楽×マリー『オネガイ』その後   作:高橋徹

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マリーのターンです。


第50話「トロケテ」(3)

朝の時点で3人の麗しき女性からチョコを貰うと言う好成績を収めた楽であったが、結局無事に食べることが出来たのは鶫のチョコだけであった。

 

「うう…嬉しいけど、散々な目にあったな…結局、朝は万里花来なかったな。そういや去年も、準備で遅れたからって昼休みから来たんだっけな。…大丈夫かな…?」

4限の途中で、楽はそんなことをぼんやりと考えていた。

朝方に負ったダメージが、ようやく抜けて来た頃だった。

すると、ぶぶぶっ、とLINEの通知が鳴った。

「…?こんな時間に?」

先生にばれぬようこっそりと携帯の画面を見ると、送ってきたのは万里花であった。

「らっくん、お待たせしてしまい申し訳ありません。やっと準備が出来たので、昼休みは屋上にいらしてくださいね♪あなたの万里花より♡」

「(投げキッスのマーク×50)」

「(ぬあああ通知の音がああ…!!ばれる、ばれる…!!)」

「(…?あのバカ…何やってんのよ…?)」

一人慌てる楽を、横で千棘が不思議に思いながら見ていた。

 

 

そして昼休み。

「ったく…学校来てまず屋上に来るってのもどうかと思うぞ?」

「うふふー♪良いじゃあありませんか♪おはようございます、らっくん♪」

「ああ、おはよう」

チョコを作ってくれているとは分かっていつつも、連絡が来ない万里花のことをなんだかんだで心配していたと言うこともあり、楽はほっと安堵の表情を浮かべた。

「…ご心配、おかけしてしまいましたね。ごめんなさい…」

楽の表情の変化に気付き、万里花はしゅん、と落ち込む。

こんな些細な変化に気付いてくれるのかと、彼女のことがよりいっそう愛おしくなった。

「少し、な。顔が見れたからもう大丈夫だよ。万里花こそ、ありがとな。頑張ってくれてたんだろ?」

そう言って、頭をぽんぽんと撫でた。

「…はい♪」

万里花の顔に、明るさが戻った。

いつでも元気、とはいかない彼女の体調のことを、楽はずっと気遣ってくれている。

そのことが嬉しいと思うと同時に、万里花は楽に対して申し訳無いという後ろめたさがあった。

そのため、明るくなった表情にも、どこか影があった。

それに気付き、楽は自分の髪をくしゃくしゃと掻いた。

「…ああ、もう!」

「ふわっ…?」

万里花のことを優しく抱きしめた。

そして万里花の両肩を掴んで、真っ直ぐに見据えながら話し出した。

「おまえを選んだ時点で、おまえをずっと見守って、守り抜くって決めてんだ。これくらい朝飯前だよ。だから…気にすんな、って言っても気にするだろうから、もっと俺を頼って、甘えてくれ。…そのために、俺がいるんだから。」

どこまでも真っ直ぐな、本気の言葉だった。

「…は、はい…ありがとうございます、ありがとうございます…らっくん、愛してます…」

「俺もだよ…」

甘い甘い時間が、昼休みの屋上に流れた。

 

「…って言っても、今のこのやりとりの原因がチョコだってんだから、締まらねえ話だな…」

「ふふ、そうですね♪…はい、こちらです。」

万里花が差し出したのは、まるで高級店で買ってきたかのような、小箱に6つ入ったチョコだった。

「…え、これ、万里花が…作ったのか…?」

彼女のことだから、クオリティが高いものを仕上げて来るであろうことは容易に想像できたのだが、それにしても、楽の予想を遥かに上回るものであった。

「はい♪それはもう、らっくんのために丹精込めてお作りしました♪」

「すっげ…これ食べていいんだ…」

料理歴が長く、ある程度目が肥えている楽の目が、感動で光り輝いている。

「うふふ、もちろんですよ♪そう言って頂けて嬉しいです…。それでは一つ目をはい、あーん♪」

「あーん!」

珍しく、ノリノリで応じる楽。感動でテンションが上がったのだろうか。

「いかがですか?」

「…超うめえ…泣きそう…」

と、言いながら、既に楽は感動の涙をだばだばと流していた。

「良かったです♪らっくんに作るお料理やお菓子に対しての反応を見て、研究を重ねて来た甲斐がありましたわ♪」

「え、そんなことを…?」

「はい♪具に観察しておりました♪」

確かに、万里花は、特に恋人関係になってからだが、しょっちゅう楽に色々な料理やお菓子を作っていた。

毎回少しずつ味が変わり、しかもそれがただの気まぐれではなく、徐々に自分の好みのストライクゾーンに近付いていると言うことは、薄々勘づいてはいた。

しかし、ここまでしっかり研究していてくれているとは、夢にも思わなかった。

「…本当に、ありがとな。」

楽はたまらなくなったのか、万里花を再び抱きしめた。

「…♪♪…はい…♡」

楽の腕の中で、万里花は優しく微笑んだ。

 

「…こほん、さて、二つ目は…んっ…ふあい、ろーろ(はい、どーぞ)♡」

「んがっ!!?」

万里花は、チョコをぱくっと咥えると、上唇と下唇で挟んで、楽にすっと顔を近付けて、かすかに頬を赤らめて目を閉じた。

ぼごしゅううううう…

「屋上から何か煙出てないかー?」

「さー?気のせいじゃね?おい、ボールそっち行ったぞ!」

万里花のまさかの攻めに対して、楽が大量に吹き出した湯気を見て、グラウンドで遊んでいた生徒の何人かが気付き少しだけ気にしたのだが…いかんせん、一瞬の出来事だったのですぐに忘れた。

「(むう…流石にらっくんでもこれは恥ずかしいですかね…?)」

「(うおああああ…!!!かわいすぎるだろーーー!!!??!?こ、こ、ここで退いては…男がすたる…!!!恥ずかしいけど…よし!!!)」

「(仕方ないですわね…諦めましょ)んむっ!!?」

万里花が諦めかけていると、楽がすっ、と万里花と唇を重ね、チョコを唇の間から奪って行った。

「は、はわ、はわわわ…」

もうやめようと思った矢先の出来事だったのもあり、嬉しさと恥ずかしさとで万里花は顔を真っ赤っかにして慌てふためいている。

「(…あー、すっげえ恥ずかしかった…)…やっぱりうめえな、はは」

少しばかりぎこちない笑顔を見せた。

チョコの美味さよりも、今自分が応じた行為の恥ずかしさが勝っており、内心どきどきで体が硬直していた。

「はわ、はわわわ…ら、らっくんんん…」

万里花の目がハート型になったかと思うと、今度はとろんとした表情になった。

彼女と交わるとき、いつも彼女が見せる表情だった。

「(…あ、やっべ…スイッチ入れちまったかな…?)」

楽がそんな風に思った矢先。

万里花が3つ目のチョコを自らの口に入れると、今度は唇で挟むこともなく、口に入れたままにして、楽を押し倒した。

「うおっ!?お、おい、万里花…?」

万里花を見ると、うっとりした顔で息を荒げている。

「(あちゃー…これは完全にスイッチ入っちまったな…どうすっか)むぐっ!?」

楽が対応に困っていると、万里花が覆いかぶさるようにして唇を重ねて来た。

口の中で湿ったチョコを楽の口に入れると、楽に噛ませることもなく、自らの舌で楽の口の中を舐り回す。

万里花の舌の温度と、とめどなく流し込み続ける彼女の唾液とで、チョコは楽の口の中であっという間にどろどろになってしまった。

「(う、うおお…口の中でチョコが飲み物みてえに…ってか、やばい、これ、興奮しすぎて、思いっ切り勃っちまう…!!」」

抵抗も出来ないまま、気が付くと楽のモノはぱんぱんに怒張していた。

「んむ…んむう…ふむう…」

万里花は自分の胸を出来る限り楽の胸板に押し付けながら、身をよじらせる。

ズボン越しに隆起した楽のモノに、自らの陰部を下着の上から必死でこすりつける。

合計3枚の布が二人の肉体の間にあるとは言え、それでも十分な程に二人は快感を感じ、快楽を貪っていた。

ごくっ、ごくっと、楽がチョコと万里花の唾液を飲み干した後も、万里花は変わらず楽の口の中を貪り続ける。

恐らく、今どちらかの部屋に居たのなら、とっくに衣服を全て剥いでいた頃だろう。

 

10分程経つと、ようやく万里花の唇が楽の唇から離れた。

「はあ…はあ…らっくん、おいしい…?」

「!!!」

これだけ脳内を犯された後でこのセリフは、反則だった。

「…おまえがエロすぎて、味がわかんなかったよ」

今にも切れそうな理性の糸を何とか繋ぎ止めながら、何とか言葉を紡いだ。

「うふふ♪それじゃあ…残りのチョコも、そうしますか?♪」

「…マジか。」

楽の胸が高まる。

しかし。

「あ、でも、もうすぐ昼休みが…」

時計を確認すると、もう昼休みが終わる5分前になっていた。

「あら、大丈夫ですよ♪保冷剤を入れてますから、放課後くらいまでならちゃんともちますわ♡それでは放課後…また、ここに集合で♪」

そう言って万里花は少し舌をちろちろっと出して見せた。

それを見た瞬間、万里花の下着のすぐ下にある自らのモノが、激しく蠢いた。

「あら、元気ですこと♪うふふ…んっ」

茶化すように言った後、万里花は楽に優しく口付けをした。

「それでは、戻りましょう♪」

「あ、ああ…」

まだまだ顔が呆けたままの楽を見て万里花は微笑む。

そして二人は教室に戻った。

 

 

残りの授業中、楽は気が気でなかった。

先程の万里花の行為が、頭の中で何度も何度も再生される。

彼女の潤んだ瞳、切なそうな眉、紅潮した頬、柔らかい唇、ねちっこい舌遣い、どんどん激しくなる甘い息遣い…

「…いってえ…」

一つ一つを反芻する度、楽の股間は何度も怒張した。

ふと後ろの席にマリーに目をやると、その度にマリーはたおやかに微笑み、時折、舌をちろちろと出して見せた。

その度に、期待が高まってしまい、楽は内心気が狂いそうであった。

 

 

そして、何とか迎えた放課後。

楽が万里花の席を見ると、いつ移動したのか、既に教室から居なくなっていた。

しかし、楽はこれで良かったかもしれないと思った。

もし彼女が楽を焦らすようにもたもた動こうものなら、彼女の腕を無理やりにでも引っ張って連れて行ってしまいそうだったからだ。

「…屋上に行くか」

全力で駆け出しそうになるのを必死で抑えながら、屋上へ、自然に見える範囲の小走りで向かった。

 

屋上に着くと、そこには既に万里花が居た。

「…はあ…はあ…ま、万里花…は、早く…」

「(ああ…欲しがるらっくんがこんなにかわいいだなんて…さて、らっくんの理性が飛んじゃうくらい欲情させちゃいましょう…♪)はい、じゃあ始めましょう♪」

万里花の背筋を、ぞくぞくとした快感が走り抜けた。

並んで座った後、すぐに先ほどと同じ体勢になる。

「あーん…♪」

万里花がゆっくりと、楽に身体を重ねた。

濃厚な口付けが続く。

一度にかかる時間は、先程と同じ10分程。

一度行為を終えて離れる度、二人の口と口との間には、唾液が長い糸を引いた。

 

それを3回程繰り返したとき、ふと、万里花が楽を引き起こした。

「?なんで…?」

すっかり顔が呆けている楽は、ぼうっとしたまま万里花に質問する。

すると、万里花は楽にチョコを咥えさせた。

「今度は、私にもくださいまし…♡」

そう言って、万里花はぱかっと、上唇と下唇を離して舌を垂らして見せた。

その瞬間。

 

ぷちんっ

 

楽の頭の中で、理性の糸が切れる音が、これ以上無い程はっきりと聞こえた。

「…万里花…!!!」

「きゃんっ!?」

楽は口の中にチョコを入れたまま、万里花を乱暴に押し倒した。

そして、強引に唇と唇とを重ねる。

「ふむっ…んぐっ…んんっ…んむう…♡」

万里花は苦しそうな、しかし同時に甘ったるくもある声を漏らした。

「(い、いけない、まさからっくんがここまでけだものみたいになるんて…ああ、でも、すごく素敵…すごく…これ、良い…うあ…)」

万里花の表情が見る見るとろんとして行く。

 

チョコはものの数分で全て、楽の唾液と共に万里花の喉を通って行った。

楽の両手はずっと万里花の顔を押さえつけていて、身体は幾度となく彼女の身体にきつく押し付けた。そしてその度に、彼女はびくん、と激しく反応して体が波打った。

 

二人の唇と唇とが離れたのは、15分程経った頃。

万里花が苦しくなって離れようとすると、その度に楽は彼女の乳房を激しく揉みしだき、その度に彼女は逃げられない快感と呼吸の苦しさに悶え、背筋を反り返らせた。

離れ際、一際濃い唾液の糸が引いていた。

 

ごくん、と万里花が最後に唾液を飲み込む音がする。

 

放課後の屋上で二人に聞こえるのは、互いの荒い息遣いだけだった。

 

1分ほど見つめ合っていると、楽が徐々に正気を取り戻して来た。

しかし、万里花の方はと言うと…時間が経つにつれ、むしろ更に劣情を催し始めたようであった。

「ま、万里花…?」

楽が少し心配そうに呼びかけると、万里花は身体を起こし、楽に甘えるようにすり寄ってきた。

「らっくん…らっくん、らっくぅん…」

楽をじっと見つめたまま、上着を脱ぎ始めた。

それを見て、楽は慌てふためく。

「こ、こら!いくらなんでも…!」

「だめ…?らっくんのほしいの…だめ…?」

「んぐあ…!!!」

万里花のあまりの可愛さと色っぽさに、思わず鼻血を吹き出す楽。

「(い、今ここでやり始めたら、絶対誰かに見つかるまで止めらんねえ…ってか、見つかっても止められる気がしねえ…くそ、ここは…!)」

「ま、万里花、家でしよう!な?ここじゃ多分、取り返しがつかなくなるから…。」

「んあ…ふえ…?…あ…」

万里花の返答を待たずに、彼女の服を戻し、腕を引っ張る楽。

お互い、先程までの余韻で少しふらついていたが、楽は早く家に帰りたい一心で歩を進めた。

「そんなぁ…我慢できないよう…」

「(…興奮しすぎて死ぬ…)だ、だめだ。帰るぞ!」

万里花が紅潮した顔で甘ったるい声を上げたが、楽は死ぬ気で我慢した。

 

 

帰り道。

早足(と言っても、あくまで万里花が無理せず付いてこられるようきちんと配慮したペースだが)で進み続ける楽の手を、万里花はときおり撫で回すように触る。

その都度、楽はびくっ、と反応し、立ち止まって、笑顔で万里花の頭をくしゃっと撫でると、再び歩き出す、と言う流れを繰り返していた。

 

いつもなら楽の家で…と言う流れなのだが、今日は二人とも、どちらから言うともなく万里花の家に向かうという意思で一致した。

…恐らく、声を抑えることは出来ない、と踏んだのだろう。

 

そして、万里花の住む高級マンションに着いた。

最上階の万里花が住むフロアに向かってエレベーターで上がっているとき、二人の心臓はもはや爆発寸前にまで高鳴っていた。

 

「はやく…らっくん、はやく…はやく…」

「…っ」

楽の背中に顔をぴたりとくっつけて万里花が息を荒げて言う言葉は、楽の残り少ない理性を焼き切るのには十分だった。

そして、エレベーターが開き、二人は走るようにして万里花の部屋へ駆け込む。

 

今日は万里花の父はいない。

 

 

二人は、中に入ってドアを閉めた。

 

 

 

続く。




万里花とのシーンは気付くと文字数がえらいことになってますw

続きはエロの方で。今晩中に上げます。


それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!
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