楽×マリー『オネガイ』その後   作:高橋徹

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もう我慢できませんでした!!載せます!!


第41話「マンナカ」

二人は観覧車に乗り込んだ。

 

観覧車は、二人を乗せて、ゆっくり動き出す。

 

「はー、今日は色んなことがあったな…」

「そうですね♪」

「まさか千棘に鶫、小野寺まで偶然来るなんて…」

「(…まさか、あれで気付いてませんでしたの…?)…そんなところも素敵ですよ、らっくん♪」

「ん?何のことだ?」

状況が掴めていない楽を見て、万里花はくすりと笑った。

「かわいいお方…♪」

そう言うと、優しく微笑んだ。

「な、なんなんだよ…」

ふてくされたように顔を背けるが、楽の顔はほんのり赤く染まっていた。

「特にこの数ヶ月は、色々ありましたわね…」

「そうだな、まさか万里花とこんなに近付くとは…」

「うふふ♪」

他愛もない話をしていた。

 

しかし、やがて。

 

「「…」」

 

緊張で話が出来なかったり、気まずいことがある、と言う訳ではなかった。

この沈黙の理由はたった一つ。

 

本題に、いつ入るかを計っていたからだ。

 

沈黙の時間は、実際のところ数十秒だったのだが、その間、楽と万里花は互いに目まぐるしく思いを巡らせていた。

 

そして。

 

「「あ、あの…!」」

 

見事にかぶった。

意気込んで話を切り出したところでかぶったので、二人は少し、ふっ、と笑ってしまった。

「万里花から、先にどうぞ♪」

楽は穏やかな笑顔でそう言った。

「はい♪」

万里花は返事をした後、ほんの少しだけ間を置いて話し出す。

「私、らっくんに出会えて、本当に良かったです。本当に。

あなたと出会って一緒に過ごした日々、あなたとの再会を待ちわびて過ごした日々、そしてあなたと再会してからの日々、そしてあなたと濃密な時間を過ごすことが出来るようになった日々。

全部、宝物です。

本当に、ありがとうございます。

…こほん、不束者ですが…これからも、よろしくお願いしますね♪」

真剣な表情で語り、最後はいつものチャーミングな笑顔で締めた。

「…ありがとう、な。最後のはなんか新婚生活がスタートするときみたいだったぞ?」

「あ、たしかに…そうですね♪うふふ、私ったら…」

「…ああもう、本当にかわいいよ、万里花」

「もう!…はい、らっくん、どうぞ?♪」

 

「…ああ、俺、さ。今日、万里花にプレゼントがあるんだ(さあリアクションは…!?)」

「…え、ほ、本当ですか!?」

万里花は目をきらきらさせて喜んでいる。

実際、楽のプレゼントを用意しているだろうと勘付いてはいたのだが、それでも実際に言ってもらえると、こんなにも嬉しいんだと、万里花自身も驚いていた。

だから、これは、心からの喜びの声だった。

「やった、喜んでくれた♪それで、それが、ここに…ここに…あ、あれ?おかしいな…」

「ら、らっくん?」

話しながらカバンを手でまさぐるが、お目当てのものが見付からないのか、慌てだす楽。

「あ、ちょ、ちょっと待ってくれ!お、おかしいな、確かにこの中に…あ、下に落ちてないかな!?」

「あ、わ、私も探します!」

いつになく慌てる楽のテンパりが万里花にも伝染したのか、二人で慌てて椅子や床を探し出す。

そして、容易に予想出来る事態が起きた。

「あれ~…あ、ここかも…あっ」」

「あ、ここかもしれませんわ…あっ」

二人がバランスを崩し、すっこけてしまった。

気付くと、二人はお互いをかばうように抱き合っていた。

「「…ぷっ、あはははは!」」

二人は思わず笑い出してしまった。それも同時に。

「…あーおかし、ばかみたいだな…あ、あった…」

「え!?ど、どこにありましたの?」

「…カバンの、小さいポケットにしまってた…はは」

少しリラックスしたところで、すぐ見付けることが出来た。

 

「はー、ごめんな、慌ただしくて…」

「うふふ、いいですよ♪」

「よーし、じゃあ、万里花、…目を、閉じてくれるか?」

「え…な、何かやらしいことを…?」

「ここでその発想に飛ぶのかよ!…いや、いつもそういうことやってるから強く言えないけど!」

小ボケをかます万里花に、楽がいまいち締まらない語調でツッコむ。

「はーい、ごめんなさい♪…ん…」

てへっ、と笑った後、万里花は静かに目を閉じた。

 

「…左手を、前に出してほしい。」

「!…はい…」

「…」

「…」

「…目を、開けて?」

「…はい…」

 

万里花が目を開けると、万里花の左手薬指にはめられていたのは、

 

綺麗な、綺麗な、指輪だった。

 

「…あ…ふわ…はわわわわ…」

万里花の顔がみるみる赤くなり、落ち着きがなくなる。

そんな万里花を見つめて、楽は万里花の両腕を優しく、包むようにして握った。

 

そして。

 

 

 

「橘万里花さん。あなたのことが、大好きです。愛しています。だから、付き合ってください。…これじゃ足りないな。

ずーーーーーっと、僕のそばに、居てください。」

 

 

 

遂に、ついに、遂に、言った。

 

それは、楽がずっと伝えたかった言葉。

 

万里花が、ずっと待ち望んでいた言葉。

 

万里花は大粒の嬉し涙をぽろぽろと流しながら、答えた。

 

 

「はい。どうぞ、よろしくお願いします♪」

 

 

どう返事してもらえるかはわかっていた。

だけど、それでも。

楽にとって、万里花のこの言葉は、今までの人生で経験したことの無いくらい、嬉しいものだった。

 

「…うう…」

「?ら、らっくん、どうしましたの!?」

「…ううう…」

「た、大変、どうしましょう…本田、本田を呼ばなくては、ああ、早く係員の方にも知らせないと…!!」

「…うううう…」

「らっくん、らっくん、らっくん…死なないでくださいまし…」

 

「…」

「あら?」

楽が顔を上げた。

至って健康そうである。

万里花が戸惑っていると、楽が大きな、それは大きな、声を上げた。

 

 

「万里花ーーーーーー!!!!!!大好きだーーーーーー!!!!!!」

 

 

「きゃっ!」

そう言って、万里花に強く抱き付いた。

「あん、もう、らっくんったら…びっくりしちゃいましたわ♪」

「わ、わりい、あまりにも幸せすぎて…!!うおお、万里花、万里花~!!!」

そう言って、楽は幸せ一杯の顔で、万里花に頬ずりをした。

ここが観覧車の中という狭い空間でなかったら、恐らく万里花を抱き上げて、ぶんぶん回っていたところだろう。

「ら、らっくん~~~!!!もう…♪♪♪」

『もう』と言う言葉。万里花が言うととてもとてもかわいらしい言葉になるのだが…その中でも、今回のこの言葉の幸せ溢れるかわいらしさはもはや最強のものだった。

 

ひとしきり抱き合った後、二人はふと、静かになった。

「…もうじき、下に着いちまうな」

「…そうですね」

 

 

「…んっ…」

「…んんっ…」

 

 

二人は、初めて、唇同士での口付けを交わした。

お互い初めてと言うこともあり、多少なりのぎこちなさはあった。

しかし、そんなことは、二人にとってどうでも良いことであった。

 

「…ぷはっ」

「…ぷはーっ…♪…息の仕方、最初だとあまりわからないものですね♪」

「…マンナカ、ついにもらっちまったな。」

「…えへへ…はい…♪」

「あれ、万里花…それ…?」

「ふえ?…あ」

万里花は、笑顔のまま、涙を流していた。

と、それと同時に、今までため込んでいた思いを楽に告げ始めた。

「…あ、うう…わ、私、らっくんい振り向いてもらいたくて、今まで、ずっと、ずっと、ずっと頑張ってきました…。

けど…ずっと心のどこかで、らっくんの心には別の人がいて、このまま振り向いてもらえないんじゃないかと…お近付きになれてからもずっと不安で…でも、それでもらっくんが好きで…好きで…やっと…やっとらっくんに…振り向いて…もらえた…それが…嬉しく、て、う、うえ、うえええ…うれしいよおおおお…!」

万里花は言葉を終えると、わんわんと泣き始めた。

楽は万里花の言葉を聞いて、泣き姿を見て、胸がきゅっと締め付けられた。

 

再会するまでの10年間。

そして、出会ってからの1年間。

 

これらを思い出し、どうしようもないほど胸が痛んだ。

 

「…万里花…!!」

「ふあっ…?」

楽は、万里花の身体を、強く、優しく、抱きしめた。

 

「今まで、いっぱい、本当に、数え切れないくらい不安にさせちまってごめんな。

そんで、ありがとう。

これからは、全力で万里花の想いに応えるから。10年と1年の分を埋めても余るくらいに。だから…」

楽はそう言うと、もう一度、キスをした。

 

永い静寂が流れる。

 

「…ぷはっ」

「…ぷはっ…らっくん、らっくん、らっくん…」

万里花は泣きながら、楽にすり寄っていた。

幸せ一杯に笑いながら、ずっと泣いている。

それはまるで、今までの不安や焦り、嫉妬や寂しさを全部洗い流そうとしているかのようだった。

「らっくん…幸せばい…」

「俺もだよ…ずっと、一緒だからな…」

互いの言葉を言い終えると、二人は下に着くまで、優しく抱き合っていた。

 

この時間は、それぞれにとって、今までの人生の中で一番幸せなひとときだった。

 

 

下に着いて観覧車から降りると、楽は万里花と優しく手を繋いだ。

 

「さーて、これからは…おまえの今までの辛かった気持ち、ぜーんぶ溶かしてやるからな!

覚悟しとけよ!?♪」

笑いながら、楽は言った。

 

「…はい♪ありがとうございます♪」

 

 

その帰り道。

万里花はふと尋ねた。

「そう言えば、この指輪のお金のために、あんなに忙しそうにバイトしていたんですの?」

「そうだよ。ああ、忙しそうに見えたんじゃまだまだだぬっ!?」

楽の言葉の途中で、万里花が楽の鼻を摘まんだために、語尾が変なことになった。だぬ。

「もー!私がどれだけらっくんのこと見てると思ってるんですか!例え他の方が気付かなくても、私は全て!お見通しですよ♪」

「…ぷはっ。さ、流石です…」

「寝言で何を口走っているかもきちんと把握しておりますから♪」

「流石で…すっておいいいい!!!今さらっとすげえ怖くて恥ずかしいこと言ったな!!?」

「さあ、何のことでしょう?うふふ♪」

笑顔で何事もなかったかのように振る舞う万里花。恐るべし。

「…でも、どちらでバイトしてらしたんですか?誰もらっくんのことを見かけてませんでしたよ?」

「ああ、隣町まで行ってたんだよ。うちの組のもんがやってる飲食店があってな。」

「…小野寺さんの家のお店でバイトしてもよかったのでは?」

ふと、万里花は意地悪な質問をしてみた。

「おいおい、そんな意地悪なこと言うなよ…。…小野寺の家に行っても、俺の気持ちはもう揺るがねえよ。

でも、おまえがそれを知ったらきっと傷付けちまう。だから、行かなかった。」

「…あ…そ、そうなんですね!あは、あはは…」

万里花はぽーっと、顔を赤らめて、慌ててそれをごまかそうと笑った。

「なんで赤くなってんだ?…それに、おまえにばれたら、驚きが半減しちまうと思ってな♪」

そう言って、万里花の頭をぽんぽんとなでる。

「…実は発言からばればれでしたなんて絶対言えませんわね…(そうだったんですね!全く気付きませんでしたから本当に驚きましたわ!)」

「んなーーー!!?万里花!本音と建て前が逆になってる!!」

「…あ」

小ボケをかます万里花。

「でも、気付いていても…いざ渡されると、ものすごく嬉しかったですよ♪それにまさか、指輪だなんて…♪♪♪」

「ま、まあな…。学生でも買えるもので、且つ俺が頑張ってぎりぎり手が届いて、そして何より万里花に似合うものを渡したかったから、何かと大変だったよ。」

「ふわああ…!…えいっ!」

「うおっ!?」

万里花が楽に抱き付く。

それは、いつも通りの光景だった。

「えへへへへ…しあわせばい…♪♡♪」

「…♪」

あまりにもしあわせいっぱいの万里花を見て、どうしようもない程に嬉しくて、顔が綻ぶ楽であった。

 

「万里花」

「?はーい?♪」

「好きだよ」

「ふわ…私も、大好きばい♡」

 

そんな、甘ったるいやりとりを、この日だけでも数えきれない程したのだった。

 

 

ここで、楽がもう一つ、大事なことを思い出した。

二人が晴れて恋人関係になった今日だからこそ、今晩だからこそ、やるべきこと。

 

「万里花」

「?なんですか?♪」

「今日さ、俺の部屋に泊まりに来ないか?」

「それはもう喜ん…で…ふえええ!!?」

 

恋人、と言う関係になって、部屋に呼ばれる。

 

そこで二人で何をするかなど、分かり切っていた。

 

「…来て、くれるよな?」

「…は、はい、行きます…。…んっんっ…んんっ!?ふむう…んむ…んああ…♡」

万里花の了承の言葉を聞くと、楽は万里花を抱き寄せ、再びキスをした。

しかし今度は、舌を口内に入れ、唾液の交換をし合う、いわゆるディープキスと呼ばれるものであった。

「…ぷはっ、はあ、はあ、はあ…んああ…」

万里花はとろんとした瞳で楽を見つめる。

口は半開きになって、とろけきっていた。

「…ぷはっ、はあ、はあ、はあ…明日が日曜で、良かったよ…」

そう言うと、万里花の肩を少しだけ、強く握った。

「んあ…は、はい…♡」

万里花は、もう、楽の言葉にあっさり服従するようになっていた。

 

 

こうして、二人は、今晩は、楽の部屋で一緒に過ごすことになった。

 

 

 

続く。

 

 




このタイトルは小説を書き始めたときからずっと決まっていて、執筆中小説の中にずっと埋もれたまま、細かいセリフや流れだけずっとちまちまと書いていました。


ああもうやっとですよ!!

楽!マリー!おめでとう!!しあわせになってね!!!

書いて日を空けてじっくり推敲…なんてのは出来ませんでした。うおお。


次話はもちろん、余裕で18禁です←【エロ】の方をお待ち頂ければと思います。
…あ、あっちは、まだ万里花&鶫のくだりを終えてないので、どっちが先かな…まあ気楽にお待ちください♪


今後はちょっとの間、このデートのときの『実はこんなことがありました』的な話や後日談、マリーとのラブラブシーン等をここなりR-18の方なりで書きまして、新展開に行きたいと思います!

新展開につきましては、終わり方は無い、と言うよりは、終わろうとして終わらないつもりです。

モチベーションは原作がどうなるかによっても変わるので(古味先生宜しくお願いします!!!!!)、もうしばらく(恐らく数ヶ月程度?)書いたら、それ以降は不定期更新、と言う形になるかもしれません。

なので(?)、もしお気に入り登録して頂く場合は本編とエロの両方を入れて頂くと、更新を見逃さずに読んで頂けるかと思います。ぜひ、よろしくお願い致します!


あ、あと、現在構想中なんですが、現在ジャンプSQで連載中のハーレムものの帝王と呼べるあの漫画の小説も同時進行で書いてみようかと考えています。ちゃんと読んでいなかったのですが、この小説を書き始めてからマンガやアニメを見たらはまりましたw

マリーと少し重なるところがある、あの子(と言うかモモ(伏せない←))を中心に、オリ主無しの原作沿いっぽい、ハーレムものを書いて行きます。
この小説と多分にかぶる要素はありますが、エロのアイディアは無限大なので←、もしそちらをお見かけになった際は、何卒宜しくお願い致します♪


今後もどうぞ、楽とマリーの二人をよろしくお願い致します!!


それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!
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