偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
まだまだ気候が安定せず、今日のお外はヤベー風が吹き荒れている。という理由だけではないが、部活体験も終盤ということで一番進んでる組は楽曲制作パートに突入だ。
そんなパートの担当は、ゲーム好きの延長でパソコンの操作に慣れている私、安養寺姫芽が勤めている。
「大仰に捉えると難しいから、簡単にテーマと縛りを付けようか」
テーマは・・・ドコドコドコドコドン、"会えて嬉しい"で楽曲の時間は5秒。
これ短いと思うかもしれないけど、なかなかどうして案外難しい。そして初めて楽曲製作ソフトを使うとしてもかなり遊べる時間だ。
「うちでは情報を共有しやすいようにどのユニットもこのソフト使ってるんだよ」
ラブライブ!運営をはじめとしてスクールアイドル後援団体はいくつもあり、楽曲製作ソフトは何種類も無料公開されている。ラブライブ!運営が公開しているのが一番老舗で過不足無い堅い作りになっているが、スクールアイドルコネクトを作っているところなんかのはニッチな機能まで付いているが容量をかなり圧迫する。どこかのスクールアイドル同好会がソフト同士の互換パッチを作ったりと正直無法地帯になっている。
「お、令沢ちゃんもしかしてマハラ好きだったり~?」
使い方を教えながら悪戦苦闘して楽曲製作している様子を見ていると、活発そうな青髪の子、令沢さんの使っている音に私のみらぱアンテナが反応した。
ユニット毎によく使いがちな音の種類があったりするのだけど中でも私の所属するユニット、みらくらぱーく!のマハラジャンボリーシリーズは特殊だ。アラビアの弦楽器とアラビア音階を使った渾身の意欲作となっている。
もしかしたら反応したのはみらぱアンテナではなくマハラアンテナなのかもしれない。
「雰囲気あって好きなんですよね、マハラって」
「なんか私達がやると真面目にやってても面白くなっちゃうんだよねぇ」
あの中毒性はクセになる。
重厚とも言えるサウンド、世界観。そしてパフォーマンスともなればるりめぐの絡みがーーーーーーこれ以上は自主規制。部活の運営に支障がでるので泣く泣く思考を中断する。帰ったらライブ映像を見直そう。
「自分の好きが表現出来てて良いよ~」
新入生による暫くの格闘の結果、各々の好みがふんだんに詰め込まれた力作が沢山この世に産み出された。
この日の部活の最後に"会えて嬉しい"という気持ちに包まれ、こちらこそ会いに来てくれてありがとうね、と暖かい気持ちになった。