【本編完結】とある転生者の役割交代   作:kotedan50

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伊地知ポジション成り変わった主人公が、原作沿いで頑張ろうとするネタ。
オリジナル設定てんこ盛り。
転生者、巡る呪いの終わりを見る からの分岐

・伊地知ポジション成り代わり(伊地知の双子の妹)ものです
・オリキャラ出ます
・激しい捏造、妄想含みます
・原作通りに五条が死んだあとの話です
・重っ苦しい話です。苦手な方はご注意ください




if転生者、命をかけた後

私と脹相が結界を解除すると、

両面宿儺の(カミノ)(フーガ)の高火力によって、焼き払われた焦土と、むせ返る熱、そして薄くなった空気が広がっていた。

 

──虎杖と七海が、静かに踏み出していく。

待ち受けているのは、両面宿儺。

 

そして、原作通りに東堂が現れ、戦闘が再開される。

結界の維持で呪力も体力も使い果たした私と脹相はその場を離れ、宝石で回復を行いながら戦局を見守る。

だが、ほどなくして原作通り、術式が再生してしまった。

休んでいる場合じゃない、私も戦線へ復帰しようとして

 

──その瞬間。

 

宿儺の動きが、凍りついた。

 

焦土と化した大地。

立ち昇る蒸気が白く視界を遮る中──

 

ゆっくりと、歩み寄る人影があった。

 

ひときわ高い覚えのある呪力の波動。

風が吹き抜け、蒸気の帳を裂くように現れたその姿。

 

白い髪が宙に舞い、隠れていた額が露わになる。

 

──額に横一文字の傷があった。

 

その瞬間、私は賭けに負けたことを悟った。

 

 


 

 

その後、七海や脹相の生存、伏黒津美紀による叱咤激励などはあったが、概ね原作通りに物事は進んだ。

伏黒恵の意識が戻ったことで、原作であった反省会も開かれるようだ。

 

もちろん、私にも参加の声がかかった。

そんな場に平然と顔を出せるほど、私はメンタルが強くない。

「業務が山積みなので」と丁寧に断った。

私の動向は基本的に七海と共にあったため、話を聞きたいなら七海に尋ねてほしいと伝えてある。

 

その際、日下部に「顔色が悪い。少し休め。お前は働きすぎだ」と言われた。

 

──苦笑するしかなかった。

 

反省会が終わり次第、今度は国の職員立ち会いのもとで、個別の事情聴取が行われるという。

その補助として私にも手伝いの打診があったが、それも断った。

12月31日付で高専を退職することは、すでに周知されている。

引き止められることはなかったが、皆何か言いたげな顔をしていた。

新田から「顔色が悪いから、少し休んで下さいっス」と言われたときも、やっぱり私は、また苦笑するしかなかった。

 

そして、私の高専での最後の仕事──それは、五条の寮の部屋の整理だった。

 

……本当に、最後の最後まで彼の後始末ばかりだ。

 

これは、生前の五条から「万が一の場合は」と直接言い渡されていた仕事だった。

そんな『用意のいい』ところが、また腹立たしい。

残される側の気持ちを、あいつは本当に考えていない。

高専内の五条の部屋は、渋谷の後に総監部の家宅捜索が入ったことで、見るも無惨な有様だった。

それでも「片付けは頼むね」と、あの男は言った。

 

──どこまで、身勝手なんだか。

 

忙しいはずの家入と七海も手伝いに来てくれた。

壁紙すら剥がされた部屋を見て、私は思わず吐き捨てる。

 

「……総監部、やりすぎでしょ。壁紙まで剥がして……」

 

五条の私物は、どんな状態であれ一通り五条家へ送るよう指示されていた。

「残穢で呪物化するかもしれないから」と言っていたが、そんなところまで計算ずくなんだろうか。

とりあえず、目についたものから順に段ボールへ無造作に詰めていく。

 

どうせなら、せっかくの家探しなんだから、何か面白いものでも出てきてくれればいいのに。

エロ本とかAVとか、TENGAとか。

サブスク全盛のこの時代に、わざわざ物理メディアのAVなんか持ってたら、相当な“愛好者”だよね──

今どきそんなもの出てきたら、推し嬢のファンとかで、サイン会とか行ってそう。

 

「限定ジャケのBlu-rayとか持ってたら笑うよね」

「推し嬢とチェキ撮ってる五条さん、見たいわぁ」

 

そんな与太話を家入としていると、七海に露骨に嫌な顔をされた。

七海は女性の下ネタに厳しい。女に夢見すぎだと思う。

 

……まあ、わかってる。

空気はあえて読んでないだけだ。

それにしてもと、七海からも「顔色が悪いから、これが終わったら少し休んだほうがいい」と言われてしまった。

この状況で、顔色がいいわけないでしょ。

そう内心で思いつつ、片付けを進めていると割れた瓶があった。

何気なく拾い上げた、割れた瓶の破片。

危ないなぁと思いながら、指先でラベルを確認する。

 

──それは、私が昔「飲んでみたい」と言った高級スコッチのラベルだった。

 

グッと奥歯を噛み締める。ちくしょう。

目頭が熱くなるのを堪える。私はこの件では泣かないって決めてんだ。

たくさん笑って人生謳歌して、空港で見てるだろう五条たちに見せつけてやるんだ。

私は長生きして幸せだったぞ!早死したバカどもめ!って。

だから、こんなところで、私の涙腺をいちいち刺激してくるんじゃねー。

 

「早く私に渡せよ。もったいない」

 

あえて毒づきながら、それをゴミの段ボールに放り投げた。

使い物にならないものは、こちらで焼却処分することで話がついている。

片付けも、ようやく終盤だった。

五条家に送る遺品の入った段ボールを私が抱え、七海はゴミ用の箱を持って、家入は最後に部屋を見回していた、その時──

 

ふいに、視界がぐらりと揺れた。

 

「あ……」

 

段ボールが手をから落ちる。

額に手を当て頭を振って、視界の揺れを抑えようとする。

けれど、視界の端からじわじわと暗くなっていく。

 

家入や七海が、慌てた様子で何か声をかけている。

けれど、その声も、遠く、ぼやけて──

 

音が、光が、世界が、すうっと、フェードアウトするように消えていった。

 

 


 

 

ふと目を覚ますと、そこは保健室のベッドの上だった。

ぼんやりと天井を見つめる。

意識はふわふわとしていて現実感がない。

喉も乾いているし、頭もぼんやりする。熱があって体調不良の時の、そんな感覚。

だが、これは風邪とか疲労とか、そういった類ではない。

もっと根の深い、魂そのものが引きずられているような、そんな感覚だった。

 

「伊地知。お前、どういうことだ」

 

不意に、低く鋭い声が落ちてきた。

視線を横にずらすと、家入がいた。

腕を組み、こちらを覗き込むようにして、いつになく険しい表情をしている。

その隣には、七海。黙したまま、しかし明らかに怒っている気配を纏い、眉間の皺が深く刻まれていた。

 

「……なんでお前が呪われてる──死ぬぞ」

 

その言葉に、ようやくすべての符号が繋がった。

……ああ、やっぱりそういうことか。深く納得する。

私は、ほんの少しだけ口元を緩めた。

苦笑、というより諦めの混じった笑みだったかもしれない。

というか、もう笑うしかない。

 

「……あの、新宿の戦いの時、五条さんの初撃を隠す結界。あれ私が担当だったじゃないですか」

 

喉が焼けるように痛い。声を出すたびに胸の奥がきしむようになってきた。

けれど、話さなければならなかった。

多分この後、そう時間をおかずして私は話せなくなる。

 

「五条さんの虚式(きょしき)・「(むらさき)」の隠蔽の結界……あのとき、ちょっと、気合入れてて」

 

言いながら、自分でも苦しくなる。

呼吸は浅く、喋るだけで体力が削られていくのがわかる。

けれど、伝えておかなければ。

 

「『その期待に応えられないなら、今ここで死ね』って、

まぁ、その縛りのおかげで、完璧な隠蔽ができて、あの完全な決まりだったわけですけど……」

 

虚式(きょしき)・「(むらさき)」の詠唱が響いた、あの瞬間の光景がふと脳裏に浮かぶ。

五条の澄んだ声。

空間ごとえぐられるような呪力の奔流。

その後に続いた、音が割れるような衝撃と、閃光のような茈の光。

 

──そういえば、あれが、生で聴いた最後の五条の声だったな。

 

「どうやら、さらに無意識のうちに、縛りを強くかけてたみたいで。

五条さんの『勝利』に、ですけど」

 

家入が小さく息を呑んだ。

七海の視線が鋭く揺れる。眉間の皺が、さらに深くなった。

 

「…………五条さん負けちゃったから。

縛りが、発動したんだと思います……そういうことです」

 

言い終えた瞬間、保健室の空気が沈黙に包まれた。

 

ゆっくりと、重い体を持ち上げ、後頭部に手を回して腕枕をつくる。

動かすだけで、身体がきしんだ。

 

「あーあ、五条さんが生き残る方に賭けてたんだけどな。はは」

 

あえて明るい口調を装う。

笑い飛ばしでもしないと、やっていられない。

我ながら、やらかしたと思う。

バカ男どものこと笑えない。

せめて呪力を失うとか、そういう内容にすればよかったのに……と、今さらながらに思う。

 

「家入さんの見立てで、私の時間は、どれくらい残ってます?」

 

言いながら、家入に視線を向ける。

その顔を見て、一瞬、しまったと思った。

家入の唇がわずかに震えていた。彼女にしては珍しい。

この人がこの手の感情を隠しきれないなんて、そうそうない。

………こんな表情させるつもりはなかったんだけど。

 

すっと近づいて、腕枕をしていた私の腕を解き、そっと取る。脈を診て、瞳孔を覗いて、呪力の流れを探る。

無言の診察がしばし続き、やがて静かに口を開いた。

 

「……早ければ一日。もって三日」

 

隣で、七海の息がかすかに震えた。

私は肩をすくめ、視線を天井に戻す。

 

「お正月のお屠蘇は飲めないか。残念」

 

冗談交じりに呟いたつもりだった。

けれど、返ってくるのは、やっぱり、沈黙だけだった。

 

それから程なくして、予想通り私は動くどころか、喋ることすらできなくなった。

 

意識は朦朧としていた。

誰かが、入れ替わり立ち替わり、ベッドサイドに来ていた気がする。

誰かの怒る声、泣くような声、あるいはただ、黙って手を握る人もいたかもしれない。

 

でも、もう耳も目も機能しなくなっていて、世界から切り離されていた。

私は、何も受け取ることができなかった。

 

そうして、そのまま。

私は、たぶん、死んだんだと思う。

 


 

 

気がつくと、私は巨大な空港のターミナルに立っていた。

 

どこかで見たような気がする。けれど、はっきりとは思い出せない。

記憶のどこかに、あるようなないような。とにかく現実味が薄い。

 

ガラス張りの窓の外には、驚くほど綺麗な青空が広がっていた。

雲ひとつない澄んだ空。

 

「……ああ、そういうことか」

 

ぽつりと呟いて、自分でも驚くほど、自然にその現実を受け入れていた。

 

そういえば──

五条たちも原作で空港に行っていたっけ、とふと思い出す。

死者たちが集う、仮初の待合室。

 

誰かの姿を探そうと、空港の中を歩いてみる。

ベンチにも、カフェの席にも、見知った顔はなかった。

というか、人っ子一人、いない。

 

……けれど、妙だった。

 

確かに無人なのに、『人のざわめき』が聞こえる。

足音、荷物を引くキャリーの音、実際にはないはずの音が、聞こえていた。

 

「……私は、五条たちとは別の空港ってことか」

 

小さく、独り言のように呟いて、苦笑する。

まぁ、私は転生者のイレギュラーだし。

生まれも、立ち位置も、彼らとは少し違っていた。

そういうものなのかもしれない。

 

……ちょっと、残念だけど。

 

ふと気づけば、手に馴染んだスマホを握っていた。

画面には、航空会社のeチケットが表示されている。

 

行き先は──

 

North。

 

なるほど、北へ、か。

 

納得した。

誰もいないのも、当然だ。

彼らは、南へ行くから。

 

とりあえず、近くのベンチに腰を下ろす。

 

スマホに表示されたeチケットには、行き先として『North』と書かれているだけで、搭乗時刻もゲート番号も書かれていない。

出発日すら書いていない。

むしろ、ここに”時間”という概念があるのかどうかも怪しい。

 

一応、空港の電子掲示板にも目を向けてみる。

そこには、自分と同じ『NORTH』の便名が、大量に表示されていて、

その右端には、『ON TIME(定刻通り)』とあった。

 

いや、だからどれだよ私が乗るの!!

もしかして自由に乗っていいやつ?

わっかんねー

 

背もたれに体を預けたまま、ぼんやりと天井を見上げていた。

その時だった。

 

『イジチ・キヨノ様。』

 

不意に、館内アナウンスが流れた。

 

「……え?」

 

思わず顔を上げる。

耳慣れた、しかし無機質な女性の声が、静かな空港内に響き渡る。

 

──『イジチ・キヨノ様。お手元のeチケットをお持ちのうえ、ゲートNo.7までお越しください』

 

「……私、呼ばれたよな、今?」

 

周囲にはやはり誰もいないのに、音だけが確かに存在していた。

スピーカーの方向もわからない。上から、横から、どこからともなく降ってくるような声。

 

ご丁寧に、英語と多言語で同じ内容が繰り返される。

伊地知潔乃の名前が、発音の違う声で何度も呼ばれるのは、少しだけ不気味だった。

 

スマホの画面を見ると、eチケットの表示が切り替わっていた。

搭乗ゲートに『GATE 07』、ステータスには『BOARDING(登場中)』の文字。

 

見上げた電子掲示板も、さっきまで静止画のようだった表示がゆっくりと切り替わって、

『NORTH GATE 07 BOARDING』と、鮮やかに点滅していた。

 

「……なんか、すごい既視感あるな。

 やっぱこういうの、死後のテンプレなのかな?」

 

苦笑して立ち上がる。

 

表示された「GATE 07」に向かって、私は足を進めた。

やっぱり誰もいないんだよな。うーん私も誰か1人とくらい会いたかったけど。

搭乗ゲートに到着した。

私は、スマホを手に持ち、表示されたeチケットをコードリーダーにかざそうと──

 

その瞬間、スマホを持った腕をぐいっと捕まれ、強引に後ろへ引っ張られた。

予想もしていなかった衝撃に、体がぐらりと後ろによろける。

バランスを崩し、そのまま何か──いや、『誰か』に思いきりぶつかった。

 

 

ぼす、と軽い音を立てて背中が当たったのは、硬くて暖かい、懐かしい感触だった。

そのまま、背後から抱きとめられるようにして、強く、けれど決して乱暴ではない腕が私を包む。

 

まるで、“ここから先には行かせない”と言わんばかりの、執着めいた力だった。

 

 

「間違った飛行機、勝手に乗ろうとしてんじゃねーよ」

 

上から降ってきた声に、反射的に振り返った。

 

そこには、肩で息をしながら私を睨み下ろす五条悟の姿があった。

額にはうっすらと汗が浮かび、ゼェゼェと荒い呼吸が、顔にかかるほど近い距離で響いている。

学ランの胸元が上下に揺れ、その息遣いの生々しさに、ようやく現実味が追いついてきた。

 

「……なんで高専の制服」

 

突っ込みどころはいくつもあった。

でも、最初に口をついて出たのは、それだった。

 

五条はゼェゼェと息をしながら、それでもどこか安心したように目を細め、ふっと笑った。

 

「……開口一番それ?ちなみに、オマエもだぜ?」

 

は? と首を傾げつつ、自分の服装を見下ろして息を飲む。

 

パンツスーツだったはずの装いが、いつの間にか高専時代のパンツ型学ランに変わっていた。

まるでタイムスリップでもしたかのように、すっかり十代当時の格好だ。

 

「ちょ、待って。アラサーで制服は痛すぎるって!!」

 

顔を覆いたくなる気持ちを抑えながら叫ぶと、目の前の五条はケラケラと笑った。

 

「オメェはほんっと緊張感ねぇな!

容姿もあの頃に戻ってんだから、何の問題もねーだろ」

 

「戻っててもダメですって!精神が追いつかないんですけど!?」

 

言い終える間もなく、こめかみを両側からグリグリと握り拳で挟まれた。

 

「いっだだだだだ!!ちょっと、やめ!」

 

「……ったくよぉ」

 

しばらくこめかみを虐め抜いた後、五条はふんっと鼻を鳴らし、私の腕をがしっと掴んだ。

 

そしてそのまま、何の説明もないまま、歩き出す。

 

「え、ちょ、五条さん!? どこ行くの!?」

 

「飛行機、間違えてんじゃねーよ。オマエ、NorthじゃなくてSouthだろ?」

 

言われた言葉に、頭の中が真っ白になる。

 

「は!? いやいや、私のeチケット、Northだったし……え、ちょ……South!?

えっ、え?? 内容変わってるんですけど!?」

 

慌ててスマホを開くと──

そこには、たしかに「South」の文字だけ。

行き先も、搭乗ゲートも、ステータスの表示も、すべてがすっかり消えていた。

 

「……はあ??」

 

呆ける私に、五条は当然のように言い放つ。

 

「当たり前だろ。オマエ、ひとりで抜け駆けすんなっての。

アナウンス流れたとき、こっちはマジで焦ったんだからな」

 

文句をぶつぶつ言いながらも、手は緩めない。

まるで逃げられるのが怖いみたいに、指先には力がこもっていた。

 

「……こっちに来ると思ってたのに、全然来ねーし。まったくよぉ」

 

そのまま空いている方の手で器用にスマホを取り出すと、どこかに電話をかける。

 

「──今、捕まえた。うん、戻るわ」

 

何事もなかったような口調で通話を終えると、私の方をちらりと見もせず、ふっと笑いながら言った。

 

「傑も灰原も夜蛾センもいる。とりあえずSouthターミナルに移動な?

硝子と七海はそこで待とうってさ」

 

軽く肩をすくめる仕草が、ひどく不自然に見た。

焦っていたのを誤魔化しているかのような……

五条のその様子を見て、自分だけが別ルートに向かおうとしていたことに、ようやく実感が追いつく。

そっか。引き留めに来てくれたんだ。

 

どうやら私も、南へ連れて行かれるらしい。

行き先を変えたって、別の場所を目指したって、結局こうして誰かが迎えに来て、強引にでも引き戻される。

──そういう運命なのかもしれない。

何度生まれ変わっても、この人たちからは、きっと逃れられないんだろうな。

そんなことを思ったら、自然と苦笑がこぼれていた。

 

「で、最初のネタはさ。“マヌケ縛りで死んだオマエ”の話から、な?」

 

「誰がマヌケ縛りで死んだって!?!?」

 

即座に反論すると、五条は当然の顔で指を差してくる。

 

「オマエだよ、オマエ」

 

「はぁ???? 油断して2.5条にされた人の話も盛り上がると思いますけど!!」

 

「……あ”ぁ”ん?」

 

低く、間のびした声で返してくる五条。

その顔はすでに戦闘態勢に入っていた。

顔を寄せ合うようにして、ガラの悪い睨み合いが数秒。

 

……が、次の瞬間。

お互い堪えきれなくなって、ふっと吹き出した。

 

「ぷっ……あははっ、何その顔!」

 

「てめぇの顔のがヤバいわ!」

 

心底楽しそうな顔をした五条だった。

いつものように、くだらないやり取りの中にだけある、あの柔らかな笑い方。

 

「とにかく行こうぜ」

 

再度私の手を取り、指と指を絡めるようにしてきた五条は、

キュッと少しだけ力を入れ、そのまま握り締めた。

まるで、“もう絶対離さねぇぞ”と言わんばかりに。

 

勝ち誇ったような笑みを浮かべ、彼はずんずん先へ歩いていく。

そして私もその手を握り返し、引かれるまま五条と共に歩き出した。

 

 


 

 

主人公

 

本人は五条が死んだことは悲しいが意外と平然としてる。

ように見せかけて、しっかりメンタル抉られている。表情に出さないだけ。

そうこうしているうちに、無意識に結んでいた縛りのせいで死んだ。

本当に縛りに関しては無意識だった。発動してから気づいたレベル。

結果、主人公以外の生き残りメンバーのメンタルのほうがやばい結果に。

なお、空港では五条救済を失敗した罪悪感から、北へ無意識に行こうとしてた。

のを、引き止められて、南へ引きずられた。

全く、手を離さない五条に驚いている。

そして、今後どれだけ転生しても五条と出会い、連れ回されることになる。

 

 

 

五条悟

 

空港から戻って来れなかった人。

そしたら主人公が縛りで死んで焦った。しまったと思ったけど、

空港で一緒にいればいいかと開き直ってたら、なかなかターミナルに来ない。

そのうち別の搭乗ゲートで呼び出しされてて、慌てて迎えにきた人。

ずっと自分のそばにいて、当然自分のところに来ると思ってたので、本気で焦った。

右に夏油、左に主人公で多分この世の春。死んでるけど。

ずっと手を繋いで離さない。

というか、今後ずっと、どれだけ転生しても主人公(あと夏油も)を連れ回す。

 

 

家入硝子

 

今回の1番の被害者。

五条に続いて伊地知の死体も処理するはめになった。

微笑みながら死んでいった後輩の顔が忘れられない。

主人公が喋れるうちに「趣味の部屋にある高級日本酒をあげる」と言われて譲り受けるが、

なかなか飲めない。

…バカヤロウ

 

 

 

七海建人

 

今回の被害者

五条に続いて伊地知も見送る羽目になった。

微笑みながら死んでいった後輩の顔が忘れられない。

主人公が喋れるうちに「趣味の部屋にある高級ウィスキーをあげる」と言われて譲り受けるが、

なかなか飲めない。

…クソッタレ

 

 

 




なんでこんなネタが降ってきたのか、未だにわからない……

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