お嬢さまが、ちびっ子可愛い悪役令嬢   作:デチャウ

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第五話 その七 ギフトお披露目会② プルンプルン決勝戦

決勝戦の幕が切って落とされました。

 

「ヒャー! お嬢さま、ゾウさんですよ!」

「胸だけじゃなくて、ギフトまで大きいとかなんか腹立ちますわね」

「メェェ!」

 

 西のオッパイ令嬢のギフト『ガネーシャ』は巨大なゾウさんです。ゴートマンの倍以上の大きさです。

 

 その上に、公爵令嬢が仁王立ちでプルンプルンしてます。

 

 アラジンパンツにヘソ出しでスパンコールの胸当てその上から透けるレースのベールをまとうアラビアンスタイル。だけど、手にはハンターライフル装備です。

 

 なんで、チャクラムとか円月刀とかのロマン武器じゃないのよ! プルンプルンを強調したいだけなのオッパイ令嬢め!

 

 なんか納得いかないけども試合開始です。

 

 巨体に怯む事なく、ゴートマンがお嬢さまを背に突進して行く。後ろ脚で立ち上がり山羊必殺の頭突き(ライアークラッシュ)の体勢に入った!

 

 それに呼応してガネーシャゾウさんが同じく後ろ脚でパオーンと立ち上がる。

 

 頭突き体勢のゴートマンの頭より上に前足が上がる。そのまま踏み潰そうと振り下ろす。

 

 ガッツン!!

 

 衝突音が会場に響いた。

 

 誰もが、踏み潰された思ったが、ゴートマンが四肢を踏ん張って前足をツノで受け止めてる。

 

客席から顔を背けるようにしてゴートマンがお嬢さまに小声で耳打ちする。

 

「おい、ヤベーぞ! 緩衝結界が効いてないぞ!」

 

「そんなことだとは思ったわ。そこは今兄さまが裏取りに行ってるはずよ。ゴートマンは、問題ある?」

 

「問題あるとしたら、この象を殺しちゃわないかだ。俺手加減とか下手だからな」

「そんなもの必要ないわよ、安全の為の緩衝結界を消したんだから、殺し合いがお望みなんでしょう。期待を裏切っちゃダメよ。ゴートマン」

 

「お嬢さまはおっかないね。なら任せた、それまで我慢してるからよろしく!」

 

プラムが、集音してくれておふたりの会話は聞こえますが戦闘狂すぎます。

 

 

 パオーン!

 

 ガネーシャゾウさんがゴートマンを前足で踏みつけた体勢のまま、今度は長い鼻をムチのようにしならせて騎乗しているお嬢さまをを狙って横薙ぎに振り回しです!

 

「お嬢さま!!」

 

 思わず叫んだけど、お嬢さまってばゴートマンの背中のツノの上でバク転決めて避けちゃった。

 

 その後も何度も襲ってくる鼻を、事もな気にヒョイヒョイと避ける。

 

 猿回し……いえ、素晴らしい体幹で避けてます。

 

「キー! 小癪な女ですわね。まあ、いいわ。ガネーシャ、少しその猿と遊んでなさい。わたしがあっちを仕留めるわ」

 

 ゾウさんの上でオッパイ令嬢がプルンとハンターライフルを構える。銃口がこちらを向く。

 

《戦闘モード起動:スーパー() ストロング() ソード()擬装ホログラム解除》

 

 ダーン!

 

 銃口が火を吹いた瞬間に自動予知が、刀を抜き放つ!

 

 リーン! とSSS独特の澄んだ鈴音の剣撃が響いて真っ二つに割れた銃弾がポトリと落ちた。

 

 うーん、なんでも切っちゃう愉快なSSSです。

 

 なるほど、お嬢さまがオッパイ令嬢を挑発した意味がわかりました。

 

 相手が本気で殺意向ければ、わたしが自動で防衛を始めるのを列車での野盗団の時に見てますものね。

 

「なによそれ、ありえないわ! これならどうよ!」

 

 オッパイ令嬢が続け様に、銃口を引く。

 

 反動でプルンプルンです。もはや銃撃音がプルンプルンです。

 

「何んですかそれ! 猟銃なのに連射できるとか反則でしょ!」

 

 わたしの抗議とは関係なく自動予知が銃弾の軌道を予測して迎撃を始める。

 

「ヒィィィィィ! 腕がちぎれる〜!」

 

 銃弾が当たるより先に腕取れちゃいますってくらいにSSSを振り回してます。

 

 ボトボトと落ちるライフル弾。

 

会場から、歓声が上がる。

 

「スゲー! 銃弾切りまくってる!」 「かっこいい!!」「猿がいる」

 

 ああーみなさまの歓声が気持ちいい!

 

 ちょっと調子乗って不必要なバク転やポーズを決めて弾丸をスッパスパでございます。

 

「あったまくるわね! 散弾モードにチェンジよ。蜂の巣のプルンプルンにしてやるわ」

 

「ぶっ! 流石に散弾は無理です! ヤバイです!」

 

 銃口がこちらを向く。

 

「ばーん!!」

「キャー!」

 

 ダーン!!

 

 銃口が明後日の方向を向いて放たれた。

 

「お嬢さま!!」

 

 オッパイ令嬢が銃を撃つ瞬間にお嬢さまが後ろから、耳元でばーんと大声を出して、さらにプルンプルンを後ろからガバっと鷲掴みです。

 

 みんなが、こっちに気を取られてる隙にゾウさんの鼻を登ってきたのですね。

 

 そういえば、さっきの声援に猿とか混じってましたものね。

 

「デカけりゃいいってもんじゃ無いのよ! 何よこんなプルンプルンさせちゃって、あてつけるのもいい加減しなさい!」

 

「何するのよ! イヤッ! 揉まないで!」

 

「あら、意外といい触り心地ですわね」

 

 プニプニ

 

「わたくしなんだか殿方の気持ちがわかった気がしますわ♡」

 

「イヤー! やめて! プニプニしないで、そこダメ、ダメですわ! もう降参、降参するからやめてー!!」

 

 お嬢さまが、プニプニをピタッとやめました。

 

 呆けてる、オッパイ令嬢の胸ぐらを掴んで引き上げて顔を近づける。

 

「降参なんて、求めて無いわよ。緩衝結界まで消して殺しにきたのはそちらでしょう」

 

 相手の生殺与奪奪い取った征服者の声

 

「お望み通り、殺し合いましょう。いいわよゴートマン」

 

「メェェ!」

 

 ゴートマンの額のツノがギュンと伸びて、ガネーシャゾウさんの足を突き刺してホールドする。

 

 そのまま頭をあげるとゾウの巨体が浮き上がる。

 

 パオーン!!

 

 悲痛な悲鳴をあげるが完全に浮かされてサーカスの逆立ちゾウさんです。

 

「では、失礼致しますわ」

 

 お嬢さまが、スカートではないけども優雅にカーテシーを決める。

 

 そのあと、ヒョイとバク転でジャンプしてゾウさんの背中を離れ巧みに暴れるゾウの鼻を飛び跳ねてゴートマンの背中に着地。

 

会場から、拍手と歓声が上がる。

 

「スッキリしましたわ。わたくしの我儘に付き合っていただき感謝ですわ。さあ、投げちゃえ! ゴートマン!!」

 

 ブンブンと首を振って頭の上のゾウさんを振り回す。充分に速度が乗ったところでホールドしてたツノが縮まる。

 

 ゾウの巨体が高々と宙を舞う。

 

「ルナリア、プルンプルンを受け止めなさい!」

 

「えーと、オーライ! オーライです」

 

 ドスン。

 

 落ちてくるプルンプルンを無事キャッチです。気絶してるだけみたいですね。良かった。

 

 そして後ろで、ものすごい衝撃が起こった。

 

 ガネーシャゾウさんが、落下した衝撃が会場を揺らした。

 

 パ、パオーン!!

 

 頭からは、落ちなかったが落下の衝撃で後ろ脚が、折れ曲がってる。

 

 苦痛の咆哮を上げながら前足で立ち上がろうと必死にもがいてる。

 

 でも後ろ脚だけじゃ無くて腰も折れてるのか上半身が変なところから起き上がってます。

 

 パオーン!!

 

「ガネーシャ……」

 

 西の公爵令嬢が目を覚ました。暴れるようにわたしの手から降りて、ガネーシャに駆け寄る。

 

「ガネーシャ! ガネーシャ!!」

 

 駆け寄ってガネーシャにしがみつく、苦し気なガネーシャがなんとか鼻先を動かして令嬢の手を触る。

 

「いやぁ! ガネーシャ!!」

 

 令嬢の絶叫が、会場に響きわたる。

 

 静まり返る会場。

 

「我が、妹よ。いつも加減が大切だと言っているだろ」

 

お嬢さまの横に次元ゲートが出現してスレイプニルとクエルク様が姿を現す。後ろには、リリィ様も乗ってます。

 

「まったく、やり過ぎだ。頼む、リリィ」

「はい、スレイプニルさん、降ろしてもらえますか」

「わかったのだー」

 

 スレイプニルの馬上から四本のマニピュレーターがリリィを優しく抱き上げて降ろす。

 

 リリィが、ガネーシャゾウさんに駆け寄る。

 

「ヒール!!」

 

優しく、白い光が天空から差し込んでガネーシャを包みこむ。

 

《医療用衛星『セカンドルーナ』より蘇生用ナノマシンの照射を確認。リリィ・レインは『セカンドルーナ』の管理権限者と推測されます》

 

(何それ?)

《過去文明により打ち上げられた。静止衛星軌道上にある医療用の全周監視衛星群の総称です》

 

 またプラムは難しい解説をするんだから、目の前の聖女の奇跡でいいじゃないのもう。

 

パオーン!

 

 ガネーシャゾウさんが、立ち上がる。

 

「ああー! ガネーシャ、よかった、よかったですわ!」

 

 西の公爵令嬢が泣きながらガネーシャにしがみついてる。

 

「あまり、ギフトに無茶させないでくださいね」

「聖女様、ありがとうございます」

 

 公爵令嬢がプルンプルンの感謝です。リリィさまも目が惹きつけられてらっしゃいます。

 

会場が、聖女の奇跡を讃える歓声に包まれました。

 

 マズイですね。お嬢さまがこのままでは、完全に悪役(ヒール)です。

 

 心配してお嬢さまの方を向く。

 

 しれっとゴートマンにもたれかかってつまんなそうに様子見してる。あくびまでしてるし。

 

リリィ様がヒールで賞賛を浴びる中、お嬢さまが悪役(ヒール)に落ちていくなんてね。

 

「妹よ、裏は取れたぞ。緩衝結界に細工したのは西の公爵の息がかかったものだった」

 

 お嬢さまが、ニヤリとした。もう、間違いなくヒールです。悪者です。

 

「まあ、なんて怖ろしい。危うく殺されるところでしたわ。でも、公爵自身が関わってたのなら小娘の出る幕ではないですわね。あとはお任せしてよろしいかしら、兄さま♡」

 

 クエルク様が、ふむって顔。

 

「そうだな。もっともだ。あとは、任せろ!」

 

 悪い顔の兄妹、クエルク様もやっぱりアーネストでした。

 

クエルク様が、聖女賞賛で盛り上がる会場の中心、リリィ様の元に向かった。

 

「リリィ、ご苦労だったな、感謝する」

「あっ、クエルク様! お役に立ててよかったです」

 

 リリィ様、目を輝かせて嬉しそうにクエルク様に駆け寄る。

 

クエルク様が、軽く頬に触れる。頬を赤らめて嬉しそうに腕に抱きつくリリィさま。

 

 もう、メロメロさんです。

 

「だが、すまぬ。少々そなたの意にそわぬ展開にするぞ」

「えっ? クエルク様……」

 

 

 クエルク様が、西の公爵令嬢とそのギフトガネーシャの横に立つ。

 

「西の公爵令嬢、妹が君のギフトにしたことを受け入れるかい?」

「受け入れられるわけないでしょう! わたしのガネーシャを蹂躙されたのよ!」

 

 クエルク様が、顎に手を当て思案する。

 

「ならば、君のギフトは聖女のおかげで無事復活したのだから、今ここで再戦してはどうかね?」

 

 オッパイ令嬢が青い顔をして首を横にプルンと振る。

 

「なるほど、負けは認めるが勝てないから、ただ恨めしいと思うわけだ」

 

「そうよ、勝てない相手に向かっていってどうするのよ! だからといって悔しいと思う気持ちは当たり前じゃない! それの何が悪いのよ!」

 

「力が有れば相手を蹂躙する。無ければただ我慢する。誠に人間らしい素直な考えだ」

 

クエルク様がしゃがみ込んで、西の公爵令嬢と目線を同じ高さにして、顔を覗きこむ。

 

「我が妹のギフトは、明確な殺意を受けなければ、刀を抜くことは無いのだよ」

「わたしは、ただ王太子殿下にすり寄るあのギフトが癪に触って……」

 

「それで、試合にかこつけて破壊を目論んだのか。緩衝結界まで消してバカなことをしたものだ。関わったものたちはすでに捕らえ公爵に指示されていた証拠も押さえある」

 

 オッパイ令嬢がプルンと体を震わせた。

 

「君がどこまで知っていたかは知らぬが、公爵自身にも関わらてはもはや学生同士の争いで済ませぬのだよ」

 

 温度の無い声が響く。

 

「我々は貴族だ。民を守り、名誉を重んじ、その誇りの為に殉ずる者なのだ」

 

  オッパイ令嬢が、クエルク様より目を逸らしうつむいた。もちろん、プルンとね。

 

「アーネストに刃を向けるものは、ただ排除するのみだ」

 

  ぞくっするほどの殺意。冷たい目にプルンプルン震える公爵令嬢。

 

 かっこ良く決めてるけど、クエルク様の目線がどうしてもプルンプルンにいっちゃってますよー!

 

「もうこれ以上見ちゃイヤです!」

 

 クエルク様が、リリィさまに手で目隠しされて狼狽えてる。

 

 まさに魔性のオッパイ!

 

「家は潰しても、潰すには惜しい逸材(オッパイ)だわ。第一潰れるのかしらあのプルンプルン? どう思うゴートマン」

「メェェェ!」

 

 お嬢さまは楽しそうですね。

 

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