オリジナル設定てんこ盛り。
・伊地知ポジション成り代わり(伊地知の双子の妹)ものです
・高専卒業後、百鬼夜行の間(五条が白包帯)時代のお話
・激しい妄想と設定とネタまみれです
・直接的ではないですが、若干、グロ要素あります。ご注意。
呪詛師の捕獲、あるいは抹殺任務は——気が重い。
その理由が、目の前にある。
路地裏の血溜まりを見下ろして、私は深々とため息をついた。
まだまだ冷たい空気に鉄の匂いが混じり、鼻の奥に刺さる。
濡れたアスファルトは黒く光り、街灯の明かりが血の赤をいやに生々しく照らしていた。
まさか五条悟が来ると思ってなかったのだろう。
そりゃもう見苦しく逃げ回った。
大人しく捕まれば、あと数日は生きていられた。
所持してる情報やその他諸々を上手く取引すれば、ガチガチに監視はされるだろうが、なんとか生き延びる目だってあったのに。
血溜まりに沈む呪詛師を見て、また、ため息。
吐いた息が白く薄く滲んで、すぐに消える。
ビルの壁は血に濡れ、鉄の匂いが充満している。
呪詛師の手足はねじれ、潰れて、原型を留めていない。
正直、凄惨な状況だ。
あまりにも逃げ回る呪詛師に、五条もめんどくさくなったのだろう。
当初の予定は捕獲のはずが、許可が出ていたこともあって"抹殺"に切り替えたらしい。
五条に残虐趣味はないけど、容赦なくこういうことをやる。
——冷酷で怖い男だよ、ほんと。
「五条さん、やり過ぎです」
「だって、コイツが逃げ回るんだもん。今日この後、いくつ任務あると思ってんのさ」
「それにしてもですよ。ここまでされると処理が大変なんです。首の骨折れば良かったじゃないですか。
経費もかかりますし——これ、始末書も覚悟してくださいね」
あたりはこんなに凄惨なのに、五条は血を一滴も浴びていない。
無限。
あの鉄壁の守りは、こういうものからも五条を守る。
正直、羨ましくてしょうがない。
こっちは匂いだけで気分が悪くなるのに、本人は涼しい顔だ。
私は血溜まりを踏みしめる。ぬち、と靴底に血が吸い付いて、不快な感触が足裏に残った。
わざわざ踏みたくないんだけど、近寄らないと確認できない。
手を合わせてから、呪詛師の死体を確認する。
すべての情報が一致することを、私の目でも確認する。
やってはいけないことに手を出し、逃げ回った末の最期だ。自業自得。
そう思っても、目の前の惨状は気分の良いものじゃない。
この業界にいて慣れたけどさぁ。
最近、お疲れ気味だし、晩御飯は精をつける為にレバニラにしようと思ってたけど——今日はやめとこ。
流石にこの光景が脳裏によぎりそうだ。
晩御飯何にしようかなぁ。気持ち良く食べれるのにしたい。
「……死体処理を依頼します」
私は淡々とスマホを取り出し、処理班の番号を押す。
声は、いつも通りの"業務の時の声"を意識した。
こういう時、感情を混ぜると後で引きずる。だからさっさと切り替える。
「五条さんは先に戻って、しばらく休憩しててください」
言いながら、五条の顔を見る。
任務の時の術師としての冷徹な顔。感情も凪いで、静かに見える。
けど——これ、機嫌、微妙に悪いな。
長い付き合いだ。包帯越しでもわかる。
表面上はいつもの飄々とした様子。だけど、空気が少しピリついている。
呪詛師の捕縛任務はつまらない+無駄に逃げ回って結果がこれ+私にも嫌味を言われた+多分始末書。
合わせ技一本。
イライラしてやり過ぎたのは五条だし、私には関係ないんだけど。
……とはいえ、この後も五条との任務が続く。機嫌を拗らせたままだと面倒だ。
「助手席にコンビニスイーツ置いてあります」
瞬間、五条のテンションが上がったのがわかる。空気がふっと軽くなる。
今日はこの後も五条の任務の同行が続くんだ。準備に抜かりはない。
五条とは長い付き合いだ(本日2回目)
「今週の新作ある?」
「ありますよ」
「じゃ、食べて待ってるから。ついでに報告書も作っとく。タブレット借りるよ」
「はい、そうしてもらえると助かります」
言い返しながら、私はもう一度血溜まりに視線を落とす。
壁に張りついた赤黒い飛沫。むせ返る鉄の匂い。靴底の粘り。
……靴、捨てよ。
我ながら思考は現実的で、冷たい。
そうしないと、こういう任務はやっていけない。
私もだいぶこの業界に染まったよなぁ。
処理班が車で現場を封鎖し、後を引き継いだのを確認してから、私は車に戻る。
トランクを開け、血まみれになったローファーをビニール袋に入れ、予備のパンプスに履き替える。
任務同行の時はローファーやスニーカーのほうが動きやすいんだけどね。
今日は持ってきてないし、しょうがない。
ふとジャケットを見て、げんなりした。こっちにも血がついていた。
これも捨てよ。
脱いでシャツ一枚になり、そのまま血まみれのローファーが入ったビニール袋に押し込む。
予備のスーツのジャケットを取り出そうとして、
「しまった。夏服のジャケットだった」
手に取ったジャケットは夏用だった。
予備のスーツを入れ替えた時に、間違えたらしい。
この前、夏に向けて早めにクリーニングに出したんだった。手前にあるの取っちゃったんだ。
あちゃーしまったなぁ。
なんとも間抜けなミスをやってしまった。
三月の半ばだというのに、今日は季節外れの寒波のせいで、一桁の気温。
冷えた空気がシャツ越しに肌を撫で、思わず身震いする。
ため息をつきながら、結局薄手のジャケットを羽織った。シャツだけよりはマシだ。
あとで五条が祓除している間に、コンビニでホッカイロと温かい飲み物を買おう。
心のなかで誓いながら、私は運転席に戻る。
後部座席では、五条が行儀悪くスイーツ——いちごタルトを食べながら、タブレットで報告書をまとめていた。
機嫌も悪くなさそうで助かる。
さっきまでの微妙な空気は、スイーツの甘さに押し流されたらしい。
いちごの甘酸っぱい香りが車内に広がっていて、思わず口角が上がる。
うん、いい匂い。
……その苺のタルト、美味しそう。私も食べたい。
今日の帰りに買おうかな。
そんなことを考えながらシートベルトを締め、エンジンをかけた。
「次の任務先に移動しますね。四十分ほどで到着します」
バックミラー越しに声をかけ、車を発進させて次の任務へ向かう。
五条が機嫌よくオッケーと返事するのを聞きながら、ゆっくりとアクセルを踏んだ。
呪詛師の捕縛の後は呪霊の祓除。
他の術師なら時間がかかったり、増援が必要になったりする案件でも、五条の実力なら一瞬で終わる。
——そのせいで、コンビニに寄る時間もなかった。
ホッカイロも、温かい飲み物も入手できない。正直、寒くてしょうがない。
まぁ、でもこれで終わり。気合を入れて終わらせよう。
五条には無限があるから、この寒さは感じていないだろう。
気づいていないなら、それでいい。
それでも早く温かい場所で休ませてあげたい。五条も大概社畜だし。
任務の概要を説明し、帳を下ろした。
冷たくなった指先をスーツのポケットに入れすり合わせる。
五条が祓ってる間に、やっと見つけた近くの自販機で温かい飲み物買おっと。
さっき見た限り、お茶、コーヒー、ミルクティー、ココア、コーンスープにお汁粉とラインナップは完璧だった。
何買おっかな。
さて、五条、さっさと祓いに行ってくれ。
私の温かい飲み物のために。
内心でぼやいた瞬間、ふわっと肩に何かがかかる感触と、爽やかなシトラスの香り。
「……へ?」
自分の肩に視線をやると、五条のジャケットが掛けられていた。
ああ、シトラスの香りは五条の香水の匂いか。
「さっきからなんかおかしいと思ったら、それ夏用のスーツでしょ。これ羽織ってな」
「え、いや、それだと五条さんが」
五条の格好は、任務服を脱いだ今、黒いTシャツ1枚だ。
なんでマッチョって自分の体にぴったりなピチT着るんだろ。
筋肉が浮き出ててだいぶセクシーだ。
五条なのが減点だけど。見た目だけなら本当に目の保養になる。
だけど今は、見てるこっちが寒い。
今日、何度だと思ってるんだ。
「僕には無限があるから、大丈夫なの知ってるでしょ。潔乃に風邪引かれても困るし」
抗議する間もなく、五条がジャケットに私の腕を通させ、ジーッと音を立ててジッパーを上げる。
肩を叩いてうんうん、と妙に満足そうに頷いた。
五条にはサイズぴったりでも、私にはオーバーサイズもいいところで、ちょっとしたコートみたいな丈になる。
腕の長さも違うので、完全に萌え袖みたいになってる。
直前まで体温の高い五条がまとっていたせいで、内側がぬっくぬくだ。
……正直、暖かくて助かる。
「貸しひとつね。御礼はココアでいいよ。そこの自販機で買っといてね。あと、帰りにご飯食べていこうよ。なんか温かいの」
手をひらひら振りながら、帳を潜っていく五条を見送った。
その後、祓除を済ませて戻ってきた五条に私はちゃんとココアを献上した。
更に御礼に晩御飯を奢ります、と五条に言うと
「町中華行こうよ。レバニラ食べたいんだよね」
うん、良いけどさ。あの血塗れの光景見た後に、よく食べれるなぁ。
そんなこと思いつつ、一緒にレバニラ、更に餃子と回鍋肉、麻婆豆腐を仲良くかっこんだ。
私は流石にその量は食べ切れないから、大半を五条が食べてるけど。
ちょっとずつ、品数をたくさん食べられて大満足だ。
結局、私も普通に美味しく食べられたよね……
我ながらこの業界に慣れて図太くなったよなぁ。
……まぁ、美味しかったから良いか。
食後のデザートを杏仁豆腐にするか、ごま団子にするか悩んでる五条を見て私は笑った。
「両方頼めばいいじゃないですか。んで、一口ずつ分けてください」
主人公
高専を卒業して、伊地知ポジション成り代わりの補助監督として頑張っている。
五条との距離感は見ての通り近いが、恋愛対象として全く見てない。
信頼もあるし、術師としては尊敬してる。
異性として魅力的なのは分かっているが、全く興味が無い。
見た目は完璧で目の保養になるけど、いかんせん性格がね……
レバニラ嘘だろと思いながらも、2人で仲良く美味しく食べた。
油ものに弱いので、大量に食べれないが食べることは好き。
車運転なければお酒飲んだのにな—
メンタルが呪術師ナイズされてきている。
五条悟
高専を卒業して、五条家当主、特級呪術師、高専の教師として
主人公とは高専時代から、もう6、7年の付き合い。
主人公との距離感は見ての通り近い。
使い勝手がよくて優秀。それでいて気が楽だし、信頼が置けるしお気に入り。
異性という認識はしているし、胸は小さいけど異性としての魅力を感じることもある。
が、恋愛対象として全く見てない。だって、潔乃だし。
主人公が最近疲れ気味なのに気づいてて、夏物のジャケットを着ているのにも気づいて、温かいものを食わせようと思ってご飯に誘った。
なんとなく中華食べたかったし、体力がつくものでレバニラといった。
血みどろの件はもう意識から消えていて、何も考えていない。
杏仁豆腐とごま団子を両方?最高じゃん。それ採用。
中華食べたい。
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