所持デッキが敵役すぎて勘違いが止まらない   作:ライトニングのスーパーAI破壊ウイルス

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前回に引き続き沢山の評価と感想ありがとうございます!
デュエルで指摘された部分は時間を見つけて修正を行いますのでよろしくお願いします。


教団について紹介して貰うZE!!

 

(そういえばこのティエラ教団のこと全然知らないな)

 

そう思ったのは与えられた自室のベッドの上でカードの整理を行なっている時だった。俺の目の前には、星宮くんに渡した分を除いたストレージで買って来たカードたちが散乱している。どれも元の世界では強力で高価な、しかしこの世界ではイマイチ脚光を浴びていないカードたちである。

 

せっかくストレージから買って来たカードだが、『倶利伽羅天童』のカードはやはりデッキに入れない事にした。

使い所が限られてくるし、捲り札としてはイマイチな性能だ。断じて使えない訳ではないし、決まれば強力な効果なのだがやはりどうも微妙な使いにくさがある。リリースにしてはタイミングが遅いからかな?

見た目は可愛いし、レベル1炎属性ということで相性自体は悪くないのだがどうも使い所が難しい。これなら『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』をもう1枚入れるか、『ヴォルカニック・クイーン』を入れた方が使い易いだろう。まあこの世界において3000打点のラヴァゴと2500打点のクイーンは高級カードで手に入りそうにないが。

 

とりあえず散らばったカードをかき集めて束にするとテーブルの上に置いておく。自分のデッキと分けて混ざらないようにしたのでこれらのカードがデッキに入り込む事はないはずだ。

 

さて、カード整理も一段落したので俺はこの教団について知っていている人を探しに行こう。できれば話し易いウィンちゃんかクレアさんが良いな。他の人と話した事ないしチンピラみたいな人はなんか怖い。

 

というのも、俺は拾われて数日が経つというにも関わらず、ティエラ教団の幹部っぽい人たちの名前すら知らないのだ。知っている人といえばクレアさんとウィンちゃんくらいなもの。リーダーっぽい人の名前すら聞きそびれて分かってないのだ。

 

大問題である。

 

このままでは偶々部屋に2人きりになった時にお互い名前も知らずに「あ…ども…」みたいな気まずい雰囲気になってしまう。これは何としても避けたい。

 

「という事でウィンちゃん、このティエラ教団について教えてください!幹部の人たちの名前とか、ここの設備とか!目的とかは分かってるんで大丈夫なんですけど……」

 

たまたま廊下を歩いていたウィンちゃんを呼び止める。ちょうど近くにいてラッキーだった。

 

そう!このティエラ教団はギガスなる人物のばら撒いている悪い精霊の取り憑いた『闇のカード』を回収している組織のようなのだ。このギガスとかいう輩はおそらくこの世界の主人公であろう星宮くんの敵なので間違いなくこの教団は善側である。

やったぜ!白の結社的なカルト教団みたいとか思ってごめんなさい!

 

「分かった。御使様のためならなんでも説明する」

 

「助かるよ。じゃあ早速だけど幹部の人たちについて説明してくれないかな?俺はあの人たちの名前も知らないんだ」

 

「私も深くは知らない。簡単なことでよければ」

 

ウィンちゃんは相変わらずフードを深く被って表情が見えない。

だがそこまで悪いように思われていないように感じる。嫌われてないようで良かった。

 

「まずはリーダーの『カーネル』様。このティエラ教団の創設者で頂点。ペンデュラム召喚を操るデュエリスト。神を復活させてこの世界を浄化し楽園にすることが目的であるって言っている」

 

「あの屈強な男の人か……」

 

にしても世界を浄化ってラスボスみたいなこと言っているな。善側の組織って知らなかったら、普通に遊戯王アニメ2期辺りで出てくる学園を乗っ取るカルト教団かと思ってしまうところだった。

 

「次に教団の聖女である『クレア』。銀髪のシスターで穏やかな物腰をしてる。『教導』というEXデッキに対して有効的なデッキを使っている人」

 

「クレアさんね。あの人にはお世話になった」

 

あの人に拾って貰えたから何とかこの世界で生活できている。本当に幸運だったな。

 

「いつも黒スーツを着ている『先生』。本名は知らないけど、あれでも教師をやってるらしい。爬虫類族の使い手」

 

「騒がしい女の子が『メアリー』。そしてもう1人やさぐれているチンピラみたいな男の人が『黒鉄』。黒鉄ルインという名前で元プロデュエリストだったらしい」

 

「ふむふむ……。元プロデュエリストまで居るんだ」

 

「意外とデュエリストに層がいる。態度が悪いように見えてもあの男は強い」

 

そして最後がウィンちゃんということか。なるほどね。これで幹部の人たちの名前は分かったぞ。忘れないようにメモしておこう。

 

「じゃあ教えたから代わりに私の言う事を聞いてほしい」

 

「え?分かった」

 

「即答するんだ……。御使様、私とデュエルして欲しい。私はこの中で1番弱い。実際カードの回収率も低い。だから私を鍛えて欲しい」

 

ま、また俺が師匠になるの……?俺には師匠役は荷が重いって!

でもウィンちゃんには結構世話になってるし割と仲良いからな……。星宮くんにやったみたいにこっちでも頑張ってみるか。

 

「あんまり期待しないでね?俺だってそんな強い訳じゃないし」

 

「それは嘘。あなたはストア・ブレーカーをあっさり倒した。その強さは折り紙付き」

 

「あれは本当に偶々なんだよなぁ」

 

そんな事を話しながらこの教団内のデュエルスペースへと移動する。

お互い反対側のコートに立ちディスクを構えて相対する。最初は戸惑ったけど、この形式でのデュエルも慣れたものだな。デュエルディスクが漫画の中の産物だったのはもはや今は昔か。

 

「「デュエル!!」」

 

デュエルディスクが先攻をウィンちゃんと指し示す。

成る程、俺が今回は後攻か。インフェルノイドは元々後攻捲りテーマ。本来ならむしろ得意とする分野だが………。

 

「………」

 

ここに来てインフェルノイド最大にして最多の問題が遂に発生してしまった。

 

そう、完璧な手札(手札事故)である!!

 

(やばい……何も動けない。ある意味先攻じゃなくて助かった!)

 

鍛えて欲しいと頼んできた矢先でこれだよ。

これから弟子入りしようとしてる相手が手札事故で秒殺されたらあまりにもカッコ悪い。なんとかして次のドローで良いカードを引かなければ。

それ以前に『ガトリングオーガ』とかでワンターンキルゥされないと良いんだけど……。ライフ4000環境だと洒落にならない。

 

「私は『影依融合』を発動。手札の『シャドール・ヘッジホッグ』と『シャドール・リザード』を融合。堕ちし影が傀儡となりて暗き闇より現れる!融合召喚!『エルシャドール・ミドラーシュ』」

 

手札5枚→2枚

 

エルシャドール・ミドラーシュ ATK 2200

 

黒紫のハリネズミと蛇が渦に吸い込まれると、糸で繋がれた黒い龍とそれに乗った緑髪の女性の人形が現れる。人形は龍に騎乗したまま無表情でこちらを見下ろしてくる。

 

「うわっ!よりにもよって『ミドラーシュ』だと!」

 

「『ミドラーシュ』は効果で破壊されず、お互い1ターンに1度しか特殊召喚を許さない効果を持つ。そして融合召喚に使用した2枚の『シャドール』の効果を発動。『リザード』の効果でデッキから『シャドール・ファルコン』を墓地へ送る。『ヘッジホッグ』の効果でデッキから『シャドール』モンスター1枚を手札に加える。『シャドール・ハウンド』を手札に」

 

手札2枚→3枚

 

悪名高き『エルシャドール・ミドラーシュ』。

その召喚制限能力の厄介さにより多くのデュエリストから恐れられた融合モンスター。しかも『シャドール』というテーマが回収やサーチに秀でているテーマで、この『ミドラーシュ』は融合素材が緩く、かなりの高頻度で最初に召喚される上に一度倒した所で次のターンに再召喚されて妨害として蓋をされるということもしばしば。

『シャドール』が暴れ回っていた全盛期のみならず、その拡張性故に今でも別のデッキに混ぜ込まれて時々見ることがあるモンスターだ。

 

「さらに墓地へ送られた『ファルコン』の効果。このカードを裏側守備表示で特殊召喚する」

 

セットモンスター(シャドール・ファルコン)

 

「モンスターを裏側守備表示でセット。ターンエンド」

 

手札3枚→2枚

 

ウィン LP4000

手札 2

フィールド

エルシャドール・ミドラーシュ ATK 2200

セットモンスター(シャドール・ファルコン)

セットモンスター

魔法・罠

なし

 

「俺のターン…ドロー!!!」

 

頼む!なんか良いカード来てくれ!この際展開できそうなカードなら何でもいい!状況を打破してくれ!!

 

ドロォォォォォォ!!!!!!!!!

気持ちは映画で地面から『オベリスクの巨神兵』を引き抜いた海馬社長。気持ちだけは立派でも当然都合の良いカードを引ける訳もなく……。

 

手札5枚→6枚

 

『ぬははははっ!!妾参上!!喜びに咽び泣け!!』

 

「なにっ!?『倶利伽羅天童』だと!?こんなカードデッキに入れた覚えないんだけど!?」

 

来ちゃった♡とばかりに来られても困る。俺はお前なんてデッキに入れてないよ。

まさかウィンちゃんがデッキにカードを仕込む蟲野郎戦法を使ってきたなんてことはないだろうし……。

これはあれかな?間違ってカードを整理してる時に紛れ込んじゃったのかな。しかも今来られても微妙に使えないし困ったなぁ……。あとでちゃんとデッキから抜いておこう。

 

しかもマズイ事に『隣の芝刈り』や『名推理』、『モンスターゲート』は1枚も引けていないのでインフェルノイドを墓地へ送れない。『ダークフュージョン』や『煉獄の虚無』もないので融合して『イヴィル』に繋げることも出来ない。

 

詰んだか???

 

いやー……これどうするんだ?どうすれば良いんだ?

 

「………仕方ない。手札の『インフェルノイド』モンスターを1体除外して『インフェルノイド・アスタロス』を特殊召喚する」

 

手札6枚→4枚

 

インフェルノイド・アスタロス ATK 1800

 

手札からカードを2枚捕食することでフィールドに金属製の鋏を手にした小柄な悪魔が着地する。そして此方を見下ろす『ミドラーシュ』に呼応するように見つめ返す。

 

よりにもよって手札にいたのは1体のインフェルノイド素材で召喚できる『アスタロス』。攻撃力は全く足りてないし、効果も『ミドラーシュ』に対して有効ではない。こうなればもう無理矢理動いていくしか道が残されてない。

 

「バトルだ!『アスタロス』で『ミドラーシュ』へ攻撃!」

 

「何を考えているの?攻撃力は『ミドラーシュ』の方が上」

 

「……………使いたくないけど!速攻魔法『禁じられた一滴』。手札を1枚墓地へ送り相手モンスターの効果を無効にしてその攻撃力を半減させる。『ミドラーシュ』の攻撃力を半減させる!」

 

『おおいっ!?貴様ァァ!!なにをするだぁぁ!!!』

 

手札4→2

 

今のところ使い道が見つからないので手札の『倶利伽羅天童』を墓地へ送り効果を使用する。なんかやけに墓地に入りにくいんだけどこれ大丈夫か?なんかつっかえてるのかな?

 

『やめろ!叩くな!無理にねじ込むなっ!!やめろぉぉぉ!!!捨てられてしまったぁぁぁ!!!』

 

よし、上手く入らない時は叩いて強引にねじ込む。これに限る。

これで『禁じられた一滴』の発動条件が達成され、空に浮かび上がった悪辣な顔をした堕天使の杯より堕とされた雫が『ミドラーシュ』に降り注ぐ。

 

雫を受けた『ミドラーシュ』は無表情のまま、力を失ったかのように色を失いその場で崩れ落ちる。

その瞬間を見逃さず、『アスタロス』は力を失った『ミドラーシュ』を彼女の従える従僕ごと高速の刺突で貫いた。

 

エルシャドール・ミドラーシュ ATK 2200→1100

 

インフェルノイド・アスタロス ATK 1800

 

ウィン LP 4000→3300

 

「うぐぅ……。『ミドラーシュ』が墓地へ送られたことで墓地の『影依融合』を回収する」

 

手札 2枚→3枚

 

格上のモンスターを倒した達成感を乗せたドヤ顔で振り返る『アスタロス』を他所に、倒れた『ミドラーシュ』の体から1枚のカードが出現してウィンちゃんの手札に吸い込まれて行く。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

手札2枚→1枚

 

LP 4000

手札 1枚

フィールド

インフェルノイド・アスタロス ATK 1800

魔法・罠

伏せカード 1枚

 

「私のターン、ドロー」

 

手札3枚→4枚

 

静かにカードをデッキから引いたウィンちゃんは、人形のように感情の読めない顔で手札からカードを選び取る。

 

「まずは2体のモンスターをリバース。『シャドール・ファルコン』と『シャドール・ハウンド』。『ハウンド』の効果で墓地から『シャドール・ヘッジホッグ』を手札に加え、『ファルコン』の効果で墓地から『シャドール・リザード』を裏守備で特殊召喚する」

 

手札4枚→5枚

 

裏守備モンスター(シャドール・リザード)

 

シャドール・ハウンド ATK 1600

 

シャドール・ファルコン ATK 600

 

「『幻惑の巻物』を『ファルコン』に装備。これにより『ファルコン』は私が宣言した属性になる。私は光属性を宣言」

 

シャドール・ファルコン 闇→光

 

手札5枚→4枚

 

巻物を背中に背負った鳥型の人形は心なしか発光し始める。

元闇属性にあるまじきピカピカ具合に『シャドール・ハウンド』は静かに距離を取った。陰の者には光の世界はキツすぎるのだ。

 

「『影依融合』。光属性となった『シャドール・ファルコン』と手札の『シャドール・ヘッジホッグ』で融合を行う」

 

手札4枚→2枚

 

「光属性のシャドール融合…!あいつか!!」

 

「深き影より現れ出でよ、我が傀儡の巨人。融合召喚!『エルシャドール・ネフィリム』」

 

エルシャドール・ネフィリム ATK 2800

 

光属性となった『ファルコン』と回収されていた『ヘッジホッグ』が再び影の渦へと吸い込まれて行く。現れたのは神の力を探す人形ではなく、『シャドール』を統括する巨大な人形。その大きさは先程の『ミドラーシュ』とは比較にならない。ただその場にいるだけで桁違いの威圧感を与えている。

 

「デカすぎんだろ……」

 

『ネフィリム』の影で辺りが暗くなる程の巨体を見上げて思わず呟く。

カードイラスト的に巨大モンスターであることは知っていたが、これは流石に想定外だ。ソリッドビジョンで展開されるとここまでの威圧感があるのか……。

 

「墓地へ送られたことで『シャドール・ヘッジホッグ』の効果発動。デッキから『シャドール・ビースト』を手札に加える。そして『エルシャドール・ネフィリム』の効果でデッキから『シャドール・ドラゴン』を墓地へ送る」

 

手札2枚→3枚

 

「『シャドール・ドラゴン』の効果。墓地へ送られたことでフィールドの魔法・罠カードを1枚破壊する。その伏せカードを破壊」

 

「くっ!現状条件満たせなくて使えないので次のターンなんか良い感じに引けたら良いなと思って伏せてたブラフカードの『煉獄の狂宴』が!!」

 

『ネフィリム』の体から伸ばされた糸に『シャドール・ドラゴン』が接続される。『シャドール・ドラゴン』は操られるがままに俺の伏せカードに特攻を仕掛け、その肉体ごと伏せカードを焼き払った。

燃え尽きた『ドラゴン』の人形は糸ごと切り離してパージされる。

 

「バトル。『エルシャドール・ネフィリム』で『インフェルノイド・アスタロス』に攻撃。『ネフィリム』は特殊召喚されたモンスターとバトルする時、そのモンスターを破壊する。影糸の洗礼!」

 

エルシャドール・ネフィリム ATK 2800

 

インフェルノイド・アスタロス ATK 1800

 

アスタロスの効果を使って墓地のシャドールカードを除外するとネフィリムとハウンドの攻撃で俺のライフは尽きてしまう。致し方がないがここはアスタロスを盾にしながら受けるしかない。

 

『ネフィリム』から伸ばされた紫色の糸が次々に悪魔の肉体を貫いて行く。『ネフィリム』は針山のように全身を刺し貫くと、無造作に手を振るい『アスタロス』の体を粉微塵に叩き砕いた。

 

「そして『シャドール・ハウンド』で直接攻撃」

 

シャドール・ハウンド ATK 1600

 

「うぐっ!!」

 

LP 4000→2400

 

そして『アスタロス』が消えた瞬間、間髪入れずに糸で操られた猟犬が飛び掛かり喉元を切り裂いていく。

実際のダメージはないとはいえ、リアルソリッドビジョンの衝撃が走る。これは中々の衝撃……。

 

「………そろそろ本気を出して欲しい。貴方が私程度に追い詰められるデュエリストじゃないことは知っている。貴方はその気になれば前のターンでワンターンキル出来たはず」

 

手札的に無理です。それにさっきからめっちゃ本気です。

どれだけ俺のこと買い被ってるんだよ……。

 

そしてウィンちゃんは、手札を1枚伏せるとそのままターンエンドを宣言する。

 

うーん……状況は良くないな……。

 

ウィン LP 3300

手札2枚(シャドール・ビースト)

フィールド

エルシャドール・ネフィリム ATK 2800

シャドール・ハウンド ATK 1600

裏守備モンスター(シャドール・リザード)

魔法・罠

伏せカード1枚

 

「俺のターン。最強デュエリストじゃないが気持ちはシャイニングドロー!!!!」

 

手札1枚→2枚

 

この世界に来てからおそらく史上最大級の気合いを入れてカードをドローする。頼む!!!なんでも良いからなんとかなるカード来てくれ!!!

 

そして引いたカードは『煉獄の虚無』。これなら動ける!!

 

とりあえず、シャドールどもの頭数を減らすところから始めよう。2枚目のミドラーシュとかを出されたら厄介だ。まあ炎属性を渡すのも良くないのだが……。まあ割り切って行動するしかない。

ノイド使いは兎に角、相手の布陣を突破する事のみを考えて動き続ける以外に答えはないのだ。

 

「なんとかなれっ!!『シャドール・ハウンド』と裏守備の『シャドール・リザード』をリリースして『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』を特殊召喚!このターン通常召喚できなくなるが、どのみち俺の手札に通常召喚できるモンスターなど居ない!!」

 

手札2枚→1枚

 

溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム ATK 3000

 

「わ、私のモンスターを!?でも『シャドール・ハウンド』と『シャドール・リザード』の効果を発動。『ハウンド』の効果で『ネフィリム』を守備表示に。そして『リザード』の効果でデッキから『影依の原核』を墓地へ送る」

 

「これは効果による墓地送りじゃない。召喚によるリリースだから『シャドール』の効果は発動しない」

 

「嘘……。でも『ネフィリム』を退けた方が効果的だったはず」

 

困惑したように叫ぶウィンちゃん。だがこれには理由がある。

 

「今さっき引いたカードのお陰でね。発動条件を満たす必要があったのさ。この『煉獄の虚無』のね」

 

手札2枚→1枚

 

「そのカードは融合召喚できる永続魔法。でも貴方の手札は1枚。融合召喚はできない」

 

「それはどうかな?君の『影依融合』と似た効果がこれにはある。『煉獄の虚無』は相手のみがEXデッキから呼び出したモンスターを有しているなら、このカードを墓地へ送ることで最大6体までデッキから墓地へ送り融合召喚を行うことができる」

 

「デッキ融合……」

 

目を見開いて驚愕する彼女の目の前で、俺のデッキから直接『インフェルノイド』の悪魔たちが6体出現して円形に空を舞う。

『インフェルノイド』が描いた魔法陣が地面に転写されると、悪魔たちは次々に地面に堕ちるように吸い込まれて行く。

 

「デッキ融合は『シャドール』だけの専売特許じゃないよ?俺はデッキから6種類のインフェルノイドを墓地へ送り融合召喚!現れろ!『インフェルノイド・ティエラ』!!」

 

インフェルノイド・ティエラ ATK 3400

 

6種類の『インフェルノイド』を喰らい、どことなく『リリス』に似た形状をした巨大な魔龍が『ネフィリム』と対峙する。その体の大きさは『ネフィリム』に勝るとも劣らない。

その尋常ではない風格を前にした『ネフィリム』は怯えたように後ずさる。

 

「この……カードは……!?『tierra』!?攻撃力3400の大型モンスター!!!」

 

「そう!ティエラだ!『インフェルノイド・ティエラ』は融合素材としたモンスターの種類により効果を得る!6種類を使用した場合の効果は、EXデッキから3枚カードを墓地へ送り、デッキトップから3枚墓地へ送る効果だ!」

 

魔龍が雄叫びを上げて大気を震わせると、その衝撃によりお互いのデッキとEXデッキから勝手にカードが吹き飛ばされて墓地へ送られる。

 

「私のEXデッキのカードはもうない」

 

「え、無いの?」

 

流石に驚愕してしまう。『ミドラーシュ』と『ネフィリム』が1枚ずつしかない『シャドール』ってあるのか?せめて『アプカローネ』はあると思っていたが……。

 

「私のEXデッキのカードは『ネフィリム』と『ミドラーシュ』のみ。デッキから墓地へ送られた『シャドール・ファルコン』の効果により『シャドール・ファルコン』を裏守備で特殊召喚する」

 

セットモンスター(シャドール・ファルコン)

 

「俺は墓地へ送られた『インフェルノイド・イヴィル』の効果発動!デッキから『煉獄の虚無』を手札に加えて発動する。これにより俺の『インフェルノイド』たちのレベルは1になるので追加モンスターを呼べるようになる」

 

手札1枚→0枚

 

『煉獄の虚無』の力により『インフェルノイド』たちのレベルは1となる。これにより、俺はフィールドの『ティエラ』を気にすることなく新たな『インフェルノイド』を呼べるようになった。

ただし、代償として『インフェルノイド』の戦闘ダメージは半分になるがそれは大した問題ではない。

 

「ならここで罠発動『堕ち影の蠢き』。デッキから『シャドール』モンスターである『影依の巫女エリアル』を墓地へ送り、『シャドール・ファルコン』を表側守備表示にする。そして墓地へ送られた『エリアル』の効果で貴方の墓地から3枚ゲームから除外する。貴方の『インフェルノイド・ネヘモス』を含む3枚の『インフェルノイド』カードを除外する」

 

発動された罠カードの力により、セット状態で姿が見えなかった鳥型の人形がひょこっと姿を現し、墓地へ送られた青髪の少女の姿をした『シャドール』の力により墓地のインフェルノイドたちが奪われて行く。

 

「姑息な真似を……。俺の墓地のインフェルノイドは、破壊された『インフェルノイド・アシュメダイ』と、融合素材に使った6体と、『ティエラ』の効果で墓地へ送ったEXデッキの3枚と、デッキトップから落ちた2枚の合計12枚。よって残りは9枚か」

 

墓地インフェルノイド 9枚

 

「そしてリバースした『シャドール・ファルコン』の効果発動。墓地から『シャドール・リザード』を裏側守備表示で特殊召喚。『リザード』にはモンスター破壊のリバース効果がある。迂闊には攻撃できないよ」

 

シャドール・ファルコン DEF 1400

 

セットモンスター (シャドール・リザード)

 

「さらに私のフィールドには攻撃力3000の『ラヴァ・ゴーレム』と守備モンスターが2体。そして『ネフィリム』は特殊召喚されたモンスターとの戦闘では無敵。墓地のインフェルノイドを削られた状態でこれを超える事ができる?」

 

溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム ATK 3000

 

エルシャドール・ネフィリム ATK 2800

 

シャドール・ファルコン DEF 1400

 

セットモンスター(シャドール・リザード)

 

「できるとはまだ断言はできない。墓地の『インフェルノイド』2枚を除外して墓地から『インフェルノイド・ベルフェゴル』を特殊召喚する」

 

墓地インフェルノイド 9→6

 

インフェルノイド・ベルフェゴル ATK 2400

 

試すような口振りのウィンちゃん。

だがもう既に伏せカードも割れた以上、不確定要素の最後の手札以外はなんとかなるはずだ。手札がもし妨害系のカードだったら?

 

その時は俺の負けだ。

 

ならば割り切ってデュエルを続ける他ない。

そんな覚悟に応えるように場に呼び出された『ベルフェゴル』はその拳を握りしめてやる気を激らせる。

 

「墓地から2枚の『インフェルノイド』モンスターを除外して『インフェルノイド・アシュメダイ』を特殊召喚する」

 

インフェルノイド・アシュメダイ ATK 2200

 

墓地インフェルノイド 6→3

 

さらにベルフェゴルの隣にこのデュエルで最初に呼び出された『インフェルノイド』である『アシュメダイ』が着地する。

 

「『アシュメダイ』と『ベルフェゴル』でリンク召喚!リンク2『炎魔刃フレイムタン』」

 

炎魔刃フレイムタン ATK 1400

 

墓地インフェルノイド 3→5

 

さらにその2体でリンク召喚を行う。

黒い悪魔から一転、炎を纏った白銀の騎士がEXモンスターゾーンに出現し『ネフィリム』に刃を向ける。

やる気あるところでごめん。お前は次のモンスターへの繋ぎなんだ。

 

「『フレイムタン』の効果で、『エリアル』により除外された『インフェルノイド・ヴァエル』を手札に加える。ただしこのモンスター名の効果をこのターン発動できない」

 

手札0→1枚

 

「墓地から2体の『インフェルノイド』を除外して『インフェルノイド・アシュメダイ』を特殊召喚する。そして『アシュメダイ』と『フレイムタン』でリンク召喚!召喚条件はリンクモンスターを含む効果モンスター2体以上!リンク3『アークロード・パラディオン』」

 

アークロード・パラディオン ATK 2000

 

墓地インフェルノイド 5→2→3

 

え!?俺じゃないんですか?という顔をした『フレイムタン』と、連続蘇生で心なしか息切れしているように見える『アシュメダイ』を素材として切り札となるモンスターを出現させる。

 

それは今までの黒い悪魔たちとはまるで異なる姿をしたモンスターだった。黄金の鎧に蛍光色の青のラインを体に刻んだケンタウロスのような人馬一体の騎士。

禍々しいインフェルノイドとは真逆の清廉な雰囲気を纏っている。

 

「さらに墓地から2体の『インフェルノイド』をゲームから除外して『インフェルノイド・ヴァエル』を特殊召喚する。これは効果の発動ではないので問題なく使用可能だ」

 

墓地インフェルノイド 2→1

 

インフェルノイド・ヴァエル ATK 2600

 

手札 1枚→0枚

 

人馬の騎士のリンク先に悪魔が現れる。

まるで全てを『アークロード・パラディオン』に任せるかのように恭しく跪くと、それと同様に別のリンク先にいる『インフェルノイド・ティエラ』もまた、全てを託すように『アークロード』へと力を流し込む。

 

そしてそれは相手フィールドに特殊召喚された『ラヴァ・ゴーレム』も例外ではなく、その力を吸い上げられて行く。

 

「『アークロード・パラディオン』の攻撃力はリンク先のモンスターの元々の攻撃力分加算される。よって『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』と『インフェルノイド・ヴァエル』、そして『インフェルノイド・ティエラ』の攻撃力が加算され、その攻撃力は……」

 

2000+3000+2600+3400=11000

 

「こ、攻撃力11000の『アークロード・パラディオン』だって……!?」

 

「他のモンスターは守備表示だが、俺が送りつけた『ラヴァ・ゴーレム』は攻撃表示!『アークロード・パラディオン』で『ラヴァ・ゴーレム』を攻撃!!」

 

アークロード・パラディオン ATK 11000

 

溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム ATK 3000

 

『アークロード』は独特の形状をした剣を振り上げると『ラヴァ・ゴーレム』、『ティエラ』、『ヴァエル』の力をそこに溜めていく。エネルギーがチャージされていくに比例してその剣はどんどん巨大化していく。

 

そして身の丈を超えるほどのエネルギーブレードを作り出すと、それを『ラヴァ・ゴーレム』へと振り下ろしてウィンちゃんごと一刀両断するのだった。

 

「きゃぁぁっ!!」

 

ウィン LP3300→0

 

 

辛くも勝利した事で、目の前で倒れたウィンちゃんを前にして思う。

 

これ本当に参考になる程に御大層なデュエルだったか?

 

俺このデュエルでやった事なんてないぞ???

手札事故を起こして動くに動けず、仕方がないのでアド損覚悟で強引に動かして、奇跡的になんとかトップ解決しただけなのだ。

 

デュエルを教えようとする男のデュエルか…?これが……?

こんなデュエルで何を学べるというのか。トップ解決の偉大さとか…?

 

そんな風に思い悩んでいると、ウィンちゃんがいつの間にか立ち上がって側まで近寄ってきていた。

 

「失礼な事を言ってごめんなさい。御使様はやっぱりちゃんと強かった」

 

「全部ラッキーでしかないんだよなぁ……。実力勝ちとかないし。ごめんね、あまり参考にならないデュエルで」

 

「御使様。貴方の視点から見て私のデュエルはどうだった?アドバイスとか欲しい」

 

「アドバイスねぇ……」

 

頭を掻きながら申し訳なさを込めて呟く。

しかし、ウィンちゃんは『シャドール』で俺は『インフェルノイド』。あまりのもデッキに違いがあり過ぎてアドバイスも何もないのだ。

これで同じデッキを使っているのなら話は分かるのだが……。

 

そもそも俺は純シャドールは使った事がないから使い方が分からない。

脱法パチンコ野郎のティアラメンツと混ぜて使った事はあるが、これはあくまでアクセントに使っただけだしな……。

 

「まずはEXデッキが貧弱すぎる点かな…。シャドールには色々な融合モンスターが居るはずだからそれらを入れた方がいいね。『アプカローネ』とかオススメ」

 

あ、しまった!この世界だとEXデッキのモンスターは高価なんだった!

そりゃカード集まらないわな……。まあ参考程度ということで……。

 

「『アプカローネ』…?持ってない……」

 

「まあレアカードだし仕方ないよね。他には……別のテーマを混ぜる……?そういえばストレージにアイツらが居たな…!」

 

しゅんとするウィンちゃんに少し待っていて欲しいと伝えて、一旦自室へ帰還する。そしてストレージのカードの束を持って彼女の元へ戻ってくる。

 

「お待たせ!これ多分使えると思う!」

 

「このカードが……?『ティアラメンツ・メイルゥ』…。攻撃力800守備力2000ということは防御専門のモンスター?これをセットして守備を固めれば良いんだね。こっちは『ティアラメンツ・ハゥフニス』と『ティアラメンツ・レイノハート』…。攻撃力1600と1500ならそれなり?」

 

俺が持ってきたのはステータスの低さ故にストレージに入っていた『ティアラメンツ』たち。残念ながらレベル4にしては攻撃力の比較的高い『ティアラメンツ・シェイレーン』と融合モンスターである『ティアラメンツ・キトカロス』、高レベルモンスターである『クシャトリラ・ティアラメンツ』はストレージではなくケースの中だった。ちなみにこの前のストア・ブレーカーが使用していた『ゴブリン突撃部隊』もまたショーケース組である。このレア度の落差よ。

 

高攻撃力や高レベルモンスターが環境カードと化しているこの世界においては、攻撃力600程度のモンスターはその効果も読まれず投げ売りされるレベル。『ハゥフニス』と『レイノハート』はショーケース組と比べれば安くシングル売りされていたのを、カードショップ巡りをしている最中に見つけておいたのだ。

インフェルノイドには使わないが、せっかくのパチンコ仲間なので購入しておいたカードたち。まさかこんな形で活かされようとは。

 

フルパワーには程遠いが、アクセント程度でもウィンちゃんのデッキの助けにはなるだろう。

 

「そいつらはアタッカーでも防御カードでもないよ。そいつらはカードを墓地へ送る効果と墓地へ行った時に融合召喚ができる効果があるんだ。最強カードの『ティアラメンツ・キトカロス』は足りてないけど、アクセント程度なら『シャドール』でも使えるはずだよ。というかその認識でよくシャドールのデッキ回せたね?」

 

「あのデッキは支給品のデッキだから……」

 

「支給品デッキとか生まれて初めて聞いたよ。オベリスクフォースの『古代の機械』みたいなものか…。なら頼めば他の融合モンスターもくれるんじゃ?」

 

ARC-Vのオベリスクフォースも画一的なデッキを使っていたし、そういえばセレナがシンクロ次元のセキュリティに支給品デッキ云々と言っていた気がする。ユーリも明日香に対して優等生デッキを見せびらかしてたから、こういう世界では支給品デッキは一般的なのだろうか。

 

「無理……。私は幹部の中でも1番成績が悪いから…。デッキも固有デッキじゃなくてまだ支給品を使ってるし…。正直、なぜ幹部に採用されたのか分かってない。成績が良くなれば望むカードを貰えるみたいだけど」

 

彼女はそんな悪い戦績を知られることを恥じるようにフードを深く被り直す。

正直、そこまでウィンちゃんが弱いとは思わなかった。

やはりネックなのはEXデッキの貧弱さ。これが解決されなければ戦績は上がらないだろう。だがデッキ強化の為にはカードを受け取る必要があり、それには戦績を上げなければならない。

 

無限ループかな?

 

「うーん……。なら成績が良くなれば良いんだよね。ウィンちゃんには色々世話になったしな……。恩返しだと思って手伝うよ。取り敢えず、まずはデッキのある程度の強化だよね。それがなきゃ勝てる物も勝てないし」

 

そう言ってストレージの束と一緒に纏めていたカードを1枚取り出す。

これは俺がこの世界に来て2番目に向いたパックで手に入れたカード。『インフェルノイド』では使い道がないが、『シャドール』なら……。

 

「ラッキーカード……でもないか。実際『超融合』ないと使いにくいし。でも『ティアラメンツ』がある分出しやすくはなってるけどね。まあ悪いカードじゃない。持っていて損はないよ。そもそも『超融合』って市販されてるのかな?進化系みたいな『超逸融合』は伝説のカードっぽいし入手は難しそうか」

 

「このカードは…『捕食植物ドラゴスタペリア』…!?高レベルの融合モンスターなんてすごいレアカード…。ありがとう。大切に使わせてもらう」

 

カードを受け取ったウィンちゃんは感動したように目を見開くと、両手で大事そうにカードを胸元に抱き抱える。

 

「今は出せたらラッキー程度に持っておいてね。『ティアラメンツ』と組み合わせれば墓地に行った『シャドール』融合モンスターの回収にも役立つし。細かい調整は一緒にやっていこう。あとは功績か。闇のカードの使い手ってそんなに世に氾濫してる物かな…」

 

「そういえば、近々大規模な大会がある。そこで伝説のレアカードが賞品に掛けられるらしい。もしかしたら、そのカードに釣られて精霊のカードの持ち主もやってくるかも」

 

そう言ってデュエルディスクを操作して大会の広告を画面に映し出す。

どうやら、参加者がお互いのカードと最初に配布されるスターカードを賭けながら、優勝商品の伝説のカードである氷結界の三龍を巡って戦う大会のようだ。スターカードが7枚揃うと本戦出場決定らしい。

 

成る程つまりバトルシティだな!

 

詳しく内容を読むと、『氷結界の龍トリシューラ』が本命の優勝商品であり、大会の参加者には『氷結界の龍グングニール』や『氷結界の龍ブリューナク』を持った運営側のデュエリストが参加していて、そのデュエリストに勝つことで『氷結界の龍』のカードを手に入れることができるらしい。

 

最強デュエリストの称号と神の如き力を持った龍のカードを手に入れろ!!との煽り文も付いている。

 

……これ『グングニール』とか手に入れた時点で持ち逃げするデュエリストとか居ないのだろうか?なんかガバそうな運営でちょっと心配になるな。

後日メルカリで持ち逃げされた『グングニール』だけ高値で売られてたら笑って良いのか泣いて良いのか分からない感情になる自信がある。

 

「へぇ…闇のカードの持ち主ってレアカードに釣られるんだ。そういえば星宮くんも犯罪行為をするようになる的なこと言ってたし、この世界だとそういう感じに出力されてもおかしくないのか」

 

「だからその大会に出場すれば……」

 

「回収できて評価も上がるということか。ならその大会、参加してみようか。俺が回収した分もウィンちゃんの物にしていいよ」

 

ただし、負けたらカードを1枚取られるというリスクがある。

これは普通にリスクあって嫌だな……。既に割と固まっている俺のデッキから何かカード持って行かれるのはちょっと困る。俺もシャドールの支給品デッキもらって、そっちから俺に勝った相手に渡そうかな……。

 

「なんで…そこまで?」

 

「色々助けてくれたしね。なんやかんやで関わりが深いと手助けしたくなるのは普通でしょ?」

 

「………ありがとう」

 

感謝を告げるその声は、今までの無感情な声色とは異なり、何処か嬉しそうな感情が乗っているような気がした。

 




御使くん
最近よくデュエルを教えてくれとせがまれる。
が、よりにもよってそのデュエルで盛大に事故っていた。ノイドとしてはモンスター呼べるだけまだマシな方で、低速環境だったから辛うじて助かった。
ストレージなどで集めたカードを惜しげなくウィンちゃんにあげる。
割と先生してるな。

ウィンちゃん
使っているデッキはシャドール。教団から一般信徒に配布される量産型の支給デッキ。この世界ではデッキとはデュエリストの魂なので、幹部に上がり自分の本来の魂のデッキを使えるようになることは皆の憧れである。
成績が悪いのに何故か幹部。
なんでだろうね?ヒントは背景ストーリーでのミドラーシュの役割。

倶利伽羅天童
勝手にデッキに潜り込んだら手札コストとして勝手に捨てられた。
この後デッキから外されるが、ネバーギブアップの精神で再びデッキに潜り込む。

カーネル
ティエラ教団のリーダー。屈強な男とはこの人。
使っているデッキはクリフォート。

クレア
ティエラ教団の聖女。一番最初に出てきた割には最近姿形も見えない。
一体どこでどんな風に暗躍しているのか。
使うデッキはドラグマ。

先生
ティエラ教団の年齢名前不明の黒スーツ。先生と呼ばれると気持ちよくなれるからそう読んでおくれ。
別に透き通る世界で生徒と過酷なデュエルをしている訳ではない。使うデッキは爬虫類連合。巳剣ワーム溟界レプティレスヴェノムゲーなんでもありのボス盛り盛りデッキ。

メアリー
ティエラ教団のメスガキ。
最初はキラーチューン使わせようと思っていたがデストーイに変更。

黒鉄ルイン
ティエラ教団のチンピラ。
これでも元プロデュエリストでティエラ教団最強を名乗っている。
使うデッキは闇属性機械族連合

デュエル大会
正式名称は『アイスバリア・チャンピオンシップ』。
通常IBC。
ルールは大体バトルシティ。歩き回って参加者とデュエルして7枚のスターカードを集めれば本戦出場。8人到達した時点で締切。
勝てばアンティールールでカードも貰っても良い。
優勝商品としてトリシューラのカードがあり、大会運営側の人物がグングニールとブリューナクを持って参加している。

この大会の本当の目的は、氷結界の三龍の力を狙っているギガスと彼に闇のカードを渡されたデュエリストを集めて一網打尽にするセキュリティと星宮くんたちの罠。普通の参加者は普通に参加できるが、闇のカードを使用するとマークされて星宮くんたちが撃破及び捕縛に向かう。
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