【本編完結】とある転生者の役割交代   作:kotedan50

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伊地知ポジション成り変わった主人公が、原作沿い(?)で頑張ろうとするネタ。
オリジナル設定てんこ盛り。
後日談。転生者、またもや説教される以降の時間軸のお話。


・伊地知ポジション成り代わり(伊地知の双子の妹)ものです
・原作終了後のif字空で、五条と七海が生き残ってます
・本編の空気感は皆無です
・主人公と五条は婚約してる時間軸です
・激しい妄想と設定とネタまみれです
・エロというか、ギリシャ文化を語る上で「ち⚪︎こ」やら「包⚪︎」やらの単語がでまくります。なので、苦手な方は注意


後日談:転生者、酔い潰れる

あっ、しまった。

そう思った時には、もう遅かった。

 

久しぶりに高専生の祓除任務に同行して──うん、ホントに久しぶり。

入学したばかりの、まだ初々しい学生たち。

その姿を見て、思わずニヤニヤしてしまった。青春って、いいよね。

 

五条と婚約してからというもの、あの人は私を他の任務に行かせてくれない。

まぁ、五条が雇い主で、私は“彼専属”として高専に派遣されてる立場だから、それはそうなんだけど。

──でも、みんなの目が、目がね?

 

五条関連の仕事だけやってるせいで、前より時間に余裕がある。

だからなのか、「手伝ってくれねーかなー?」みたいな視線が突き刺さる。

特に日下部。そして七海。

 

五条の許可をもらわず動くと、あとでめちゃくちゃうるさい。

だから、知らんぷり。知らんぷりが一番安全。

 

「おい、この薄情もん!」

 

案の定、日下部の恨みがましい声が飛んできた。

……この人、拗ねると面倒なんだよなぁ。

しょうがなく足を止めて、振り返る。

 

「五条さんに文句言ってくださいよ」

 

「ったく、優秀な補助監督兼術師を占有しやがって、五条のやつ!」

 

「ま、私を使いたかったら、五条さん説得してください」

 

そう返すと、日下部がげんなりとした顔をした。

以前、彼自身が五条に依頼をかけたときの面倒さを思い出したらしい。

 

「……五条さんは、伊地知さんのことになると過保護ですからね」

 

七海が、あの特徴的なサングラス越しにじっと見てくる。

その視線が「死亡偽装なんてして逃げるから、余計に拗らせてるんですよ」と言っている気がして、思わず視線を逸らした。

うん、それはそう。悪かったからその目はやめて。

 

「せめてガキ共の引率でもやってもらえると、こっちはありがたいんだがな」

 

「日下部さん、担任でしょう? 学生の引率しないで何するんですか」

 

七海が心底呆れたように言う。

 

「また、サボりですか?」

 

私がすかさず追撃して、じっとりとした視線を向ける。

この人、ほんと優秀だけど、手の抜き方も優秀なんだよなぁ。

 

「昨日から祓除任務で出ずっぱりだったんだよ!」

 

声を張り上げて抗議してくるが、

──この人、逆ギレ挟んで誤魔化すタイプだ。うん、ガチでサボりだわこれ。

 

「「言い訳ですね」」

 

「……うるせぇ!」

 

七海と私のツッコミがぴたりと重なった。

現場の空気が、一瞬だけ和む。

 

──そのときだった。

補助監督の一人が、血相を変えて駆け込んでくる。

 

「小田原駅付近と横浜の馬車道付近に、それぞれ推定一級の呪霊が出現! ただいま詳細確認中です!」

 

瞬間、空気がピリッと張り詰めた。

不貞腐れていた日下部も、呆れていた七海も、表情を一変させて“呪術師の顔”になる。

 

「私が横浜へ行きましょう。土地勘がありますから」

 

七海が落ち着いた声で言いながら、サングラスの位置を指で直す。

その仕草に頷き、日下部が私の方を向く。

 

「伊地知」

 

「良いですよ。任務詳細は学生に聞きますね」

 

タブレットを取り出し、日下部が引率予定だった学生の任務データを確認し始める。

 

「悪りぃな。今度、酒奢る」

 

「学生のためなら、五条さんもさほど文句言いませんよ。

 ──あの人、青春大好きおじさんですから」

 

 


 

 

「んで、日下部さんの代わりに任務同行して?」

 

……現在地、五条と同棲している自宅リビング。

ふかふかのラグの上で正座している。

目の前のソファーには、腕を組んだ五条悟。

足を組み替えながら、貧乏ゆすりが止まらない。機嫌の悪さ、MAXである。

 

「学生たちが祓って外に出てきたところで、別の呪霊が湧いて──思わず学生たちを庇って被呪したと?」

 

「はい。おっしゃる通りでございます。あっと思った時にはもう体が動いちゃって……」

 

……ああ、この感じ、久しぶりだ。

婚約してからは一度もなかった、“術師としての説教”。

 

「湧いた呪霊が2〜3級程度だったので、私なら大丈夫という判断で……はい」

 

五条は眉間を押さえ、しばし沈黙。

そして、深く息を吸い──

 

「…………はぁぁぁぁぁぁぁ」

 

く、空気が重い。

リビングの空気が、ずっしりとした五条の圧で満たされていく。

 

「これだからオマエを任務に行かせるの嫌なんだよ。

低級呪霊でも、致命的な呪いだったらどうすんの?」

 

声色が低くて、少し荒い。

学生時代の時のような口調だ。

大人になってからの、いつもの柔らかい調子とは違う。

心底、腹を立ててる。

 

「あー……その……呪霊が呪いを放った瞬間に、その質を感じたんで。

そこまで致命的にはならないって判断できたというか」

 

「呪力感知、ヘッタクソなオマエが?」

 

間髪入れずの辛辣なツッコミ。

五条のサングラスの奥の瞳が、完全に呆れている。

 

「そ、それは呪力が大きい五条さんがそばにいるからで!

いない時は大丈夫です! 長年、弱者人生送ってません!

自分に致命的なのは流石に分かります!」

 

「へぇ〜〜〜???」

 

「信じてないですね……」

 

五条の周りの空気がビリビリしてる気がする。

いや、気のせいじゃない。呪力、漏れてる。怖い。

 

サングラスをずらし、その煌めく六眼があらわになる。

そのまま、私の全身をじぃっと観察して──チッ、と舌打ち。

 

「…………こういう時に限って、潔乃の認識あってるのが腹立つ」

 

「え?」

 

五条が小声で何かを呟くが、私には聞き取れなかった。

聞き返したが、返ってきたのは二度目の舌打ち。

 

「とりあえず、解呪方法はわかったから。さっさとやろうか」

 

「え? 方法わかったんですか?」

 

「僕の六眼を舐めんなよ」

 

そう言って、五条が立ち上がる。

アイランドキッチンの向こうに消え、冷蔵庫を開ける音がした。

 

開けたのは、2つある冷蔵庫のうちドリンク専用の方。

中には五条の甘いドリンクや、私の酒がぎっしり。

ジュース、ビール、日本酒──ちょっと待て、それ私の秘蔵のやつ!

 

「ちょっと、五条さん、それ私の日本酒! どうするんですか!」

 

正座してたのから慌てて立ち上がる。

五条の手には、私が自腹で買った秘蔵の純米大吟醸──限定ボトルが浮かんでいる。

未だ混乱気味の日本で、必死で手に入れたやつだぞ?

限定ボトルを含めた多数の酒を無限でプカプカ浮かせながら持ってきて、まるで戦利品を並べるようにテーブルへ置く五条。

そのドヤ顔が、ほんとに腹立つ。

 

「飲むんだよ」

 

「え? 五条さんが?」

 

下戸の五条さんが?え?勿体無いやめてよ。

酒のおいしさ理解できないくせに!

 

「僕が飲むわけないでしょ。君が飲むの」

 

「なんで?」

 

「それが解呪方法だから」

 

「は?」

 

理解が追いつかない。

まさかと思いながらも五条の顔を見つめると、彼は真顔で続けた。

 

「酒を飲みたい、でも飲めない──っていう酒飲みの負の感情が固まった呪霊だったみたいだね。

しこたま酒飲んだら、解呪できるよ」

 

「なんですかその、酒飲みにとって天国みたいな呪い」

 

もう呪いなのか、ご褒美なのか分からない。

五条は無表情で頷き、さらっと地獄の一言を放った。

 

「あ、でも気をつけてね。君、今クッソ酒弱くなってるから」

 

「え……」

 

今の“え”には、いろんな意味が込もっていた。

そんなん嘘でしょ。やら、そんなご都合的な!やら、一番は私が酒弱くなってる?嘘でしょ。

まさかの弱体化報告。

それを聞いた五条は、口角を上げて悪戯っぽく笑う。

 

「さっさと潰れるまで飲んで、解呪しようね」

 

「え、それならその秘蔵の日本酒は飲みたくな……」

 

「うるせぇ、さっさと飲め」

 

強制。完全に強制。やっぱ、まだめちゃくちゃ怒ってる。

 

五条悟の理不尽の前に、私は涙ながらにそっと日本酒の栓を開けた。

──カポン、と心地よい音が響く。

ああ、私の大事な一本が……

 

 


 

 

「んふふ、日本酒美味しいですねぇ〜」

 

潔乃がフワッフワにとろけた顔で、頬を赤くしてニコニコしている。

もう、見るからに“酔っぱらいの完成形”。

ソファーに仲良くすわり、僕にぽすん!と、もたれて、ニコニコとお気に入りのマグカップで日本酒を飲む潔乃。

 

酒弱くなってるはずなのに、最初に持ってきた酒はビールやらワインなど、あらかた飲み干して残っているのは潔乃が開けるのを渋っていた日本酒のみ。

それをまだ、マグカップでカパカパ開けている。

普段だったらこれでも酔わないんだから、やっぱり潔乃のアルコール耐性は異常だとため息をついた。

ふと、僕の腕に抱きついている潔乃に視線を落とす。

ニッコニコで僕を見上げてる潔乃と目があった。

 

 

……いや、それでも可愛いんだけどさ。

 

 

僕の許可も取らずに、日下部さんの代わりで学生たちの任務に同行したって聞いた時点で、

そりゃあ、ちょっとはイラッとしたよ。

ほんのちょっとだけね。

 

まぁ、状況を聞いたら“しょうがない”ってのも分かった。

分かってる。理屈では。

 

──でも、感情は別。

僕だって人間だし。

 

学生たちを庇って被呪したって聞いた瞬間、

血の気が引いたのを覚えてる。

結果的にはカスみたいなどーでもいい呪いだって、潔乃を見た瞬間にわかったけどさ。

でも、そう簡単に「はいそうですか」って許せるわけがない。

 

というわけで、軽く説教して、解呪のため──と称して、いや実際、解呪条件だけど。

潔乃の秘蔵の酒をチョイスして飲ませている。

“酒をしこたま飲まないと解けない呪い”。

ただし、“酒に異常に弱くなっている状態”。

 

……つまり、解呪と反省と嫌がらせを兼ねた最高のお仕置きってわけ。

いや、僕的にはもう、どうでもよくなってるんだけど。

 

だって──

 

「んふふ」

 

僕のほっぺにちゅっとキスを落として、ふっにゃふにゃしてる。

少しのアルコールも僕がダメなのを知ってるので、唇にキスしてこない。

こんなふにゃふにゃに酔ってるのに、僕のことちゃんと考えてる。

潔乃、僕のこと好きすぎでしょ。

早く抱かせてよ。潔乃からおっけー出るまで待つ身も辛いよ?

ちゅっお返しで潔乃の頬にキスを返すと、ふにゃりと笑った。

そっと僕の頬に手を添えてがっつり固定。吐息がかかる距離。

うっとりとした顔で僕を見つめてくる。

 

「五条さんのお顔って綺麗ですよねぇ。お肌スベスベ、毛穴も開いてない陶器肌。

私も肌モチモチしてて、それなりに自信あったんですけど、五条さんの方が綺麗。

なんでですか〜? 男のおじさんのくせに〜」

 

酔っぱらって、とろんとろんの目でそんなこと言う?

そして今、“おじさん”て言った?

こら!僕はまだアラサーだし、おじさんって言われるほど、そこまでおじさん化してない──

……って、ああもう、可愛いな、ほんと。

 

以前酔ったときは、愚痴が止まらない“絡み酒”モードで、ひたすら文句ばっかだった。

福岡分校の件で僕が行かなかったことを、ベッドの中で抱きつかれながら、眠るまでずっと愚痴られた。

今思えば可愛かったけど、当時は正直めんどくさかったな。

 

今回も、基本は同じ。

文句は言うけど、口調も表情も、あの時よりずっとふにゃふにゃで。

あの頃と違って、僕に対する好意を隠しもしない。

 

もう、怒る気なんて完全に消え失せた。

ただただ、可愛くて仕方ない。

 

 

「まつ毛バサバサで、くるんって上向いてていいなぁ。マツエクもビューラーもいらない。

私がマスカラしてビューラーしても五条さんの方が長い〜」

 

マツエク? ビューラー? 上にクルンとさせるやつだっけ?

よく分からないけど──潔乃はそのままで綺麗だと思う

黒くてしっかりしたまつ毛で、僕ほどじゃないにしろ、綺麗にくるっとしてるのに。

 

そんなことを考えていたら、頬に潔乃の細い指先が、するりと僕の目尻を撫でる。

そっと、目尻にキスを落として、

 

「五条さんの六眼。ほんと綺麗。青い光が乱反射して、キラキラしてて、宝石みたい」

 

至近距離から、真っ直ぐに覗き込んでくる。

熱い息がかかる距離。

その無防備さに、思考が一瞬止まった。

 

……ほんと、反則。

 

潔乃の目も綺麗だと思うけどな。

日本人特有の深い茶色がかった瞳。

切れ長の形が、その繊細な色合いを際立たせていて、キリッとした印象を受ける。

虹彩の輪郭がしっかりしていて、黒と琥珀が混ざるその色が、本当に好きだ。

 

「潔乃の目も綺麗だよ」

 

「またまたー。顔面宝具の五条さんには敵いませんよぉ」

 

ガンメンホウグ?なんだそれ。

潔乃のサブカル用語は、時折よくわからない。

潔乃は僕の顔から手を離してくすくす笑うと、日本酒の一升瓶を抱えてマグカップへ豪快に注ぎ、一気に飲み干した。

喉が鳴る音が妙に艶っぽい。

 

「あー美味しい。綺麗なもの見て飲むお酒って、いいですねぇ」

 

フニャンフニャンの顔で笑うその姿に、もう僕は完全に負けてた。

勝てる気がしない。怒る気なんてとっくに蒸発してる。

 

「五条さんの顔好きです。綺麗で。少女漫画に出てきそうです」

 

潔乃って僕の顔に興味ないと思ってたけど、それなりに好きだったのは意外だな。

 

「お顔は綺麗なのに、体は男っぽいところも好きです」

 

──今度は僕の体に手を伸ばして、ベシベシと胸板や腕を叩き始めた。

けっこう力強い。痛くはないけど、酔っぱらい特有の無遠慮さ全開だ。

 

「どうしたの?」

 

優しい声で問いかけた、その瞬間だった。

 

「五条さん。脱いでください」

 

「は?」

 

聞き間違いかと思った。

いや、違う。潔乃はニコニコしながら、完全に目が座っている。

 

「いいから服脱いでください。その肉体美を肴に飲みたいです」

 

「何言ってるのかな? 潔乃?」

 

これはダメなパターンだ。完全にスイッチが入ってる。

理性が見えない。酒とテンションで、どこまでも突っ走るタイプのやつだ。

 

「黙って脱いで!そのギリシャ彫刻のような肉体美を私に見せなさい!」

 

もう何を言っても聞かないだろう、と悟る。ため息をついて、仕事着のジャケットのジッパーを下ろす。

インナーのTシャツ一枚になった自分の姿が、ふと滑稽に思えた。

 

「おお! ゴリラだ!」

 

潔乃は大げさに手を叩き、また酒を注ぎながらキャッキャと騒ぐ。

最初は可愛い酔っぱらいだと思っていたけれど、今はちょっと頭が痛くなってきた。

可愛いを通り越して鬱陶しい酔っぱらいになりつつある。

 

「これでいい?」

 

インナーのTシャツと任務服のスラックス姿で軽くボディビルのサイドチェストのポーズを取って見せると、

潔乃がにっこり笑った。

 

「は? 全部脱げよ」

 

潔乃の要求は容赦ない。

その目は真剣そのもの。酒のせいで理性は吹き飛んでるくせに、口調だけはっきりしている。

普段より荒っぽい口調で、潔乃が本気でそれを訴えているのがわかった。

 

「……………」

 

沈黙。

リビングの空気が、凍りついた気がする。

 

「潔乃? 僕たち、まだ一度もそういうことしてないよね? 

ここで裸見せるのは流石に僕も嫌──」

 

「ギリシャ彫刻は全裸でしょ? はよ脱げ!」

 

「いや、理屈が滅茶苦茶だよね? それに全部が全部全裸じゃないからね?

間違った文化論で脱がそうとするのやめて?」

 

潔乃は聞いちゃいない。マグカップ片手に、どこか誇らしげに語り始めた。

 

「ギリシャ彫刻って、当時の“理想美の象徴”なんですよ。

ほら、あの時代、男性の身体は神々しさの象徴で!

その点、五条さんの肉体は、ほんと素晴らしい。まさに神々の象徴の具現化なんですよ!Marvelous!」

 

さっきから話がめちゃくちゃだ。褒めてくれて嬉しいけど、唐突な英語はルー大柴みたいだからやめな?

 

「そして、当時は包皮が残って慎ましやかな……

つまり、小さい包茎ちんこが上品で品格あって、知性的って概念があったんですよ!

魚拓ならぬ、ちんこ拓もたくさん残されてるほど、ちんこを愛してたんです。古代ギリシャ人は!」

 

「うん、うん、文化の話ね……? でも今それ、いる? その情報今必要?」

 

「古代ギリシャでは割礼は野蛮な文化と思われていました。

包茎が一般的で自然で美しい。

そう、理想のちんこは小さい包茎!包茎 is Best!

だから五条さんのちんこはギリシャ彫刻への冒涜ですね。最悪です。パンツはやっぱ脱がなくていいです」

 

「潔乃、そろそろやめようか。そして、僕のちんこは別に文化冒涜してないからね?」

 

……ほんと、酔っ払い潔乃、方向性がカオスすぎる。

無駄に発音がいい英語もやめて欲しい。

 

「パンツ以外、はよ脱げ。はーやーく!!」

 

手をパンパン叩きながら、体をゆらゆら揺らしている。

なんか僕が煽る時と同じような仕草だな。

──人にやられると、こんなにイラッとするんだって知ったよ潔乃。

 

はぁぁっとため息をついて、インナーのTシャツを頭の上から引き抜く。

靴下とスラックスもまとめて脱ぎ捨て、ボクサーパンツ一枚に。

もう開き直ってやった。

 

「ほら! お望み通りの五条悟の肉体美だよー?」

 

ヤケクソでそう言って、わざとらしく胸を張り、再びサイドチェストのポーズを取る。

潔乃がキャッキャと笑って、手を叩いて喜んでいる。

──あーもう、潔乃が笑ってるなら、もうそれでいいか。

 

「ダビデ像のポーズ取ってください〜」

 

「はいはい、これでどう?」

 

ダビデ像ってミケランジェロ作で、正確には古代ギリシャ彫刻じゃないんだけどな。

ユダヤ人のダビデの像を包茎で作るとか、業が深いと思うけど……よく許されたよね。

まぁ、ルネッサンス期は古代ギリシャ美術の再興期だったから、ある意味当然か。

そんなことを考えながら、ポーズを決めて現実逃避をする。

 

「おー!!! ほんと五条さんって綺麗ですねぇ………」

 

満面の笑みを浮かべたまま、ふにゃりと笑って──そのままパタリとソファーに倒れ込んだ。

 

一瞬、静寂。

 

そして次の瞬間、潔乃の身体にまとわりついていた呪いの気配が、ふわりと霧のように溶けて消えた。

ああ、やっと解呪、完了。

 

酔い潰れた潔乃の顔を覗き込んで、深く息をつく。

ふにゃふにゃの幸せそうな顔で、スピスピと小さな寝息を立てている。

 

……あーもう。

こんなんでも可愛いんだから、惚れた弱みってやつだよね。

 

そっと腕を差し入れて、軽く抱き上げる。

いつも思うけど、身長のわりに軽すぎる。

寝室に向かう途中、潔乃の寝息が掛かって、かすかに日本酒の匂いがした。

 

苦笑しながら、僕は静かに寝室のドアを開けた。

 

 


 

 

主人公

 

五条と婚約してから、ほぼほぼ五条関連の仕事しかしてなかった。

ので、五条がいないタイミング(潔乃は高専に事務作業で来ていて、五条は一人で祓除任務行ってた)で、

そこそこ仲のいい日下部の頼みなので、ま、五条もこの状況なら怒らないでしょ。と安易に受けて、やらかした。

久々に術師として説教受けながら「あーこの感じ懐かしい(白目)」となった後、見事な酔っ払いとなり、五条にうざ絡みをして酔い潰れたw

なお、記憶は全部残ってて、翌朝エクストリーム土下座をする。

 

 

五条悟

 

可愛い婚約者が被呪したと聞いて真っ青になった人。

主人公を見て、あ、これ大丈夫だわとなった瞬間、

怒りが込み上げてきて、嫌がらせで秘蔵の日本酒飲ませたらあのザマになった。

可愛いけどめんどくせぇ。

主人公はほろ酔い程度にさせておこう。僕にまで被害が来ると痛感。

以降、飲みのペースを守らせて絶対に、あそこまで泥酔しないように管理するようになる。

なお、日下部には貸しということで、任務を何回か変わってもらった。

 

 

日下部篤哉

 

主人公とはそれなりに馬があって実は軽口を叩けるほどに仲がいいことが今回判明。

さすが別√で旦那になる可能性がある男。面構えが違う。

主人公との相性はバッチリだ。

今回は、緊急事態のため主人公に代理をお願いしたらやらかして、五条から氷点下の圧を食らった。

結果、普段より仕事が増えてイラッとした。クソが!あのバカップル!!!サボれねぇじゃねぇか!

 

 

七海建人

 

傍観しててよかった。

実は七海もちょっと主人公に手伝ってもらいたいなーと思ってたけど、安易に巻き込むと痛い目見ることがあると学んだ。

主人公に依頼をするときは、五条経由でしっかりとやろうと心に刻んだ。

結果、後日の淫夢事件へと続く。




書いてて超楽しかったけど、これ書いてる時にXで包茎包茎言い過ぎて、シャドバンになった思い出。

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