【本編完結】とある転生者の役割交代   作:kotedan50

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伊地知ポジション成り変わった主人公が、原作沿い(?)で頑張ろうとするネタ。
オリジナル設定てんこ盛り。
の番外編。
本編ルート終了後、主人公が死亡偽装して逃げなかった時間軸の単発になります。

・伊地知ポジション成り代わり(伊地知の双子の妹)ものです
・原作終了後のif字空で、五条と七海が生き残ってます。
・主人公は本編終了後、死亡偽装逃亡しなかった√の時間軸。
・五条とは仲はいいが、つきあっていないです。
・激しい妄想と設定とネタまみれです
・クロスオーバー要素ちょっとあります。



if転生者、斜め上の出来事に白目を剥く

・伊地知ポジション成り代わり(伊地知の双子の妹)ものです

・原作終了後のif時空で、五条と七海が生き残ってます。

・主人公は本編終了後、死亡偽装逃亡しなかった√の時間軸。

・五条とは仲はいいが、つきあっていないです。

・本編の空気感は皆無です

・激しい妄想と設定とネタまみれです

・クロスオーバー要素ちょっとあります。

 


 

僕にとっては、何てことはない。

呪詛師の捕縛任務のはずだった。

 

──はず、だった。

 

この呪詛師の捕縛には、すでに二級術師が二人、準一級術師と一級術師がそれぞれ一人、派遣されている。

だが、その全員が“意識を失い倒れていた”。

 

その後、彼らは高専に搬送されたが──

うち二人は目を覚ましたものの錯乱状態で、未だまともな事情聴取ができず。

残る二人は、意識を失っている間に、いきなり致命傷を負って死亡した。

 

「ただ意識不明で寝ていただけの術師の身体が裂け、手足が吹き飛んで絶命した。一瞬の出来事だった」

——医者として現場にいた硝子の証言だ。

 

僕が六眼で確認した限りでは、

“術式的に意識を失わせたうえで、なんらかの呪いによるフィードバックでダメージを与える”タイプの術式だとわかった。

だがそれ以上は、発動後すでに術式が終息しており、

僕の六眼をもってしても、詳細までは解析できなかった。

 

潔乃が術式で記憶を読み解こうとしたが——

彼女の術式は、人間を対象にする場合、“本人が知覚している記憶”の読み取りになる。

つまり、その瞬間、精神が錯乱している相手の記憶は、まともに読めない。

 

潔乃いわく、

 

「死んだ術師からは呪詛師と接触後の記憶が読み取れませんね。当人の意識がないからでしょう

生きてる方の術師は──呪詛師と接触後の記憶が、ヒッチャカメッチャカでぐしゃぐしゃです。

精神攻撃ですかね?これ、当人が錯乱状態だとこうなるんですね。

彼岸島の話が出てきたり、ヘルシングの話が出てきたり……って、どっちも五条さんには分からないか。漫画やアニメの作品です。

とにかく全く意味がわからない。ちょっと解読が難しいです」

 

──とのことだった。

 

状況はいまいち掴めないが、

少なくとも潔乃の術式の“意外な弱点”は分かった。

錯乱状態の相手だと、ほとんど使い物にならないらしい。

 

「ま、仕方ないよね」とお互いにため息をついて、

結局、お鉢は僕に回ってきたわけだ。

 

それにしても上層部──というか楽巌寺のおじいちゃんもだいぶキレてるなこれ。

そりゃそうか、渋谷テロと死滅回游で大混乱。

術師や補助監督の犠牲も少なくなかった。

そんな中、やっと立て直してきたタイミングで、この事件。

特級の僕、そして1級術師として認定された潔乃を補助監督としてあてがうあたり、本気度が伺える。

私は補助監督なのにとブツブツ文句を言ってたけど、いい加減諦めなよ。ウケる。

大体、僕とあんだけやり合っておいて宿儺戦でもMVPバリの活躍しておいて、無理でしょ。

あーでも、僕の補助監督の業務はしてほしいかな。

やっぱ潔乃と動くと楽だからね。移動の道中も楽しいし。

 

それにしても、1級があっさりやられてるのがちょっと気になるけど。あの術師そんな弱い奴だっけ?

医務室で錯乱状態になっている術師を思い出す。

そこそこ強いやつだったと認識しているけど……楽巌寺のおじいちゃんのことだ。

そこらも考慮済みで僕らが担当ってことか。

……ま、確かに僕の術式なら大丈夫でしょ。潔乃もいるし。

 

対象が潜伏しているのは、埼玉県の郊外に建つ一軒家。

まぁまぁ広いんじゃない?23区内の極小戸建とは違う。

敷地も面積もたっぷり、潔乃が事前にまとめた資料だと5LDKとかあったな。

到着すると、潔乃が術式で家の“記憶”を読み解く。

 

「間違いなくいますね」

 

記憶の“本”を閉じながら、さらりと言う。

ほんと、便利な術式だよね。

 

そしてそのまま、任務内容を淡々と確認してきた。

 

「今回の任務は呪詛師の捕縛が目的です。

ただ、抵抗して暴れるようなら、その場での処刑許可が出ています。

私の術式で呪詛師の記憶からの全容を解明すればいい。

まずは、これ以上の被害の拡大を防ぐのが最優先とのことです」

 

仕事モードの冷静な表情で告げる潔乃。

……ほーんと、仕事モードだと人が変わるよね、こいつも。

でも、無意識に伊達メガネを何度も触って位置を直している。

潔乃がメガネを触るのは、動揺、納得していない気持ち、面白くないという苛立ち——つまりマイナスのサインだ。

見ていれば、内心ではあまりいい気分じゃないのがすぐわかる。ほんとお人よし。

 

「『闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え』……お気をつけて、どうかご武運を」

 

「誰に言ってんの、それ?」

 

帳を下ろす潔乃に軽口を叩きながら、

僕は呪詛師のアジトへと足を踏み入れた。

 

そのあとは、いつも通りの展開——

まさか、(五条悟)が来るとは思っていなかったのだろう。

呪詛師は完全にパニックに陥り、屋内を逃げ回った。

無駄に広い家なのが厄介だ。めんどくさい。

大人しくしていれば、少しは寿命が伸びたかもしれないのにね。

 

逃げ込んだ部屋はたくさんの本棚に本がみっしり詰め込まれた部屋。

大きな窓の前に読書用のテーブルセット。いい趣味してんじゃん。

窓から逃げようとしているのか?

そんなことを考えながら、特に感慨もなく予定通りに呪詛師を殺すと、帳が上がった。

やれやれ、これで終わりか。

死体へ視線を落とす……あれ?

 

アイマスクを少し下げ、まじまじと死体を観察した。

 

「……こいつ、術式持ってないじゃん。ってことは——呪具か。めんどくさいなぁ」

 

ため息をひとつ。

これは潔乃の出番だ。記憶を読ませて、呪具のありかを割り出すのが早い。

 

周囲に視線を走らせ、危険がないことを確認。

スマホを開き、潔乃へ状況を報告する。

ほどなくして、部屋の扉が静かに開いた。

 

入ってきた潔乃の顔にも、同じ“めんどくさい”が張り付いている。

さっさと終わらせて帰りましょう、という雰囲気そのままに、

彼女は遺体のそばに膝をつき、静かに手を合わせたあと——術式を発動した。

 

呪詛師の身体に、本のようなページが現れ、淡い光を帯びた文字が浮かび上がる。

潔乃がその“記憶の本”をパラパラとめくり、僕にも見える角度に向けてくれる。

 

ありがたいね。

覗き込むようにして、僕は少し身を乗り出した——その瞬間。

 

ガシャァン!!

 

鋭い破砕音とともに、僕の身体は窓ガラスを突き破って外へと弾き飛ばされていた。

 

反射的に空中で一回転し、体勢を立て直す。

……今、何が起きた?

視線を戻すと、窓際に立つ潔乃が見えた。

彼女は両手をこちらに突き出したまま、慌てたように、必死の形相で顔を歪めている。

 

「潔乃! なにしやがる!!」

 

叫んだその瞬間——理解した。

 

ああ、そういうことか。

 

潔乃が僕を吹っ飛ばした理由。

僕の六眼が捉えたのは、家全体を這うように刻まれた“呪いの文様”だった。

 

——呪具じゃない。

この家の土地そのものが、術式の発動範囲だ。

 

部屋を見ても分からないはずだ。

この土地そのものに、古い呪いが“根”のように刻まれている。

家の中に一定時間とどまることを条件に、呪いが発動するタイプ。

呪詛師自身はこの土地の生まれだから、無効化されていたってわけだ。

 

内心で舌打ちする。

そして——この効果は、結界術……いや、領域展開に近い。

ゆえに、僕の無限をも貫通する。

 

チッ、油断した……!

 

潔乃はまだ、敷地の中にいる。

 

「潔乃!! 撤退しろ!!!! 早く!!!!」

 

叫びながら手を伸ばし、術式による引き寄せを発動しようとした——その刹那。

 

彼女の身体が、呪力の奔流に包まれた。

空気が歪み、呪いが彼女の輪郭を塗りつぶす。

声にならない音が喉を焼く。

 

「———ッ!」

 

糸が切れたように、潔乃の身体が崩れ落ちた。

 


 

即座に屋敷と土地を破壊し、二度と術式が発動しないよう封じたあと、

俺は潔乃を抱えて高専に連れ帰った。

 

俺は反転術式を他人に使えない。

だから、一刻も早く硝子のもとへ運ぶしかなかった。

 

潔乃を監視体制に置いたタイミングで、六眼で解析した情報を共有する。

 

「あれは、“あの土地”に連なる呪いだ。

土地──今回は家の敷地内だな。そこに一定時間滞在した人間に対して発動する。

それによって、“意識”、つまり“魂”を、こちらの時間で一週間隔離する。

隔離した場所で、当人に“試練”を与えるんだ。

 

その内容までは分からない。

けど、あの血飛沫を見れば分かる。戦闘も含まれてるんだろう。

生き残ればよし、死んでも構わない。

──そういう類の呪いだ」

 

そこまで言って、深く息を吐く。

俺としたことが、完全に後手に回ってる。

 

「呪詛師はあの土地の出身だ。

おそらく土地の管理者の血筋。

だから呪いが発動しなかった。

それを利用して、自分の敵を“効率的に”排除してきたってわけだ」

 

チラリと、ベッドに横たわる潔乃へ目を向ける。

 

「んでもって、潔乃はあの呪詛師の死体からそれを読み取った。

古い呪いの結界術で、限りなく領域展開に近い質の術式。

俺にも効果があると判断して、窓の外に俺を投げ飛ばした!!クソが!!」

 

言いながら、近くのゴミ箱を蹴り飛ばした。

鈍い音が部屋に響く。

 

「八つ当たりするなよ。

八つ当たりしたいのはお前じゃなくて、死ぬかもしれない伊地知だろ」

 

潔乃の容態を見守りながら、硝子が吐き捨てるように言う。

今のところ、呪いのフィードバックは発生していない。

せめてどういう試練だったのか——それを突き止めるため、

俺たちは錯乱状態の術師たちに精神干渉の治療を施し、

ようやく正気を取り戻した者たちから証言を得ることができた。

 

『あの家に踏み込んでしばらくしてから、意識を失いました。

気がついたら——子供になっていました』

『日本でしたが、俺の知っている日本じゃなかった。

まるでどこかのパラレルワールド? 異世界? そんな感じでした』

『呪力もなく、術式も使えない。

一般人として生きてたんですが、ある日、周りが吸血鬼だらけになって……戦ってた。

丸太が最適解でした』

 

……なんで丸太?

 

もう一人生き残った術師も同様に証言する。

 

『同じく、屋敷に入って少ししてから意識を失い、気がついたら子供になっていました。

私はイギリスにいました。けれど、全く知らない世界で……

ある日、旧ドイツ軍の残兵がイギリス本土を襲ってきて、戦争になり、

私は国関連の職員だったため戦いました。そこにも吸血鬼がたくさんいましたね』

 

だから、なんで吸血鬼?

 

俺が首を傾げていると、一緒に事情聴取に付き合ってくれた七海がぽつりと呟く。

 

「……なるほど。コレを見てもらえますか?」

 

今の話で大体の構造が見えたらしい。

七海がスマホで情報を探し術師に何やら見せると、2人ともコレだ!と驚いていた。

僕もそのスマホを受け取って見てみると、漫画?

 

「……どうやら、創作物の中に閉じ込めているようです」

 

顔に似合わずサブカルにも詳しい七海によると、

「彼岸島」と「ヘルシング」という作品の中だろうとのこと。

 

どっちも“人間が生き延びるのに最悪な世界”だそうだ。

 

「そういえば、潔乃が記憶を読んだときにも『彼岸島』とか『ヘルシング』とか言ってたな……。

そのせいだったのか」

 

くっそ。潔乃がせめて、どの世界にいるのか分かればいいのに。

 

「おそらく、あの屋敷にあった本棚の中に、その“本”があったんだろうね」

と、硝子が腕を組む。

 

「……で、五条さんが、何の考えもなしに吹き飛ばした、と」

 

「……うるさいな」

 

「魂を隔離した呪いのため、邪去侮の梯子(五条悟)の強制解除の場合、意識が戻るか分からない。

となると、それも使えない」

 

穏やかに眠る潔乃の顔を見下ろしながら、七海がため息をつく。

 

「創作物の中は物語を盛り上げるために、大体が苦難に満ちた碌でもない世界です。

せめて生き残る筋が楽な世界ならいいんですが……」

 

「伊地知の精神力に賭けるしかないな。

なに、あの宿儺戦のMVPだ。きっと乗り越えられるさ」

 

硝子が軽く肩を叩いた瞬間——

潔乃の肩と額から、激しい血が吹き出した。

 

「チッ! 始まりやがった! 硝子、頼む!」

 

「分かってる!」

 

反転術式を施される潔乃を見下ろしながら、

俺はただ、この“呪いの一週間”が無事に終わることを祈るしかなかった。

 


 

その情報を読み取った瞬間、私は五条の襟首を掴み、全力で窓の外へ放り投げていた。

 

とにかく必死だった。五条をこの術式に巻き込ませてはいけない。

彼は生まれてこの方、莫大な呪力と強力な術式に守られて生きてきた。

それを無効化された上で、全く別の異世界の試練で生き残れるはずがない。

 

そして五条は──非常識の塊のような男だ。

試練の前に、人間関係で詰む!

 

私の細腕でも、呪力強化でなんとかなるのは助かった。

190センチオーバーの男を、170もない女が投げ飛ばせるわけがないから。

 

とにかく五条を脱出させることに成功したあと、私は呪いを受けて意識を失った──そこまでは覚えている。

あのときの五条の顔、今でも焼き付いている。

必死で、焦って、まるで泣きそうな顔。

原作の西新宿で夏油を呼び止めた、あの時みたいな顔だった。

……うん、ごめん。としか言えない。

 

あんな顔をさせるほど、五条と私って仲が良かったんだなと、しみじみ思う。

十年以上の付き合いだし、そりゃ多少は情もあるか。

それにしても、あの五条悟にもちゃんと“人間らしい顔”があったんだな。

 

これで私が死んだら、五条のトラウマになってしまう。

なんとしても生き延びねば。

意識が戻ったら、たぶん激ギレ説教されるだろうけど、それは甘んじて受けよう。

 

……ところで、ここどこ?

 

私は横たわっていた布団から、むくりと起き上がる。

手足を見る。ほっそりとした、けれど小さい。

子供の手足だ。

そして、着物を着ている。

 

うーん、昔の日本?

でも室内は古民家風で、極端に古いわけでもなさそう。

何かの創作物──あの部屋の本棚にあった“本”のどれかの世界、ということだけは確かだ。

 

障子がスッと開いて、一人の女性が入ってきた。

 

「あら、目が覚めたのね。あなた、川縁で倒れていたのよ」

 

……そういう設定なんだ?

 

「すみません。ありがとうございます。あの、ここは……?」

 

「東京府の豊多摩郡野方村よ」

 

「あー……」

 

東京府。

明治時代に設置された旧行政区画。東京都の前身だ。

これは戦前で確定。

そして野方村ということは、現在の東京都中野区野方付近か。

 

そんなことを頭の中で整理していると、女性が続けた。

 

「最近、人買いの取り締まりがあったでしょう? そこから逃げてきたのよね?」

 

「いや、あの……」

 

「いいのよ。記憶がないことにしておきなさい」

 

……意外と押しが強いな、この人。

そしてお人よしすぎない?

試練呪いが作り出した世界だから、ご都合主義ってのもあるかもだけど。

小さく苦笑して頭を下げることにした。とりあえず現状把握だ。

 

「助けてくださってありがとうございます。

私は伊地知潔乃と言います。あなたの名前は?」

 

「私は冨岡蔦子というの」

 

冨岡?

どこかで聞いた名前だ。なんかの創作にいたような……。

 

「姉さん、もう起きた?」

 

廊下から足音。明るく快活な少年の声。

障子が再び開く。

 

そこにいたのは、ツンツンの黒髪に、青い瞳をした美少年。

 

「こら、義勇。お客様の前ですよ」

 

「だって気になるから……って、目覚めてるな。大丈夫?」

 

私と同年代くらいの少年。

……義勇?

 

まじまじとその少年の顔を見る。

……なんか思い出してきた。嫌な予感。

 

もしかして──冨岡義勇?

水柱?????

 

鬼滅の刃かよ!!!!!!

 

ちょっと待って、難易度ルナティックじゃん。

いや待てステイ、落ち着け私。

鬼滅の刃といっても、私が戦うわけじゃない。

試練って言っても、必ず戦うとは限らない……はず!

 

「顔色悪いけど、大丈夫か?」

 

私を心配そうに覗き込む。

ハイライトのある綺麗な青い瞳に、思わず息が詰まる。

 

「義勇がいきなり入ってくるから、潔乃さんがびっくりしてるでしょう」

「気になったからしょうがないじゃん。潔乃って名前なんだ?」

 

完全にフリーズした私を見て、蔦子が義勇を宥めている。

 

「ほら義勇、あなたも今日は体調悪いでしょう?」

「もう熱は下がったよ」

「あなたは肺病を患ってから体が弱くなったんだから、無理しないで」

 

優しく義勇の頭を撫でる蔦子。

義勇は唇を尖らせて、年相応に可愛い。

……これ、原作ファンだったら絶対泣くスチルだ。

でも、今のセリフ、ちょっと待て。

 

「え……肺病……?」

 

私の呟きに、蔦子が穏やかに答える。

 

「えぇ、運悪く、この歳で肺病を患ってしまって。

命は取り留めたけれど、体に負荷がかかることはできないんですよ」

 

思わず頭を抱え込む。

蔦子と義勇が慌てて声をかけてくるけど、もう何も入ってこない。

 

──いやいやいやいや、待て待て待て。

 

冨岡義勇って、歴代最強って言われるほどの水柱で、嫌われつつも皆に認められてた立ち位置じゃん!?

炭治郎と禰豆子に出会って、彼が救って、そこから物語が始まったじゃん!?

マジで超重要人物じゃん!?

 

コミュ力は最悪だったけど、肝心な時は必要な内容しか喋らない男ってことで、

ネットで擦られてたよね?

みんな大好きだったでしょ!?

 

肺が弱い人が、鬼殺隊でどうやって現場に立つの!?

死ぬじゃん!?!?!?

いや無理だわ。

世界よ!ていうか、呪いの試練よ!

こんなところでパラレル要素出してこなくていいんだよ。 

 

パニックだった。

何より──

 

え、じゃあ、“誰が冨岡義勇ポジ”やるの?

 

って、そう思った瞬間、全身が冷たくなった。

猗窩座戦に始まり鬼の王戦まで、ずっと戦い続けだった男だぞ?

そんなキャラが原作から抜けたらどうなることか。

 

ここにいるのは、私。

本来いないはずの私。

呼吸を使い水柱になる冨岡義勇がまともに戦える体ではなく、何故かそこに現れた私。

誰も私に強制はしていない。

冨岡義勇のいなくなった鬼滅の世界が、どうなるのか分からなくて、怖すぎる。

 

「……もしかして、私がやらなきゃダメ?

ていうか、これが試練か……」

 

思わずポツリと呟いたけど、蔦子にも冨岡にも聞こえなかったようだ。

私の名前を呼び、「どうしたの?」と言ってくる声、どこか遠くに感じた。

この試練、本当にタチが悪すぎる。

 

おそらく、ゴールは——鬼舞辻無惨撃破。

 

……無理ゲーだ。

 

くらりと意識が遠くなる。

 

──これは、「赤の他人」が、本来の“水柱の役割”を背負ってしまった話。

 

 


 

 

主人公

 

本編と同じ内容辿り、最後死亡偽装せずに呪術界に残った√。

高専は退職することになってたが、全部終わった後に五条に特級権限で揉み消された。

そのため五条とは付き合ってない。ソフレ関係は続いている。

1級術師登録されてげんなりしているが、術式の有能さからわがままをいって、

補助監督をメインでやってる。

楽巌寺から「そんなところは五条を見習わんでいい」と呆れられてる。

宝石の流通は五条さんに聞いて下さーいと丸投げ。概ね幸せに暮らしていたが、今回最悪の事態に巻き込まれた。

は?鬼滅の刃?は?鬼舞辻無惨倒すまで戻れない?は?は?

え?しかもこれはもしかして、冨岡義勇なりかわりポジ?え?原作ファンに殺されるんだが?

ていうか、鬼滅は好きだったけどサラッと読みだったから覚えてない。無理ゲーおわた。

瞳からハイライト消えた主人公。死んだ顔で2度目のポジション成り替わり人生スタートすることになる。

なお、鬼と戦って怪我するたびに、本体の方にもそれがフィードバックされていることは知っているが、阿鼻叫喚の地獄絵図になってることは知らない。

原作を乗り切って意識が戻った後は、皆から(特に五条から)激詰され怒られて泣かれる。

頑張れ主人公負けるな主人公。意識が戻っても地獄だ。

なお、この呪いは一種の修行としての効果もあったため、手に入れた技術は肉体にフィードバックされてる。

つまり、ますますチート(ry

なお、この技術(呼吸法)はやばいってことで黙ってるが、速攻で五条にばれる。

 

 

 

五条悟

 

地獄の原作の運命を打ち破り、生き残った後、忙しくもそれなりに楽しく生きている。

主人公が高専退職しようとしてると知って、ぎゅっと揉み潰した。

曰く「大学、高専に籍残したまま行けばいいじゃん。それくらいの融通聞かせられるでしょ」

とかなんとか言ってるけど、本音は離れていくのが嫌だったから。もちろん無自覚。

主人公が1級術師になったのは喜ばしいことだと思ってるけど、そのせいで、最近同行任務が減って不満。

毎晩部屋に行ってそれに関して愚痴って、主人公が入れるミルクコーヒー飲んで抱き枕にして寝るのが日課。

毎日それが楽しいと思ってたら、主人公が自分を庇って呪いをもろに喰らって意識不明に。

呪いの効果はわかったが、外から解くことができずグヌヌ。

なんとか意識を取り戻してくれと思うが、いきなり体が裂け出血しまくり、医務室は阿鼻叫喚になる。

反転術式をアウトプットできないため、何もできずグヌヌ。

最終的に全身満身創痍になり、右腕が切り飛ばされたように吹き飛んだ時は、呪いにガチギレした。

主人公が意識を取り戻した後は泣きながら説教。した。(※付き合ってない)

話変わるんだけど、ねぇ潔乃なんか、お前強くなってない?

肉体強度上がってない?

気のせい?ね?気のせいじゃないよね?どういうこと???

 

 

冨岡蔦子

 

川縁に倒れてた主人公を拾った人。

試練のために術式で作られた世界で偽物だが、彼女の人間性や善性、そのあり方は本物と同じ。

原作通り、冨岡義勇そして潔乃を庇い死亡する。

 

 

 

冨岡義勇

 

川縁に倒れてた主人公を姉と一緒に拾った人。

試練のために術式で作られた世界で偽物だが、彼の人間性や善性、そのあり方は本物と同じ。

同年代なのでちょっと気になる。

幼少期に結核をやったため、肺が弱い。

そのため『呼吸が使えない』という原作ブレイク。

鬼滅隊に入るが、隠しとなり、主人公支える形になる。




続きません。
単発ネタだからこそやれた無理くりネタ。
楽しかった。

本編完了しましたが、番外編後日談などどれが読みたいですか?

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  • 本編時間中の日常話
  • if系(√分岐、原作通り五条死亡など)
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