矢と藤丸のの、この春に大学生になった現役女子大生だ。
橘高羽矢は見た目は大人な雰囲気の女性でデザイン科のある学校の生徒で、そういう感じの人間だなと色々とイメージしやすい様に見えて純粋な漫画好きで漫画家志望、親友の藤丸ののはボーダー随一のデカパイを持っている姉御肌な女だ。
橘高は割とモテる側の住人だが漫画家を目指している云々を知られたくないとか夢中とかを理由に適当にはぐらかして彼氏作らなかった。藤丸は顔とスタイルはいいんだが性格がゴリッゴリの体育会系で、そもそもで付き合いが出来るのがゴリッゴリの体育会系とか言う残酷なオチでモテなかった。
この2人は高校が同じで親友と言っていい間柄であり……キセキの世代の1人でありオレ達の中で最強と言ってもいい転生する度に諏訪部キャラになる男こと青峰の彼女である。どっちが?でなくどっちもである……男の取り合いで喧嘩とかそういうのは起きないのか?と言う意見に対してだが、なんか知らんがあのアホは原作キャラがあいつの取り合いになった場合は基本的には協力する。喧嘩をしない。しかしネームドでもなんでもないモブキャラが声をかけようものならば物凄く威嚇するどころか場合によっては……うん。
「いや……生活面については文句言えないんですよ……」
青峰に対する愚痴を零しに来たのならばハッキリと言えば青峰は改善する。
一度でも結婚とか彼氏彼女の関係性を築き上げる事が出来たのならば好かれる為の努力とかをする……が、橘高はそういうことを言いたいんじゃないんだよなぁ、と言うめんどくせえ顔をしている。
「学業とかも特に問題無くて部活動も物凄い役立ってて」
「おい、惚気話するならさっさと飯を食い終わってどっか行け」
大学の学食は飯を食う場所であり、惚気話をする場所じゃねえ。
因みにだが青峰の部活は平日に週3で活動している漫研部……青峰の絵を描く速度?アシスタント込みならネタさえ出来ていれば2日で原稿上げれるとだけは言っておこう。あんなんでも一時期、転生者随一の物書きである新妻英二のところに居たから執筆くっそ速いし絵もくっそ上手い。
「オレにどうしろってんだ?金稼ぎたいならGW限定のバイトでも入れとけ、もしくは嵐山隊みたいなA級隊員でも目指しとけ……GWデートは無しと言うか無理。強制参加の合宿があるから」
「いや、そこはいいんすよ……試合に勝ってる青峰を見るのが一番好きだしちゃんと埋め合わせしてくれるし。あたし達のことをなんだかんだで気遣ってくれてるんで」
「私達もこの春に大学生になった……大学生らしいお付き合いがしたいんです」
「お前、あいつが高3なの知ってて言ってる?」
オレと虹村以外は全員高校3年生……唯一の彼女持ちが公認の二股をかけている男……ヤベエわ。
まぁ、アレでも青峰もとい諏訪部は戦闘関係の仕事じゃない限りは割と話は通じるタイプだ。ここはファンタジーな異世界じゃなくて現代の地球で彼女が2人はヤバいが。
「大学生らしいお付き合いって言うけど、どういう事をしてえんだよ?」
「……休日に何処にも行かず特になにかするわけでもなく漫画とかボーッとしながら読んでののが『あ、じゃあ飯にするか』で適当にオムライスとかナポリタンを作ってその後もボーッとしたりしている感じ?」
「スゲえ生々しいのやめろ。後、それもう彼氏彼女の関係性通り越してる」
大学生らしいお付き合いをしたいと言っているがクソ長い人生を歩んでるせいで大学生らしいお付き合いがなんなのか分からねえ。
橘高がどんなのかと聞けばそれは大学生らしいお付き合いとか通り越して普通に夫婦とか同棲している奴の領域……諏訪部と彼氏彼女の関係になる奴って基本的には距離感がバグってるんだよな……本人もバグみたいな存在だから釣り合いは取れてるし。
「ただ現実はそこまで甘くないんです。体育会系だから当然、ご飯をしっかりと食べていて空腹を感じたら、何事もなくレトルトじゃない麻婆豆腐と鶏むね肉とキャベツの胡麻炒めとかがサラッと出てきて」
「汁物が味噌汁じゃなくてけんちん汁で米が白米じゃなくて玄米って……」
「そりゃあいつ、毎日食べる料理は一番上手いからな」
毎日食べる料理は青峰、専門的な技術とかがいるお菓子は紫原が上手い。虹村は栄養学的な料理が出来るがそのせいで物足りない。
赤司は出来なくもないが肩凝りを起こしそうな料理が出てきて食ってる気がしない、本人もそれが原因で料理勝負に負けたことがあるからあんましようとしない。灰崎と黄瀬はまぁ、レシピとか作り方を見れば出来るで、桃井と緑間は論外。あの2人はマジで論外。
「オレ以外は体作りをしっかりしてるから飯関係は割と妥協出来ねえ。玄米なんて栄養価高いし、ちゃんと美味しく調理出来る。つーか、内容的に麻婆豆腐を玄米にかけて食え的な感じだろう」
「日頃からレトルトので慣れてるから、ちゃんとした麻婆豆腐って中々に食べる機会が無いから新鮮で美味しかったわ」
「玄米も特に白米との間にある違和感が無かったっす」
アレは普通に美味しかったと頷いている……まぁ、美味いならそれでいいがそれに対して文句は言わねえよな?女としての意地とかそういうめんどくせえのは。
「手料理食べて貰いたいならそうなる様に誘導しろ……ただし、やる以上は美味い物だ。あいつは漫画とかでよくある料理が不味いキャラが丹精込めてとかそういうのを無視する」
そもそもで料理不味いって事をハッキリと言わなきゃ損をするのは作っている側だ。
手料理を作る以上は美味しい物が絶対条件、多少形が悪くてもで素直に飲み込める奴は飲み込める。青峰もその辺については言わねえ……飯が不味いってのは避けなきゃならねえが。
「それが無理ならググって出た料理でいいから作ってやれよ。オリジナルレシピとかそういうのに手を出すんじゃなくて、そういうレシピの手料理なだけでもあいつはなんだかんだで喜ぶ……なんだったら一緒にお菓子作りでもしたらどうだ?」
「炊飯器のガトーショコラがこの前出てきたんです」
「エッセルのチョコアイス2つと板チョコと牛乳とホットケーキミックスのなんちゃってガトーショコラなんすけど」
「お前、そんなん言い出したら果物じゃなくてあんこを使ったタルトとか出してくる奴いるからな」
紫原の奴、お菓子作りはしっかりと真面目にやってるからな……イチゴのタルトとかじゃなくて小豆から作ったあんこを乗せたタルト。普通に美味かった。それを見た女子達が紫原を若干引いていたりしたが……あの図体でお菓子好きで太りにくい体質だからムカつくだろうな。あいつ、210cm越えたのにまだ体重100kg越えてないから大変なんだよな。
「お家デート的なのは全員1人暮らしじゃないからアウト……どっかドライブでも行ったらどうだ?青峰は誕生日の関係で免許は8月でパッと取って終わらせるつってたし」
「黛さん……ペーパー2人は不安です……」
「加古さんとかは日常的に乗り回してるけど、あたし達の場合だと免許を持っているだけで使っているんじゃないんすよ」
いきなりの遠出でペーパー2人は危険か。
まずは三門市で車がないと不便なところを覚えたりするとかで……そっから行ったことが無い土地、大阪とか東京とかは初手で絶対に行ったらアウトな場所だから行くならば青峰居る時だな。あいつはなんだかんだで運転上手いし。
「じゃあ、運転の練習でもする?」
「あ、加古さん」
「どもっす」
ペーパー2人だけだと流石に遠出は不安だと言う言葉に対して返ってきたのはオレの言葉でなく加古の言葉だった。
趣味がドライブである加古は運転は割と上手な方だ。
「話は少しだけ聞いたわ。運転上手になりたいのよね……だったら私達とドライブに行きましょう」
「いきなりの遠出……高速無しでローテーションか」
「大丈夫よ、最悪黛くんに丸投げすればいいわ」
「なんでオレも混ざってる?」
完全にウーマンな女性達が運転技術を磨く的な話でオレは完全に関係無い話だろう。
この顔面偏差値が高い奴等の中に入れるな……既に視線が3人にだけ向いていてオレは完全に気付かれてねえ状態だぞ。
「だって黛くんが私の知ってる中で一番運転上手いし、色々と言っているんだからね……」
「オレよりも黄瀬とか普通に上手いぞ」
奴は3回連続で地球とは何の関係もない異世界が物語の舞台の世界に転生していた。
そのせいで一般教養がスコーンと抜け落ちてしまい、学力がクソになってしまいスポーツ推薦は嫌だからと入った高校がボーダーが原因で三門市じゃ不人気な工業高校だ。自動車が維持れるからというシンプルな理由で自動車科に居て、乗り回してる。
「彼まだ無免許でしょ?言い出したのは黛くんだし、手伝って」
「……わかった。そっちの都合がいい日を、それに合わせるから」
それを言われれば言い返す事は出来るが飲み込みやすいので飲み込む。
「黛さん、加古さんを乗せて運転したってどういう状況すか?」
「ちょっとその辺を」
だってそうしないと余計なのが増えるから。