【本編完結】とある転生者の役割交代   作:kotedan50

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小話集
原作の足音が聞こえはじめた

・伊地知ポジション成り代わりものです
・オリキャラ出ます
・激しい捏造、妄想含みます
・ネタまみれです


転生者、原作の足音を聞く

休日に私は、大量のレシートや領収書と格闘していた。

完全に押し付けられる形で、私は五条の個人的な経費精算も任されている。

副業扱いなので、給料は五条のポケットマネーから。

お金が追加で稼げるのはいい。レシートの処理なんてそんな難しいもんじゃない。

 

……問題は五条の私生活が、私にダダ漏れになるってこと。知りたくねーわ。

 

風俗系の領収書こそないが、異様に高級ホテルやお高いバーのレシートが多い。

「これ、絶対女と遊んでる時のだろ……」と、察する。

さすが原作者に誠実ではないと言い切られた男!

そこに痺れる憧れ………いや憧れないわ。

あんなに忙しいのに、どこでそんな元気あるんだ。

んにても、税理士に任せたらいいのに。他人の爛れた大人事情なんて興味ないんだよなぁ。

 

ふと、大量のレシートの中に紛れ込んでいたのは、子供服。

しかも男の子と女の子、両方のサイズ。

 

おそらく伏黒姉弟のものだろうと、すぐに察しはついた。

直接会ったことはないが、過去にそんな話を聞いた覚えがある。

が、それでも私は……いいネタを掴んだ、と、ほくそ笑んだ。

 

 


 

 

後日、高専の廊下にて。

 

「五条さん、今お時間よろしいでしょうか?」

 

ことさら深刻そうな表情を作り、呼び止める。

あえて人目のある場所で。

五条も私の顔を見て「おや?」という様子になり、

すぐに人の少ないエリアへと誘導された。さすが、察しは早い。

 

「あの、経費精算していて気づいたのですが……」

 

そう言って、私は一枚のレシートを取り出す。

子供服のレシート。

 

「あー、それね」と話し出そうとする五条の言葉を、手のひらで制しながら遮る。

 

「……隠し子ですよね? 認知されてますか?」

「は?」

 

五条が固まる。ポカンとした表情なんて何年ぶりに見ただろう。

おー、いい表情だ。

 

「五条家本家の方では把握済みでしょうか。

養育費等の振込が必要であれば、こちらで対応は可能です。

……ただ、あまり良くない状況かと存じますので」

 

淡々と、事務的に、そして一切の情を挟まずに言い切る。

ちなみに、内心では爆笑寸前である。ザマァ!

 

「いや、御三家の事情は一般出身の私でも多少はわかっているつもりです。

ですが、子供が絡むぐ...」

「ちょっとお口チャックしようか?潔乃?」

 

不意に口を大きな手で覆われ、顔がぐいっと近づく。

ギロリ、と目の奥に怒りを浮かべた五条が見下ろしてくる。

 

……あ、やりすぎた!

 

「昔、話したでしょ? 伏黒甚爾の子供を引き取ったって」

 

口を塞がれたまま、私は「あー……」という顔をする。

忘れてたわけじゃない。ただの嫌がらせだ。

 

「潔乃が、その話忘れるはずがないと思うんだけど?」

 

……あ、バレた!

 

そのまま流れるように、手がスッと動き、綺麗にハンドネックを決められる。

 

「いだだだだだ!すみません!!!調子乗りました」

 

一気に降参。

廊下に私の叫び声だけが響いた。

 

なお、後日。

高専に「五条に隠し子がいるらしい」という噂が流れ、

私が爆笑し、そして五条に頭を叩かれることになる。

 

 


 

 

七海が復帰した。

 

もう二度と戻ってこないで欲しいと、あの時は本気で願ったはずなのに、

結局、戻ってきてしまった。

 

……複雑な心境だった。

けれど、「常識人」であるこの人の復帰は、素直に嬉しかった。

 

早速、歓迎会を企画する。呼ぶメンバーは東京高専の面々で十分だろう。

大騒ぎするタイプではないので少人数にしたい。

七海、家入、夜蛾、幹事の私に、しょうがないので五条。

呼んでも呼ばなくてもうるさいので財布になってもらう。

本当は京都の庵歌姫も呼びたいけれど、距離もあるし、何より五条と犬猿の仲なので今回は見送り。

七海の復帰を伝えて、東京に来た時に一緒に飲もうとだけ、メッセージを送っておく。

歌姫ともよく飲むので、その時が楽しみだ。

 

さて歓迎会自体は、それなりに高い店を押さえてしまおう。

呪術師は基本的に高級取り。こんな時ぐらい贅沢してもバチは当たらない。

 

七海は酒好きだったはずだ。

酒も肴も美味い店を探し、美味い鳥料理を出す店をセレクト。

何度か使ったことがある、酒の種類もつまみも、ソフドリンクも豊富な良い店だ。

 

駅から7分ほど歩くが、店を出て1分も行けば目白通り。タクシーはいくらでも拾える。

私も飲みたいので、車は使わず電車とタクシーで行くことにした。

……ちょっとテンションが上がる。

 

 

参加メンバーの予定を確認し、日程を決め、当日。

ささやかながらも、きちんとした歓迎会を開催した。

 

「常識人がいないので、今回の復帰は正直助かりました」

「でしょうね。お互いまた苦労すると思いますが、よろしくお願いします」

 

ビールグラスをカチンと合わせぐいっと飲む、七海と飲むのは本当に久しぶりだ。

 

「それにしても、伊地知さんはいい店を知ってますね」

「接待でもプライベートでも使うので詳しくなるんですよね。今度飲みに行きましょう」

「ええ、是非」

 

七海と、しみじみ語り合う復帰祝いの席。

 

——だった、のだが。

 

「お、そこのお2人さーんいい感じじゃん僕もまぜてよー」

 

五条が私と七海を抱えるように抱きついてきて、早速ウザ絡みされる。

 

「なぁなぁ、せっかくだから復帰を兼ねて七海一発芸やってよ」

「何を言ってるんですか」

「え?だめ?なら潔乃でもいいけど」

 

あーあーこれでシラフだからタチが悪い。

死んだ顔をしていたら、七海とバチっと目があい、

……これだから嫌なんだよ、

とお互い目で訴え合ったのは、言うまでもない。

 


 

呪術高専に出入りしている企業への挨拶回りを終えた帰り道。

別の補助監督から「五条をピックアップしてほしい」と連絡が入った。

 

指定された待ち合わせ場所は、某コンビニ前。

 

が、そこには明らかに怪しい男がいた。

 

「遅いぞ、潔乃」

 

白髪を逆立て、目に包帯をぐるぐる巻いた黒ずくめの大男。

うわー……事案。

 

私は無言でスマホを取り出し、110番を押すふりをする。

 

「ちょっと! 僕だよ、GLG(グッド・ルッキング・ガイ)の五条悟!

無言で即通報しようとするのやめてくれる!?」

 

慌てた五条が私のスマホをひょいっと奪い、手の届かない位置に掲げる。

もちろん、わかっててやっている。本気で通報する気なんて、最初からない。

私はじっと彼を見つめたあと、わざとらしく眉をひそめる。

 

「五条さん? あぁ……呪力は確かに……」

 

嫌そうな顔を浮かべて、一拍置いてから、納得したような表情を意図的につくる。

 

「...念のためお聞きしますが、あの、目を怪我されたんですか?」

「いや、至って普通」

「......五条さんがアラサーで厨二病発症するだなんて…」

「あぁ?」

 

原作で知ってたけど、包帯男になった時の衝撃と言ったらもう。

ダサいし、不審者だし、一緒に歩きたくない。いや、マジでリアルで見るとやべーわ。

側寄らないでもらえないかな。

そろそろと距離を置こうとすると、

 

「おいおい、冷たくしないでよ?」

 

ガシィっと肩を組まれ引き寄せられる。

腕を解こうとするが離れない。相変わらず着痩せする筋肉ゴリラだな!

 

「やだなぁ、照れてんの?」

「いや、普通に嫌で、ちょっと離れてくださいよ!」

 

いつもの調子で表情はにやにやしてるが、包帯のせいで感情が読みづらい。

サングラスの隙間から見えた六眼は、良くも悪くも感情をよく伝えてたのだとわかる。

原作当初の不気味な五条悟みたいだと思って、ゾッとした。

 

.....原作の時間が、近づいている。

 

 


 

 

五条と七海は遠方に出張中。

現地にまだ滞在しているのも、窓からの情報と彼らが所持しているGPSでしっかり確認済み。

職権濫用だって? 聞こえないですね。

そして、家入は今日は怪我人の対応があるから、高専を離れられない

 

趣味部屋に来るのは、こういう日がベストだと学んだ。

普通の日に来ようとすると、かなりの確率で何かしらの邪魔が入る。

......だいたい五条からの連絡だけど。

 

でも、五条が出張中の夜は連絡が極端に少ない。

私は、自由だ。

 

……まぁ、今日ここに来たのも遊びじゃない。

やることは、今後の方針の洗い出し。

 

ここ数ヶ月、五条が遠方に飛んでる間に、ひとりで原作の未来に向き合ってきた。

起きてしまう出来事の確認、改変可能な要素はないか、回避できる死はないか?

知っている知識を全部使って、動きをパターン化した。

まぁ、私がやれることなんてたかが知れてるけど…

 

方針は、決まった。

 

あとは、それを全力で実行するだけ。

 

私は、貧弱な呪力しかない雑魚の補助監督だ。

ちょっと宝石に呪力を流すのが上手いだけの。

だから私は取捨選択をする。

誰を救い、何を切り捨てるか。

 

私が生き残って、私がなるべく満足できるようにする。

ただ、それだけ。

 

これがバレたら、五条はもちろん、七海や家入にも怒られるかもしれない。

でも。

 

やるだけ、やらせてもらおう。

 

……原作って、地獄すぎるんだよ。

少しくらい、救いがあったっていいだろ。

 

だから、原作知識者を、舐めんなよ!!

 

 

 


 

主人公

 

包帯スタイルの五条にドン引き。真面目に外で会いたくないと思ってる。

常識人で一般人だが、呪術界にいるだけあってメンタルは一般から逸脱した逸般人 。

原作準拠するはずが、ちょっとズレた行動を取り始める。

原作が地獄すぎるんだ!

 

 

 

五条悟

 

去るものは追わないが、七海が復帰して、実は本当に嬉しい人。

最近主人公から、加齢臭だの隠し子だの扱いが悪くないか?と遺憾の意。

 

 

七海建人

 

同じクソならより適性がある方をで、呪術界に復帰した人。

常識人枠の主人公と相性が良い。

お互い五条に苦労させられているので、よくサシ飲みしている。

そして高頻度で、寂しんぼな五条に乗り込まれるまでセット

 

 

 




酒が飲みたい。

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