俺の名は一条楽。なんだかんだで、今、マリーこと橘万里花にメロメロである。ざっくりにも程があるけどこんなところ。
しかし俺には元々小野寺という想い人がいた。少し前までは迷っていたけど、今はもう気持ちは固まってる。
既に日にちを決めたデートがあるので、そこでびしっと決めるつもりだ。
その万里花についてなんだが、最近俺が思い切り気を許してるのもあって、朝の挨拶のバリエーションが明らかに豊富になって来ている。今回はそれらをまとめて紹介してみたいと思う。
<ケース①いつもの突撃>
朝の教室。
「…そうなんだー!で、小野寺はそれ見てどう思ったんだ?」
「えっとね…」
がららっ
どどどどどっっっ
「 ら く さ ま ~ ~ ~ ! ! !」
がしいっっ
「うぼえっ!!?」
「きゃー!一条君!?」
「あら、いけませんわ、誰がこんなことを…。楽様、しっかりなさってくださいまし!!」
「…おまえだ…ろ…げふっ」
「一条くーん!!?しっかりしてー!!ば、バンソーコーバンソーコー!」
「お、小野寺…気持ちは嬉しいけど、これには効かないと思うんだ…」
―週1くらいで首が変な方向に曲がる。ギブスは友達だぜ…。―
<ケース②「らっくん」呼びで優しく>
再び、朝の教室。
「…んで、鶫がこの間弁当に持ってきてたあの煮物ってさ、どうやって作ったんだ?」
「ああ、あれはな…」
がららっ
すたすたすた
「おはようございます、らっくん…♪」
ぱふっっ
「うおっ!?…お、おお…」
不意打ちで楽の顔を自らの胸に埋める万里花。
「ぬあーーー!!!おい、一条楽、貴様何をデレデレしているのだー!!た、橘万里花もだぞ!!な、な、な、何という不埒なことを!!」
「あーら♪悔しかったら鶫さんもやってごらんなさいな♪うふふ…」
ぱふんっぱふんっ
「(…やばい、天国だこれ…誰からも攻撃が来なければ良いな…世界が平和だったら良いな…)」
気持ち良さのあまり思考が飛躍する楽。
「んな!!そ、そんなこと、で、で、出来る訳無いだろう!!?」
「あーら、何をおっしゃいますか…こーんな凶悪なものをお持ちのくせにー!」
がしっっ
「ほああーーーー!!!!???ばばばばか、何をするんだ貴様ああーーー!!!」
左手を鶫の胸に伸ばし、鷲掴みにする万里花。右手で楽の頭を包み込み、しっかりと顔は埋めたままである。
「…むう…また大きくなってますわね…むむむーん!」
優しく・荒々しく揉みしだき始める。
「ん…あふっ…こら…なんでおまえに触られなきゃ…!…んあう…こんな時間に…こんな場所…で…うああ…」
抵抗の言葉を上げながらも、徐々に声を上げ始める鶫。
「あら~?では、楽様に、夜、楽様の家で触られるのはいいんですね?」
「ほああ!!?ち、ちがうちがうちがーーー!!!そんなわ…け…んんんん…」
万里花の言葉に抵抗することもままならず、顔を真っ赤にしたままどんどん甘い声を上げ始める鶫。
「あらあら、楽様の名前を出したら興奮してしまったんですかね…?♪」
意地悪く微笑む万里花。
「楽様、一瞬だけ手を離しますね♪試しに…えい!」
「んあう!!?」
万里花は楽にそう言うと、今度は両手で鶫の胸を揉みしだく。
「んあ…こ、こら…やめ…お、お願い…んぐ…やめ…ひうう…♡」
もはや力での抵抗を諦めたのか、椅子に座り、両手で口を押え、必死に声を抑える鶫。
「ふふふふふ!なんか楽しくなってきちゃいましたわ♪♪」
万里花の目がエロイタズラモードになっている。
「んああ…も、ダメ…これ以上は…」
鶫の目が、完全に女の目になっている。
「(…手で押さえても、意外と声漏れるんだよな…あ、鶫あれもうじきイっちまうんじゃ…?)」
楽がそんなことを呑気に考えていると、万里花が楽の方に向き直る。
「んふふ…楽様、鶫さんのこっち、弄ってみます?今なら弄り放題ですよ?」
そう言って万里花は、鶫の股の部分を指差す。
「んなー!?」
「んぐー!!?こ、こら、そんなことさせる訳…!」
「えー?何か言いましたかー?」
「ひああんぐああああ…!!」
万里花はそう言うと、鶫の胸を揉む力を強める。
確認するが、まだこの3人しか居ないとは言え、ここは朝の教室である。やばい。
「楽様、どうしました?せっかくの機会なんですから♪」
「お、おまえ、せっかくの機会って…」
「ほーらほら、楽様がイカせるか私がイカせるか勝負ですよー♪」
万里花の悪ノリドSモードが止まらない。
鶫はもはや手を両脇の机に置いて、涙ぐんで口をぱくぱくさせている。
「あ…んあ…も…だ…め…」
鶫がイキかけた瞬間。
「こーらっ。…おまえにも同じことしてやろうか?」
楽が万里花の耳元で囁き、そっと息を吹きかけた。
「ひいんっ!…ふあ…♡」
万里花の背中にぞくぞくっと快感が走り、あっと言う間に膝から崩れ落ちる。
「あん…す、すみません鶫さん、悪ノリが過ぎましたわ…」
立ち上がるも膝をがくがくさせている万里花が謝る。
「…ん…あ…?」
もはや目も虚ろだった鶫は、何が起きたか分かっていなかった。
「まったく…鶫、大丈夫か…?」
楽はそう言い、鶫の頭をぽんぽんと撫でる。
「…んあ…?………!!!ふおあああああああああああああ私は何をおおおおおおおおおおおおお!!!???」
ばんっっ
ごっっ
「ぐおっ!?」
鶫が正気を取り乱し、急に立ち上がる。
鶫の頭部が楽の顎に見事にヒットし楽は悶絶している。
「うおおおお…」
「ち、ちがうんだ、これはその、な、ちがうんだ、…ちがうんだあああああああああああああああ………」
何が違うのかさっぱり分からないが、鶫は顔を真っ赤にして、叫び声を上げながらどこかに走り去って行った。
「…なんで俺、顎かち上げられたの…」
顎をさすりながら、涙目で楽は言った。
―セクハラもセットで。万里花は鶫の胸の生態(?)や秘密を暴こうとしているみたいだ。―
<ケース③千棘イジり>
三度、朝の教室。
「千棘、昨日のロードショー見た?」
「見た見た!ああいうアクションもの大好きなのよねー♡続きも見てみたいわー…」
がらがらっっ
「楽様、おはようございます♪おや、それと…ゴリラ・ゴリラ・ゴリ崎さん、おはようございます♪」
「なんでニシローランドゴリラの学名の方で読んで来てんのよあんた!?」
朝から万里花のボケと千棘のツッコミが冴え渡る。
「ああ、分かってはいても、楽様の隣にゴリゴリさんがいらっしゃるとテンションが下がってしまいますわ…楽様~、私に元気を分けてくださいまし~♪」
「うおっ!?こ、こら…!」
万里花はどさくさ紛れで楽に抱き付く。ちゃっかり座っている楽の太ももの上に座って。
「ゴリゴリさんって誰よ!?もはや原形無いじゃないのよ!!せめて崎を付けなさ…ってちがーう!!そこじゃなーい!!あんたうちのダーリンになんてことしてくれてんのよ!!」
ノリツッコミもこなして一人祭り状態の千棘。
「あらあら、一人でも賑やかですこと、まったく…。あら、この関係は便宜上でしょう? な ら ♡ 私がいくら楽様といちゃつこうが勝手ではありませんか、ねー、楽様ー♪」
「…!!」
万里花はそう言うと、更に密着度を高め、さりげなく楽の首に吸い付く。
「!!う、うう、ううう…!!…やーだー!!はーーなーーれーーろーー!!!」
どごすっっ
「おぶおっ!!?」
千棘の泣きながらの嫉妬パンチが、楽の右脇腹に突き刺さる。
「お…おぶふう…」
楽は一瞬で気絶した。
―千棘の攻撃、万里花も含めて他の人には決して被害を出さず、俺にだけ突き刺さるんだよな。何このヒットマンゴリ…おっと誰か来たようだ―
<ケース④楽の反撃パターン>
教室。まだ楽一人である。
がらららっ
「あ、らっくん!おはようござ…♪」
楽は万里花の言葉を遮って頭を撫でた。
「…おはよう」
穏やかに万里花に微笑む楽。
「…!!」
万里花は顔を真っ赤にする。
そして。
「…あ~~~れ~~~…」
目をくるくると回しながら、はらり、と倒れる万里花。
それを楽がとっさに受け止める。
「そんな古風な!?」
―反撃すると簡単に真っ赤になって照れるんだよな、万里花は。そこがまたかわい…おっと誰かが来たようだ 今度は二人かな?―
意外と長くなったから前後編に分けるよ!びっくりだね!
続く。
と言う訳で、単に長くなったので分けます()