偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
テスト前とあって街に繰り出す人はいつもの日曜日よりも少ないように思う。
中間テストの点数次第ではあるいは外出許可が下りなかった人もいるのかもしれない。
成績優秀、品行方正と隙のない私は事前に紙っぺら一枚出せばちゃんと許可をいただけるので今日も早くから行動開始だ。
スクールアイドルクラブのみんなにはWith×STATIONの動画をアップロードしにいくと伝えている。
With×STATIONの件で駅前に行く機会が増えたため西口にあるイタリアンのお店に行く機会も増えた。そこに行くのが楽しみの一つになっていると言っても過言ではない。
私も花も恥じらう女子高生の端くれ。外のお店に行きもするし、テスト前なら勉強の一つもする。
私はWith×STATIONの動画のアップロードと投稿予約を終えると金沢駅西口にあるイタリアンのお店に足を運んだ。
全国展開しているこのお店はリーズナブルながらその価格帯に不相応に美味しいので、所謂コスパというものを考えた場合このお店を超える場所はそうはないだろう。
午前の早い時間、というか開店してすぐなのでまだ人の入りも疎らだ。
関東を中心に朝メニューをやっている店舗もあるようだけどここではやっていないのが悔やまれる。
立地もあり昼前には混み始めるため1時間とちょっと程度だろうか。小腹を満たしつつ余裕のある科目の復習をするつもりだ。
先にも言ったが価格帯に不相応に美味しいので小腹で済まない時もあるのが困りものだ。
味付けが兎に角いいのだ。料理の方向性がどうなのか一口で示してくれる分かりやすさ。だというのに家庭で再現するには難しい纏まりの良さ。そして最後まで美味しいと感じさせる量。これにより、また食べたいと思わせる料理の完成度だけでなく商品としての完成度まで高い。
去年までの自分の過去と向き合う前の私ですら虜にしたお店だ。格が違うと言わざるを得ない。なにより、これが日本全国にあるというのだから恐ろしいまである。
これが近所だったらアルバイトの申し込みをしていたまであるだろう。
おや。さっそく一品届いたようだ。
制服のポロシャツが似合うお姉さんありがとう。
前菜代わりにソテーを頼むのだが、これが実に染みるのだ。しなしなになるまで火を通して独特の青臭さをバターとベーコンが掻き消している。これだけでライスを平らげられるだろうと思う。まぁまだお昼には早いのでライスは頼んでいないのだが。
結局この日、復習のために持ち込んだノートを開く事はなかった。