楽×マリー『オネガイ』その後   作:高橋徹

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前回は、ジャブ1発目。

今回は、ジャブ2発目(やや強め)です。

次の話も数分後くらいに上げます。


第23話「サワカイ」

「みんな、いらっしゃい!」

千棘の明るい声に出迎えられ、楽・万里花小野寺は千棘の家へとやって来た。

鶫は既に中で準備をしているようだ。

 

「お邪魔しまーす!わー、やっぱり千棘ちゃんのお家ってすごいねー!」

小野寺が無邪気にはしゃぐ。

「…ふむふむ…ほう…へえ…?」

万里花は何やら意味深な頷きやらなにやらを繰り返している。

「…何やってんだ、橘?」

楽は訝しげに万里花に質問する。

それに対し万里花は小声で答える。

「…正直、桐崎さんの家にこれと言った興味は無いのですけれど、それでもせっかく出迎えてくれているので仏頂面は避けようかなと思いまして♪自然だったでしょう!」

万里花は自信満々に答える。

「いや…なんでそんな誇らしげなんだよ…ひたすらに怪しかったぞ…。」

楽は呆れ気味に答えた。

 

そんなこんなで始まった茶話会。

「さて、本日はお集まり頂きありがとうございます♪お家を提供して頂いたゴリ…ローランド…ローラさん、ありがとうございます♪」

「それ完全に違う人でしょ!?あんたどんだけ悪意を持って私に接するわけ!?」

のっけからいつものやりとりが始まる。

 

「まあまあ、お菓子でも食べましょう!たくさん用意しましたので!お嬢の好きなアッサムティーも今お淹れ致しますよ!」

鶫が仲裁に入り、用意した菓子とお茶を振る舞う。

「わーありがと、鶫!♪あ~美味しいわ~…♪」

千棘はあっと言う間に和んだ。

 

「あ、このビスケットおいしそう!」

「ええ、今朝屋敷の棚にあるのを見付けたのです。皆さんもぜひお食べください!」

そして皆で食べる。

これが後の悲劇に繋がるとは、そのときはまだ誰も知る由も無かった。

 

 

「橘さんっていつもは何をしてるの?」

小野寺がごく自然に色々な話題を切り出し、徐々に場の雰囲気が明るくなる。

最初は少し緊張気味だった皆も、だんだん身にまとう空気が柔らかくなって来ている。

 

そしてだいぶ盛り上がって来たところ、万里花が突然ぶっこみを始める。

「そう言えば…小野寺さんにお聞きしたいのですけど」

「ん?なあに?」

万里花がふと小野寺に切り出す。

「小野寺さんは…私の予想ではD寄りのCだと思っているのですが、合っていますか?」

ぶぼあああっっ

楽が飲んでいたお茶を派手に吹き出す。

「うおいいい万里…橘!!何急に変なこと聞いてんだよ!?」

小野寺が言葉を発するより先に、楽がツッコミを入れる。

「せっかくの機会ですしぜひ聞いてみたいと♪以前は聞きそびれましたし!」

耳まで真っ赤になり万里花と楽を交互にちらちらと見ながら、小野寺が口を開く。

「そそそそんなの…言える訳…

 

うん、Cだよ!」

 

「ん?」

「え?」

「…え」

「あら」

 

「…えええええええ!!!!???!?」

口に出した小野寺が一番びっくりしている。

「え、あれ、え!?ち、ちがうの一条君!あ、なんで私一条君に…!?いや、ちがうって言うか…その…」

尋常でない程混乱している。

「ちょちょちょ、小咲ちゃん、どうしたの?」

千棘も不思議がっている。無理もない。

ちなみに楽は顔を真っ赤にしたまま俯いている。

 

「…そうですか♪やはり私の予想は当たってましたわね!

では、桐崎さんはどうですか?私はDと予想しているのですが」

万里花は小野寺の異変をさして気にも留めず質問を続ける。

「は、はあ!?なんで私が答えなきゃ…

 

そうよ、Dよ!」

 

「ん?」

「え?」

「…え」

「あら」

 

「…えええええええ!!!!???!?」

同じ流れが繰り返される。

「いやいやいやいやなんで私今答えちゃったのっていやちがうの楽私そんないや何言い訳しようとしてんのよあたし…!?」

小野寺と同様のリアクションをとる千棘。

「お、お嬢、どうなさったのですか!?」

鶫は頭から目一杯のハテナマークを出しながら不思議がっている。

楽は俯いたまま、ぷるぷるしている。先日とは別の意味で。

 

「ふむふむ…私、冴えてますわね!それでは…鶫さん!」

「な!?なんだ橘万里花!私に何も聞くんじゃないぞ!」

この流れのせいで、鶫は万里花に対し最大級の警戒を払っている。

「それじゃ何のための茶話会か分かりませんわよ…。私が最も興味あるのは鶫さん、あなたなのです!以前はE以上というのが分かりましたが、…どうも最近のあなたを見ていると、それ以上の気がするのです。

私の予想では…今現在のあなたは…

 

G!!!」

「!!?」

楽が鼻血を吹いて倒れる。

「ばばばばば馬鹿を言うな!!そんなにあるわけ…!!

 

そうだ、Gだ!!」

 

「」

「」

「(ぶばばっ)」

「…むむむ。」

万里花以外は絶句した。ちなみに楽は倒れた状態で更に鼻血を吹き、血だるまになりながら壁際まで回転してぶつかった。

「わーーーーーー!!!!????!?!?なんで!!??なんで答えてしまうんだーーーーー!!!?」

 

3人続いて自分のサイズをあっさり答えてしまい、もはや室内は騒然としている。

楽は気絶し、万里花は鶫のサイズを聞いて考え込んでいるため、正確には3人が、だが。

 

そのとき、鶫の携帯が鳴った。

「!?こ、こんなときに誰から…く、クロード様?…まさか」

鶫はこれまで幾度となく経験したことを思い出し、不安が過ぎる。

「はい…もしもし」

「もしもし、誠士郎か?私だ。屋敷のどこかに置いてあるビスケットを知らないか?

あれはな、ビーハイブが開発した薬品で、話題に出たことや質問されたことに対して『口をすべらせてしまう』効果がある。自白剤として開発しているのだが、カモフラージュのため見た目にもこだわった結果、あまりに自然すぎて誰かが気付かずしまってしまったようなのだ。

効果はせいぜい1時間程度なのだが、知らずに大人数で食べようものなら、下手をすれば内部分裂の恐れもある程の危険性を秘めている。見付けたら私に知らせろ。間違っても食べたりなどせぬように。」

「…わ、わ、わかりました…」

鶫はほとんど白目をむいた状態で電話を切った。精神的ショックによりいつもの吐血もしているようである。

「…み、皆さんに、お話が…」

そして鶫が事情を説明し始めた。

 

「…へえ…あらあらまあまあ…懲りもせずによくも…」

珍しく、万里花の背後が火に包まれている。

「すみませんでしたーーーーーーーー!!!!!!」

以前のこともあり、鶫は反論0で即座に土下座をする。

「…全く、しょうがありませんわね。…でもちょうど良い機会ですわね♪鶫さんへの罰ゲームの意味を込めて、このままお話を続けましょうか♪」

「ちょっと!!私たちを置いて話を進めないでよ!!」

千棘が突っ込む。それはそうだと思う。あまりに危険な状態だからだ。

「今喋ったら…何を話しちゃうか分かんないんでしょ…!?」

「うう…ど、どうしよう…?」

「本当に申し訳ありません…」

「…」

話を聞く余裕はぎりぎりであるものの、楽はまだ倒れ込んだままで4人を見ている。

 

「さてさて…まあ、恋愛沙汰を聞くのは野暮でしょうから…」

万里花はそう言って3人を見る。

皆万里花と楽の方を見ずに必死で何のことか分からないような顔をしてとぼけているが、3人揃って演技が下手にも程があった。

「そうですわね~恋愛沙汰を除いた状態で、今この状態だから聞けること…

…下ネタですわね!」

ぶぼはっっっ

4人が同時に吹き出した。

「ちょ、ちょっと万里花!なんでもっとひどい方に話が行ってんのよ!!?」

千棘が全力で反論する。

「あら、じゃあ恋愛にします?」

「う…うう…そ、それは…」

恋心を露にしている万里花以外、地獄とも言える選択だった。

「あら皆さん、黙りこくってしまいましたわね…では行きますか♪」

万里花は何の遠慮も無く話を聞き出す。

 

「まずは…好きな男性の部位について答えて頂きましょうか!」

ぶぼはっっっ

またも吹き出す4人。

「何フェチかを聞きたいので、身体に限定しなくても良いですわよ♪さあどうぞ!」

「あ、あんたねえ…口うるさくてもなんだかんだ優しいところ」

「意外とがっしりしていてたくましい背中」

「頼りがいがあって安心出来る笑顔」

「「「わーーーーーー!!!!」」」

フェチと言うよりかはただの楽の好きなところを発表しただけの3人。鶫だけ一応身体のことを言っている。

「ふむふむ…(楽にだけ聞こえないように小声で)楽様の好きなところ、3人は以下の通り…っと」

「ちょっと万里花何メモしてんのよ!?」

「あ、これは今後の為に」

「怖いよ橘さん!!」

「たのむ、やめてくれー!!」

大混乱の3人。

 

「じゃ、次ですわね、これは付加疑問文で聞きます。皆さんは誰かとお付き合いしたことも無ければ、性体験もしたことがありませんわね?」

「「「うん」」」

「「「きゃーーーーー!!!!!」」」

3人揃って答え、3人揃って悲鳴を上げる。

「あんた何聞いてくれてんのよ!?シャレになんないわよちょっと!!」

「ああもう何で私がこんなことを…ってあれ、お嬢、後者はまだしも前者は…」

「え!!い、いや、ほ、ほら、あれよ、多分後者の質問に反応しちゃったのよ!」

「そ、そうだよ鶫さん!」

口がすべるわ疑問が過ぎるわフォローをするわでもうてんやわんやである。

 

「これはまあ簡単でしたわね。では最後は…皆さん、自分でする頻度はいかがなものなんでしょう?」

「「「えええええ!!!??」」」

「ちょっと万里花いい加減にしなさいよ!!…週1回」

「そうだぞ橘万里花!!…週3回」

「こ、こんな質問恥ずかしすぎるよお…週6回」

「「「!!!!!」」」

ぼしゅっぼしゅっぼしゅっ

湯気を吹き出し倒れる3人。

揃いも揃って、えげつないリアルな数字を口走った。

「あらあらまあまあ、皆さん倒れられてしまいました…毛布でもお掛けして、そろそろお開きに致しますか♪」

万里花は飄々として言った。部屋にあった毛布を掛け帰り支度をする。少し意外な優しさを見せた。

 

「楽さ…らっくん、帰りましょう?」

「…し、週6…だと…」

楽は小野寺が口にした衝撃の数字が脳裏に焼き付いたようだ。

「らっくーん…」

「週…6…」

「私なららっくんに触られた日も含めて毎日してますよ?」

「!?え!!っていうかあれ、どうしたんだ帰り支度なんかして?」

万里花の言葉が途中まで全く耳に届いていなかったようだ。

 

「ぷう…らっくんたら。3人ともすっかり寝込んでいますわ。今日はこれくらいにして帰りましょう?」

「あ、そ、そうなのか…分かった、3人とも大丈夫なら…帰るか。」

そして二人で帰路に着くことになった。

 

このとき楽は、2つのことをことに気付いていなかった。

1つ目は、今回の3人のカミングアウトを聞いたために翌日以降の命の危険性があること。

2つ目は、最後の小野寺の言葉に思い切り反応していたことに対し、万里花がものすごくすねていると言うこと。

 

 

続く。




小野寺はクイーンオブむっつりだと思いますのでこのような流れに。鶫も凶悪。

次回はエロです。マリーのターンがやって来ます。


それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!
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