【本編完結】とある転生者の役割交代   作:kotedan50

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中盤がシリアス風味なので、苦手な方はお気をつけください。
順調に五条にロックオンされた主人公。
地獄はここから。

・伊地知ポジション成り代わりものです
・オリキャラ出ます
・激しい捏造、妄想含みます
・ネタまみれです


転生者、無事天才に目をつけられる

呪術高専に入学したら、原作と同じで同学年は誰もいなかった。

いやさ、知っててきたよ?でも正直辛い。

本来だったら23区内の自分にあった学力の高校に通って、

勉強したり、恋愛したり、渋谷で遊んだり、青春謳歌してたんだよ。

それがこんな山奥の学校でぼっち。

 

私の青春を、ここに捨てる。

 

思わずミケラ構文も使いたくなるよね。

エルデンリングは良ゲー2022年まで生き残らねば!

日本壊滅状態でゲームができなくなってる可能性からは目を逸らす。

 

 

1人しかいないので、座学は教師とのマンツーマン。

これはこれで良かった。家庭教師状態で先生がいるときは付きっきりで学習できる。

呪術の基礎、呪術界の常識などは全く知らないのでこれは良かった。

 

問題は体術。

1人で体術はできないので、強制的に他学年との授業となる。

結果的に、1つ上の学年との合同授業が多くなった。

 

「伊地知、受け身が上手だよね!!!!」

 

優しく褒めてくれるのは灰原。原作通りに眩しいくらいの陽キャ!

 

「もっと動けないかと思いましたが、柔道か何かの経験者ですか?」

 

冷静に分析して話しかけてくる、ちょっと取っ付き辛さのあるのが七海。

 

「はい、少しだけ、柔道を習ってました」

 

汗を拭きながら答える。

そう生存戦略の一つとして、5歳で記憶が戻ってから柔道教室に通い始めた。

ただ、才能はまったくなかった。段も進まなかった。

 

それでも、受け身だけは鬼のようにやらされたから、体にしっかり染みついている。

倒れてもすぐ立てる。逃げる体勢に移れる。それだけできれば、私にとっては充分。

原作の伊地知さん(兄さん)がこういう才能あったかは知らない。

原作ズレしてんじゃないかって?うるせーバーカ。

難易度LUNATICなんだからこれくらいさせて欲しい。

 

「へー経験者か。なら俺も稽古つけてやるよ」

 

嫌な声が聞こえたと思ったら、後ろからぐいっと引きずられた。

体勢を崩しかけながら見上げると、そこには、

五条悟。

あのニヤついた顔で、私を見下ろしてた。

 

「悟、仮にも女の子なんだから、そんな乱暴はいけないよ」

 

この頃はもう闇堕ち直前で、呪力も弱く術式も無い、どちらかといえば猿側の私。

接触したくないはずなのに、意外と面倒見がいい。

クズだが、クズなりに止めてくれる。夏油傑。

 

「はっ。雑魚に男も女もねーよ」

 

問題はこの、白い悪魔、五条悟。

 

「オラ!しっかり受身取れよ!!!」

 

ニヤリと笑ったその瞬間、私は――

投げられた。

 

 

◆◆◆

 

 

──1時間後。

 

ぐったりと水飲み場にもたれかかる私。

もう立ち上がる余裕なんて、これっぽっちもない。

頭から水を被ってるが……女子力とか言ってる場合じゃない。

それより問題なのは。

この様子を爆笑しながら、携帯で写真撮りまくって、

そのまま満足げに去っていった、五条悟への止まらないヘイトの方だ。

 

マジであの男、倫理どこに置いてきた?

え、12年後にあいつのために命かけて結界貼らなきゃいけないの?

やりたくねーーーーー!!!

 

……伊地知さん(兄さん)も、これを耐えたんだよね?

偉いよマジで。

原作の兄さん、再評価しておきます。

 

ほんと、五条悟の“かわいがり”異常だろ。

あの筋肉ゴリラ。

散々私を投げ飛ばしたあと、関節決めて折れる寸前まで解放しなかったからな???

なんなんあのゴリラ。

 

「すみません。私、指導って名の拷問されてないですか?」

 

ぐったりしながらぼやく私に

 

「私たちも同じ可愛がりを受けましたが、女性にも同じことをするとは」

「そうそう俺たちも散々やられたよね!」

 

冷静に分析しながら呆れる七海と、

明るく笑い飛ばす灰原。

 

この地獄のような訓練が“日常”ってマジでブラックすぎるだろ呪術界!

 


 

少し離れた位置から、水飲み場でぐったりしていた伊地知が立ち上がる。

それを見ながら、夏油が隣の五条に声をかけた。

 

「ここ最近、散々“可愛がって”みたけど……あの一年、どうだった?」

「受け身はそこそこ。体力もあれだけ投げ飛ばされておいて、まだ喋る余裕あるくらいにはある。

それに……逃げない根性も、まぁ合格点。」

 

五条は気怠げに肩をすくめた。

 

「でもなぁ……呪術師としては、ねーわ。

術式ナシで行くには、あまりにも平凡すぎる」

「もったいないね」

「んでも――おかしいんだよな、アイツ」

 

五条がサングラスをずらし、じっと伊地知の姿を睨みつける。

 

「呪力量。 本来、もう少しあるはずなんだが……

いつもカスカスのスカスカなんだよ。特に朝がヤバい。

寝起きで体力も呪力も回復してるのが普通なのに――

アイツ、朝が一番枯渇してんの。」

 

「……言われてみれば、確かに」

 

夏油も目を細めて、伊地知を見やる。

 

「今なんて、あれだけ体ズタボロなのに――

午前中より呪力回復してるじゃん。おかしくない?」

 

ぽつりと呟いた。

そして――

 

「……任務、入れてみるか」

 

五条がそう言って、

ニタリと、口元だけで笑った。

 

 


 

 

「え?五条先輩と任務ですか?」

 

は?なんで?

 

ゴジョウ!? ゴジョウナンデ!? コワイ!!

 

今日の任務の予定を補助監督から聞いて絶望した!

顔には出さないようにしてるけど、心の中では大絶叫。

入学以降、可愛がられすぎてマジで五条が苦手になってきてんだよ私は!!!

 

私は伊地知さん、私は伊地知さん……。

自己暗示をかけて、なんとか動揺を押さえ込む。

 

「あ、あの……特級呪術師の五条先輩の任務に、私がついていけるとは思えないんですが……?」

「当たり前だろ。俺がお前の任務に付き添ってやるっつってんだよ。雑魚」

「ひぇ!」

 

ガラガラッと扉を開ける音を立てて、噂の白頭が堂々登場。

相変わらず態度わるくて、いっそ笑える。

ちなみに、私の反応は素だ。怖いよこの人。

 

「え、私の……任務に?」

「おう、ありがたく思えよ?」

 

ニタニタと雑魚を見下ろして楽しげな五条に鼻フックを決めたくなる。

頼んでないから、クーリングオフできないかな……

 

 


 

 

「あ、いらないいらない。帳も俺がやるからあんたはここで待ってろよ」

 

現着したあと担当の補助監督を放置して、真っ先に進み出す五条をポカーンと見つめる。

 

「オマエはボケっとしてないで来い」

「いたったたた!いたいですって!!五条先輩!!」

 

私の頭を鷲掴みして歩き出すので痛い痛いと騒ぐ。

ちょ、ふざけんな女の頭触んな!!!

なんとか振り解き、鷲掴みされた部分を撫でる。マジで握力ゴリラ。

 

「ボケッとしてる方が悪い。今日の任務の詳細はあー2級だったか?」

「……私に2級呪霊が祓えるわけがないでしょう」

 

こいつ適当すぎだろ。

思わず本音をポツリと呟いたその横から、ガラの悪い声が飛んできたけど――

華麗に無視して、“伊地知さんモード”に切り替える。

 

「本日の任務は3級となります。

本来であれば、私にとってはギリギリ対応可能な階級で本来は割り振られないですが……

五条特級術師が補助として入られるということで、今回私に割り当てられたようです」

 

脳内でスーツと眼鏡を装着し、あの伊地知さんモードになりながら状況を整理していく。

 

「呪霊の出現位置は、遊園地内のメリーゴーランド付近。

閉園後のこの時間。従業員を含め、すでに人払いは済んでおります。

施設の破壊はNGとのことです。

人が集まり、負の感情が蓄積しやすい場所であることから、

呪霊の階級が上昇するリスクも想定されます。

そのため、“そうなる前に速やかに対処を”――

というのが、今回の任務の主旨となります」

 

学校から支給された、鉈型の呪具を手にしながら――

ふと隣に立つ五条先輩を見上げた。

 

……なんとも言えない表情で、じっと私を見下ろしている。

 

「あの?五条先輩……?」

「オマエ、その内容どこで見た?」

「えっ、あ、はい。補助監督から任務の依頼を受けたあと、出発までの時間で情報を整理しました」

 

高専に入って実際に任務に出てから気づいたけど――

この世界、任務の概要説明めっちゃざっくりなんだよね。

情報抜けも多いし、現場で混乱するのイヤだから、毎回自分で事前調査してるんだけど……

 

もしかして、この頃の伊地知さん(兄さん)って、

まだそういうのやってなかった感じ?

いや、死ぬから死ぬからね!!!事前調査大事よ?

 

「……へぇ?」

 

なんだか面白そうに五条が笑うのを見て。なんか鳥肌がたった。

この人が笑うとなん凄みがあんだよ。

 

「あ、あの。そろそろ始めたいんですが?」

「ちっ。『闇より出て闇より黒くその穢れを禊ぎ祓え』とっとと払ってこい」

 

なんで舌打ちされるんだ。クソが内心で毒づきながら、帳の中へ、とぷんと潜った。

 


 

「おい、早くしろよ。こっちは暇なんだ」

 

メリーゴーランドの馬車に座って、携帯ゲーム片手にだらっとした声。

この状況でそれやる!?っていう、特級呪術師の余裕っぷり。

 

「3級は、私は……けっこう無理よりのギリなんです!!!!あぁもう!!」

 

息も絶え絶えになりながら怒鳴り返す。

もう無理、伊地知の猫なんて被ってられない!!

 

「猫被ってんの、取れてんぞー」

 

ケラケラ笑って楽しそうな声。

人格破綻者かこの人。

イラつきで奥歯をギリギリと噛み締めながら、呪具を横薙ぎに一閃。

やっと、呪霊の動きが止まった。

サラサラと崩れていく呪霊。

 

「お、終わった……」

「雑魚すぎんだよ。3級程度にどんだけかかってんだ」

 

ぜーはー、ぜーはー。

荒い呼吸を整えながら、五条の罵倒を聞き流そうとしていた、その時――

私と五条、同時に気づく。

帳が――上がらない。

 

「おい!」

 

五条がメリーゴーランドの馬車から飛び降りると同時に声を張る。

が、遅かった。

私のすぐ横から湧き上がる黒い異形。

視界に入った瞬間、呼吸が止まる。2級どころじゃない。

出会ったことがないけど、本能でわかる。

1級だ。

 

一撃目を避けれたのは偶然。

後ずさろうとして足がもつれ、座り込んだ私の頭上を、呪霊の鋭い腕が掠めていった。

五条が結界を破壊しようとするが、この一級が何か条件付きの結界を張ったらしい。

 

「おい!!!」

 

結界に阻まれ私の元に来れない。

呪霊がニタニタと笑う様を見て喉が引き攣る。

……こいつ、分かってやってる。

狙って、私だけを閉じ込めた。

わざと、助けが届かない状況を作って――楽しんでる。

五条のことだからあと、数分、いや。彼なら十数秒持たせれば、結界を破壊できるだろう。

 

でも、私にそこまで頑張れる実力がない!

 

くそ、こんなところで死んでたまるかよ。

まだ伊地知トレース人生始まったばかりなんだよ。

ここで死んだら、原作崩壊なんだよ!!!!

 

呼吸が上がる。手が震える。

でも、思い出す。そうだ。あれがある。

そうだ。宝石。

ポケットの中に無造作に突っ込んできた、呪力を込めた宝石。

まだ呪霊相手には使ったことないけど、今日持ってきたのはここ1年ほど呪力を流し込んだやつだ。

せめて、こいつの結界だけでも解ければ、五条に助けてもらえる。

それくらいの効果はあってくれ。そんな気持ちを込めて、

 

「クソが!くたばりやがれ!!!」

 

鷲掴んだ宝石ルビーとガーネットを呪霊にぶん投げた。

 

――次の瞬間。

 

轟音。

 

激しい爆発が、空間を揺るがす。

 

凄まじい風圧に押されて、私は後方へ吹き飛ばされた。

メリーゴーランドに叩きつけられる衝撃を覚悟して、ぎゅっと目を閉じた――

……でも、それは来なかった。

代わりに、何か温かいものにぶつかって包まれる。

恐る恐る、目を開け、後ろを見上げると

私を背後から包むように抱き止め、無限で爆風を完全に遮った五条悟がいた。

晒された六眼がギロリと私を見下ろす。

 

「おい、オマエ……何やった?」

 


 

あの後、爆発の影響で補助監督がすっ飛んできて――

会話は中断された。

そういえば、施設の破壊はするなって言われてたんだよな。

……でも、地面は抉れてるし、破片は四方に飛び散ってるし、

メリーゴーランドも結構な破損具合。

 

うわ、ヤッベ!?

え、これ、私が弁償するの!?

借金とか背負う流れ?

血の気が引いて思わずふらつく。

 

「1級が出たから、俺がやった。

3級の任務のはずだろ。等級の見極め、どうなってんだ?」

 

そんな私を支え、爆風で制服が破け、ズタボロになった私の肩に――

五条は自分の高専の学ランを、そっとかけてくる。

 

……は?オマエ誰だよ???

 

「こいつだけだったら、死んでたぞ」

 

低い声で言いながら、私の肩に手を置く。

そして補助監督を、鋭く睨みつけた。

 

「車回して、こいつ怪我してるから硝子に見せたい。

現場の処理で動けないならタクシーでもいいから。早くしてくんない?」

 

慌てふためく補助監督が、慌てて携帯を取り出しタクシーを呼ぶ。

やがてタクシーが到着し、私と五条は乗り込んだ。

ドアが閉まり、車が動き出す。

遊園地の現場が視界から消える――そのタイミングで。

 

「……これで、お互い弁償しないで済むだろ」

「は?」

 

反射的に声が出た。

 

「一級が出てんだ。高専にそれくらい払わせろ。それともオマエ払いたかったのか?」

 

ニヤリと言われて、いやいやいやと首をブンブン横に振る。

 

「ならそれでいいだろ」

 

肩の力が少し抜けたと思った次の瞬間――

 

「んでだ、さっきの話の続きだけど。アレ何?」

 

いきなり話を戻してきた五条に一瞬思考が止まり、反射的にタクシーの運転手の方を見てしまう。

 

「遮音と幻惑の結界、張ってるから見ねぇし、聞こえねぇ」

 

え、いつの間に!?

……やっぱ五条悟すげぇわ。と内心ちょっとだけ素直に感心してしまう。

 

「さっき、なんか投げてたろ?」

 

こっちの返事を待たずに本題に入ってくるあたり、会話の主導権が100%こっちにないのがよく分かる。

まぁ、もう逃げられそうにもないし――

隠す理由もないので、素直に自白することにした。

 

「はい、石は違いますが、これと同じ種類のものを投げました」

 

ポケットを弄り、ルビーとガーネットを取り出し五条に見せる。

 

「...ルビーとガーネットか?高密度で呪力が貯められてる。これはオマエが込めたのか?」

 

ルビーとガーネットを手に取り、サングラスをずらして繁々と観察している。

声のトーンはいつもの軽さだけど、流石に驚いてるっぽい。

 

「はい、毎晩1年ほどかけて少しずつ呪力を流し込みました。

多く流しすぎると宝石自体が壊れてしまうので、ゆっくりと少しずつって感じで」

 

少しだけ、胸を張る。

なんだかんだ、地道に積み上げてきたことを認めてもらえるのは嬉しい。

だって、あの最強の五条悟だぞ?

 

「私は術式がないですから、身を守る手段をと考えた時にこれに思いつきました。

毎晩流すだけで今日みたいな時に役立つので、弱者の生存戦略ですね」

「……へぇ」

 

なんか楽しそうにしてるな?

さっきまでのピリついた空気が少し緩んでくれるのはありがたい。

しかし、どこか子供が新しいおもちゃを見つけたときみたいな顔してるな。

 

「なんか車内で試せる石ない?」

「これとかどうでしょう?」

 

小さなアメジストを取り出して手渡すと、五条はそれを手のひらに乗せ、眺めたあと呪力を込めた。

瞬間、アメジストが小さく砕け、仄かな光が車内に広がる。

あーあ、この石も3ヶ月呪力込めたんだけどな。とはいえない。

 

「……疲労回復効果か?」

「正解です。微々たるもんですが」

「効果って、爆発だけじゃないのか」

「はい、宝石の種類ごとに属性効果があります。同じ種類の宝石でも個体差が激しいですね」

 

五条の視線が、宝石から私の顔に移る。

目を細めて、何かを測るような顔をしてて、少々居心地が悪い。

 

「……あー、オマエ、夜にその石に呪力込めてるよな?」

「えっ、はい。どうして分かったんですか?」

「朝、お前の呪力量がカツカツなのに、夜になると明らかに回復してんの、何度か見てたからな」

 

うわ、鋭っ……!

この人、普段バカみたいなこと言ってても、こういうとこマジで怖い。

 

「はは……」

 

もう、苦笑いしかできない。

 


 

あの後、保健室に連行され、家入の治療を受けることができた。

アドレナリンで感覚が鈍ってたのか気づかなかったけど、小さなヒビまで入ってたらしい。

 

……いや、割と普通に動いてたな私?って思ったけど、

やっぱりアレか。死にたくない一心ってすごいわ。

そして、宝石の威力に驚いた。あんなやべーことなってたのか…

 

五条の判断で、現場から早々に離れさせてもらえて本当によかった。

あの時の彼は、まるで別人みたいだった。

正直、ちょっと怖かった。でも――

 

助かりました、五条。

……少しだけ、ほんの少しだけ尊敬することにします。

 


 

3級任務に1級が出た理由は、結局わからなかった。

 

高専が調査に乗り出して、

しばらくは2級以上の術師しか任務に出せないという暫定措置が取られた。

 

「申し訳ない」と言われたけど、

元々私は4級しか任されてなかったので、ぶっちゃけ実質影響はない。

 

でも、その分――

五条や夏油、七海や灰原があちこち飛び回ってるのを見て、流石に申し訳ない気持ちになる。

もしかして、夏油の呪詛師堕ちの一端になってない?私。

 

任務に出られず、授業も最低限。

繁忙期なのに任務に行けないので、暇を持て余す。

せめて同学年がいたらなー一緒に勉強とかもできるけど。やっぱこういう時ぼっちは辛い。

原作の伊地知さん(兄さん)はこういう時何してたんだろ?

真面目だから勉強とかしてそうだな。とくすくす笑う。

 

仕方がないので自主鍛錬の後は部屋に篭り、暇さえあれば宝石に呪力を注ぐ。

ゆっくりゆっくりと静かな時間が流れ......

ドンドン!と強いノックの音

 

「おい!ちょっと邪魔するぞ!」

 

こちらの返事も待たずに、五条が寮の扉を開けてきた。

 

「は?」

「うわ、だっせ」

「帰れ!!!」

 

思わず素になって、叫ぶ。

1人で過ごすつもりだったので完全油断してた。

すっぴんのメガネ無し、前髪邪魔なのでタオルヘアバンド、極め付けは中学のジャージ...

他人が来るなんて想定してない!

 

「ここ女子寮! いちおう男子禁制」

 

ぐいぐい部屋に入ろうとする五条を、必死に押し戻す。

……重い。でかい。全然動かない。

 

「硝子の部屋でも何度かゲーム大会してるから問題ねーよ」

「治安!寮の治安isどこ???」

「……あー、俺、この前の遊園地の件……口滑っちまいそうだなぁ〜?」

「どうぞお上がりください!!!!!!」

 

玄関でヤケクソになって叫ぶと、五条は満足げに部屋へ。

好き勝手にくつろぎ出し、部屋の座布団に座ってニヤニヤ。

 

「あ、俺、甘いミルクコーヒーね。砂糖6個入れて」

 

 


 

 

部屋を見渡して、「女の部屋なのに色気ねーなー」なんて適当なこと言ってる五条を、

完全に無視。

無言で立ち上がり、台所からご希望通りのミルクコーヒーをドンっとテーブルに叩きつける。

なお、心の中では。

 

糖尿病になって、勃起不全にでもなりやがれ。

 

もちろん、そんな呪詛がこの男に効くはずもない。

でも、気持ちが大事。

五条がコーヒーを受け取って嬉しそうに口をつけたのを見届けてから、

ようやく正面に座る。

深呼吸して、口を開いた。

 

「……何の御用でしょうか、五条先輩」

 

表面上は、丁寧な伊地知モード。

けど心の中では、もう殴りたい気持ちMAXである。

 

私は伊地知さん、私は伊地知さん……と自己暗示をかけながらも、

せめて寮の部屋の中くらいは、個人空間としてそっとしておいてほしかった。

 

「任務が落ち着いたから、前回の話の続きにきた」

 

おっと、意外と真面目な話のようだぞ?

しょうがない居住まいを正して口をひらく。

 

「ご連絡いただければ、談話室へ向かわせていただいたのですが」

「談話室だと他のやつに話が漏れる可能性がある。あと………」

 

五条が、言いながら胸元に手を突っ込む。

制服の内ポケットから巾着袋を取り出し、無造作に私へ差し出してきた。

 

「……ん」

「はい?」

 

思わずそのまま受け取って、巾着を開く。

 

中には――

 

じゃらじゃらと音を立てて転がる、複数の宝石の原石。

透明なクオーツ、深い青のサファイア、緑がかったエメラルド、ダイヤモンドまで入ってる。

 

「は? ...は???」

「やる。この前、石使っちまっただろ?」

「いやいやいやいや、量が多すぎますって!!

しかも、これ前回私が使った石より質が良いですよ!?!?」

「詫びは三倍返しだろ」

「それはホワイトデーーーー!!!!」

 

叫ばずにはいられなかった。

というかこの人、やっぱり色んな意味で『常識』が違う。

何このボンボン……金銭感覚、どうなってんの?

五条家の資産力、冗談抜きで怖い。

 

「しかも詫びって。詫びられるようなことなんて…」

「俺が監督役としてついて行ったのに、ヘマやったからだ。

......悪かったな」

 

正直驚いた。本当に驚いた。

太陽が西から昇って東に沈むくらいに驚いた。

ドラクエ10でクローズの正体がシンイくんだった時くらい驚いた。

この人間性どクズの五条悟が素直に謝るだなんて。

 

「謝意は受け取ります。ですがこれでは貰いすぎです」

 

巾着袋の中から、うーん、5個くらいもらっておくか。

適当に5つを取り出してテーブルの上に置く。

 

「これくらいで大丈夫です。ありがとうございます」

 

そっと巾着袋を五条に差し出すと、黙って受け取ってくれた。

正直ホッとした。あんな大量の良い宝石持っていたくない。

 

「なぁ、その宝石に呪力込めるの見せろよ」

「え?」

「ほら、早くしろ。はーやく!」

 

パチパチと手を叩きながら急かしてくる五条。

声もうるさい。テンションも高い。相変わらず会話の主導権なんてこちらにない。

 

家入にバレたらどうしよう、と一瞬思うが――

まぁ、バレても怒らないんだろうけど。ネタにはされる。確実に。

ため息をつき、先ほどもらった宝石の中からエメラルドを選ぶ。

 

「そんな楽しいもんじゃないと思いますけど…

呪術師が武器に呪力流すのと同じことを宝石でやってるだけですし…」

 

人に見せるの初めてなので小っ恥ずかしい。

でも、失敗するわけにはいかない。

変なとこ見せて、ヘラヘラ笑われるのも癪だし。

普段以上にゆっくりと、繊細に宝石に呪力を流す。

 

一定の呪力量を流すと宝石、ほんのわずかに呪力がさざめくような反応がある。

今日はこれくらいだな。これ以上流すと宝石にヒビが入る。

 

そこで呪力を流すのを止め、ふぅと息を吐いた。ひたいの汗を拭いながら

 

「どうです?つまらないでしょ?」

 

私の言葉に反応せず、呪力を込めたエメラルドを手に取りじっと見てる。

 

「何で呪力を流すのをやめた?」

 

不意に投げかけられた問いに、すぐに答える。

 

「これ以上流すとヒビが入るからです。感覚でわかります」

「毎晩呪力流してるって言ってなかったっけ?」

「はい、明日になればまた流せるようになりますから。これは経験則です」

「ふぅん」

 

巾着袋の中から、別のエメラルドを無造作に取り出す五条。

そのまま、私がやったのと同じように呪力を通してみせる。

 

パキィンッ――

 

石が、砕けた。

 

「あー……もったいない……」

 

思わず漏れる心の声を許してほしい。

五条は砕けた欠片をしばらく見つめたあと、ふっと笑った。

 

「...なるほど

術式じゃねーが石に呪力を流すのには、相当なセンスがいるな」

 

面白そうなものを見つけたというような笑顔に。あ、やな予感。

 

「すごいな。呪力が丁寧に宝石に織り込まれてる。

宝石の元々もつ呪力と重なってオマエの呪力とも異なる呪力になってる」

 

石からチラリと、俺に視線を向けて――

五条が低い声で言う。

 

「オマエ、このこと……俺以外に知ってるやつ、いるか?」

「……いえ。五条先輩だけです」

「正解だ」

 

ひと呼吸、置いて。

 

「オマエの能力、相当やばいぞ。」

 

その声には、もう笑いはなかった。

 

「お手軽に宝石に呪力を流しただけで、1級の呪霊を祓える爆弾が作れるんだ。

しかも呪力が宝石と混ざって、オマエのものとは異なる状態になってる」

 

視線が鋭くなる。

いつもならヘラヘラしてるあの目が、まるで別人のように冷たい。

 

「――上の連中からしたら、『使い勝手がいい』よな? オマエ」

 

声の温度が、ぐんと下がる。

 

「拉致監禁されて、製造マシーンとして使われるか。

……最悪、孕み袋だ」

 

声のトーンも、表情も、何ひとつ軽さがない。

 

「……見つかったのが、俺で本当に良かったな?」

 

 

ヒュッと喉がなる。

身を守るための手段として考え出したのに、やばいルートに突き進もうとしてる?

思わず口を手で押さえてしまう。身体の震えが止まらない。

 

「そうそう怯えんなって」

 

五条が、ふっと笑って、

ぐいっと身を乗り出してきた。

 

「そこでだ。俺と契約しないか?」

 

顔が近い。

その軽口に、何が隠れてるのか全然読めないのが、余計に怖い。

 

「俺はオマエの秘密を、誰にもバラさない。

その代わりオマエは、俺の依頼に応じて宝石に呪力を注げ。

宝石は、こっちで用意する。依頼料もちゃんと払う……どうだ?」

 

一瞬、ぐらっと揺れかけた。

でも、そこでふと――あることに気がつく。

 

「……あの、それだと……私だけ得をしませんか?」

 

ぽつりと出た言葉に、五条の眉がほんのわずかに動いた。

 

「宝石も、依頼料も、五条先輩が負担して……

私はただ、呪力を流すだけ……釣り合わないと思います」

 

素直に五条の案に乗っかっとけばいいのかもしれない。

でもなんだろう――ズルしてるみたいで、気持ち悪かった。

 

だから、口から出たのは拒絶じゃなく、迷いながらの本音だった。

 

「かーーー、オマエ、アホだろ?」

 

呆れたような声が降ってきたかと思えば、

次の瞬間、五条がぐしゃぐしゃと私の頭を撫でてきた。

タオルのヘアバンドがずれて、髪がばさっと顔にかかる。

 

「ちょ、やめてください!」

 

慌てて手で払いのけようとするけど、五条は悪びれもせず笑ってる。

「俺が後ろ盾になるって言ってんだよ。

いいから、素直に受けとけ。お前の安全にもなるからよ」

 

そう言って、巾着袋をずいっと押し付けてくる。

五条はそのまま立ち上がり、私を見下ろしたまま続けた。

 

「最初の依頼は、その巾着袋の中の宝石に呪力込めとけ。来週までに」

「は? えっ、いや、ちょっと待ってください!? この量……!?」

「1週間でどれくらい込められるのか、チェックも兼ねてるから。

サボんなよ? やってなかったらマジデコピンな!」

「マジデコピンって何!!!!」

 

理不尽すぎて叫ばずにいられなかった。

 

でも五条は、ケラケラと悪びれもなく笑って――

 

「あーそうそう。オマエ、礼儀正しく喋ってるけど、時々オブラート破れてるからな?

この前呪霊倒した時の『クソが!くたばりやがれ!!!』、あれマジ最高に笑えたわ」

 

「…………………………」

 

やばい。聞こえてたの!!!

伊地知さん(兄さん)はそんなこと絶対に言わない!!!

 

完全に固まった私を放置して五条はくるりと背を向け、ドアノブに手をかける。

 

そして――

 

「ま、今後ともよろしく。潔乃(きよの)?」

 


 

主人公

 

この度、名前が判明した。

五条の可愛がりにだいぶ参ってた人。

兄への尊敬がストップ高。あんな暴君よく相手にしてましたね!!!!

隠してたわけじゃないが、もろもろ五条にばれた。

結果お気に入りになって、まぁ、原作の伊地知に近い感じなり、結果オーライ?

でもストレスで胃薬が手放せなくなる。

 

 

 

五条悟

 

最初は違和感を覚えてただ軽く探りにいっただけ。

主人公の予想外のスキルと、生真面目さと、

たまにオブラートが破れ出てくる毒のある性格が気に入った。

こいつ、呪術界残らないんだったら五条家で雇って使お。

 

主人公に構ってないで、隣の親友を見たほうがいい。

そろそろ堕ちるぞ?

 

 

 

伊地知潔高

 

進学校に通って青春を謳歌中。

全キャラの中で、この時空で一番人生謳歌してる。

 




とりあえずここまで。時間見て続きをUPります。
誤字脱字多いと思いますが、すみません。
見つけたベースで直していきます……

本編完了しましたが、番外編後日談などどれが読みたいですか?

  • 本編終了後の後日談
  • 本編時間中の日常話
  • if系(√分岐、原作通り五条死亡など)
  • R-18 の下ネタギャグ
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