黄昏時に   作:紲結、

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一章 オカルト研究部
廃ビル『1』


さて世の中には不思議な事がある、例えばゲームの世界に転生するとか男から女になるとか怪異に巻き込まれるとかがそうだ

 

「⋯⋯こっち」

「あっはい」

 

今私は目の前の空色の髪を腰まで伸ばした少女に手を引かれて廃ビルの中を歩いている、不意に赤い目をこちらに向けてくる

 

「恐らくあの時の病院と同じ⋯⋯ならこのビルからも出る手段はある⋯⋯心配はいらない」

「そのすみません」

「何故謝られてるのか分からない⋯⋯大丈夫」

 

優しく微笑みこちらを撫でてくる、一体どうしてこうなったのかと言うと廃病院から脱出して数日の間オカルト研究部のメンバーに合わない様に過ごしていた所まあ異界に巻き込まれ周囲の安全を確認しつつ移動していた所に目の前の少女ことオカルト研究部の部長、天魁 翼に出会ったのだった

 

「不思議⋯さっきまで夕方だったのに今は夜⋯月明かりのお陰で薄暗くはあるけど周りが見えるから助かるけど⋯」

「あの天魁先輩これ何処に向かっているのですか?」

「さっき確認したけどエレベーターは壊れていた⋯そもそも電気が来ていない時点で動かない⋯だから非常階段を目指す⋯ついでに見つける事が出来れば白紙のメモを見つける」

「白紙のメモ、もしかして神凪先輩にですか」

「そう⋯白紙のメモにこの異常⋯フフ」

 

天魁さんが微笑を浮かべて周囲を見回し近場の部屋に入って行く、その部屋には大量のロッカーが所狭しと配置されていた

 

「先輩、非常階段を目指してたんじゃ」

「メモを探すとも言った⋯取り敢えず開けて見ましょう」

「ヒッ⋯先輩これって」

 

天魁さんが開けたロッカーには人の左腕が吊るされていた、そのまま他のロッカーも開け放ち人体の部位がそのどれにも吊るされている、その異常な光景にも関わらず天魁さんは微笑を浮かべ笑っていた

 

(何で笑ってるの、明らかにヤバい光景だよこれ)

「あの、天魁先輩ここから出ましょう?流石にこれは」

「いえ⋯よく見て⋯」

 

天魁さんは腕を数本ロッカーから取り出しこちらに見せる

 

「一見本物に見えるけど⋯作りが甘い⋯骨や指の位置がズレてる⋯それに皮膚も触ればシリコンだと分かる⋯まぁ本物も何本か混ざってるみたいだけど」

「は、え?偽物?本物もある?」

「混乱するのも分かるけど⋯さて⋯どうした物かしら」

 

どうした物も何もここから離れる事が一番先決だと思うのは可笑しいことなのだろうか、取り敢えず背を返し扉を開け出ようとするがもちろん開かない

 

「あの先輩、扉開かなくなっちゃいました」

「でしょうね⋯怪談でもホラゲでも⋯異常な部屋に入れば出るのは困難」

「分かってて入ったんですか!何で!?」

「好奇心は⋯抑えては行けない」

「その結果閉じ込められてるんですよ!それに好奇心は猫も殺すと言います」

「そんな言葉は知らない⋯私を止める事は誰にも出来ない⋯フフ」

 

完全に失敗した何でこんな人と一緒に行動しようと思ってしまったのか、最初に優しい先輩だと思ったけどその実態は何も考えずに突っ走る異常者だ

 

「あぁ~もう!取り敢えずこの部屋から出る方法考えますよ」

「出ると言っても⋯ここにあるのは⋯大量の偽物と本物の体のパーツ⋯本物で人体を作り上げるにしても⋯同じ部位もある⋯さて⋯どうしよう」

 

周囲を見渡すも何かヒントになりそうな物は見つからない、唯一見つかったのは主人公君しか読めない白紙のメモだけだった

 

(本当にどうしよう、取り敢えず体を組み立てて見るしかないかな?間違ったパーツを使ったら襲って来るとかありそう)

 

天魁さんにその事を相談しようとして振り返ってみると既に体を組み立てている途中であった

 

(うん、もういいや主人公君、私はもう今回は駄目かもしれないけど頑張って脱出してデメリットはあるけど現実で死ぬ訳じゃないし)

 

「あれ⋯ここのパーツ合わない⋯じゃこっちかな」

 

冷めた目で天魁さんを見つめる事しかできなかった

 

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