【本編完結】とある転生者の役割交代   作:kotedan50

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伊地知ポジション成り変わった主人公が、原作沿い(?)で頑張ろうとするネタ。
オリジナル設定てんこ盛り。

・伊地知ポジション成り代わり(伊地知の双子の妹)ものです
・高専卒業後、百鬼夜行の間(五条が白包帯)時代のお話
・激しい妄想と設定とネタまみれです
・直接的ではないですが、若干、グロ要素あります。ご注意。


番外編:転生者、気を使われる

呪詛師の捕獲、あるいは抹殺任務は——気が重い。

その理由が、目の前にある。

 

路地裏の血溜まりを見下ろして、私は深々とため息をついた。

まだまだ冷たい空気に鉄の匂いが混じり、鼻の奥に刺さる。

濡れたアスファルトは黒く光り、街灯の明かりが血の赤をいやに生々しく照らしていた。

 

まさか五条悟が来ると思ってなかったのだろう。

そりゃもう見苦しく逃げ回った。

大人しく捕まれば、あと数日は生きていられた。

所持してる情報やその他諸々を上手く取引すれば、ガチガチに監視はされるだろうが、なんとか生き延びる目だってあったのに。

 

血溜まりに沈む呪詛師を見て、また、ため息。

吐いた息が白く薄く滲んで、すぐに消える。

 

ビルの壁は血に濡れ、鉄の匂いが充満している。

呪詛師の手足はねじれ、潰れて、原型を留めていない。

正直、凄惨な状況だ。

 

あまりにも逃げ回る呪詛師に、五条もめんどくさくなったのだろう。

当初の予定は捕獲のはずが、許可が出ていたこともあって"抹殺"に切り替えたらしい。

五条に残虐趣味はないけど、容赦なくこういうことをやる。

——冷酷で怖い男だよ、ほんと。

 

「五条さん、やり過ぎです」

 

「だって、コイツが逃げ回るんだもん。今日この後、いくつ任務あると思ってんのさ」

 

「それにしてもですよ。ここまでされると処理が大変なんです。首の骨折れば良かったじゃないですか。

経費もかかりますし——これ、始末書も覚悟してくださいね」

 

あたりはこんなに凄惨なのに、五条は血を一滴も浴びていない。

無限。

あの鉄壁の守りは、こういうものからも五条を守る。

正直、羨ましくてしょうがない。

こっちは匂いだけで気分が悪くなるのに、本人は涼しい顔だ。

 

私は血溜まりを踏みしめる。ぬち、と靴底に血が吸い付いて、不快な感触が足裏に残った。

わざわざ踏みたくないんだけど、近寄らないと確認できない。

手を合わせてから、呪詛師の死体を確認する。

すべての情報が一致することを、私の目でも確認する。

 

やってはいけないことに手を出し、逃げ回った末の最期だ。自業自得。

そう思っても、目の前の惨状は気分の良いものじゃない。

この業界にいて慣れたけどさぁ。

 

最近、お疲れ気味だし、晩御飯は精をつける為にレバニラにしようと思ってたけど——今日はやめとこ。

流石にこの光景が脳裏によぎりそうだ。

晩御飯何にしようかなぁ。気持ち良く食べれるのにしたい。

 

   

「……死体処理を依頼します」

 

私は淡々とスマホを取り出し、処理班の番号を押す。

声は、いつも通りの"業務の時の声"を意識した。

こういう時、感情を混ぜると後で引きずる。だからさっさと切り替える。

 

「五条さんは先に戻って、しばらく休憩しててください」

 

言いながら、五条の顔を見る。

任務の時の術師としての冷徹な顔。感情も凪いで、静かに見える。

けど——これ、機嫌、微妙に悪いな。

長い付き合いだ。包帯越しでもわかる。

表面上はいつもの飄々とした様子。だけど、空気が少しピリついている。

 

呪詛師の捕縛任務はつまらない+無駄に逃げ回って結果がこれ+私にも嫌味を言われた+多分始末書。

合わせ技一本。

 

イライラしてやり過ぎたのは五条だし、私には関係ないんだけど。

……とはいえ、この後も五条との任務が続く。機嫌を拗らせたままだと面倒だ。

 

「助手席にコンビニスイーツ置いてあります」

 

瞬間、五条のテンションが上がったのがわかる。空気がふっと軽くなる。

今日はこの後も五条の任務の同行が続くんだ。準備に抜かりはない。

五条とは長い付き合いだ(本日2回目)

 

「今週の新作ある?」

 

「ありますよ」

 

「じゃ、食べて待ってるから。ついでに報告書も作っとく。タブレット借りるよ」

 

「はい、そうしてもらえると助かります」

 

言い返しながら、私はもう一度血溜まりに視線を落とす。

壁に張りついた赤黒い飛沫。むせ返る鉄の匂い。靴底の粘り。

 

……靴、捨てよ。

 

我ながら思考は現実的で、冷たい。

そうしないと、こういう任務はやっていけない。

私もだいぶこの業界に染まったよなぁ。

 

 

  

処理班が車で現場を封鎖し、後を引き継いだのを確認してから、私は車に戻る。

トランクを開け、血まみれになったローファーをビニール袋に入れ、予備のパンプスに履き替える。

任務同行の時はローファーやスニーカーのほうが動きやすいんだけどね。

今日は持ってきてないし、しょうがない。

 

ふとジャケットを見て、げんなりした。こっちにも血がついていた。

これも捨てよ。

脱いでシャツ一枚になり、そのまま血まみれのローファーが入ったビニール袋に押し込む。

 

予備のスーツのジャケットを取り出そうとして、

 

「しまった。夏服のジャケットだった」

 

手に取ったジャケットは夏用だった。

予備のスーツを入れ替えた時に、間違えたらしい。

この前、夏に向けて早めにクリーニングに出したんだった。手前にあるの取っちゃったんだ。

あちゃーしまったなぁ。

なんとも間抜けなミスをやってしまった。

三月の半ばだというのに、今日は季節外れの寒波のせいで、一桁の気温。

冷えた空気がシャツ越しに肌を撫で、思わず身震いする。

 

ため息をつきながら、結局薄手のジャケットを羽織った。シャツだけよりはマシだ。

あとで五条が祓除している間に、コンビニでホッカイロと温かい飲み物を買おう。

心のなかで誓いながら、私は運転席に戻る。

 

後部座席では、五条が行儀悪くスイーツ——いちごタルトを食べながら、タブレットで報告書をまとめていた。

機嫌も悪くなさそうで助かる。

さっきまでの微妙な空気は、スイーツの甘さに押し流されたらしい。

 

いちごの甘酸っぱい香りが車内に広がっていて、思わず口角が上がる。

 

うん、いい匂い。

……その苺のタルト、美味しそう。私も食べたい。

今日の帰りに買おうかな。

 

そんなことを考えながらシートベルトを締め、エンジンをかけた。

 

「次の任務先に移動しますね。四十分ほどで到着します」

 

バックミラー越しに声をかけ、車を発進させて次の任務へ向かう。

五条が機嫌よくオッケーと返事するのを聞きながら、ゆっくりとアクセルを踏んだ。

 

 

 

呪詛師の捕縛の後は呪霊の祓除。

他の術師なら時間がかかったり、増援が必要になったりする案件でも、五条の実力なら一瞬で終わる。

 

——そのせいで、コンビニに寄る時間もなかった。

ホッカイロも、温かい飲み物も入手できない。正直、寒くてしょうがない。

 

まぁ、でもこれで終わり。気合を入れて終わらせよう。

五条には無限があるから、この寒さは感じていないだろう。

気づいていないなら、それでいい。

それでも早く温かい場所で休ませてあげたい。五条も大概社畜だし。

 

任務の概要を説明し、帳を下ろした。

冷たくなった指先をスーツのポケットに入れすり合わせる。

五条が祓ってる間に、やっと見つけた近くの自販機で温かい飲み物買おっと。

さっき見た限り、お茶、コーヒー、ミルクティー、ココア、コーンスープにお汁粉とラインナップは完璧だった。

何買おっかな。

 

さて、五条、さっさと祓いに行ってくれ。

私の温かい飲み物のために。

 

内心でぼやいた瞬間、ふわっと肩に何かがかかる感触と、爽やかなシトラスの香り。

 

「……へ?」

 

自分の肩に視線をやると、五条のジャケットが掛けられていた。

ああ、シトラスの香りは五条の香水の匂いか。

 

「さっきからなんかおかしいと思ったら、それ夏用のスーツでしょ。これ羽織ってな」

 

「え、いや、それだと五条さんが」

 

五条の格好は、任務服を脱いだ今、黒いTシャツ1枚だ。

なんでマッチョって自分の体にぴったりなピチT着るんだろ。

筋肉が浮き出ててだいぶセクシーだ。

五条なのが減点だけど。見た目だけなら本当に目の保養になる。

だけど今は、見てるこっちが寒い。

今日、何度だと思ってるんだ。

 

「僕には無限があるから、大丈夫なの知ってるでしょ。潔乃に風邪引かれても困るし」

 

抗議する間もなく、五条がジャケットに私の腕を通させ、ジーッと音を立ててジッパーを上げる。

肩を叩いてうんうん、と妙に満足そうに頷いた。

 

五条にはサイズぴったりでも、私にはオーバーサイズもいいところで、ちょっとしたコートみたいな丈になる。

腕の長さも違うので、完全に萌え袖みたいになってる。

直前まで体温の高い五条がまとっていたせいで、内側がぬっくぬくだ。

……正直、暖かくて助かる。

 

「貸しひとつね。御礼はココアでいいよ。そこの自販機で買っといてね。あと、帰りにご飯食べていこうよ。なんか温かいの」

 

 

手をひらひら振りながら、帳を潜っていく五条を見送った。

 

 

その後、祓除を済ませて戻ってきた五条に私はちゃんとココアを献上した。

更に御礼に晩御飯を奢ります、と五条に言うと

 

「町中華行こうよ。レバニラ食べたいんだよね」

 

うん、良いけどさ。あの血塗れの光景見た後に、よく食べれるなぁ。

そんなこと思いつつ、一緒にレバニラ、更に餃子と回鍋肉、麻婆豆腐を仲良くかっこんだ。

 

私は流石にその量は食べ切れないから、大半を五条が食べてるけど。

ちょっとずつ、品数をたくさん食べられて大満足だ。

結局、私も普通に美味しく食べられたよね……

我ながらこの業界に慣れて図太くなったよなぁ。

 

……まぁ、美味しかったから良いか。

 

食後のデザートを杏仁豆腐にするか、ごま団子にするか悩んでる五条を見て私は笑った。

 

「両方頼めばいいじゃないですか。んで、一口ずつ分けてください」

 


 

主人公

 

高専を卒業して、伊地知ポジション成り代わりの補助監督として頑張っている。

五条との距離感は見ての通り近いが、恋愛対象として全く見てない。

信頼もあるし、術師としては尊敬してる。

異性として魅力的なのは分かっているが、全く興味が無い。

見た目は完璧で目の保養になるけど、いかんせん性格がね……

レバニラ嘘だろと思いながらも、2人で仲良く美味しく食べた。

油ものに弱いので、大量に食べれないが食べることは好き。

車運転なければお酒飲んだのにな—

メンタルが呪術師ナイズされてきている。

 

 

五条悟

 

高専を卒業して、五条家当主、特級呪術師、高専の教師として忙しく働いている(社畜生活している)

主人公とは高専時代から、もう6、7年の付き合い。

主人公との距離感は見ての通り近い。

使い勝手がよくて優秀。それでいて気が楽だし、信頼が置けるしお気に入り。

異性という認識はしているし、胸は小さいけど異性としての魅力を感じることもある。

が、恋愛対象として全く見てない。だって、潔乃だし。

主人公が最近疲れ気味なのに気づいてて、夏物のジャケットを着ているのにも気づいて、温かいものを食わせようと思ってご飯に誘った。

なんとなく中華食べたかったし、体力がつくものでレバニラといった。

血みどろの件はもう意識から消えていて、何も考えていない。

杏仁豆腐とごま団子を両方?最高じゃん。それ採用。




中華食べたい。

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