転生ウマ娘は苦労する?   作:ティルピッツ

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プロローグ①

「先輩、まだあのゲームはやってるんですか?」

 

 

 

仕事中に後輩からそう声を掛けられ、俺は作業の手を止めた。

 

 

「普通にやってるけど……急にどうしたん?」

 

 

そう答えると今度は「じゃあフィギアとかのグッズ集めも引き続きですか?」と笑いながら聞いてくる後輩。

 

 

「まぁ、そっちは程々にやってる。欲しい物を全部買ってたら金が無くなるよ。」

 

 

「嘘言うなよ、お前が1番金持ってるだろ。」

 

 

重機オペレーターの先輩が、笑いながらそう揶揄ってくる。

 

それに対して、「そんな事無いですよ」と答えると今度は先程の後輩ともう1人の後輩までもが俺を揶揄ってくる。

 

 

「えー?でも最近、新しいエアガン買ったって自慢してたじゃないですかー」

 

「それ僕も聞きました。なんだ普通に余裕あるじゃないですか。」

 

「うるさい。そんな事言うなら今度からお菓子譲らないぞ。」

 

 

俺がそう言うと後輩2人は「それは困りますよ」と笑いながら抗議してくる。先輩も「俺も困るなー?タダで甘いものをゲット出来る機会が無くなるのは」とニヤニヤしながら言ってくる。

 

「あーもう!ほら作業再開しましょう!あと少しで終わるんですから!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相変わらず、趣味には全力だな。」

 

帰りの社用車の中で、助手席の先輩からそう声をかけられる。

 

因みに、行きは後輩が社用車を運転していたが帰り──つまり今は俺が運転している。基本的には後輩2人で会社から現場で社用車を運転してもらっているが、作業内容によっては今回のように俺が運転を変わる場合もある。

 

先輩に関しては、自宅から会社まで自家用車で通勤しているので社用車の運転は基本的にはしない。

 

 

「そりゃ、誰だってそうでしょう。それに今回は好きなキャラでしたからね。是が非にでも欲しかったですから。」

 

「それってどっちですか?」

 

後部座席に座る後輩が両手にクリアファイルを持ちながらそう聞いてくる。運良く赤信号で停まったので、振り返って「両方好きなキャラだけどこのキャラが1番好き」と教えた。

 

「この前髪の一部が白い方ですか?」

 

「そう。」

 

「じゃあ、こっちは好きじゃないんですか?」

 

「そっちは2番目に好きなウマ娘。」

 

青信号になり、車を発進させながらそう言うと、先輩がニヤニヤしながらこう言ってきた。

 

 

「あれだな?お前はお姉さんタイプが好きなんだな。」

 

「え?いや、別にこんな事は無いですよ。」

 

「いやいや、なら試しに好きなキャラの名前を言ってみ?調べてみるから。」

 

先輩にそう言われ、とりあえず好きなキャラクターの名前を片っ端から言っていくと後輩2人と先輩は、ネットでそのキャラクターを調べる。

 

そして、粗方言い終わると後輩2人からは「お姉さんタイプが好きなんですね」と言われ、先輩に至っては「結婚したら尻に敷かれそうだな」と言ってきた。

 

 

思わず「いやいや、流石にそれは無いですって」と反論したが、3人からは「いやいや、絶対そうなりますって」「その姿が簡単に目に浮かぶ」と揶揄われる。

 

揶揄われる度に反論していたが、実の所、自分は「お姉さんタイプ」──もっと言えば姉御肌の女性(面倒見が良い女性)が好きなのは本当だった為、それ以上反論するのは諦めた。

 

 

 

「───因みになんですけど、このメンツだと誰が1番強いんですか?」

 

唐突に後輩の1人にそう聞かれ、「それはどっちの話?ウマ娘?実際の競走馬の方?」と聞くと後輩は一瞬だけ悩むと「競走馬の方です」と答えた。

 

 

「うーん………正直そこまで競馬には詳しくないから、断言は出来ないかな……4人──あっいや、4頭か。4頭ともGⅠは勝ってるから強いのは間違いないけど。」

 

「その4頭が対決した事はないんですか?」

 

「4頭全てが一緒のレースは無いハズ。3頭は同じGⅠレースで走ってる。」

 

そう言うと「へぇ~そうなんですね」と言いながら頷く後輩2人。

 

まぁ、競馬に興味持ったのは最近だから正直、間違ってる可能性もあるが、自分が知る限りは今言った事は合っているはずだ。

 

「ところで、いつになったら賭けるんだ?」

 

「あはは……その事なんですけど───」

 

実は、前々から先輩達には「金は貸すから、競馬で代わりに賭けてくれないか?」と言われていたのだが、色々なトラブルに見舞われてしまい、未だに競馬に賭けた事が無い。

 

ただし、見る事が好きな為、レースはなるべく見るようにしている。

 

本当は現地で見てみたいのだが近場に競馬場が無い為、テレビ中継やYouTubeでしか見れないのだが……

 

 

「1番近い競馬場は小倉になるのか?」

 

「そうですね。大体車で3時間くらいの距離です。次に近いのは佐賀ですけどそっちは約3時間半ですね。」

 

「連休じゃないとキツイな。」

 

「往復6時間ですからね。しかも軽ですから、尚更です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『相変わらずだなぁ……お前も。』

 

 

その日の夜、昼間の事を友人に話したところ、最初に言われたのがこの言葉だ。

 

因みにこの友人は、社会人になってからも連絡を取り合う数少ない男友達であり、ほぼ共通の趣味を持つ奴だ。

 

──そして、俺がサバゲーに誘った唯一の友達でもある。

 

 

『 てか、ウマ娘ってそんなにオモロいの?』

 

「面白いよ。ウマ娘の影響で競馬にも興味を持って、毎週見るようになったくらいだから。」

 

『 へぇ~』

 

そこから俺はウマ娘について彼に、出来る限り簡潔で説明をした。

 

以前、彼から「説明が長くて分かりにくい」「早口で何を言ってるのか分からない」と指摘されたので、それ以降 喋る時はこの2点に注意するようにしている。

 

『因みになんだけど、好きなウマ娘って何人おるん?』

 

「うーん………かなり迷うけど、頑張って絞ったら6人かな……」

 

『6人かよw もう少し絞れよ。』

 

 

「無理。これ以上は減らせん。」

 

『そうかいそうかい………因みに、その6人の中だと誰が強いん?』

 

「うーん……それぞれに得意な馬場や距離があるから、一概に「誰が強い」とは言えないなぁ……活躍していた時期も全員一緒では無いしな。」

 

『まぁそりゃそうか………。』

 

「競馬素人だから、そこまで詳しくはないけど、6人ともかなり強いとは思うよ?2人は三冠バ、1人はその三冠バ2人に勝ってるし、1人は競馬ブームの火付け役になった。残りの2人もダービーと天皇賞・秋を勝ってる──というか、GⅠを1個でも勝ってる時点でめっちゃ強い方だからな。」

 

『そんなにか…………?』

 

「競走馬ってそれなりの数がいるらしいけど、GⅠレースで勝てる競走馬って少ないらしいんだよ。重賞を勝てずに引退する馬の方が多いらしいから。」

 

『つまり、G1とかを勝てるのはごく僅かって事か。』

 

「そそ。──で、稀にG1を3勝とか6勝する馬が出てくるんだよ。」

 

『 因みに最高は何勝?』

 

「えーと……最高はG1 9勝じゃなかったけな?確か牝馬で、その1頭だけだったと思う。」

 

『そのバカ強い馬は、ウマ娘になってんの?』

 

「最近、ウマ娘化されたな。だから、現実と同じくG1 勝利数が更新された。」

 

 

 

そこからは、友人に対して好きな6人のウマ娘について知ってる情報を元にどれだけ凄い競走馬だったのかを語り始めた。

 

まぁ、素人が雑誌やネット上で集めただけの情報を喋っているだけなので「語る」というのは、烏滸がましいと思うが……

 

 

 

 

『ごめん、話遮って悪いんだけどさ、気になったから1個聞いていい?』

 

 

粗方話し終わった所で、友人がそう言うので「別に良いよ。何?」と聞くと、彼は()()()()()を言い出した。

 

 

 

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「……………………………………………………は?」

 

 

 

 

 

 

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