・伊地知ポジション成り代わり(伊地知の双子の妹)ものです
・オリキャラ出ます
・激しい捏造、妄想含みます
・ネタまみれです
五条をピックアップに行ったら、待ち合わせ場所に、
黒いアイマスクに白髪を逆立て、全身黒ずくめの男が立っていた。
しかも、無言でこっちをジッと見ている。
……事案以外の何物でもない。
完全に近づいちゃいけないタイプの不審者だ。
私は自然な動作で内ポケットからスマホを取り出し、
110番を押す『ふり』をした。
「だからさ!? いきなり通報しようとするのやめよう!?
僕、まだ何もしてないし!絶対、わざとやってるでしょ潔乃!?」
不審者がクイッとアイマスクをずらし、
手慣れた動きで私のスマホを奪い取った。
露わになったのは、見慣れきったキラキラの六眼。
……うん、五条だって最初からわかってた。
でも、外見が不審すぎてなぁ。
「包帯巻いてた時点で相当でしたけど、今回もなかなかの出来ですね。
あ、すみません、ちょっと距離取ってもらっていいですか?」
「ねぇ、潔乃……いい加減、僕、怒るよ?」
どこかで見たような、聞いたような
お約束じみたやり取りを繰り返していると、背後から冷静な声が割って入った。
「すみません。伊地知さん、通報は勘弁してください」
聞き慣れた、落ち着いたトーン。
振り返ると、制服姿の黒髪の少年が眉をひそめながら立っていた。
「……伏黒君が言うんだったら、しょうがありませんね」
自然と口元が緩む。
「伏黒君。高専入学、おめでとうございます」
「ありがとうございます」
そう今は、2018年の4月。
伏黒恵が高専に入学してきて、本格的な原作時空の突入だ。
私の運転で、五条と伏黒を目的地へ運ぶ。
運転席から視線を向けずに伏黒に話しかける
「せっかく入学したのに、初日から任務ですか?」
「……入学しただけです。任務は、以前から受けていましたから。
今までと変わりません」
淡々とした返答。
変わらない彼の口調に、責任感の強さが滲んでいる。
原作通りしっかりした子だ。
「そうは言っても伏黒君はまだ学生です。
あまり無理はしないでくださいね」
バックミラー越しに笑いかけた、その時だった。
運転席の背もたれ側から、にゅっと長い足が伸びてきた。
後部座席から、態度悪く足を投げ出す五条。
伸ばした足の靴が、私の顔のすぐそばにくる。
「潔乃、甘やかしすぎ。
こいつも呪術師だよ?」
長い足で、運転席のヘッドレストをぐいぐい押してくる。
そのたびに、背もたれがじわじわ揺れて、集中力が削がれていく。
……ガキか。
「五条さん、揺らさないでください。
運転ミスしそうです」
努めて平静を装った声で告げながら、怒りを飲み込んでため息をつく。
バックミラーをちらりと覗けば――
視線が合った伏黒が、大変ですねと言う視線を向けていた。
その視線に思わず私も、伏黒君も苦労してるでしょう?と言う心線を向けてしまう。
お互いの考えていることがわかって2人して小さく笑ってしまった。
「……え、なになに? 二人して無言で笑うのやめない!?
ねぇ!? 僕、今ガチでスルーされてない!?」
ようやく足を引っ込めた五条が、後部座席から身を乗り出して騒ぎ出す。
完全に自業自得だということに、気づく様子はない。
「……子どもかよ」
伏黒のぼそりとしたツッコミに、私が堪えきれず思いっきり吹き出した。
「今回の任務は、廃業したゲームセンター内に発生した2級呪霊の祓除となります」
現地に到着し、ゲームセンターが入っている雑居ビルの前で、私は簡潔に説明を始めた。
「呪霊は主にゲーム筐体や関連設備に取り憑き、不定期に干渉を引き起こしている模様です。
現時点で死者は確認されておりませんが、重体を含む負傷者が6名発生しており、
そのうち4名は直近3日間での被害となります。
このため、早急な対応が必要と判断されました」
私は最後に一つだけ釘を刺す。
「……なお、五条特級術師におかれましては、今回は監督名目での同行となっております。
恐れ入りますが、現場での直接介入はご遠慮くださいますよう、お願いいたします」
「分かりました」
伏黒は短く頷き、任務内容を確認していたタブレットを私に返す。
「はいはい、わかってるって。今日は恵の任務だしね」
片手を軽く振りながら、五条はいつもの調子で応じた。
全く正反対だな。この師弟。
受け取ったタブレットをバッグに戻すと、手早く帳を下ろす準備に入った。
「“帳”を下ろします」
左手で手印を結び、静かに言葉を紡ぐ。
「『闇より出て 闇より暗く その穢れを禊ぎ祓え』
....どうか、お気をつけて」
帳が完全に下りきったのを確認し、私は踵を返す。
いつものように、運転席へと戻ろうとした。
「ねぇ、潔乃。今日は、ここで一緒に待ってようよ。
僕がいるから、万が一があっても大丈夫。
ね?」
補助監督は、基本的に車内での待機が原則だ。
何かあったとき、すぐに術師を乗せて撤退できるように。
まぁ、私を止めたのが五条悟なら、少なくとも、現場の判断として問題にはならないはずだ。
私は一瞬だけ迷ったけど、静かに頷いて五条の隣に立つ。
そして、二人で黙ってビルを見上げた。
帳の下りたビルは、外から見ると、ただの真っ黒な膜に包まれているだけにしか見えない。
中で何が起きているのか、外からはまるで分からない。
でも、隣に立つ五条は違う。
黒いアイマスクの奥の六眼が、その内側をしっかりと捉えているのだろう。
視線の動きは見えないけれど、
ごくわずかに頭の向きが変わるたび、伏黒の動きを目で追っているのがわかる。
六眼って、やっぱりすごいわ。
「うん、順調だね」
五条がぼそりとつぶやく。
「たぶん、あと10分もすれば終わるよ」
その言葉に、やっぱり、ほっとする。
伏黒のような若い子には、できれば傷なんか負ってほしくないし、
ましてや、命を落とすなんてことには絶対になってほしくない。
『原作キャラだから死なない』っていう、妙なメタな安心感はどこかにある。
でもそれとは別の話。
私にとって彼は、子供の頃から知ってる子で、今、命懸けで帳の内側にいる少年だ。
そういや、隠し子騒動なんてのもあったな。
私がイタズラしたせいだけど。
ふと思い出して口角が上がりそうになってしまう。
「なんか楽しそうだね?」
五条が横目でちらりとこちらを見た。
相変わらず鋭い。
「無事戻ってきてくれそうで、何よりです」
流石に空気が読めなさすぎる思考なので、適当なことを言って誤魔化す。
……どうやら違和感は持たれなかったらしい。
五条は再びビルに目を戻しながら、ぽつりと呟いた。
「今日の夜さ、恵の好きなもの食べに行こうと思ってるんだけど、潔乃もくるっしょ?」
「すみません。行きたいのですが、夜は別の補助監督の予定が…」
こう言う時、いつもの、仕事中の口調になるのは反射だ。
それでも五条は、特に気を悪くした様子もなく、「そっか」とだけ返して、
また視線をビルへ戻していた。
五条の言葉通り10分ほどすると伏黒が出てきた。
特に怪我もないようでほっとした。
あのあと、伏黒と五条は次の任務へ向かうため、別の補助監督へ引き渡した。
私はひとまず高専へ戻り、事務作業に取りかかる。
月初は何かと忙しい。
領収書や申請処理の書類が、うず高く私のデスクに積まれている。
そのせいで、今週は現場の補助任務をあまり入れられなかった。
なんとか夕方までに書類の山を片付けて、
夜からの任務の準備に入ろうとしていた、そのときだった。
スマホが震える。
表示されたのは、現場に出ている補助監督の名前。
「お疲れ様です、夜に伊地知さんが予定されていた祓除任務なんですが……
五条特級と伏黒2級が、もう終わらせてしまいまして……」
「……え?」
思わず声が漏れた。
「現地に偶然居合わせたらしくて……そのまま祓除されまして。
一応、報告書はこちらでまとめて提出いたしますので、
伊地知さんはもう来られなくて大丈夫です」
「…………承知しました。
ご対応、ありがとうございます。
私の方から、この任務を予定していた術師には連絡を入れておきます」
通話を切ると、深々とため息が出た。
こちらの段取りを、完全に無視して動きやがって!
前言撤回!ほんっとに、あの師弟は似た者同士!
自由すぎる五条と、黙って従ってるようでいて割と強引な伏黒。
性格は違うのに、やってることは同じじゃないか。
私はスマホを手に取り、この任務を担当予定だった術師に連絡を入れる。
幸いにも比較的仲の良い術師だったため、快く受け入れてくれた。
……よかった。
場合によっては怒られるからなぁこれ。
独り言のように呟きながら、私はスケジュール表から任務の予定をひとつ削除した。
まぁ、これで夜の予定が空いた。
ならば、書類整理をもう少し進めてしまおう。
明後日に提出予定だった区役所宛の書類を、今日のうちに仕上げておけば、明日、出先のついでに提出できる。
予定がひとつ前倒しになるなら、それに越したことはない。
脳内でスケジュールを組み直しながら、机に向かいかけた、そのとき。
スマホが震えた。
これは……プライベートの方。
画面に目をやると、通知のポップアップが浮かぶ。
LINEだ。
画面には、見慣れた名前「五条悟」
うわーもう嫌な予感しかしないよ。
「恵とご飯!この店!19時から」
メッセージには、高級天ぷら屋の食べログのリンク。
とりあえず既読をつけて、即座に返す。
「仕事があるので行きません」
……まぁ、本当にあるし。区役所の書類とか。
そう思いながらスマホを伏せたところで、再び通知が鳴る。
「えー、せっかく僕たちで夜の任務終わらせたのに?
恵も来てほしいってさー」
……あいつら、もしかして最初から私が入る予定だった任務を、
意図的に横取りした?
軽い怒りが込み上げてきたそのタイミングで、さらに追い打ち。
今度は伏黒本人から。
「……断ったら先生が面倒なので」
……ダメ押しきた。
この静かな圧。
『助けてください』とも、『来てほしい』とも言ってないのに、
全身で『本当に勘弁してくれ』と叫んでるのが伝わる。
ため息をひとつ吐いて、私は観念したようにスマホをタップする。
「わかりました。移動します。」
なんで、書類仕事の前倒しっていう発想は、
この人たちの世界には存在しないんだろう。
諦めつつPCをカバンにしまった。
ちなみに合流した天ぷら屋はとても美味しかった。
伏黒が紅生姜の天ぷらを美味しそう食べてたので、まぁ、いいかと。
子供が楽しそうにしてるのは、全てに勝るんだよ。
夜も更けた頃、五条からスマホに着信が入った。
高専で仕事をしながら、私はこの電話を待っていたのでワンコールで即出る。
「潔乃? 明日の朝イチ、大人3人分、新幹線予約を頼むわ。グリーン車ね」
スマホを肩と頬で挟みながら、両手でPCのWeb予約システムを立ち上げる。
ハンズフリーは気まずい。周囲にはまだ職員が残っている。
……みんな社畜だね。
「……グリーン車ですか?
すみません、経費は通常席分までの支給になりますが、それでもよろしいですか?
あと、出発される駅はどちらでしょうか?」
五条ひとりなら黙って通してもいい。けれど、同行者がいるなら話は別だ。
……もう、誰と誰かは分かってるけど。念のための確認の“体”だ。
「経費の件は構わないよ。場所は仙台から東京ね」
「仙台から東京。はい、朝イチですと6時07分発ですね。
こちらで3名分、予約を入れました。後ほどLINEにて、受取コードを五条さん宛に送付いたします」
「うん、ありがとう。
あと、新しい制服の発注お願い。デザインの詳細は後でLINEで送るね」
「……はぁ。制服、ですか?」
わざと、何も知らないような声色で返す。
打鍵の手は止めない。
電話の向こうで、五条がふっと笑ったのがわかる。
あの声だ。『悪戯』を仕掛ける前の、特有の空気。
そして、ぽつりと。
「そう。とんでもない子を見つけたよ。
特級呪物――両面宿儺の指を、飲み込んだ子だ」
「……は???」
今度は、タイピングの手をあえて止める。
驚いた“ふり”を込めて、絶妙に間を取った。
……その反応が、思った通りだったのだろう。
五条は、電話の向こうで満足そうに笑った。
でも、本当は、私はそれどころじゃなかった。
とうとう、本当に、原作が始まる。
その現実が、胸の奥にじわじわと広がっていく。
抗えない流れ。もう戻れない。
ギュッと手を握り締める。
指先が白くなるまで力を込めて、沸き上がる不安を押し留めた。
主人公
きちんと調整して割り振った任務予定が意図的に崩されてオコ。
でも、伏黒が楽しそうだったからまぁいいかと絆された。子供にも甘い。
うわー原作始まっちゃったよ。で頭いっぱい。
胃薬が手放せない。
五条悟
伏黒と主人公がなんか仲良くて僕も混ぜてよとなる。
伏黒から主人公の夜の任務も終わらせましょうと言われて、ノリノリでやった。
うん、潔乃も参加した方が楽しいよね!
この度、1000年に1人の逸材見つけた!
主人公の驚いた反応に満足。
伏黒恵
主人公とは、五条の隠し子騒動の後に直接会った。
真面目で五条に振り回されてる、不幸体質の善人という認識。
常識人なので、五条より主人公の方が相性が良い
主人公の夜任務のを俺たちで終わらせようと、言い出したのは実はこちら。
五条と2人で飯より、伊地知さんもいた方がいい!という理由から。
本編完了しましたが、番外編後日談などどれが読みたいですか?
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本編終了後の後日談
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本編時間中の日常話
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if系(√分岐、原作通り五条死亡など)
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R-18 の下ネタギャグ
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